IS/勇者王ガオガイガー─白き翼の戦士と勇気ある者―   作:オウガ・Ω

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???

《ESワープ完了。警告、後方より原種反応を確認》


「ジェネレーティングアーマー最大出力!及び反中間子砲、ESミサイル一斉掃射!!」


《了解……反中間子砲、ESミサイル掃射》


―なんだ……夢にしちゃ妙にリアルだな―

白く巨大な船と長方形の赤紫色の巨大なオブジェが戦ってる、回りにも似た船が何隻もいる。しかし赤い光が包み込み白い船は破壊されていく


―J-011。アーク三番、四番艦轟沈を確認。現在この宙域には―


「…私たちだけか……トモロ113、ランダムESワープでここから離脱する……生命維持を《アルマルーム》に優先しろ!」


―了解…ランダムESワープ開始―


目の前に不思議な空間が広がり真っ直ぐ入る、いくつも違う風景が広がった次の瞬間、白い船の後ろが爆発した


「どうしたトモロ!」


―ジュエルジェネレータに破損、損害重大………強制ESアウトをする―


大きな衝撃が船を二回揺るがすと光が広がり見えた光景に言葉を失う


―なんで、地球があるんだ―


《ジェネレーティング・アーマー出力低下…この惑星の重力に引かれ墜落する》


「やむを得ん、アルマルームの物理衝撃保護最大出力!このまま不時着する!!」


――――――――――
――――――――


「はっ!?何て夢だよ。でもJ、トモロ、アルマ…なんだろうすごく懐かしい気がする」


寝ぼけながらベッドからでる一夏、だがその左腕に赤い光《J》の幾何学模様が浮かび瞬く間に消え去った






第十一話 空を征するもの

「はああ~」

 

 

空を見上げため息をつくのは一夏達のクラス副担任の山田摩耶先生。彼女の目には真っ暗な空、本来だったらISを用いた飛行実地訓練をする予定だった…しかし三日前、突如現れた雲のせいで太陽は遮られ昼間でも明かりをつけなければ歩けない状況に、事態を重く見たIS学園の教諭達は事態が終息するまで屋外でのISを使った飛行訓練を取り止めることが決まり、クラスの皆にIS飛行訓練を教えることを張り切っていた摩耶は落ち込んでいた

 

 

「よう!山田先生!!」

 

 

声がかけられ空から目を離し振り返る。IS学園に臨時講師として来ている《火麻激》の姿に驚き慌てる

 

「火、火麻先生!?どうしたんですか?」

 

 

「ああ、これから野暮用で外に出るんだよ……んでだなに見てたんだ?」

 

 

「そ、外は危ないですよ…いつになったら空が晴れるのかなって考えてたんです…せっかくみんなとIS飛行訓練ができると思ったのに」

 

 

「大丈夫だ山田先生。雲は必ず晴れるから信じて待ってな…じゃあな山田先生!!」

 

「え?火麻先生………いっちゃいました……でも信じてもいいかな」

 

 

腕を軽くあげその場から走り去る火麻にあっけにとられる摩耶、しかし火麻の言葉から強い自信を感じとっていた

 

第十一話 空を征するモノ

 

「……今日も真っ暗だな燐」

 

「そうだな、まあ晴れないって訳はないから気長に待とうか」

 

 

「…だがこうも暗いと気が滅入ってしまうな一夏」

 

 

「そうですわね…全くあの雲はいったいなんなんでしょうか?」

 

「……天気予報もずっと曇りだし雨も降らないなんて……全くなんなのよあの雲は!?」

 

 

「お、落ち着いて凰さん。でもいつかは晴れるよ」

 

 

雲が晴れないことに苛立つ鈴をシャルルがなだめる中、燐は別なことを考えていた

 

(今、この上空に展開している雲からゾンダーIS反応があるって聞いたけど攻撃もせずただ浮いてるだけだ…じいちゃんと大河長官、火麻参謀は今も対策を考えてるけど…それにあの中には…)

 

雲が出現して二日目、ロシアのIS部隊が突入を試みて内部へ入った…だがすぐに通信が途絶した

 

(束さんは全員生きてるっていってたけど、SEの残量からしておそらく今日までしか持たない…何とかしなきゃ)

 

 

「お~い燐、そろそろお昼にしようぜ」

 

 

「え?ああそうだな……ん?」

 

左腕のブレスレット、待機状態のファントム・ガオーが震え迷わず開くと暗号化されたメッセージが網膜に流れた

 

―……GGG機動部隊は直ちにメインオーダールームへ集合せよ…―

 

 

