『ネギに手を出すな…』
『………』
誰だろう、この人達は……。僕は薄れゆく視界で、ある二人に注目しだす。白いローブを被っている、長身の男
それと……
人とは思えないほど、全身に炎を纏っている男が二人、この荒れた村に立っている。しかし、何処かで感じた雰囲気だ…温かく、とても優しい感じだ
体が動かない。あぁ、そうか……僕は、奴らに気絶されたんだった。何時ものように魔法の練習して、帰ってきたらこうなっていた
目の前はまるで現実とは思えなかった。村が焼かれ、奴らがうようよ居た。そんな中僕は入って行き、村人を探した
スタンおじいちゃん、ネカネおねえちゃんのお父さんやお母さんも…けれど
『この子はやらせん!』
『くっ!!』
みんな…みんな僕を守ってくれた。スタンおじいちゃんとネカネおねえちゃんは、身代わりとなって、石にされてしまった
『………』スッ
『やるのか? なら手加減はしねぇぜ……』
僕はなんで……なんで、こんなに使えないんだ? ただの子供だからか? 否 魔法も使えないからか? 否
『…………』ブツブツ
『ビシャン!!!!!!!』
『チッ!? 雷の魔法か!』
薄れゆく意識の中で、僕はこの二人をもう一度注目する。白い方は詠唱を唱え、雷魔法を連続出している
もう一方のは、かわせられないとわかりただ突っ込んでいる。こんなの自殺に近いが、攻撃が当たっていても何ともない顔だった
炎の男は腕を全開に広げ、勢いが増し形が変わりだす
『スピード勝負だ。『絶鳥』!!!』
『ッ……!』
『ビュウゥン!』
『ドサッ』
翼の形になり、急に速さが変わった。白い男に突撃したが、間一髪避けていた。そしてまた魔法を唱える
炎の男も負けじと、全身の形が変わりだす
この二人を見て、僕はわかった。そうだ…………この二人のように強かったら、僕は皆を救えるんだ
そして、お父さんにも会える…。轟音がなり続ける中、僕はついに意識を手放した
「ン…………」
「おぉ、起きたかネギ」
目が覚めると、そこは知らない場所だった。窓からさしこむ光で、目が覚めたんだろうか。右を見ると、そこに右京さんが居た
「………あ!? お爺ちゃんとおねえちゃん…村のみんなは!?」
「……………ネギ」
想像したくない。けれど、これは現実である。僕は右京さんに聞いたが、浮かない顔だ
どうやら、最悪の結末が待って―――
「おぉ、生きておったか坊主」
「ネギ!? 良かった……本当、良かった」
「………へ?」
「恐ろしいほど元気だぞ。まるで妖怪だな「「誰が!!!!」」ぐふっ!? 黄金のダブルストレート!?」
部屋の扉から勢いよく、あの二人が現れた。唖然としているが、どうやらこれは現実らしい
すると、目から冷たい何かが流れ出した
「うぐっ……ふぇ……」
「「「!?!?」」」
「い、いきてた……よがったよ………!!」
「お、おいネギ…。おい、何ウチの子泣かしてんだ妖怪共!!」
「誰が妖怪ですか!? それはポジション的にスタンさんですわ!!」
「待てネカネ!? ポジションとはどういう意味じゃ!? これだから最近の若いもんは…!」
『ワァーワァー!!』
部屋が騒がしくなった。あぁ、これが現実なんてとても嬉しいよ。その光景をみて、そっと笑い出した僕
あぁ………よかった、『夢』で
SIDE右京
ネギはこれから診察するとか言われ、俺たちは一旦部屋から出る。ここはネカネが通っている学校で、安全らしい
「……………右京、お主何したんじゃ」
「あ? なんのことだ」
「とぼけても無駄じゃ。ネギは夢だと思っているが、ワシ等は騙されんわ」
爺が何時にも増して真剣だ。ネカネは俺を逃がせないように、俺の背後に回る
「ワシ等村人は完全に石化され、ネカネは腕を失った……けれど、どうじゃ? 目を覚ませば呪いは解かれ、ネカネの腕が生えているではないか」
「右京、教えて。あなたは……一体何者なの」
「…………」
察しがいい奴らだ、ホント。俺は目を合わせられず、遠くの方を見る。けれど、それでもこの空気の重さは軽くならない
「……………俺は「千鳥 右京殿だな」ん?」
「私らは『魔法世界』の者だ。千鳥 右京殿はアナタで間違いないか」
「あぁ、俺だが」
「では、こちらに来てもらおう。もちろん拒否は認めん」
「………チッ、テンプル騎士の者か」
「テンプル騎士…? スタンさん、それって」
「アナタはこの『現実世界』で害を脅かす存在であると、決定された」
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