没ネタ集   作:亜莉守

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第一問

振り分け試験、試験会場

 

「(あーあ、アキはバカだよなぁ)」

 

広夢は明久が瑞希を抱えて出て言ったのを確認するとため息をついて問題に向き直る。

 

「(……しょうがねっか)」

 

広夢、自分の意思でFクラス入り。

 

                   ☆

 

始業の日の朝

 

「はよ」

「おはよう」

「遅刻せずに済みそうだなぁ」

「そうだね。毎日のようにヒロが来るし、ありがと」

「おうよ」

 

校門前まで来る。

 

「吉井と久木か」

「よーす、西村センセ」

「おはようございます。西村先生」

「久木はもうすこし……いや、そうではないか」

 

西村先生はため息をついた。

 

「ところでですけどクラス分けは?」

 

きょろきょろする広夢。

 

「ああ、これだ」

「うわ、一枚一枚手渡しなのかよ。面倒な」

 

広夢の顔が引きつる。

 

「まあ、世間から注目されている最新の技術が導入されている学校なのでな、目新しいことをしないといけないというわけだ」

「はぁ、ご苦労なことで」

「あ、やっぱFクラスか」

 

明久は割とあっさり受け入れる。

 

「アキは途中退席だもんな。瑞希、助けて」

「あはは、まあね。瑞希ちゃんが倒れるの見過ごせなかっただけだよ。ヒロは? ヒロの成績ならCくらいは行けるでしょ」

「残念、Fだ」

 

明久に用紙を突きつける広夢、明久は驚く。

 

「なんで?!」

「さーてな。バカがバカやるの阻止するためじゃねーの?」

「バカバカ言うな!!」

 

言い合う二人に西村先生呆れる。

 

「全くお前さんらは仲がいいな」

「どうも、じゃ行くかアキ」

「うぅ……しょうがないなぁ。オッケー ヒロ」

 

その後もグダグダ喋りながらFクラスに向かう二人だったり。

 

                   ☆

 

教室に入るとき。

 

「早く座れこの蛆虫野郎が」

「……ふむ」

 

広夢、ボイスレコーダーの録音を確認する。

 

「ヒロ、それ教員じゃないから。ただの赤いゴリラだよ」

「そうか、すまんな。ゴリラ」

 

何だかんだで酷い二人である。

 

「誰がゴリラだ。バカ久」

「初対面の女子を罵倒するような奴はゴリラと言われても仕方がねーんじゃないか?」

「誰だよ」

 

雄二は素で驚いた。

 

「幼馴染だけど、てか入学式の時会ったよね?」

「……あ、あいつか」

 

ようやく思い出したらしい。

 

「どうも、アキ席順どうなってそうだ?」

「あー、自由みたいだね」

「はぁ、どこまでウチの学校は………」

 

何だかんだで隣か前後じゃないかな?

 

                   ☆

 

自己紹介の時

 

「吉井明久です。気軽にダーリンって呼んでください」

「「「ダーリーンっ!!」」」

「えっと、忘れてください」

 

顔色悪そうに明久が座る。それを見計らって広夢が話しかけた。多分茶化すような感じ

 

「ばーか、てか俺以外に言わせるなよ。ダーリン?」

「それはそれはごめんね、ハニー?」

「お前ら仲いいんだな」

「まあな」

「まあね」

 

幼馴染だから息もぴったりなのさ。

 

                   ☆

 

瑞希加入後。

 

「あれ? 広夢ちゃんに明久君?!」

「よー、瑞希 体大丈夫か?」

 

広夢と瑞希も幼馴染設定。

 

「あ、はい でも何で広夢ちゃんがFクラスに?」

「はぁ、バカがバカやらかすの阻止しに」

 

明久が食いつく。

 

「バカバカ言うなって何回言ったらわかるんだよ。このお人好しヒーローが」

「そっちの方こそヒーロー言うな!」

 

そのまま言い合う二人、その様子を眺めてた雄二が瑞希に尋ねる。

 

「なあ姫路、こいつらいつもこうなのか」

「はい、こうですよ……でも……昔だったらもう一人いましたけど」

「(もう一人?)無駄に仲いいなあいつら」

「はい、もちろんです」

 

幼馴染である瑞希には普通の光景だったり。

 

                   ☆

 

作戦会議in屋上、当然ながら広夢もついていく。

 

「よーし、今日は進級祝いだし豪華だよ」

 

弁当箱を開ける明久、結構豪華だ。

 

「お、美味そうだな」

「……彩もきれい」

「美味そうじゃのう」

「嘘でしょ? これ、吉井が?」

「明久君はお料理すごく上手ですから」

 

他のメンバーが明久の弁当に色々言っている間に明久は卵焼きを挟んで広夢の方へ

 

「はい、あー」

「ん……美味いな」

「当然でしょ」

 

一瞬空気が固まるが、とりあえず復活、瑞希に一斉に質問が飛んだ。

 

「……なあ、姫路 あいつら付き合ってんだよな? そうだよな?」

「ワシもそうとしか思えんのじゃが」

「……同感、そして恨めしい」

「………吉井」

「えっと、そんなわけありませんよ? いつもの事ですよ?」

 

リア充爆発しろ。多分全員の心境がこれだった。

 

 

 

                   ☆

 

時間戻してDクラス戦時

 

「げ、船越って……うわぁ」

「ケケッ いい気味だ」

「はぁ、アキも不憫だなぁ」

 

過保護フラグかも? もしくは雄二との不仲フラグ。

 

                   ☆

 

Dクラス戦後、偶然にも広夢が現場に居合わせる。

 

「あ」

「あ」

 