「わ、悪い一夏くん。俺は今から公団へいかないといけなくなったからお昼はまた今度でいいかな?」

 

 

「それなら仕方ないか、じゃあ、また今度お昼にしような」

 

 

みんなに謝ると燐はその場から駆け出していく

 

 

「あ。僕、織斑先生に職員室へ来るように言われてたからお昼はまた今度でいいかな?」

 

 

「シャルルもか、そうだなまた今度な」

 

 

軽く頭を下げ駆け足で走るシャルルを見送り一夏は残ったみんなと共に食堂へと向かっていった

―――――――――

――――――――

 

 

IS学園より数キロ離れた人工島《ギガフロート》に建設された宇宙開発公団、その最深部にある計六つのエリアがヘキサゴンに接続された、ここGGG本部メインオーダールームでは三日前に突如現れた雲型ゾンダーISへの作戦会議が行われようとしていた

 

 

 

「よく集まってくれたな諸君、皆も知ってるとおり三日前に突如現れた雲型ゾンダーISへの突入作戦を試みたい…だがその前に君たちに新隊員を紹介したいと思う…入ってきたまえ」

 

 

「は、はい」

 

 

扉が開きメインオーダールームへ入ってきた人物に思わず声をあげそうになる燐、何故ならプラチナブロンドの髪にアメジストの瞳に女の子と間違えるぐらいの容姿のシャルル・デュノアがGGGのジャケットをはおっていたからだ

 

 

「ち、長官!何でシャルルがここに」

 

「燐、我々GGGの力ではコアに取り込まれた人を安全に分離する術はない…」

 

「でもシャルルは民間人だ。万が一のことが起こったら…」

 

 

「燐、僕なら大丈夫だよ」

 

 

「シャルル!?」

 

 

「僕に何でこんな力があるかはわからない…でも取り込まれたコアに触れたときに声が聞こえるんだ《たすけて》って……だからお願い!」

 

 

「…う…」

 

 

「燐、お前の負けだ。ここまで強い意思を持ったヤツを見るのははじめてだぜ」

 

「…長官、バイオネットはゾンダーISを人に戻す力を持つシャルルを狙うはず。俺にシャルルの護衛を任せてもらえないか」

 

 

「ああ、構わない…だができるだけ我々の方でもサポートをしよう」

 

 

「ありがとう長官…」

 

 

 

「新隊員の紹介も終わったところで本題へ入ろるかの。束くん、あやつの詳細なデータをスクリーンに……束くん?」

 

 

「は、はいは~い、あの雲の構造解析映像出すよ♪」

 

黒いオーラを漂わせるもすぐに消し去るとキーを軽快に叩きスクリーンに雲内部構造図が大きく表示された

 

 

「あの雲を構成しとるのは高密度の酸素じゃな」

 

「ふむ、毎時20キロ四方に拡大しているか……束くん、これは?」

 

 

「空気取り入れ口だよ。あの雲型ゾンダーISは端から空気を取り入れてるんだ。まるで呼吸をするみたいにね、ロシアのIS部隊はそこから突入したみたいだけど」

 

「ロシア……まさかと思うが更識楯無君も参加していたのかね」

 

 

 

「ああ間違いないぜ。ロシア政府から実戦データをとるよう頼まれたらしいぜ…」

 

 

「…ロシア政府…確かG-IS-07《アリエス》の稼働テストをしてたな」

 

 

 

「ま、んなことより。内部にとらわれたIS操縦者数名の救出を優先、救出後にゾンダーISからコアをえぐり抜く……」

 

 

「しかし正確な位置をつかまなければならない……そこで、燐には空気取り入れ口から内部へ潜入、とらわれたIS操縦者全員の救出を頼む。現在、空へ行けるのはガオファーステルスガオーⅡ装備モードだけだ」

 

「わかったよ大河長官」

 

「凍也と炎竜は俺と一緒に水陸両用整備装甲車で待機だ」

 

 

「わかりました」

 

 

『おうよ!』

 

 

「ではこれより雲型ゾンダーIS内部へ潜入、内部にいるIS操縦者全員の救出、ゾンダーIS撃破作戦開始する!!」

 

 

「「「「了解!」」」」

 

 

大河の号令と共に火麻、凍也はエリアⅣ水陸両用整備装甲車、レイジ、束はエリアⅦ三式空中研究所へ、オート制御で燐をのせたエリアI三段飛行甲板空母がヘキサゴンから切り離されウルテクジェットで急速浮上、海を割り空を舞う

 

