ToLOVEる~氷炎の騎士~   作:カイナ

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第二十一話 デビルーク星第二、第三王女

「まぁったく! ナナ様もモモ様も!」

 

「あっはっはっは。まあ落ち着きなってボーナム」

 

どこかの宮殿の中と思われる場所、老人が声を荒げるとその横を歩く紅の髪の女性が豪快に笑いながら老人――ボーナムを落ち着かせる。それにボーナムは「ミーネ殿」と言って彼女を睨みつけた。

 

「この時代、王族の嗜みを覚えるのは淑女として当然! この平和な世の中、武力でなく学問こそ最重要! じいやはそう思い心を鬼にしてナナ様とモモ様をお育てしていたというのに!」

 

「ナナちゃん達も分かってるって。ただちょーっと暇潰しってやつよ。どうせ地球に行ってるって、大丈夫よちゃんと宇宙船の防衛システム確認したし自動走行も設定……」

 

女性――炎佐の母親、ミーネ――がそこまで言った瞬間ボーナムの目つきがギンッと鋭くなり、ミーネは「やばっ」と呟いて口を押さえそっぽを向く。

 

「ミーネ殿、もしやあなたが糸を引いていたのではなかろうか?」

 

「あ、あははーなんのことかなー」

 

凄むボーナムに対しミーネは汗をだらだら流しつつそっぽを向いて棒読み気味に誤魔化しの言葉を吐いてひゅーひゅーと口笛を吹き始める。古い誤魔化し方にボーナムははぁとため息をついてこめかみに指をやった。

 

「もういいですぞ」

 

「あっはっはー」

 

ボーナムの言葉に流石に気まずくなったのかミーネは引きつった顔で笑っていた。

 

 

 

 

 

「……で、今あの二人は地球にいるってのは間違いないんだな? セシル」

 

「ああ。俺が任務に出る前にミーネとナナ様、モモ様がこそこそ宇宙船格納庫に向かうのを見かけてな……まさか家出のつもりだったとは……そして操舵記録を辿ってみたが」

 

デビルーク王城の謁見室。デビルーク現王ギド・ルシオン・デビルークはエンザの父親であるセシルとそう話し合っており、セシルはタブレット型の装置を取り出し、タップ。すると空中に鮮明な立体映像が展開、その中に映し出された一つの惑星から赤い矢印が飛び出すように出た後、くねくねといくつかの星を経由するように蛇行しながら動き、一つの青色が目立つ惑星に当たる。

 

「間違いなく地球だ」

 

「分かった。下がれ」

 

セシルの言葉にギドは頷くと玉座を操作、その横に透明な画面を映し出させる。

 

「ザスティン、聞こえるか? ナナとモモが宮殿から消えた……ああ。今地球にいるはずだ。見つけて連れ戻せ。ちっと手を焼くかもしれねえが……」

 

ギドは地球にいるララの護衛をしているザスティンに指示を出す。

 

「ギド、俺達も向かうか?」

 

「ザスティンだけで充分だろう。だがお前達も悪いな、ザスティン達が出払っている間、この王城の警護と兵士の教官役を任せて」

 

セシルの言葉にギドはそうとだけ返した後、ふとセシルにそう呼びかける。それにセシルはクールに笑い、「何を改まって」と僅かに笑う。

 

「給料はきっちりいただいているし。なにより俺達の仲だ、気にするな」

 

「……なら、遠慮なくこき使わせてもらう」

 

「ほう。まだ遠慮していたとは驚きだ……まあ、何かあったらすぐに言え」

 

セシルの言葉にギドはにししとあくどい笑みを見せて頬杖をつきながら言い、その言葉にセシルは皮肉っぽくそう返した後、そう言い残して謁見室を去っていった。

 

 

 

 

 

「ずるずる……」

 

さて地球、ここは氷崎家。炎佐の夕飯は野菜やチャーシューをふんだんにトッピングしたラーメン。炎佐は美味そうにそれをすすっていた。

 

ぴんぽ~ん♪

 

「ん?」

 

聞こえてくるチャイム音。炎佐は来客かなと食事を止め、今日キョー姉ぇ来るなんて言ってたかなぁとか思いながら玄関にかけていた鍵を開け、防犯用のチェーンロックをかけたままドアを開ける。

