カンピオーネ!---譲られた神殺しの力---   作:auslese

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神登場。

でも、出ただけ・・・・・・

神の名前に途中で気付く人も居ると思います^^;


6/1 修正


03話 神・・・修正

 

 

 

 

 チチチチ・・・・・

 

 (鳥の鳴き声がする・・・)

 

 「ん、んん・・・・・・あ、そうか」

 

 僕は目が覚め、天井を見てエルおじさんの家に居ることを思い出した。

 

 窓の外からの鳥の鳴き声が聞こえてた。僕は肌寒さから逃げようと布団に潜り込み、いつものように枕を抱きしめ目を閉じた。

 

 (あったかい・・・・・・)

 

 むにゅ・・・むに・・・・

 

 僕の家の枕と違う暖かい日向の様な匂いのする柔らかいエルおじさんの家の枕を抱きしめた。

 

 (やあらかい・・・・・・)

 

 「あん・・・んぁ・・・・」

 

 (ちょっと待て枕が・・・暖かい、これはいい。柔らかい、まあありえる。声がする・・・・・・)

 

 「-----------!?」

 

 そぉっと目を開けると、目の前にティナの顔があった。

 

 (なんでティナがここに居るの!?)

 

 そして昨日のことを良く思い出してみる。

 

 

 

 

 

 (やっぱり、泣いてたのね。ほら、涙ふいて)

 

 (うん)

 

 (ティナ、どうしたのこんな夜遅くに)

 

 (なんか予感がしたのよ)

 

 (予感?)

 

 (そう、晃徳が泣いてる予感が・・・)

 

 (う・・・)

 

 (晃徳、今日はわたしここで寝るから)

 

 (えーーーーーー!)

 

 (一人にするとまた泣くような気がするから)

 

 (あう・・・)

 

 

 

 

 

 昨日、ティナが僕が寂しさから泣いた時に部屋に訪れ、お互いに思っていたことを話、一緒に寝たことを思い出した。

 

 (そっか、一緒に寝たんだ)

 

 僕が昨日のことを振り返ってる間にティナも目が覚めたようだ。

 

 「n・・・oi.huomenta.akinori(ん・・・あ、おはよう、晃徳)」

 

 ふと、僕はティナの胸を触っていることに気が付いた。

 

 (えっと、なに言ってるか分からないけど、ヤバイよね)

 

 ティナが僕の視線を視線をたどっていって・・・・・・いまだにティナの慎ましい胸を思いっきり掴んでいる僕の手にたどりついた。

 

 「Fuzz!(きゃっ!)」

 

 「ごめん!」

 

 僕が手を離なすとお互いに後ろ向いた。

 

 (女の子の体って柔らかいんだ・・・・・・)

 

 手をにぎにぎしてティナの胸の感触を思い返しているとティナが恨めしそうにこちらを向いた。

 

 「Etch Akinori(晃徳のエッチ)」

 

 「えっと、ティナなに言ってるの?」

 

 意味は分からないけど、ニュアンス的に怒られた気がする。

 

 「Voi, operaattori professori olin pois muiden(あ、もう教授の術が切れたんだ)」

 

 「?」

 

 「Akinori, eivät liiku(晃徳、動かないで)」

 

 ティナがいきなり抱きついてきた。

 

 「な、なに?」

 

 「ん・・・・・・」

 

 「んん-----!?」

 

 昨日と同様にキスで教授の術を使っているのが分かったけど、次の瞬間僕の意識は別のことに向いた。

 

 「あむ・・・」

 

 「んん!?」

 

 そう、舌が入ってきたのだ。同時にティナからの甘い刺激で僕は頭の中が蕩けそうになった。

 

 「はぁはぁ、どう言葉分かる?」

 

 「うん、分かるけど・・・・・・」

 

 「教授の術には永続的な効果はないの。だから、基本的な言葉を送ったから言葉が分かるうちに一緒に勉強しようね」

 

 なるほど、教授の術には効果時間があったのか。僕はそのことよりも別のことが気になった。

 

 「でもティナ、毎回キスじゃなくても・・・」

 

 「晃徳はわたしとキスするのはイヤ?」

 

 「・・・・・・・イヤじゃないよ」

 

 「そう良かった」 

 

 そして昨日は暗くて、今朝は頭の中が混乱してて気付かなかったティナの寝巻き姿をぼーっと見ていた。

 

 「どうしたの晃徳?」

 