やがて目的地、空気取り入れ口付近に到達。滞空する三段飛行甲板空母艦内でガオファー・ステルスガオーⅢ装備モードでカタパルト内に立つ

 

 

『聞こえるリッ君。ガオファーとステルスガオーⅢは特殊コーティングが完了してるよ…ライナーガオーⅡ、ドリルガオーⅡ、ディバイディングドライバーはあとニ時間、頑張って一時間で終わらせるからそれまでファイナルフュージョンはダメだからね』

 

 

「うん、よしミラーカタパルトオープン……ガオファー・ステルスガオーⅢ装備モードいきます!!」

 

 

瞬く間に光が集まり燐の身体を白銀の粒子が蒸着、同時にふわりと浮きあがり次の瞬間、勢いよく空をかける

 

 

「く、何て風だ!!」

 

 

体勢をギリギリで立て直し風に身を任せるように空気取り入れ口へ向け飛翔するガオファー・ステルスガオーⅢ装備モード

 

 

―――――――――

―――――――――

 

 

「ガオファー、空気取り入れ口まで距離500、400、300…」

 

 

「ふむ順調に風に乗ったの…」

 

確実に空気取り入れ口へ近づくガオファー、しかし警告音が流れた

 

 

「いかん、冷たい空気と暖かい空気がぶっかりあって竜巻に近い状態になっておる」

 

 

「そんな!ステルスガオーⅢの設計耐及度が限界に近いよ…どうしよう。このままじゃ……リッ君すぐに引き返して!!」

 

 

『束さん、俺はこのまま内部に突入する!ウオオオオオ!!』

 

「やめるんじゃ燐!」

 

 

『ぬ、うう……う…う………』

凄まじい気流に錐揉み状態になりながら内部へ吸い込まれるようにその姿が消えると同時に燐、ガオファーとの通信が消え束は顔をうつむかせ、レイジは燐が消えた空気取り入れ口を凝視したまま立ち尽くした

 

 

――――――――

――――――

 

 

「リッ君、起きないと風を曳くよ」

 

「う、うん…あれ俺なんで…」

 

 

「俺?いつからリッ君は俺って言うようになったのかな~まだ早い♪リッ君は僕が似合ってるんだから」

 

 

「あ、うん…でも今日はどうしたの束さ…束お姉ちゃん」

 

 

「リッ君たら忘れてる~今日はリッ君のお父さん達がモジュール01から戻ってくる日だよ」

 

「ああ!そうだった…早くいかなきゃ…」

 

 

「そうだね、今までリッ君がやってきたことを教えないとね」

 

 

―フュウウジョン!ガオッフアアー!!―

 

 

―いくぞバイオネット!!―

 

 

「…僕がやってきたこと…」

 

―ファイナル!フュウウジョオオン!!―

 

 

―ガァオッ!ファアイッ!ガアアアア!!―

 

 

「そうだよ、リッ君が今までやってきたことだよ」

 

「……うん、束お姉ちゃん。僕…俺いかなきゃ」

 

 

「ま~た俺?になってるよ♪リッ君。じゃあいってらっしゃい」

 

 

「うん」

 

うなずくと同時に強く風がなぎ思わず燐は目を閉じた

 

――――――――――

――――――――

 

 

「は!…ここは」

 

 

身体をゆっくり起こす燐、見回すも辺りは暗いガオファーのハイパーセンサーでスキャンすると位置座標が示された

 

 

「中心部に近いか……人の氣はそこに集中している…」

 

歩き出した燐はハイパーセンサーで現在位置を確認しながら人の氣を感じとる、やがて燐の前に壁が見える…

 

 

「…この上か…よしファントムクロー!!」

 

 

両腕の金色のクロー《ファントムクロー》を展開し突き刺し上っていくガオファーは遂に中心核へ辿り着いた。ハイパーセンサーと人の氣を感じ見ると六人のIS操縦者の姿。そのうち一人に目が止まる

 

 

(あの人は保健室であった上級生?ロシア代表候補生だったのか…時間は一時間が経ってる)

 

見覚えがある顔に驚くも燐はファイナルフュージョン要請シグナルを発信と共にあるメッセージを送る

 

―――――――――

――――――――

 

 

「」

三式空中研究所、同オペレータールーム

 

燐との通信が途絶え一時間、通信回復作業と特殊コーティング作業を進めるレイジと束が作業を終えたと同時にパネルが赤く明滅しモニターに暗号通信が入る

 

「せ、先生、リッ君からファイナルフュージョン要請シグナルが来たよ。リッ君が生きてるよ!!」

 

 

「よし長官に要請シグナルを発信してくれ!束君、ガオーマシンをあの中へ射出、60秒後にディバイディングドライバーを射出じゃ」

 