 

「はい?」

 

ドアを開けた先にいるのは、どこかこそこそしている様子のザスティン。しかしトレードマークの骸骨鎧を纏っており日本では既に不審者扱いの格好だ。彼はしっと口元に人差し指を当てており、その姿はまるで凶悪犯を密かに探している警察のようだ。

 

「エンザ、何も言わずにチェーンを外してくれ」

 

「あ? うん」

 

何がなんだか分からないが信頼のおけるザスティン相手だし、デダイヤルも手元にある為万一の事があってもすぐに戦闘体勢には入れる。炎佐はそこまで考え、自らの安全を自己確認した後、デダイヤルを左手に持ったまま、右手でチェーンを外す。直後ドアがばぁんと開け放たれた。

 

「探せ!!!」

 

ザスティンの号令で彼の部下であるブワッツとマウルが炎佐の家に侵入する。

 

「はぁ!? おいブワッツ、マウル!?」

 

炎佐が叫ぶが構うことなく二人は家の中を探し回る。

 

「隊長! どうやらいないようです!」

 

「そうか……」

 

ブワッツの報告を受け、ザスティンは腕組みをする。

 

「そうか……じゃねえだろうが!!!」

 

「げふっ!!??」

 

直後、ザスティンの背後に立っていたエンザがキレた様子でザスティンに蹴りを入れた。

それから炎佐がラーメンを食べ終えるまで三人は正座を強制させられ、彼はラーメンを食べ終えて丼を水につけてからザスティン達からの話を聞く。

 

「……プリンセス・ナナとプリンセス・モモがまた地球に?」

 

「はい。そしてその手引きをミーネ様がしたらしいという情報をセシル様から受けたとのことなので、もしやここにいるのかと……しかし、やはり……」

 

「リトの家だろうな……分かった。俺も行く」

 

正座状態のザスティンから(流石に気まずいのか敬語で)説明を受けた炎佐はため息をついてデダイヤルを取り出し、鎧姿に変身。全員エンザの家を出て、エンザが家の鍵をかけて鍵を落とさないようデダイヤルに転送した直後、四人の姿がその場から消え去った。正確にいうと、人の目に止まらない速さでリトの家目掛けて走り出した。

 

 

 

 

 

「ナナ様モモ様ぁ!!」

 

そしてリトの家に着き、鍵のかかっていない窓を見つけたのでそこからザスティン達が上がっていく。なおリトから「ちゃんと玄関から入れ!」というツッコミが飛ぶのを聞き流しつつ、エンザも窓からリトの家を覗き込む。

 

「うえ、エンザも来たのか!?」

「どうも、エンザさん」

 

「うわ、本当にいるよ……」

 

ぎょっとしているナナとにこっと笑顔を浮かべて挨拶するモモを見たエンザはそうぼやき、ため息をつく。

 

「聞いたところ、母さんが手引きしたらしいしな。責任持ってデビルーク星に送り返してやる。安心しろ、梱包材にくるんで段ボールに二人纏めて詰め込んで着払いで送ってやるから」

 

「わ、私ら荷物扱い!?」

「や、止むを得ません!」

 

ボキボキと拳を鳴らし始めたエンザを見たナナはぎょっとした様子を見せ、モモはくっと唸ってそう言うと懐から一個の球体のようなものを取り出す。

 

「宇宙CQC、冒涜的な手榴弾!!!」

 

「な!? やべえ!!」

 

掛け声と共にモモが投擲したのは小型パイナップル型の、どこからどう見ても普通に手榴弾。その掛け声の内容からエンザは知り合いである惑星保護機構職員の顔を思い出し、反射的にそっちに顔を向けると、ブリザド星人の能力を解放し、手榴弾を爆発する前に凍らせようとする。が、既に遅い。

 

「リト! 美柑ちゃん! 伏せろ!!」

 

「「え、え、え!?」」

 

血相を変えたエンザの叫び声にリトと美柑は状況が理解できず、フリーズ。エンザはくっと唸り、こうなれば自分が二人の盾になるとばかりに二人の前に立つ。そして手榴弾が爆発。

