カンピオーネ!---譲られた神殺しの力---   作:auslese

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途中、フィンランド語が入ります。

内容は・・・・・・。石投げないで(T_T)

5/29 修正入れました


02話 出会い・・・修正

 

 

 

 

 僕はお父さんを知っているおじさんとフィンランド行きの飛行機の中で居た。

 

 そして今更ながらの質問をしていた。

 

 「あ、おじさん僕の名前知ってるけど、僕おじさんの名前知らない」

 

 「ああ、そう言えば自己紹介をしていなかったね、私の名前はエルネスティ・オルヴァ・サーラスティと言うんだよ」

 

 「え、える・・・わかりません」

 

 とっても長い名前だった。必死に覚えようとしていたおじさんから声がかかった。

 

 「はははは、長いからエルおじさんでいいよ」

 

 「はい、エルおじさん」

 

 エルおじさんは笑顔でうなずいてくれました。正直、あんな長い名前覚えれる自信がなかったからとてもうれしかった。

 

 「うちと言っても詳しく説明していなかったね。うちはフィンランドのヘルシンキと言うところの郊外あるんだ」

 

 「うーーー、わかりません」

 

 僕は、はっきり言って自分の家の周りさえあんまり覚えていない。そんなところに海外の地名を言われてもチンプンカンプンだった。

 

 「はははは、わからなくてもいいんだよ。そこで妻と晃徳くんと同い年の娘と住んでいるんだよ」

 

 「そうなんですか」

 

 エルおじさんところの同じ年の女の子と言うところに少し引かれた

 

 「妻は美人だし、娘は可愛いから晃徳くんがぼーとするかもしれんな、はははは」

 

 「ぼーとなんかしないもん」

 

 丁度、その女の子のことを考えているときに、エルおじさんに声を掛けられてドッキとしたのは内緒だ。

 

 「まぁ、それは着いてからの楽しみとして、眠たくはないとは思うが寝とかないとキツイから、眠くなくても寝ておきなさい」

 

 そう言って毛布をエルおじさんは掛けてくれた。

 

 「えーーー、もっとお外見たいのに」

 

 「いいから寝ておきなさい」

 

 「はーい」

 

 「次起きたら、フィンランドに着いているからね」

 

 「うん」

 

 僕はエルおじさんの言うとおり目を閉じて寝るよう努力した。

 

 

 

 

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 (ふぅ、寝てくれたか)

 

 誠一郎(アイツ)が死んだ報告を聞いて急いで行ったが、まさか半年も遅れて報告が来るとは・・・。

 

 あいつとは長い付き合いだから、簡単にくたばるとは思えなかったが調べてみるとかなりキナ臭いな。

 

 偶々、旅行先で神獣の封印が解け掛かり、

 

 偶々、旅行中の封印できる術者が居り、

 

 偶々、封印の種類が生贄が必要な封印で、

 

 偶々、封印に必要な男女の贄が居た。

 

 そして、封印できたが余波が発生し、周りに被害が発生し、

 

 偶々、その被害を補填できるアーティファクトをアイツが持っていた。

 

 仕組まれたとしか思えんな。

 

 しかも、連絡が来たのがアーティファクトのオークションが終了してすぐだ。

 

 アーティファクトの代金も日本の『官』の四家の一つに流れたみたいだ。

 

 このことは晃徳(この子)が成長するまで秘さなくてはならんな。

 

 復讐でこの子の目を曇らせたくないからな。

 

 しかし、なんと呪力の強い子だ。

 

 寝ているのにこれだけ強い力を感じるとは・・・。

 

 (ん?)

 

 「おとうさん、おかあさん・・・ひとりにしないで・・・」

 

 (ふ、まだまだ子供か。あいつの忘れ形見だ、真っ直ぐに育つことを祈ろう。正しく育てるが強い力は往々して歪みが付き易いからな)

 

 さて、私も一眠りするか。うちのお姫様が気に入ってくれるといいがな。

 

 なんせ、教えてはいないが許婚でもあるのだから・・・。

 

 

 

 

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 僕が次に目を覚ましたのはフィンランドに着いてからだった。

 

 エルおじさんが用意した車に乗って、空港からエルおじさんの家へ向かう途中、車から見える自然に目が釘付けになった。

 

 「うわー、お池や森ががいっぱいあるー! すごいや!」

 

 「そうか。私の家は森の中にあるから森で遊ぶのも楽しいよ」

 

 「うん、絶対あそぶー」

 

 お父さんが死んでこんなにわくわくしたのは始めてだ。高速道路から見える多くの池や人の手の入っていない山々、時折見える動物たち、こんなに多くの自然を見たことがなかった。

 

 「そろそろ私の家に着くよ」

 

 「はーい」

 