「う、うんわかったよ!火麻さん達にも連絡しておくね!!」

 

 

――――――――

―――――――

 

 

「よっしゃあ!凍也、炎竜、打ち合わせ通りにいくぞ!!」

 

 

「はい、いくぞ炎竜!」

 

 

『っしゃあ、いくぜ凍也!!』

 

 

水陸両用整備装甲車の上部ハッチが開くとG-IS-03氷竜、ビークル炎竜が飛び出し着地、しかし炎竜が降りた方に土煙が立ち上る

 

「炎竜、着地のコツを覚えろ」

 

 

『ビ、ビークル形態ならうまくいくと思ったんだけどな』

 

――――――――

―――――――

 

 

「ち、長官さん。ファイナルフュージョン要請シグナルが来てるよ」

 

 

「ああ、あまり緊張しなくていいよシャルル君。よしファイナルフュージョン承認!!」

 

 

「承認シグナルを三式空中研究所へ転送します」

 

 

―――――――――

――――――――

 

 

「ガオーマシン各機、雲内部へ突入。ガオファーとランデブーまであと十秒じゃ」

 

 

「承認シグナル受諾!ファイナルフュージョン!プログラアムウッドラアアアアアアイブ!!」

 

 

赤く光輝くパネルを叩き壊すとモニターに各ガオーマシン、ガオファーの各システムプロテクトが解除され大きく文字が流れた

 

 

―GAOFIGHGAR―

―――――――――

――――――――

 

 

「来たかガオーマシン!いくぞファイナル・フュウウウゥジョオオン!!」

 

 

リングジェネレータのシャッターが開きプログラムリング形成展開、それに乗る走るようにガオーマシンが走ると共にリングが吸収され合体シークエンスに入る

 

 

ドリルガオーⅡのドリル部が全面へスライド脚へ装着、ジャッキがガオファーの足を固定、続けてライナーガオーⅡのブースターが分離、上下が開き右肩に進入と共に量子化し左肩へ装着、背後からステルスガオーⅢが飛翔と共に肩部装甲が胸へ移動脇腹へインテークがロック、肩から強化アームが形成と同時にエンジンブロックが競り上がりドッキングと共に拳が回転し飛び出す

 

最後に黒い兜を模したヘッドギアが装着、マスクが展開、額にGストーンが競りだし輝く

 

 

「ガァオッ!」

 

 

左腕を前に突きだし拳表面にGの刻印が輝き

 

 

「フアイッ!」

 

 

両腕からGエネルギーを放出させ交差

 

 

「ガアアアア!!」

 

 

両腕を大きく構え叫ぶと同時にEMTが弾ける

 

 

バイオネットのゾンダーISの驚異から人類を守護するために《破壊の神》を姿を元にし産み出された《希望》

 

 

その名も…

 

 

―勇者王ガオファイガー―

 

 

 

「来たか!…うおおお!!」

 

 

ウルテクスラスターで上昇と同時にディバイディングドライバーがガオファイガーに迫り、燐はそのまま左腕へドッキング。-上の金属版に光が走る

 

 

「ディバイディングッ!ドライバアアアア!!」

 

 

――――――――

――――――――

 

 

その頃、雲型ゾンダーISの上部に光が走り円形状に拡がり止まる。すると中に捕らわれていたロシアのIS部隊がGGG開発特殊バルーンに一人一人が包まれている

 

 

「やりおったな燐、ディバイディングドライバーで空間歪曲、穴を明けるとは。雲の内部は常温に近い状態でなおかつ雲は穴を開けられ空気は抜け上昇気流を産み出す…さすがはワシの孫じゃ」

 

 

「でも…あの人たち回収するのは誰がやるの?」

 

 

「大丈夫じゃ、彼が動いておる…」

 

 

モニターには白と紫色の影がロシアのIS部隊を回収していく姿をみて彼と言う人物に気づいた

 

 

(…キリ君…)

 

 

――――――――

―――――――

 

 

―篠ノ之博士…お願いがあります―

 

 

―キ、キリ君?リミピットチャンネルを使っちゃダメ!早くマニージマシンに座らないと―

 

 

―…刀奈と簪には私が死んだと伝えていただけないでしょうか―

 

 

―なんで、何でそんなこと言うのキリ君!君は生きてるのに何でそんな事を!!―

 

―……今の私は彼女達が知る《犬神霧也》ではありません…今こうして博士と話してる《私》が《本当の私》なのかわからないのです―

 

 

 

―――――――――

――――――――

 

 