 

「ぶわっ!?」

 

だが発生したのは爆風ではなく何の変哲もない煙、一気に部屋中を覆うそれにエンザは怯み、リトや美柑はげほげほと咳き込む。

 

「今ですわ、ナナ!」

 

「お、おう、逃げるぞ!」

 

煙の中からどたどたと足音が聞こえてきた。そしてザスティン達が慌てて自分達が乗り込んできた窓を全開にし、煙が外に出て行った後、ナナとモモの姿は忽然と消え失せていた。

 

「煙玉だったか……油断した」

 

「なるほど。俺がニャル子と仲がよく、その宇宙CQCをある程度把握してる事を突かれたか……」

 

ザスティンが手榴弾――と見せかけた煙玉の破片を見ながら呟き、エンザはそう呟いた後、突如「フフフフフ……」と笑い出す。その黒いオーラに思わずリトと美柑もドン引きし、しかしリトが「え、炎佐?……」と尋ね声を出す。

 

「あんのクソモモ俺をコケにしやがって!!! ぜってぇとっ捕まえてやる!!!」

 

エンザは額に怒りマークをいくつもくっつけながら怒鳴り声をあげ、「オラ行くぞザスティン!!!」と怒鳴ってリトの家を出て行く。ザスティンも部下二人に「追うぞ!」と指示、大慌てでエンザを追いかける。

 

「……お、俺達も行こう! なんか、すっげー嫌な予感がする」

 

「うん……」

 

「エンザがあそこまで怒ってるの見るの久しぶりだなー」

 

リトと美柑も嫌な予感を感じ、いざとなれば友達として自分達が炎佐を止めようと覚悟を決め、ララは暢気にそんな事を呟いていた。

 

 

 

 

 

「は~。地球にはザスティンもいたことを忘れてたぜ……」

 

「最悪エンザさんに泣きつこうかと思いましたけど。多分捕まったら即お尻ぺんぺんでしょうね」

 

どこかの河川敷橋の下。そこに逃げ隠れたナナはため息をつき、モモは人差し指を頬を当てながらエンザの剣幕を思い出す。その言葉にナナがぎょっとした顔を見せてさっとお尻を守るように手をやる。

 

「や、やだよ! あいつ手加減とかしねえんだもん!?」

 

「はぁ……ナナが家出しようなんて言うからこんな事に……」

 

経験があるのかぶんぶんと首を横に振ってお尻ペンペンを拒否するナナに対しモモははぁとため息をついてそう呟く。それにナナは目を吊り上げて「はぁ!?」と声を荒げた。

 

「な、なに言ってんだよ!? モモだって賛成しただろっ!?」

 

「それはその場の流れというもので……」

 

ナナの言葉にモモがそう返すとナナは「いっつもモモはいい子ぶるんだから、ずるいよな」と悪態をつく。

 

「ま、いつも優秀な双子の私と比べられてひがむのは分かるけどさ!」

 

その次にアハハと笑いながら続けるナナ。それに対しモモの額にピキッと青筋が浮かび、モモはナナが笑っている隙に彼女の尻尾を握った。

 

「言いたいことはそれだけ? ねえ、それだけ?」

 

「ふぁ、あっ!? ンッ!? し、尻尾は反則……」

 

デビルーク女子の弱点である尻尾をいじられたナナは腰砕けになり、しかし負けてなるものかと彼女もモモの尻尾をいじり始める。

 

「見つけましたぞ、お二人とも!!」

 

「テメエら。大人しく諦めてくれれば今なら拳骨で済ませてやるぞ?」

 

そこに二人を見つけたザスティン達が乱入。ザスティンの横ではまだ黒々としたオーラを放つエンザがボキボキと拳を鳴らしていた。

 

「行くぞ、エンザ。お二人の特技、動物や植物と心を通わせるメルヘンチックな能力……それもこの場においてはなんの役にも立つまい」

 

ザスティンとエンザがじりじりとナナ、モモとの距離を詰める。成年男性及び青年男子――しかも鎧装着――が小さな女の子に迫るという、見る人が見れば事案発生も辞さない光景だが、それに対しナナは突如ふっと笑う。

