ToLOVEる~氷炎の騎士~   作:カイナ

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第九話 VSデビルーク王。秘められた決意

「それにしても、宇宙人って皆にばれちまったけど……大丈夫なのか、炎佐?」

 

「リトのせいでしょうに」

 

学校に行く途中にリトが、横を自転車を押しながら歩いている炎佐に問いかけ、炎佐が呆れたように返すとリトはうぐっと唸った。先日の春菜の誕生日、その時に行っていたゲームでちょっとした騒動が起きてララが宇宙人であることがばれてしまい、そこから炎佐も宇宙人である事がばれてしまったのだ。リトも気まずそうに炎佐から顔を背けており、それに炎佐もふふっと笑う。

 

「冗談だよ。別に皆も好きに言いふらすわけないだろうし」

 

「じゃあいいけど……ん? なあ炎佐」

 

炎佐の言葉にリトがため息交じりに返し、そこで思い出したように再び炎佐に問いかけ、彼も「何?」と聞き返す。

 

「じゃあさ、この前の文化祭に来てたお前の従姉弟って名乗ってた人って――」

 

リトの言葉は途中で止まる。彼の言葉を聞いた瞬間、炎佐はリト目掛けて殺気を放ち、その口を強制的に閉じさせていた。

 

「姉ちゃんは地球人だ」

 

「あ、え……」

 

「そりゃ、半分は宇宙人の血を引いてるけど、姉ちゃんは純粋な地球育ちだ」

 

「お、おう……」

 

炎佐の殺気を放ちながらの言葉にリトは怯み、炎佐はその表情を見てようやく気付いたように殺気を収めた。

 

「ご、ごめん! つい!」

 

「あ、いや……はは……」

 

殺気を収めた炎佐はさっきの威圧感はどこへやらあわあわと慌てたようにリトに謝り、炎佐も苦笑いを漏らす。

 

「炎佐ってさ、本当にお姉さんが好きなんだな」

 

「なっ!?」

 

リトの何の気もなく出した言葉にさっきまで慌てていた炎佐の動きが硬直、顔も真っ赤に染まり上がる。

 

「だってさ、そんな本気で怒るって事はそれだけ相手の事を大事に思ってるからだろ?」

 

「そ、そりゃ……キョー姉ぇには俺が地球に来た時世話になったからさ……俺が地球に静養に来て、右も左も分からない中で地球で守るべきルールを教えてくれて、仕事で忙しいくせに暇があれば俺のとこに来て……いくら感謝してもし足りない」

 

炎佐は照れくさそうにそう呟き、頭をばりばりとかくとリトを軽く睨む。

 

「これ、誰にも言うなよ?」

 

「はいはい」

 

炎佐の唇を尖らせながらの言葉にリトは苦笑しながら頷いた。

 

「にしても、いきなりザスティン来たけどどうしたんだろうな? 今までは家に来るなら来るで電話入れるのに」

 

「あ、ララちゃんが一緒に来なかったのってザスティンが来てたからなの?」

 

「おう。なんか朝飯食ってたら血相変えて飛び込んできて、とりあえずララが一緒にご飯食べようって言って一緒に朝飯食った後、部屋でララと話し出してさ。んで炎佐が迎えに来ても話が終わりそうになかったから一言言って出てきたんだ」

 

「ふ~ん……」

 

「ま、別に心配する必要ねえだろ。遅刻する前に急ごうぜ」

 

リトからそう聞いた炎佐は少し考え込む様子を見せるがリトは両手を頭の後ろに回して平然とそう言い、炎佐も頷くと考えを打ち切って学校に急いでいった。

 

それからララは遅刻間際に教室に飛び込み、リトから「どうかしたのか?」と尋ねられると苦笑いしながら「なんでもないよ」と答えたりとあってから学校での時間が過ぎていき、あっという間に放課後へと時間が移る。

 

「ふわぁ……やっと放課後かぁ。一日って短いようで長いよなぁ……」

 

「まあね。宇宙にいた頃なんて一日はあっという間だったし。ララに付き合ってたらそれこそ数日は軽く飛んじゃうよ」

 