(……キリ君、君は本当にそれでよかったの)

 

 

「いくぞ炎竜!」

 

 

『おうよ凍也』

 

 

操縦者達が紫色の影に救出されたのを見て地を蹴りウルテクスラスターを飛翔し叫んだ

 

 

『「シンメトリカル・ドッキング!!」』

 

 

―――――――――

――――――――

 

 

「ゾンダーISコアはあそこか!ヘル・アンド・ヘブン!!」

 

 

右腕にブロウクンエネルギー、左腕にプロテクトエネルギーを溢れ出させ徐々に拳を近づけていく

 

 

 

 

「ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ……むん!!」

 

 

組み合わせ瞬間、中心核めがけスラスター全開で突き進むガオファイガー。それに気づいたのか雲型ゾンダーISから無数の針が弾丸のように襲いかかる

 

 

「うおおおおお!!」

 

 

弾丸のような早さで襲いかかる針を拳から発するエネルギー《氣》の障壁で防ぎ遂に紫色に輝く丸い球体がみえ迷わず掴みとった

 

 

―――――――――

――――――――

 

 

『「超オォ竜ウゥ神ッ!!」』

 

シンメトリカルドッキングを終え超竜神は一際高いビルの屋上に降り立ちクレーンアームを正面へ伸ばすと同時にイレイザーヘッドXLをコールし雲へ構えた瞬間なにかがつき抜けてくる

 

 

「うおおお!」

 

 

突き抜けてきたのはゾンダーISコアを両手に構えたガオファイガー、超竜神と互いにすれ違う

 

 

『「ワンオフアビリティー!イレイザーヘッドXL射出!!」』

 

 

ドンッと鈍い音と共に銀色の塊がまっすぐ向かう…着弾寸前に雲が爆発するが瞬く間にイレイザーヘッドの超振動により爆発のエネルギーは宇宙空間へと逃がされ放出。数日ぶりに街を太陽がさんさんと照らし出した

 

『「お疲れ様です燐」』

 

 

「ありがとな凍也…」

 

 

『「あと数分したらシャルルが来ます。それまで辛抱を」』

 

凍也の言葉にうなずく燐…だがコアをえぐり抜いた時の事を思い出していた

 

―はっ!―

 

 

コアを中心に数えきれないほどの円錐状の物体が全方位を囲み、ありとあらゆる場所へ狙いをつけている光景

 

 

(アレはいったいなんなんだ…まるでミサイルじゃないか)

 

 

「燐~」

 

突然響いた声に我に変えると緑の光に包まれたシャルルがフワリと降り立つ

 

「どうしたの燐、具合が悪いの?」

 

 

「い、いや何でもない…じゃあシャルル、頼むよ」

 

 

「うん。クーラ・ティオー・テネリタース・セクティオー・サルース・コクトゥーラ」

 

 

「ああ、うう……わたし、わたしもう一度頑張ってみる……」

 

 

ボロボロのISスーツに自身のISコアを握りしめ泣きじゃくる女性を保護し燐、凍也、シャルルは水陸整備装甲車へ乗り込みその場をあとにする。そこから少し離れた場所では先ほどロシアのIS部隊を保護救出した霧也がボルフォッグを纏い容態を見ていた

 

 

「…脈拍、呼吸共に正常ですね…」

 

容態に異常がないことに安心した霧也はメインオーダールーム経由でロシア政府に連絡を取ろうとした、が背後に気配を感じ振り返る。水色の髪を風に揺らし驚いた表情で霧也をIS学園最強の生徒会長《更識楯無》がジッと見ていた

 

 

(か、刀奈!?意識が目覚めたのですか!?)

 

 

「……やっぱりキーちゃんだ…やっぱり生きてたんだね」

 

 

「……人違いです…私の名はボルフォッグ。あと数分したらロシア政府から回収チームがあなた方の元へ参ります…では失礼」

 

 

「待って!キーちゃん」

 

 

背を向け飛び去る霧也を追いかけようとするもISのエネルギーが切れていることに気づき、楯無はその姿をだまって見送ることしかできなかった

 

 

第十一話 空を征するもの

 

 




君たちに最新情報を公開しよう


雲が晴れ外でのIS実地訓練が再開され活気に溢れるクラス、しかし様々なハプニングも起こりやすい

そんな中、シャルルの護衛の為、同室になった燐はある衝撃の真実を知る


IS《インフィニット・ストラトス》―白き翼の戦士と勇気ある者―


第十二話 クラスメイトの正体


次回もファイナルフュージョン承認!


―ボディーソープ―


これが勝利の鍵だ!!


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