 「・・・・・・ティナがパジャマ姿が可愛いから見てた」

 

 ティナはボッと顔を真っ赤にしてシーツを手繰り寄せた。

 

 「晃徳ーーーー!」

 

 コンコン・・・・・・

 

 と、その時ドアのノックする音が聞こえてきた。

 

 「ティナお嬢様、朝食の準備が出来ましたので、お着替えが終わりましたら食堂までおいでください」

 

 「わかったわ」

 

 「晃徳、またあとでね」

 

 ティナの後姿を見送った。

 

 (でも・・・)

 

 ティナとのキスを思い出しただけでも顔が熱くなった。

 

 (なんだか、僕はティナに勝てないような気がする・・・・・・)

 

 そんなことを考えてしまう朝だった。

 

 

 

 

 

 

 僕が食堂に入るとすでにエルおじさんとシルヴィアさんは席に着いていた。

 

 「おはよう、晃徳くん」

 

 「おはようございます、エルおじさん、シルヴィアさん」

 

 「はい、おはよう」

 

 昨日と同じ席に着くとエルおじさんが声を掛けてきた。エルおじさんは読んでいた新聞をテーブルに置いて話しかけてきた。

 

 「昨夜は良く眠れたかい?」

 

 「あ、はい」

 

 「それはよかった。私たちが寝る前に部屋を覗いたときは二人そろって抱き合って寝ていたね」

 

 ティナに抱きしめられていたことを覗かれいたと知り顔が赤くなった。

 

 「え!・・・あの!・・・えーと・・・」

 

 「ああ、気にしなくてもいいよ。君のお父さんとは長い付き合いだから、君の事はよく誠一郎(アイツ)から聞いて気に入ってるよ。、まぁ、いざとなったらティナの婿といううことだ。はははは・・・・・・」

 

 その時、ティナが食堂に駆け込んできた。

 

 「パパ!?」

 

 「ああ、ティナ。おはよう。朝から叫んだりしてどうしたのかな?」

 

 「おはよう! ふーんだ!」

 

 ニヤニヤしながらエルおじさんがティナに挨拶するが、ティナは拗ねたように挨拶した。

 

 「さぁ、ご飯ですよ。あなたもティナをからかわないで。ティナも機嫌を直しなさい」

 

 「「はーい(うむ)」」

 

 メイドさんが次々に料理をテーブルに並べていった。

 

 「さぁ、めしあがれ」

 

 「「「いただきます」」」

 

 

 

 

 

 (やっぱり、おいしくない・・・・)

 

 

 

 

 

 「「「kiitos」」」「ごちそうさま」

 

 「晃徳くん」

 

 食事が終わり、居間に移動してティータイムのときにエルおじさんがすまなそうに僕の名前を呼んだ。

 

 「エルおじさん、なんですか?」

 

 「学校についてなんだが・・・」

 

 「・・・・・・・・・」

 

 僕はお父さんたちが死んでから、毎日のように繰り返されていた虐めや誹謗中傷を思い出し、顔から血の気が引いていくのを感じた。

 

 「いや、いい。自宅学習申請をしておくよ」

 

 「すみません」

 

 「こっちこそすまなかったね。日本であったことを考えるとそうなるね」

 

 エルおじさんも日本であったことを知っているようだった。

 

 「パパ?」

 

 「ああ、ティナ。すまないが晃徳くんに屋敷の案内を頼めるかい」

 

 「うん! 晃徳いこ」

 

 「ティナ、ちょっと待って!」

 

 「エルおじさん、いってきます」

 

 「いっておいで」

 

 僕はエルおじさんが無理に話題を変えたことを感じ、ティナに腕を引っ張られるまま席を離れた。

 

 

 

 

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 昨日、晃徳くんの部屋を覗いた後、依頼していた日本での晃徳くんの身辺調査の報告を読んで愕然とした。両親が亡くなった後は、誠一郎の知り合いの医者が面倒を見ていいたがその他は最悪だ。まず、晃徳くんの周りだが、クラスメートの両親や近所の人に誠一郎の死んだ事件の原因を全て誠一郎に擦り付けて風潮したり。私が預けたアーティファクトを持ち去るときに通帳や実印、保険の証書なども持ち出し全て着服したようだ。家だけは仕事柄誠一郎(じぶん)が死んだときを考えて晃徳くんが相続できるように変更されていた。

 

 妻とこの報告を読んだときは流石に怒りに我を忘れかけた。

 