教室を出ていき、下駄箱に向けて歩いていきながらリトが欠伸交じりに呟くと炎佐が苦笑する。

 

「ま、とっとと帰ろうぜ」

 

「そうだね……って、ん?」

 

リトの言葉に炎佐も頷くが、直後彼は視界の隅で何かが動いてるのに気づいて足を止めてそっちを向き、リトも炎佐の見ている方を見る。

 

「御門先生?」

 

思わずリトが呟く。二人が見ている先ではこの学校の養護教諭である宇宙での有名な闇医者――ドクター・ミカドこと御門涼子が人目を忍んでどこか焦った様子で手招きをしている姿があった。

 

「何かあったのかも。リト、先に帰ってて」

 

「お、おう。俺で手伝えることがあったら電話してくれ」

 

「考えとく」

 

炎佐はそう言うと御門の方に走り、二人は誰にも見られていないかを確認しながら保健室に気配を消しながら入っていく。

 

「……っていうか、この姿下手すりゃ養護教諭と生徒の逢引に見られるんじゃ……」

 

「あら、それも面白いわね」

 

保健室の扉を閉めてようやく気付いたように漏らす炎佐に御門は保健室に置かれているベッドに腰掛けて飄々と笑うがすぐに顔を真剣なものに戻した。

 

「で、いきなり呼んだわけなんだけど」

 

「どうした? どこかの宇宙マフィアがこの町に潜入してきたとかか?」

 

「それならまだいいわよ……」

 

入り口の近くに椅子を運び座ってからの炎佐の言葉に御門は心の底から困っていますというようなため息を漏らす。

 

「まあ、宇宙からの来訪者っていうのは当たってるんだけどね」

 

「まさか、プリンセス・ララやプリンス・レン及びプリンセス・ルンに続いてどこかの王族が地球にやってきましたとか?」

 

「……」

 

御門の言葉に炎佐がどこか冗談っぽくそう言うと御門は黙り込み、炎佐の顔を見た後ふいっと目を逸らす。

 

「……え? マジ?」

 

「……ええ……」

 

まさかほとんど冗談のつもりで言った言葉が当たっているとは思っていなかった炎佐が問いかけると御門は逸らした顔を心なしか青くさせながら力なく頷く。

 

「ドクター・ミカドがそこまで焦るなんて……一体どこの王族ですか?」

 

その言葉に、御門は口をパクパクさせながら言葉を紡ぐ。

 

「……デ、デビルーク……」

 

「デビルークって、プリンセス・ララは既にこの星にいるし、プリンセス・ナナとプリンセス・モモであなたがここまで焦るわけもない。あのお忙しいクィーンがこんな辺境の星に来る余裕なんてないだろうし…………」

 

御門から得た情報を元に分析を開始する炎佐。しかしその分析が終了した瞬間彼の顔も真っ青に染まっていき、彼はぎ、ぎ、ぎ、と油の切れた人形のようなゆっくりした動きで御門の方を見る。

 

「ま、まさか……」

 

「その、まさかよ……」

 

その瞬間、ガォンッというまるで隕石が直撃したかのような轟音が外から響き、炎佐は咄嗟に立ち上がった。

 

「ドクター!」

 

「分かってるわ!」

 

炎佐の呼びかけに御門も真剣な表情で頷いて薬棚から薬――地球に常備されているものの他こっそり置いているドクター・ミカド特製薬もある――をありったけ取り出して鞄に詰め込んでいく。それをちらりと見ただけで炎佐は保健室を飛び出した。

 

 

そして上履きのまま彼は外に飛び出すと轟音が聞こえてきたテニスコートの方に走っていく。と、テニスコートに空いている大穴と、そこのすぐ横に立っているテニス部顧問の男性教諭――佐清、それと慌てている様子の女子テニス部員達を見つける。

 

「何があったんですか!?」

 

「ひ、氷崎! いや、アタシらが来た時はもうこうなってて……」

 

「な、なんか紗弥香が、変な子供がテニスで佐清先生と勝負して、サーブで大穴空けたとか……」

 

(まさか……)

 