 

「観念しましたか?」

 

「それはどーかな、ザスティン? 私達、あちこちの星を回って結構お友達増えたんだぜ?」

 

得意気に笑ってそう言いながらかぱっと携帯電話のような装置を開く。その装置を見たエンザも「そいつはまさか!?」と叫んで自分の持つ同様の装置を取り出した。

 

情報(データ)入力したものをいつでも呼び出せる! お姉様の開発した伝送システム“デダイヤル”! じゃ、紹介するよ。シシナベ星で知り合った――」

 

突如、ナナの前方に光が集中する。

 

「――ギガ・イノシシのギーちゃん!!!」

 

その光の中から、額に十字の傷を持つ巨大なイノシシのような生物が姿を現し、突進。

 

「ちっ、ザスティン避けろ!!」

 

いきなりの攻撃に驚き硬直してしまっていたザスティン達をエンザが突き飛ばしてかばい、しかし彼は突進をくらって吹っ飛んでしまう。が、どうにか空中でぐるんと回転、河川敷上の道に着地する。

 

「おいちょっと待てよ、ギガ・イノシシって確か危険指定種じゃなかったか!?」

 

「き、貴様!?」

 

ギーちゃんなるギガ・イノシシを見ながらエンザは声を上げる。と、そこに突然声が聞こえ、エンザは驚いたように振り向く。

 

「く、九条先輩!? 天条院先輩に藤崎先輩も!?」

 

「ひ、氷崎炎佐? そ、そんな格好で何をしていらっしゃいますの?」

 

「あ、いや、ちょっと取り込み中で……」

 

とらぶるくえすと中ならともかく現実世界日本での鎧姿に対する至極まっとうな沙姫のツッコミにエンザは説明に困る。と、ぎゃーぎゃーわーわーと騒がしい河川敷下の広場に沙姫は目をやり、直後ハートマークを乱舞させ始めた。

 

「ま、まあザスティン様!!」

 

「あ、やべ……って!?」

 

沙姫が想いを寄せる相手、ザスティンを見られ余計にエンザは状況がややこしくなったと思いながら自分も広場に目をやる。と、さらに状況が悪化していた。

 

「あれはオキワナ星現住生物の“シバリ杉”じゃねえか!? プリンセス・モモだな!?」

 

屈強な根を自由自在に操り、周囲を通りがかる標的をその名の通り縛って捕らえる習性を持つ植物――シバリ杉。植物ということから恐らくモモがオキワナ星から連れてきたのだろうとエンザは推測した。平和な河川敷広場はザスティンとマウルがギガ・イノシシに追いかけられ、ザスティンがシバリ杉に縛り付けられるというカオスな状況へと変貌する。

 

「あ、炎佐いた! って、天条院先輩方!?」

 

騒ぎを聞きつけてやってきたのかリト達も合流、そこにいたまさかの珍客に驚きの声を上げる。

 

「!」

 

と、エンザはシュルルという音を聞き、オキワナ星で御門の護衛をしていた頃よく聞いている音にエンザは反応し、足元を見る。

 

「ララ! 美柑ちゃんとリトを連れて離れて!!」

 

叫び、自分は赤い刃の刀を構えて沙姫達の方に走る。明らかに危険な状況に関わらずザスティンの方に走り寄る、恋は盲目状態を全力で体現している沙姫の足元にはシバリ杉から伸びる根が迫っていた。

 

「っ! 沙姫様!!」

 

沙姫の足に根が巻き付く直前でそれに気づいた凜が咄嗟に沙姫を突き飛ばす。が、沙姫の代わりに凜が縛られ吊し上げられてしまう。

 

「し、しまった!」

 

「せいっ!!!」

 

しかし空中に吊し上げられてしまった凜を捕らえている根をエンザが即刀で両断。落ちそうになった凜を空中で掴みあげるとお姫様抱っこで抱える体勢に持っていって着地する。

 

「大丈夫ですか、九条先輩?」

 

「あ、ああ……ありがとう……」

 

エンザにお姫様抱っこ状態で怪我はないかと尋ねられた凜はぽかんとしながら空頷き、エンザは凜を下ろすと沙姫達に逃げるよう伝える。

 

