先程の親衛隊VS血風連は引き分けってところかな……とりあえず大将にバレる前に鍛錬場の修繕を言っといたけど大丈夫だろうか……
「師匠……嫌な予感しかしないッスよ……」
「春蘭様と華雄さんじゃ破壊活動が進むだけなのでは……」
中々言うなキミ達……とは言うものの俺も同意見だが。まあ、華雄の方は大丈夫だろう。血風連も居るし……
「とりあえず華雄達は後だ。次は軍師達の様子を見に行かないとな」
そう……春蘭の動きを押さえたのは良いとしても桂花と栄華を押さえるのは厳しい。名目上として大将から会議を仰せつかったのだから今は会議室で会議をしている筈。議題は聞いちゃいないけど……とりあえず様子を見ようか、そっと扉を開いて……
「だから、私の方がアイツの事を大事にしてやれるのよ!」
「何処がよ!未だに素直に成りきれないくせに!」
会議室で桂花と詠が言い争ってた。うん……聞かなかった事にして静かに扉を閉めた俺は正しい。
「副長、ここはお話を聞くべきです」
「凪さんの言う通りッスよ」
「なんで、いつになく乗り気なんだよオメー等は!?」
そのまま退散しようと思ったのに凪と大河に止められた。
仕方ないので話を(盗み)聞く事に。
「この間、アイツって寝る時に私を抱き締めてたのよね」
「そうよね。膝枕をしてる時も寝ていても太股に手が来るし」
もうやめて!純一さんのライフは0よ!顔に手を添えると熱を感じる。確認しなくてもわかる。顔真っ赤だわ俺。凪と大河も顔を真っ赤にするくらいなら聞くのを止めなさい。
「まったく……予定外の所でダメージを受けたがこの様子なら軍師達も大丈夫だな」
少なくとも一刀と大将の邪魔にはなるまい。そう思った俺は立ち上がり、この場を後にしようとしたのだが……
「秋月!」
「うおっと!春蘭!?」
廊下の向こう側から猛ダッシュをしてきた春蘭に胸ぐらを捕まれ首を絞められた。
「貴様!華琳様と北郷は何処に居る!?」
「な、んで……知って……」
ギリギリと締め上げられるまま聞かれる。ふと春蘭が走ってきた廊下に視線が向くと、秋蘭と栄華が気まずそうにしていて、華雄がスマンとばかりに手を合わせていた。
なるほど、鍛練場の舗装をしていた春蘭だが、秋蘭か栄華か辺りから話を聞いたな。んで華雄は止めきれなかったって事か。
それはそーと……気が遠く……
「おい、聞いてるのか秋月!口から白い煙なんぞ出しとらんで話を聞け!」
「って、それは魂なのでは!?」
「止めんか馬鹿者!」
「姉者!秋月が死ぬぞ!」
流石にヤバイと判断したのか栄華が慌て、華雄と秋蘭が止めてくれた。この後、気絶した俺は医務室へと運ばれ一刀と大将が戻ってくるまで眠り続ける事となった。
俺が気絶した事で軍師達も事の次第に気付いたが、俺の看病を優先してくれたらしい。華雄は凪と大河を連れて親衛隊と血風連達と鍛練場の舗装を担当してくれた。
春蘭は『私は悪い事をしました』と書かれたプレートを首から下げて城門の前で正座していた。考案したのは桂花で、俺が気絶した原因である春蘭に無茶苦茶怒ったらしい。気持ちは嬉しい。
因みに大将からは「文字通り体を張って止めてくれたのね………ありがとう」と言われた。うん、洒落になっとらん。
まあ、一刀と大将が上手く結ばれたならそれで良いか。明日から二人とも弄ってみよう。