真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月

198 / 306
第百九十八話

大将が国元に戻るって事なので一刀、以下数名が護衛と国に戻ってからの仕事で同伴していた。

一刀は大将の付き添い。季衣や流琉は一時的な里帰り。香風、ねね、大河は子供故に気晴らしも必要だろうと同伴。真桜は先日の件もあり、城に戻り武器の開発に。因みに沙和は俺達に便乗して新作の服を買いに来た。

そして、俺はと言えば……

 

 

「街の経済と治安状態の確認ねぇ」

「一刀は私が連れていくから副長の貴方が確認なさい」

 

 

俺は荷台の上でゴロゴロしながら書類を確認していた。なんつーか、俺だけが純粋な仕事で来てる気がする。因みに、桂花達は蜀へ侵攻するための準備で来れなかったので久々に一人での行動となる。

 

 

「副長、ウチ等が居らんからって他の女に手ぇ出したら許さへんで」

「仕事だっての。そういや、西地区の方の開発状態も見てこなきゃだな……」

 

 

真桜の言葉に反論しつつ、呉へ行く前に西地区の開発状態を軽く視察していたので気になってたんだよな。

 

 

「純一も警備隊の副長としての自覚が出てきたみたいね。結構な事だわ」

「寧ろ、今まで何に思われていたのか気になりますな」

 

 

大将は少し満足気味に言うが今まで何に思われてたのかしら?

 

 

「副長は自爆してばかりなのー」

「人をボンバーマンみたいに言うな」

 

 

沙和の言葉に反論する。人を自爆魔みたいに言いやがって。

 

 

「俺はファイヤーストーム数発でやられたりはしないぞ」

「なんでロックマンの方のボンバーマンなんですか」

 

 

ロックマンのボンバーマンって、実は攻撃パターンを知っていれば弱点武器なしでも倒せる敵なんだよな。

 

 

「なんか、この手の話をしてる時の純一さんって何かしら企んでますよね。もしかして国元の武器屋になんか頼んでるんですか?」

「鋭くなったな一刀。ま、楽しみにしとけ」

 

 

ジト目で俺を見る一刀。今までの経験から俺が何かを準備している事を察したらしい。

 

 

「今、話したばかりだけど自爆は許さないわよ」

「武具ばかりじゃないんでご安心を。それと大将が一刀を悩殺する為の服も……あぶないっ!?」

 

 

俺の言葉を遮る様に大将の絶が飛んできた。咄嗟に避けたけど絶は俺が寝転んでいた位置に刺さってる。

 

 

「自分の総大将に再起不能にさせられるのは洒落になってませんな」

「あら、純一なら避けると信じたからよ」

 

 

俺の言葉にニコやかな笑みを浮かべているが明らかに刺す気だったよね、確実に。

 

 

「信頼が痛いね」

「信頼や信用には責任や痛みが伴うものなのよ。無責任な発言に対する鉛の様に重い責任を思い知りなさい」

 

 

俺は荷台に突き刺さった絶を引き抜いて大将に渡す。

 

 

「兎に角、私と一刀もやる事があるの。季衣達は里帰りなんだから他の事は純一に任せるわよ」

「はいはいっと」

 

 

大将の真面目な顔付きに俺は気持ちを切り替える事にした。さて、久し振りの洛陽だ。






『ボンバーマン』
ハドソンから発売されたゲームのシリーズ。ヘルメットを被ったキャラを操作して爆弾で壁を破壊したり、対戦相手を倒すゲーム。


『ボンバーマン(ロックマン)』
ロックマン(初代)のボス。人型で頭部のトサカが印象的なボス。ハイパーボムを投げて攻撃してくる。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。