真・恋姫†無双 北郷警備隊副長   作:残月

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お待たせしました。
今回はかなり短め。


第百七十二話

 

 

 

一刀と大将のデート(その後も含めて)を成功させる為には明らかに邪魔をするであろう桂花、春蘭、栄華を押さえねばならない。と言いつつも既に対処はしてある。

 

春蘭は華雄と模擬戦をさせて、桂花と栄華は斗詩や風、稟、詠などと軍師組の会議に出席させる。これで邪魔をしそうな連中を一気に片をつける。

さて、ここまで仕込みをしたは良いが俺は全体の監督として各所を見て回らなければならない。

はて、何故俺は若者の恋を応援しようと思っただけで、こんな苦労をしているのだろうか。

そんな思いを抱きながら俺は警邏を終えると大河と凪を連れて華雄VS春蘭・血風連VS親衛隊の模擬戦見学に向かった。さて、どんな戦いを……

 

 

「遂に決着をつける時だな華雄!」

「ふ……今の私に敵は無い!」

 

 

春蘭の剣と華雄の斧が、つばぜり合いと刃合わせを繰り返し金属音が鳴り響く。どちらも非常にノリノリで戦ってる。ぶっちゃけ二人とも模擬戦である事を忘れて本気で戦ってる気がする。

 

 

「曹操様親衛隊の誇りに掛けて、新参者に負ける訳にはいかん!」

「「我等名前を血風連!振るう刃は相手を選ばず!退かねば血潮の海となる!!」」

 

 

 

親衛隊の一人が叫ぶと同時に血風連も全員が台詞を合わせて叫ぶ。うん、仕込んだ俺が言うのも何だけどリアルに血風連を見ると少し感動する。しかしまあ……春蘭率いる親衛隊相手に互角に戦う血風連を見ていると副長の尊厳が無くなっていく気がする。正直、俺よりも血風連の方が強いよね多分。

 

ガチバトルをしている春蘭なら、ほっといても大丈夫かな。むしろ此処で口出しをすると却って気付かれる可能性が出てくるし……軍師組の方を見に行くか。

 

 

「食らえ!秋月直伝、斬艦刀疾風怒涛!」

「ぬおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」

 

 

 

後ろから華雄の叫びと春蘭の悲鳴が聞こえたけど振り返っちゃいけない気がする。前に華雄に斬艦刀の話をしたけど、まさかそれで習得したのか?まあ、華雄の場合、斬艦斧になるか……

 

 

「副長、前に華琳様から華雄さんの手綱を握る様に言われたらしいですが……」

「言うな、正直……止めきれる気がしねーわ」

 

 

チラチラと背後を確認する凪。うん、見たいよね……って言うか被害の程を確認したくないけどしなきゃならない。とりあえず皆で荒れた鍛錬場直してね、お願いだから。

正直、今の華雄の相手にならんだろうな俺は。さっきも春蘭と普通にタイマンしてたし……普通に強くなりすぎじゃね?

 

俺はそんな事を思いながら俺は大河を連れて、軍師組の会議場所へと向かった。

 

 




『斬艦刀・疾風怒涛』
斬艦刀のモーションの一つ。相手の真上から振り下ろして切り裂く、一般的な剣技を流用した斬撃。

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