「降ろしてリトー!!!」

 

「……」

 

しかし次に聞こえてきたのはどうやら結局逃げ遅れてしまったらしい美柑の悲鳴。エンザは頭を抱えてしまった。

 

 

 

 

 

 

「ギド、ザスティン達から通信が入ってる」

 

「繋げ」

 

デビルーク王城謁見室。セシルからの報告を聞いたギドは通信を許可。

 

[デ、デビルーク王……申し訳ありません、ダメでした……]

 

「はぁ!?」

 

[昨夜ナナ様とモモ様と戦闘になったのですが、お二人はデダイヤルによってさまざまな星の危険指定種を呼び出してきて、それら全てを撃破しているともはや我らも満身創痍で……]

 

ザスティンはボロボロの姿で報告、しかしその通信画面の向こう、つまりザスティン達の方からばちんばちんという音と、その音に合わせた「ぎゃん!」「痛い!」という悲鳴が響いていた。

 

「……おい、さっきからなんだその悲鳴は?……」

 

[は、はい。地球への滞在は止むを得ず許可いたしましたが、けじめとしてエンザがナナ様とモモ様にお仕置きなさっておりまして……]

 

ギドの問いにザスティンはそう呟く。「ちょ、ちょっと待ってくれ! 熱した手で、熱した手で叩くのだけはやめぎゃんっ!!」、「お、お願いです! お願いですからそんなに冷えた手で叩くのだけはやめ痛いっ!!」という悲鳴が聞こえ、やがてその悲鳴が消えると画面に黒い笑みを浮かべたエンザが入ってきた。

 

[あ、キング・ギド……申し訳ありません、私の実力不足でプリンセス・ナナ、プリンセス・モモの捕縛はかないませんでした]

 

「いや、今現在捕縛できてるじゃねえか……」

 

エンザの態度だけは殊勝な様子での報告にギドはツッコミを入れる。

 

[キング・ギド。手前勝手な願いだとは重々承知しておりますが、私に新たにプリンセス・ナナ、プリンセス・モモの護衛を依頼として届けてはいただけませんか?]

 

「なに?」

 

[キング・ギドのお見通しのように、プリンセス・ナナ、プリンセス・モモは隣の部屋で気をうしな……もとい、お休みになっておられます。ですが無理に王宮に連れ戻したとしても、またいずれ無理をして地球にやってくる可能性があります]

 

「……つまり、同じことを繰り返すよりはこいつらの気が済むまで地球への滞在を許可した方がマシ、という事か」

 

エンザからの報告及び提案を受けたギドは結論を呟き、はっと笑う。

 

「お前はなんだかんだ言ってあいつらには甘いな。分かった、許可してやる。お前にもナナとモモ、二人の護衛を新たに命じる……と言っても今までとは特に内容、待遇は変えないがな」

 

[実質タダ働きっすか]

 

「ま、少し賃金増やすくらいは考えておいてやる。じゃ、頑張れよ」

 

ギドはくっくっとあくどい笑みを浮かべながらそう言い捨て、通信を切る。

 

「全く……アイツは相変わらずナナとモモには甘いな」

 

「親衛隊およびララ殿の遊び相手をしていた頃、必然的に二人の兄役もこなしていた形だからな。情も移るんだろう」

 

ギドの言葉に対しセシルはそう分析、それを聞いたギドは「兄は妹には甘いものか」と言って再び笑った。




今回はナナとモモ登場。炎佐は憎まれ口を叩き、厳しく(体罰含めた)しつけをしながらもこの二人には最終的には甘いです、妹なので。まあかろうじてシスコンではありませんが。炎佐のシスコン対象は恭子なので。(おい)
でもってほんのちょっとですけど若干無理矢理凜達も出してみました。まあ……出す意味あったのかと言えるくらいにチョイ役ですけど。
さーて次回はどうしようかな? そういえば恭子とルンが出会う話ももうそろそろか……どう書くか考えておくかな? エンザにとってはある意味ターニングポイントになりそうだし。もしくは精神的疲労の種が増えるか。(笑)
では今回はこの辺で。ご指摘ご意見ご感想はお気軽にどうぞ。それでは。

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