炎佐の声に一番早く気づいた里紗が慌ててそう言うと未央もパニックになったようにそう言う。たしかに意味が分からない証言だが炎佐には充分だ。

 

「どうしたんですか!?」

 

「ドク――御門先生! ここは任せます!!」

 

あくまでも騒ぎに気づいて、念のために応急処置の道具も持ってやってきた風を装って走ってきた御門に炎佐はそう呼びかけてテニスコートを走り出ていく。そして人気のない校舎裏までやってくると目を閉じ、辺りの気配に精神を集中する。

 

「……!」

 

と、校舎の屋上から異常な威圧感を感じ取る。圧倒的、正にその言葉でしか表せられないそのプレッシャーに炎佐は歯ぎしりを見せた。

 

「まさか、マジでかよ……」

 

一言毒づいて荷物の中から簡易ペケバッジを取り出して装着。黒色のインナーに白銀で軽装の鎧の姿に変化すると校舎の壁を蹴って最短距離で屋上まで上がっていく。そして屋上へと飛び上った時、炎佐は屋上のドア付近にリトと春菜、ララ、その横で相手に敬意を示すように跪いているザスティン。そして彼らの前で圧倒的な威圧感を見せている小さな男の子を見つける。その子の足元のコンクリート製の床はまるでクッキーかビスケットのように砕けており、それを見たエンザは紫色の両瞳で少年を睨みつけ、右手を振り上げて炎の球を掌に集中、少年目掛けて右手を振り下ろすとその炎の球は螺旋となって少年へと向かっていく。

 

「……」

 

が、少年が炎の方を見ることなく何の気もなしに無造作に左手を向けるとその瞬間炎が霧散、エンザは咄嗟に左腕を自分の身体をかばうように前に出し、素早く自らを覆い隠すかのような巨大な氷の盾を形成。しかしそれは何かの力により一瞬で砕け散った。

 

「がっ……」

 

氷の盾を砕くだけでは飽き足らずエンザの身体を抉る衝撃。それを受けたエンザは空中から屋上に落下、受け身すら取る事が出来ずに強かに地面に叩きつけられた。

 

「炎佐!!!」

「エンザ!!!」

「氷崎君!!!」

 

「安心しろ。これ以上出来ないってぐらい手加減しといた」

 

リト、ララ、春菜が血相を変えて叫ぶが少年は静かにそう呟き、エンザの方を見てにやりと威圧感溢れる笑みを見せる。

 

「よお、セシルとミーネのせがれ。久しぶりだな」

 

「ええ、久しいですね……」

 

くくっと、まるで肉食獣が獲物を見つけた時喉を鳴らすことを思い出させるように笑いながらそう言う少年に対し、エンザは屋上に倒れ込み、げほっと咳をしながら少年を見る。

 

「デビルーク王、ギド・ルシオン・デビルーク……」

 

そして、その口から少年の正体を示す称号が語られた。と、少年――ギドはクククと笑う。

 

「まあ、その名ももうすぐ終わるけどな」

 

「どういう……ことですか?……」

 

「簡単な事だ。俺の後継者が決まった――」

 

ギドはそう言い、リトを見る。

 

「――こいつ、結城リトだ」

 

「……なるほど」

 

ギドの言葉にエンザは全てを悟ったように頷く。

 

「それで、リトがそれを断ろうとしたから怒って地球を砕こうとしてる。ってわけですか」

 

「俺の期待を裏切ったら、地球ごとツブす。あらかじめそう言っておいたまでだ」

 

「……」

 

ギドの言葉を聞いたエンザは再び歯ぎしりし、傷だらけの身体を立ち上がらせるとボロボロで既に出血までしている両手を重ね合わせる。

 

「リト、西連寺さん……下がって」

 

そう呟く彼の両手から何か不思議な力が放たれ始め、エンザはそのエネルギーをまるで弓矢のように引く。それにギドはまたくくっと笑った。

 

「ほう。熱と冷気、相反するそれを操る力をスパークさせて触れるもの全てを消滅させる効果を持つエネルギーへと変換。セシルとミーネが二人一組で放つ奥の手……まさか、テメエがそれを扱えるほどに成長してるとはな……」