 高速道路を降り、少し走った先の森の道を進んで行くと開けたところに大きな屋敷が佇んでいた。

 

 「ふわー・・・・、おっきなお家・・・」

 

 僕はあまりの大きさに開いた口を閉じれなかった。

 

 そんな時、独りでに門が開いた。

 

 

 (ここから拙いフィンランド語が混ざります。()の中が訳です)

 

 

 「「「「Mase Tervetuloa takaisin(おかえりなさいませ)」」」」

 

 門が開くとそこには変わった服を着た女の人と男の人が聞いたこともない言葉でエルおじさんに話しかけた。でも、そんなことより僕は目の前の女の子に見ほれていた。

 

 まるで銀を溶かし込んだ輝くまでの白銀の髪。

 

 「Sinua.Tervetuloa takaisin(あなた、おかえりなさい)」

 

 シミ一つない雪より白い肌。

 

 「Isä.Tervetuloa takaisin(パパ、おかえりなーい)」

 

 そして宝石の様な輝きをした青い瞳。

 

 「Olen kotona(うむ、ただいま)」

 

 透き通るような声。

 

 「Tämä lapsi asuu kotiin tänään Herra.Akinori Maruta(この子が今日から我が家に住む丸田 晃徳くんだ)」

 

 童話の中の妖精が目の前に現れた様だった。

 

 「・・・・・・・・・」

 

 「おっと、そうだったね。晃徳くんは言葉が分からないんだったね。こっちにいるのが妻のシルヴィア・シグネ・サーラスティ。隣にいるのが娘のユスティーナ・レア・サーラスティだよ。」

 

 僕はただただ見蕩れてい居るだけだった。

 

 「・・・・・・・・・」

 

 「ん、晃徳くんどうかしたのかい?」

 

 エルおじさんが何を言ってるのかさえ理解できていなかった。

 

 「えっと、あっと・・・」

 

 エルおじさんがニヤりと笑って爆弾を落としてくれた。

 

 「ティナに見ほれていたのかね?」

 

 「あうあうあうあうあう・・・・・・うー」

 

 エルおじさんに図星を突かれて顔が熱い。

 

 「Tiina.Oletko jotenkin?(ティナ、どうかしたのかい?)」 

 

 「・・・・・・・・・」

 

 エルネスティさんが顔を赤めるティナちゃんの耳元でなにか話しかけてる。

 

 「Isä!(パパ!)」

 

 「Hahahaha.Herra.Akinori Et pitänyt?(はははは、晃徳くんのこと気に入ったんだろ?)」

 

 「・・・・・・・・・」

 

 「En käytä taiteen opetuksen, meidän pitäisi yrittää muille kuin tänään?(教授の術を使うんだがティナ以外の者にさせようか?)」

 

 「Ei!(ダメーー!)」

 

 「Niin, kysyin tänään(じゃあ、ティナ頼んだよ)」

 

 そう言うとエルおじさんがティナちゃんを僕の方に押した。目の前に来たティナちゃんの顔はますます真っ赤になっていた。

 

 「En, koska en voi olla vain tällä tavoin minua nyt!(今のわたしではこのやり方でしか出来ないんだからね!)」

 

 「え? え? え? なに、んーーーーーーーーーーー」

 

 「ん・・・・・・・」

 

 ティナちゃんが何か言ったあと、僕に抱きつき口付けをしてきた。

 

 (心を落ち着けてわたしを感じて)

 

 (!? この声はティナちゃん?)

 

 「んちゅ・・・ん・・・あむ・・・」

 

 「んん!!・・・ちゅう・・・んん・・・」

 

 ティナちゃんは舌まで入れてきた。

 

 (そうよ、これは教授の術。相手に知識を吹き込むための術よ。あとわたしのことはティナでいいわ)

 

 (そうなんだって、違うよ。キスするなんて知らないよ!?)

 

 (まだ未熟なわたしではキスを通してしか出来ないのよ!)

 

 なにか言い訳がましく話してくる。

 

 (でも、でも、キスするなんて・・・)

 

 (わたしもパパとママを除けはファーストキスね)

 

 (・・・・・・ぼくもファーストキス)

 

 僕とティナちゃんは改めて目を見て、お互い真っ赤になりながら顔を逸らした。

 

 「「はぁ、はぁ、はぁ・・・」」

 

 「ティナ」

 

 「パパ?」

 

 「ちょっとこっち来なさい」

 

 「なに?」

 

 エルおじさんに連れられて、少しはなれたところでエルおじさんとティナは後ろ向いてなにか話している。だけど頭の中がぐるぐるしていて僕は呆然としていた。

 

 (ティナ、教授の術は別にキスでなくても良かったんじゃないかな?)