落ちた紙を拾う広夢。

 

「えっと、ラブレター?」

「あわわわ」

 

内容を読んで普通に気が付いた。

 

「アキに……か」

「は、はい」

「がんばれよ」

 

紙を返して普通に去ろうとする。

 

「広夢ちゃんはいいんですか。私が明久君に告白して、明久君がオーケー出したら広夢ちゃんは………」

「いいんだよ。俺にあいつはもったいないし」

「もったい……ない?」

「そうだよ。あいつはさ俺なんかと違って人のために一生懸命になれて、人を助けることができて、まるでヒーローみたいな奴さ。ああいう奴がヒーローなんだよ。だ「そんなことありません!!」

 

瑞希の声に驚く広夢。

 

「瑞希?」

「広夢ちゃんだって立派なヒーローです! 将来の夢『正義の味方』だって言ってたじゃないですか! 私、覚えてますよ。それに広夢ちゃんは私のヒーローです! そんなこと言わないでください……二人は私が大好きなヒーローそのままです。だからもったいないとか悲しいこと言わないでください」

 

瑞希の顔を見てちょっとして、広夢が破顔した。

 

「瑞希……そうだよな。ありがと」

「よかった」

「ま、でも瑞希の恋、応援するよ。俺は誰にも恋なんてしてないし、なんかあいつとは家族の延長なんだよなー」

 

それにしてはスキンシップが酷いけど。

 

「そ、そうだったんですか」

「そ、まあだから。がんばれ、瑞希」

「はい!」

 

瑞希と広夢は完全に仲がいい。

 

                   ☆

 

Bクラス戦、島田人質後。

 

「で、島田 言い訳はなんかあるか? 勝手に前線抜け出して、人質になりやがって」

「う、うぅ」

 

Fクラスにて島田に説教をしてる広夢。

 

「しまいにゃその理由が『アキが瑞希のパンツ見て鼻血出した』? そんなアホな理由で保健室に行くかってんだ。その挙句の果てに助けたアキに感謝の一つも言わずに関節技たぁどういう神経してんだよ」

「っ それは、吉井がウチのこと偽物扱いするから……」

「は? 偽物?」

 

その話題は聞いてなかったらしい。

 

「ウチが変装した敵兵だからって全軍突撃って……自由になった後も偽物扱いするし……」

「あー、それはアキが悪いな。すまん」

「へ?」

 

普通に謝る広夢、自分に非があるなら普通に謝るほうだ。

 

「はぁ、とはいえ勝手に抜け出していい理由にはならないんだぜ? 戦場に私情を持ち込むなってんだ。戦争は色なし恋なし情けあり、よーく覚えとけよ」

「う、うん……」

 

ここから島田との友情フラグがあってもいいかも。

 

                    ☆

 

Bクラス戦

 

「広夢ちゃん、どうしよう。私、私」

「どうした? 瑞希、何かあったか?」

「ラブレター、Bクラスの根本君が……」

 

その一言で察する広夢。キレた。

 

「根本マジで許すまじ……瑞希、待っとけ。俺なんかでよければどうにかしてやるさ」

「なんかじゃないです。広夢ちゃんと明久君はヒーローですから」

「まあ、完璧解決は期待するなよ」

「もちろんですよ」

 

完全無欠のヒーローなんかじゃないんだぜ。

 

                    ☆

 

Bクラス戦、最終局面

広夢なら多分乱入できる。

 

「どうもー、正義の味方のデリバリーです。卑怯な代表さんに敗北を配達しに来ましたー」

「なっ」

「女の子の秘密握って脅すとかマジで卑怯だよな。そんなわけで悪即断!!」

 

サクッと根本を倒す広夢。

 

「ま、負けた……だと」

「はっ、当然」

 

正義は必ず勝つんだぜ? 何を正義というかは人それぞれだろうけど。

 

                    ☆

 

Aクラス戦後

 

「チョイ待ち!」

「どうかしましたか? 久木さん」

「先生はウチのクラスの現状知らないから、そんなことが言えるんじゃないか? 土屋」

「……準備完了」

 

「召喚戦争」と同じくスクリーンにクラスの状況が映し出される。

 

「って言うわけだ。Fクラスは確かに負けたがこの状況で勉学に励めとか無理だっての」

「これは……」

「はぁ、了解した。我々から上に掛け合ってみる。これでランクダウンはきついな」

 

この場合には西村先生が担任に切り替わる。

 

「ありがとうございます。それからこれ、さっき見せた写真のデータ」

 

準備はいい方な広夢だった。何処かのうっかりみたいに詰めが甘いとかも無いんだぜ?

 

「これくらい別にやって構わねーだろ」

「ヒロ……せめて説明しておいてほしかったよ」

「そうですね。広夢ちゃんの悪い癖ですよ、それ」

「ははっ、そりゃ さーせん」

 

たぶん瑞希(1)を救うためにFクラス(9)を利用するのが広夢。





変わったところだけを描くスタンスなのさ。どうせここを見てるのは原作を読んでいる人だけだろうし


紹介

坂本雄二
Fクラス代表、とりあえず広夢とは関わりほとんど無し

土屋康太
Fクラス所属 同じく関わり合いなし。強いて言うならAクラス戦の後

木下秀吉
Fクラス所属 今回は出番ほぼ無し

島田美波
Fクラス所属 この後の展開は友情√に入れば救済、仇敵√に入るとライバル化する

姫路瑞希
Fクラス所属 二人の幼馴染、朱に交われば赤くなるというけど元々無駄に濃い連中と一緒だったので原作の彼女より染まりにくい。料理については聞かないように

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