 

ギドはそこまで呟いた後、少し彼を観察するように見て「いや」と呟く。

 

「扱えるわけじゃねえ……自爆覚悟か」

 

「「「!!!」」」

 

その呟きを聞いたリト達三人が絶句、エンザも覚悟を決めた目でギドを睨みつけた。

 

「地球にはリト、サル、西連寺さん、籾岡さん、沢田さん、ドクター・ミカド……そしてキョー姉ぇ、大事な人がたくさん出来たんだ。それを殺されるわけにはいかない……例え、この命に変えても」

 

「ふん。お前の貧弱な自爆技で俺が殺せるとでも? そういや、その技のアイデアはミーネが地球から持ち込んできた漫画から拝借したんだったか? こりゃまた面白い偶然だな」

 

「殺せなくても、力を失ってるあなたを退かせるぐらいは出来ますよ……」

 

余裕綽々という言葉の意味をその身をもって体現しているかのごとく悠々と立ち、冗談まで言うギドに対し余裕なんてどこにもないエンザ。エンザの額を汗が流れた瞬間何かのエネルギーによって消滅、ついに鎧の一部まで消滅を開始する。彩南高校屋上、ここで地球の命運がかかった勝負が今、始まろうとしていた。

 

「パパ!!」

 

「「!?」」

 

と、その時ララの声がその場に響いた。

 

「私、リトとは結婚しない」

 

「ララ!?」

 

ギドの前に出たララの言葉にギドが声を上げ、エンザも今にも放とうとしていた消滅エネルギーを解除、床に倒れ込む。

 

「結婚しない!? どういうことだッ!? せっかく俺がお前の意思を尊重して――」

「違うよ! ホントは早く王位をゆずって遊びたいだけでしょっ!?」

「――うっ……」

 

ギドの睨みながらの怒号にララは鋭く言い返し、図星なのかギドは黙り込む。

 

「リトの気持ちを無視してまで……一方的に結婚しても嬉しくないの!」

 

「!」

 

「そいつの気持ち?……」

 

真剣な表情でのララの言葉にリトが驚いたようにララを見、ギドも訝しげな目でララを見る。

 

「リト……私ね、なんとなく気づいてたんだ」

 

ララはリトの方を見ることなく、彼に語り掛けた。

 

「私がいくら好きって言っても……リトの本当の気持ちは私の方に向いてないってこと……」

 

「何ィ!?」

 

(ララ……)

 

ララの告白にギドが心底驚きの声を上げ、リトも驚いたように心中で呟く。

 

「それでも……リトは優しいし、地球の生活は楽しいから……私は今のままでもいいやって思ってた。でも、やっぱりダメだよね、それじゃ……」

 

そう言うララは、頬を桃色に染め、柔らかく微笑んでいた。

 

「私……リトを振り向かせたい! 振り向いてもらえるように努力したい。だからパパ、結婚の事はもう少し待って」

 

「……ララ、何を考えてる!?」

 

ララの告白を聞いたギドは彼女が何かを考えているのに気づいたのか、真剣な表情で問いかけた。それに対しララはデダイヤルを取り出す。

 

「やっと……これを使う決心がついたから」

 

彼女がそう呟くと共に、一つの装置がララの手に現れた。

 

「ばいばいメモリーくん。これで地球のみんなから私の記憶を消す」

 

その言葉に、全員の顔色が驚愕に染まった。

 

「お……おいララ!? どういう事だよそれ!!」

 

「ごめん……リト。プリンセスとか婚約者候補とかそういうのナシでもう一度……ゼロからの私でがんばってみたいの。私の最後のわがまま……聞いて……」

 

「そ、そんな……」

 

ララは悲しげに涙を目に溜めながら呟き、リトも悲しげな声を漏らす。

 

「春菜! 友達になってくれてありがと! 楽しかったよ」

 

「ララさん!」

 

「また、仲良くしてくれると……嬉しいな……」

 

別れの挨拶を済ませた後、ララはばいばいメモリーくんのスイッチに指を伸ばす。

 

「ま……待てよララッ!! そんな事しなくても――」

 