 

 (だって、周りに取られたくないもん)

 

 (しかし舌は必要はなかったと思うよ?)

 

 (・・・・・・・・・)

 

 なんかティナの耳が遠目でも分かるくらい真っ赤だ。

 

 そして、エルおじさんとティナが戻ってきた。

 

 「ま、まぁ、いい。晃徳くん私の言葉が分かるかい?」

 

 「あ、はい。分かります」

 

 「少し早いが夕食の準備が出来ているから食事にしよう」

 

 丁度その時、僕のお腹がくーと鳴いた。

 

 「・・・・・・・・・」

 

 「く、くく、晃徳くん食事にしよう」

 

 「は、はい」

 

 僕は穴の中に入りたい気分になった。

 

 「晃徳、こっちよ」

 

 「う、うん」

 

 いきなりティナに手を握られて顔が熱くなる。

 

 エルおじさん、後ろを向くのはいいけど肩が震えて笑いを堪えているのが一目瞭然ですよ。シルヴィアさんも「あらあら、まあまあ」じゃ、ないでしょ。

 

 ぼくはティナに手を引かれて食堂にはしるのだった。

 

 

 

 

 

 

 食事が終わり、宛がわれた部屋で食事のことを改めて思い出していた。

 

 (ごはん、おいしくなかった・・・)

 

 そう、美味しくなかったのだ。

 

 なんか豆をごった煮したようなものや、変な臭いのするお肉とか・・・。

 

 食材に対して冒涜の様な料理だった。

 

 そして、お風呂を出て一人部屋で居ると日本でことを思い出して涙が出てきた。

 

 「ぐす・・・すん・・・ぐず・・・」

 

 そんな時、コンコンと部屋をノックする音が聞こえた。

 

 「晃徳、起きてる」

 

 ティナだ。涙ふかなきゃ。

 

 「ちょ、ちょっと待って」

 

 「入るわよ」

 

 答えを聞かずに入ってきた。

 

 「やっぱり、泣いてたのね。ほら、涙ふいて」

 

 「うん」

 

 静かな空気。そんな空気を破って声を掛けた。

 

 「ティナ、どうしたのこんな夜遅くに」

 

 「なんか予感がしたのよ」

 

 「予感?」

 

 「そう、晃徳が泣いてる予感が・・・」

 

 「う・・・」

 

 なんで僕が鳴いているのが分かったんだろ。

 

 「晃徳、今日はわたしここで寝るから」

 

 「えーーーーーー!」

 

 「一人にするとまた泣くような気がするから」

 

 「あう・・・」

 

 反論できない・・・。

 

 「そう言えば、わたしと初めて会ったとき呆然としてなかった?」

 

 「・・・・・・」

 

 急に話を変えてきたかと思えばそのことを今聞くの!?

 

 「笑わない?」

 

 「うん」

 

 ぼくは蚊の鳴くような声で答えた。

 

 「・・・よ・・い・・お・たの」

 

 「聞こえないわよ」

 

 「雪の妖精かと思ったって言ったの!」

 

 「はぅ・・・」

 

 ティナの顔が真っ赤になった。

 

 「それにティナこそなんでいきなりキスしたの? 後でエルおじさんが言ってたけど、キスする必要は無いって」

 

 ティナも蚊の鳴くような声で答えた。

 

 「その吸い込まれそうな鴉の濡れた羽みたいな綺麗な黒色の瞳で見つめられて、気が付いたら一目惚れしてたのよ!」

 

 二人とも真っ赤で俯いていた。

 

 ふと、顔を上げてみると丁度ティナも顔を上げたところで、二人とも噴出していた。

 

 「あ、あはははは」

 

 「ふ、ふふふふふ」

 

 「寝よっか」

 

 「そうね」

 

 僕は布団の中にティナを招いた。

 

 「それじゃ」

 

 「「おやすみなさい」」

 

 ティナが横に来ると僕の手を握り締めた。

 

 僕はティナの手の温もりを感じながら、ふと今日までのことを振り返った。

 

 フィンランドに来て、ティナと出会って、お父さんとお母さんが死んで初めて笑った。

 

 この時、僕は何となく予感がした。

 

 僕はこの子に会うためにここに来たのだと。

 

 お父さんとお母さんが繋いでくれたこの出会い。

 

 一目見て好きになった女の子と僕は一緒に進んでいきます。

 

 おとうさん、おかあさん、見守っていてください。

 

 僕はお父さんとお母さんにそう祈るのだった。

 

 

 

 

 

 

 




次回、やっと神々が出てきます。前振りが長いとはなしの方向でお願いします。


執筆者の豆腐メンタルが乾いてしまいますので、感想という水をなにとぞなにとぞ。

執筆者のメンタルは豆腐なので生暖かい見守ってください。      敬具

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