朝日の光が窓から差し込み俺は目を覚ます。体が心地好い疲れを残したままだ。と言うのも……
「すー……すー……」
隣で可愛らしい寝息を立てながら眠る詠が居るからだろう。詠って三つ編みを解くと雰囲気変わるよな。髪も長いんだし髪型変えると可愛いかもな。ポニーテールとかにしてみたい。なんて思いながら詠の髪に触れていたら詠が目を覚ました。
「お、おはよう……」
「ああ……おはよう」
恥ずかしがりながら布団で顔半分を隠してる詠。何気なく可愛いぞ詠。ポイント高いわ。
しかし……これで名実共に種馬か。一刀は割りと飛ばしてる感じだが……まあ、一刀は若いしな。逆に俺くらいの歳だとこう……色々と男女の関係の悩みがあるから踏み出せなかった訳だが、この時代の人達から見れば俺や一刀の方が違った考えをしてるんだよな。貴族や将軍は本妻の他にも側室とか居るのが普通みたいだし
その事を以前、大将に相談しようと思ったが普段から女を侍らせてる人に相談してもアカンかった。
「ね、ねぇ……秋月」
「ん、どうした……」
詠の声に振り替えれば詠は既に着替えを始めていた昨日プレゼントしたセーラー服ではなくメイド服へと着替えている。生着替えとは詠も大胆に……
「見るな、馬鹿!」
「……そっちが呼んだんだろ」
なんて事はなく枕が飛んできた。
「あ、ごめん……そ、その月になんて話せばいいかと思って……」
「あー……そうだよな」
詠が悩んでいたのは月の事だ。俺の自惚れじゃなければ月も俺の事を思ってくれている。前に頬にキスしてくれた時の事を思い出すと……じゃなくて。
月が詠を心配するように詠も月を心配する。そして月の気持ちに気づいていた詠は先に俺と関係を持ってしまった事を悩んだ。
「その責任は……俺が負わなきゃだよな」
俺は月や他の子達にも話をしなければと思い立ち上がった……その時だった。
「ぐ……あああああぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「ちょ、秋月!?」
俺は激しい激痛に教われた。立てなくなり両膝を着く。これは……この痛みは……
「大丈夫なのっ!?ねぇ、秋月!?」
「ぐ……か……はぁ……」
詠が心配して俺に駆け寄るが俺は返事をするのもツラい……これは……この体の芯から痛む……この痛みは……
「ちょっと、誰か来て!秋月が!?」
詠は自分ではどうにもならないと思ったのか廊下に出て声を張り上げる。良い判断だ、俺はもう……立てそうにない……
「秋っ……純一!」
俺がスローモーションに床に倒れるのを見た詠は俺の事を純一と呼び……俺はその場に倒れ込んだ。
「ぎっくり腰……ですか」
「みてーだな」
俺専用のベッドが完備された医務室で一刀の呆れたような呟きに答えた。
俺はベッドにうつ伏せで寝ていた。だって仰向けに寝てると痛いんだもの。ちなみにだがぎっくり腰の正しい体勢とは無いらしく本人と体と症状によって変えなければならないらしい。今回はうつ伏せが楽な体制なので、うつ伏せしてる。でも、うつ伏せだけだと腰に負担が掛かるので痛みが少し引いたら体勢変えないとな。
「まったく………心配させて」
「随分素直になりましたね桂花」
医務室で溜め息を吐く桂花に稟が珍しそうに呟く。うん、最近素直だからね猫耳軍師様は。
「それで……純一の体調はどうなの?」
「ふむ……普段の疲れが出たようですね。暫く安静にしていてください」
大将は俺の容態を軍医に聞いている。彼も最早、俺の専属とかしてるな。
「安静だと?そんな物はな……叩けば治る!」
「止めろ、何をする気だ!」
なにやら物騒なことを言った後に握り拳を振り上げた春蘭。そんな春蘭を華雄が真っ先に止めてくれた。
「まだ何もしていないだろうが!」
「何かしてからじゃ手遅れだ、たわけ!」
春蘭を羽交い締めにしたまま医務室を出ていく華雄。本当に最近、優秀な将軍だよな。互いに武器持ってない状態で春蘭を制圧できてるんだから。
「日頃の疲れね……昨晩が激しかっただけじゃないの?」
「っ!!?」
大将はチラリと詠を見ながら呟き、詠は目に見えて分かりやすく顔を一瞬で真っ赤にした。桂花の時といい見てたんじゃなかろうな覇王様。