皇国の妖怪   作:寿司とまと

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この作品見てくれている人いるのかな?


森でデート

新田の休日の過ごし方はこうだ。

まず、昼まで寝て起きたらインターネットサーフィンをするか、借りてきたDVDを見るか、本を読むかどれかを選び夜まですごし、そして寝る。

まさにニートのような生活だが、本人はこれをいたく気に入っており、休日に外に出ることは考えられない。

だが、新田は朝7時に起こされてしまう。

原因はスマホがなっているからだ。まだ眠たいため、無視しようとしたら2分間ずっと鳴るため、仕方がなくとることを決めた。

スマホを取ると、

 

『よお、雅人。久しぶり。元気か?』

 

聞こえてきたのは皇国語ではなく、帝国語だった。声も知っている人物である。

 

「・・・・・ナタリア。何の用だ?」

 

睡眠を邪魔され不機嫌そうに言葉を返す。

だが、次の言葉を聞いたら目が覚めてしまった。

 

『今、空港にいるんだけど、迎えにこい』

 

「・・・・・・は?」

 

『は?じゃなくて、早く来いよ』

 

「空港って、皇国の?」

 

『何言ってんだ。それ以外ないだろ』

 

(まじかよ・・・・・・。あいつなんで皇国にいるんだよ)

 

ナタリアがなぜ皇国にいる正直どうでもいい。このままだと休日がつぶれる新田は適当な理由をつけて、いけないことを伝える。

 

「悪い、ナタリア。今日仕事だわ。」

 

『うそつけ。信也から今日はオフって聞いてるぞ。いいから早く来い』

 

一方的にかけ、切られてしまった新田は、めんどくさがりながらも空港へ行くのだった。

 

 

 

 

「何で皇国語が理解できないのに1人で皇国にくるんだよ。おかしいだろ」

 

新田は悪態をつく。休日の恨みは深いようだ。

 

「男がぐちぐち言うな。レディには優しくするだろ。普通」

 

何がレディだ。スカートはかないくせに。片手でデザートイーグル振り回すくせに。煙草吸うくせに。胸でかいくせに。ホットパンツをはいている癖に。

言葉に出したい新田だが怖いので止めておく。

 

「しかし、驚いたな。行きたい場所がこんなところとは」

 

「なんだよ。観光名所だろ。ここは」

 

「・・・・・・イメージと合わん。デイダラボッチの森とはな」

 

新田の知っているナタリアは、飯は肉しか食わず、筋トレと射撃場に行くのが大好きな女だったが、森林観光が好きだとは思いもよらなかった。

それとも、別の狙いがあるのか。

 

「それにしてもスゲーな。ここまで自然が残っているはもうここだけなんじゃないのか?」

 

こっちがイメージギャップを受けているのに、ナタリアはしゃべりながら森林の奥へ進む。

質問されたので一応答える。

 

「初代天皇がデイダラボッチと契約してこの森には一切手出しできないんだよ」

 

「そんな昔のことを今も守っているのか?」

 

ナタリアの疑問はもっともだ。いないのかもしれない物との約束を律義に守っているのはおかしいと誰もが感じるのもわかる。

だけど、ここは皇国なのだ。

 

「皇国の歴史は天皇の歴史だ。最初の天皇の意志を曲げるのは許されることではないんだ」

 

ほーう。と言い、さもどうでもいいかという風に先に進むナタリア。

・・・・・・聞いてきたのはお前なのに。

ナタリアが先に急ぎすぎるため、本来なら景色を楽しみながら上る山なのにほとんど楽しめないまま頂上へ来てしまった2人。

 

「ついたー!」

 

それでも満足そうなナタリアに本題を吹っ掛ける新田。

 

「で、本当の狙いは何だ?」

 

「あ、わかってた?」

 

「観光目的ならもっとゆっくり歩くだろ。それにやっぱりお前自然観照は似合わん」

 

この言葉をぶつけたら急に仕事顔になるナタリア。どうやら、本題を話す気になったらしい。

 

「新田 雅人。ナタリア・ヴァン・ヘルシングとして頼みがある」

 




帝国
3大国家の1つ
ナタリア・ヴァン・ヘルシング
新田の友人。
ヘルシングという名字からして・・・・
デイダラボッチの森
皇国と森の神デイダラボッチが契約して以来、木やもののけ(森に住んでいる動物)を傷つけてはいけないし、もののけも人間を襲わない。

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