咄嗟に装置を奪い取ろうとリトがララに手を伸ばす。

 

「さよなら」

 

しかし、ララが装置のスイッチを押す方が早く、眩い光が辺りを包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本全国どこにでもあるようなごく普通の通学路。黒髪ショートヘアで小柄な体格、マスクで隠れているものの中性的な顔立ちで、マスクから少し見えている目立つ横一線の傷跡がある少年が学校に向けて自転車をこいでいた。

 

「炎佐!」

 

「ん?」

 

少年が曲がり角を通り過ぎた辺りで突然そんな声が聞こえ、少年は自転車を止めて振り向くと赤い右目と青色の左目の所謂オッドアイで曲がり角を見る。と穏やかに微笑んだ。

 

「あ、おはよう。リト」

 

「おう」

 

声をかけてきた相手――オレンジ色の髪がツンツンとなっている、言ってはなんだが冴えない顔つきの少年――に少年――炎佐が挨拶を返すと彼は自転車から降りる。

 

「風邪、大丈夫か?」

 

「風邪薬飲んだから、まあ大丈夫だと思うよ」

 

「結城君、氷崎君」

 

「あ、西連寺さん」

 

二人が話をしていると青色の髪をショートヘアにしている少女――西連寺春菜が偶然二人に合流。

 

「おはよう」

 

「おはよ、西連寺さん」

 

「あ、ああ。おはよう」

 

春菜の挨拶に炎佐とリトも挨拶を返し、三人はそれから無言のまま学校まで向かう。

 

「……」

 

と、校門前にピンク色の髪を長く伸ばした可愛らしい顔立ちの美少女が佇んでいるのを炎佐が見つけて彼の足が止まるが、リトと春菜は気にすることなく歩き続ける。

 

「あ、あのっ、初めまして! 私、今日この学校に転校してきたんだけど……」

 

少女が突然二人の目の前に立ってどこか焦ったように話し始め、それにリトと春菜は驚いたように足を止めて少女を見る。

 

「えっと……」

 

と、少女は困ったように話を止め、その時リトと春菜は優しく微笑んだ。

 

「「おかえり!」」

 

「え!?」

 

初めましてと言ってきた相手に対する言葉としては不適切な言葉。それに少女――ララは驚いたように絶句。

 

「おーララちぃ!」

「春菜もおっはよー♪」

 

「ララちゃーん! おはよー!」

 

と、後ろの方から里紗と未央、そして猿山が元気よく手を振って挨拶してきた。

 

「あれ?……みんな忘れてない?……」

 

ばいばいメモリーくんで記憶を消去したはずなのに……といわんばかりの彼女の言葉にリトは悪戯っぽく笑って両手を肩ぐらいまで上げて肩をすくめた。

 

「お前の発明品がうまくいったためしがあるか?」

 

「!」

 

リトの言葉にララは驚いたように目を見開く。

 

「あはは……」

 

その時、彼女の目から涙が零れる。

 

「失敗、しちゃった……♪」

 

涙を拭いながらしかし嬉しそうに彼女は呟き、春菜がララにハンカチを差し出し、リトも安心したように微笑む。そして里紗と未央、猿山もそこに合流する。

 

「よかったよかった」

 

そして出来上がるいつもの光景。炎佐はそれを眺めて嬉しそうに微笑み、そう口にするのだった。




さて今回はもうすっ飛ばしてギド登場……いえ、ルン登場考えまくったんですけどね、ぜんっぜん思いつかない。ルン登場&リトとの絡みに炎佐絡ませるの無理でした。んで春菜誕生日でのララが宇宙人バレするのも飛ばします……やっぱこっちもこっちで思いつかん……。
ちなみにエンザがギドに対して繰り出そうとしていた自爆技の元ネタは某ドラクエ漫画に登場する極大消滅呪文です。まあ、あっちは自爆技じゃないんですけどね。あくまで、エンザじゃ扱いきれないから結果的に自爆技になってしまうだけです。
さて次回から二年生で色々新キャラも登場……炎佐のヒロインはこれ以上増やすか否か……ま、そこは後で考えましょうか。それでは、今回はこの辺で。

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