 妻と相談した結果、日本の誠一郎の家だけは手出しできないようにして、他の名義なども変えられてしまったものは、いまはどうすることも出来ない状態だ。せめて家族との思い出のある家だけは残せた。

 

 将来、義息子予定の晃徳くんが大きくなった時点で取り返せるよう手配しようとしたとき、庭から巨大な呪力の波動を感じた。

 

 

 

 

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 少し時間は遡り晃徳がティナとエルネスティの屋敷の案内をしているとき

 

 「次は外よ」

 

 「うん。あ、そう言えば朝、外からチチチチチって鳥の鳴き声がしたから、声のした鳥が見たいな」

 

  僕は朝聞いた独特の鳴き方をする鳥の事をティナに尋ねてみた。

 

 「ああ、あのおでこが青い鳥ね」

 

 「へぇ、そんなのがいるんだ」

 

 「ええ、屋敷の裏手の森によくいるわ、行きましょ」

 

 ティナに手を引かれながら玄関へと向かった。

 

 

 

 

 

 裏手の森に付くとティナと一緒に探したが、不思議なことに動物がどこにも居なかった。

 

 「動物がいないね・・・」

 

 「この辺りにはいつもいるもいるんだけど・・・」

 

 不思議に思いティナと話しているときに僕は変な気配を感じた。

 

 カァーー・・・ 

 

 「あれはカラスね」

 

 ティナはカラスと言ったけど、僕にはそんな生きもには見えなかった。

 

 「ティナ・・・アレはダメだ・・・・カラスなんかじゃない・・・」

 

 「晃徳、どうしたの?」

 

 「アレは・・・・・・」

 

 (少年よ、よく来た)

 

 カラスなのに人の声が聞こえた。

 

 (この地に着きし時よりそのなにものにも染まっていない強大な呪力感じ、会って見たくなった)

 

 でも、大きな力は感じるけど不快感は感じなかった。

 

 カラスは森の奥に飛んでいった

 

 「晃徳、ホントにどうしたの」

 

 「こっちに来いってカラスが呼んでるんだ。」

 

 「カラスが?」

 

 ティナが不思議そうに聞いてくる。

 

 「うん、ティナいってくる」

 

 「ダメよ」

 

 「ティナ?」

 

 「わたしも行くから、ね」

 

 「うん!」

 

 そしてティナと手を繋いで森の奥へ駆け出した。

 

 

 

 

 

 3分くらい走るとカラスが木の幹に止まっていた。

 

 (よく来た少年)

 

 「カラスさん、ここでいいの?」

 

 (うむ、少年よこれに呪力を込めよ)

 

 そう言ってカラスは銜えていた何かを投げてきた。しゃがんで拾ってみると棒に透明な石に金色の縁取りをされたネックレスだった。

 

 「じゃ、込めるよ」

 

 そう言って、石に意識を集中し呪力を込めだすといきなり風吹き出し周りの空気がドクンっと脈打つ感じがした。

 

 「晃徳、怖い・・・」

 

 「一緒にいるよ」

 

 「うん」

 

 呪力を込めていると、地面が黒くなって僕たちは沈みこんでいく。

 

 「こ、これなに!?」

 

 「抜けないわ!」

 

 (怖がることはない、門が開いただけだ)

 

 「ティナ、ここまできたら会いにいこ」

 

 「・・・・・・ちゃんと守ってね」

 

 「うん」

 

 僕は不安がるティナを抱きしめた。

 

 

 

 

 

 気が付いたら神殿みたいなところに立っていた。

 

 (さぁ、こっちだ)

 

 カラスの案内で長い廊下を歩いていくと大きな扉があった。門はかなり大きく金を使った装飾が施された立派なものだった。

 

 その時カラスとは違う声が聞こえてきた。

 

 『入ってくるが良い』

 

 声と同時に扉がひとりでに開き、中には髭の生えた大きなおじいさんが立派な椅子に座っていた。 

 

 「・・・オーディン」

 

 「ティナ?」

 

 ティナを見ると白銀の何かに包まれ、視点の合っていない瞳でおじいさんを見つめていた。

 

 「見えたの、あの方はオーディン・・・」

 

 「?」

 

 「ほぉ、そっちの娘は霊視能力者か。いかにも我が名はオーディン、北欧神話の主神である」

 

 それが、僕が一番初め知った神の名前だった。

 

 

 

 

 

 

 




最初に出会った神はオーディンさんでした。

次回も別の神に会います。

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