エロい力でがんばってみる   作:dollmaster

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第13話

ジュエルシード探索二日目の朝になった。

昨日ユーノ君が復活したため、魔法の訓練をなのはちゃんに施してもらうこととなった。

現時刻は朝の6時、場所は裏山である。

この時間は高町姉妹と御神流の剣術稽古を行っているため、それになのはちゃん達をつき合わせている格好だ。

 

で、俺は先日の戦闘で荒縄の制御がいまいちだったので独自の特訓中である。

 

シュバッ!シュババババッ!

クイックイッ!

 

トントンと縄に縛られた丸太が詰みあがっていく。

 

「う~む、やっぱり皮手袋だけだといまいちだな。恭子さん、やっぱだめですかねぇ?」

 

俺は亀甲縛りを基本にさまざまな拘束をした丸太の縛り具合を見ながらたずねた。

 

「ダメに決まってるでしょ。さすがにアレは私たちでもフォローできないわ・・・」

 

「え~?顔見られるわけじゃないんだからなんとかなならないかなぁ・・・?」

 

「今でも十分縛れてるじゃない。ダメなの?」

 

そういって小太刀の素振りをやめて、さっき縛り上げた丸太を見みて、指で荒縄をクイクイッと引っ張りながら質問してきた。

 

「昨日ぐらいの動きなら何とかなるが、やっぱり制御が甘いので拘束に緩みが出てるんだよ。全開時の30%ってところだしなぁ・・・」

 

「そう。でも魔法でどうにかならないの?」

 

「そもそも俺専用のデバイスがないし。レイジングハートは遠距離特化型に近いから・・・」

 

「つまり魔法はほとんど使えないと・・・」

 

仕方ないのだ。

バインドとか瞬時に発動するにはデバイスの代理演算が必須なのである。

現在レイジングハートのサブマスターではあるけど、基本なのはちゃんに装備してもらっているため俺は自前のエロチート付随の力でがんばるしかないのだ。

 

「仕方ないわね。いざと言う時は全力出しなさい。でもどうするの?」

 

「何がだ?」

 

「ほら、私や美由希のじゃ足しにならないでしょ?」

 

「あ~、俺ももともと持ってるからねぇ・・・」

 

「でしょ?」

 

「最終手段は今修行中ですし・・・」

 

そういって俺と恭子さんはなのはちゃんのほうを見る。

なのはちゃんはユーノ君とレイジングハートに教えを請いながら特訓中だ。

今は飛行魔法を展開しているらしい。

それを見つつ俺は、

 

「取り合えずどうしても必要なら桃子さんのを使用するよ。」

 

「母さんのか。あまり多用しちゃダメよ?」

 

「わかってるよ。反動がきついからなぁ・・・」

 

そういって俺達はそれぞれの訓練に戻っていった。

 

 

 

そして午後、小学校のジュエルシードが見つかったという連絡を受けて、ユーノ君を肩に乗せ念話で話ながら小学校へ向かった。

 

《へぇ、帝さんは未来予知ができたから迅速にジュエルシードを集めることができたんだね。》

 

《ああ。でも俺の見た未来とは随分違ってきているけどな。》

 

《そうなの?》

 

《大きな差異としては俺がここにいること自体が最大の差異だな。見た未来を否定する為に動いているから、どれだけずれが出るなんてわからないさ。》

 

俺はユーノ君に未来知識があるかのように話していた。

実際、STSではレアスキルで未来予知があったのでそう不自然ではないはずだ。

こうしてユーノ君と男の友情を深めながら歩いていった。

いやぁ高町家は男が俺一人しかいないからユーノ君が来てくれたのは精神的にとてもありがたい、外見フェレットだけど・・・

 

小学校の校門前に着くと下校時刻なので帰宅するちびっ子であふれていた。

そんな中、なのはちゃんは俺を見つけると、満面の笑みで大きく手を振りながら俺に呼びかけてきた。

 

「あっ!おにいちゃ~ん!こっちこっち!」

 

そう、なのはちゃんが叫んだ瞬間、周りの空気が変わった・・・

 

ザワッ!

 

「お、おい。あの高町のお兄さんだと!?」

 

「マジかよ!俺らの尊敬する兄貴が・・・あの人か!」

 

「あらまぁ!彼が私達の師匠達を虜にしたという・・・」

 

「妬ましい!でも、その下半身には興味が尽きませんわ!」

 

などなど、あまり聞きたくないフレーズが飛び交っている。

 

・・・なのはちゃんは一体学校で何を広げているんだ?

 

《ねぇ帝、なんか女の子の視線がむず痒いんだけど・・・》

 

《耐えろ。たぶんそれはいろいろと目覚めてはいけない類のもだ。》

 

そんなことを話しながら俺はレイジングハートとユーノ君をなのはちゃんへ手渡す。

そうすると、

 

「すぐに封印してくるの!だから一緒に帰ろう?」

 

と言って駆け出していった。

俺は仕方ないので校門の脇で待機するべく、自動販売機で水を買ってきた。

コーヒーや紅茶でないのは俺の舌が商売上肥えているからだ。

士郎さん直伝のコーヒーを飲むと、自販機のコーヒーでは満足できなくなるのだ。

 

さて校門近くの塀にもたれて一服していると、ちびっ子たちが俺にキラキラした目で話しかけてくるのである。

 

「どうやって三大性女を従えているの?」

 

「男の尊厳はどう守ったらいいのですか?」

 

「俺の彼女、Mなんですけどどうしたらいいの?」

 

などなど「この小学校本当に大丈夫なんだろうか?」と頭が痛くなってきた。

どうせアレだろ?

この原因はなのはちゃんとアリサちゃんとすずかちゃんなんだろ?

 

「「「はい!」」」

 

やっぱりこの世界一番のイレギュラーは俺らしい。

わかっていたけどな!


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