IS/勇者王ガオガイガー─白き翼の戦士と勇気ある者―   作:オウガ・Ω

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六年前

…メノマエニイルノハダレダロウ…


アラートガヒビクナカカンガエル。キドウシタバカリノボクハシンニュウシテキタ《テキ》ヲタオセトギムレット様にイワレ、ムカッタバショニイタノハ《ゴールドタイガー》《シルバーピューマー》《ブルーレオン》…バイオネットサイダイノショウガイニシテ、サイユウセンセンメツモクヒョウ


―ID5―


オノオノ、トッシュツシタノウリョクヲモチアワセタゴニンカラナル《カウンターテロブタイ》、デモアトフタリタリナイ


ハイゴニケハイ、フリカエリザマコウシュウハブレードヲテンカイシキリハラウ…デモテゴタエガナイ

「うそ、…なんで、なんでなの!?」


コウシュウハブレードヲカワシタノハシロイウサギとクロイオオカミ…


「アリス!今はこの子を助けるのが優先だ!!(バイオネットめ!何て事を)」


ダレダ?…アリス…ッテナマエ…フシギノクニノアリス…アリス…


―○△◆君~遊びに来~た~よ~♪♪―


ウ、アタマガイタイ…アリス…タバ…タ…オネエチャン…チガウ…ID5《ホワイトラビット【アリス】》ダ、アレ。ナンナノ?シカクキカンカラ、ミズガアフレダス…ムネガイタイ…アタマガイタイ、アツイクテワレルヨウ

(アツイ、アツイ……)

燃エルヨウナ熱サノセイデ動キガニブクナル…デモ敵ヲタオサナキャ…


「アリス、私がアイツの動きを止める!なんとか対処法を考えろ!!」


「………う、うん!」


(高周波ブレードか…だが当たらなければ意味はない!)

クロイオオカミガカタナヲジョウダンニカマエチヲケリキリカカッテクル。


イママデアイテシテキタ《ジュウジン》トハマッタクチガウシ、ミタコトガナイウゴキダ

フタタビ《コウシュウハブレード》ヲテンカイシレンゾクデキリカカル…ソレヲウケヨウトセズカミヒトエデカワス《クロイオオカミ》


ナゼアタラナイ…ソレニアノ《メ》ハナニ?

ケンヲフルウ《クロイオオカミ》カラハツヨイ《ナニカ》ヲカンジナガラ《ブレード》ヲフルウ

アツイ、レイキャクガオイツカナイ…ムダナクハヤクウゴカナキャ…

「くっ!(今までのメタルサイボーグと比較にならないか、だが)」


「今だよ、ちーちゃん!」


アレ、ウゴカナイ…手足二ナニカガコウソクシテル。センサーニハリングジョウノブッタイガテアシニアル

「…………」

《ホワイトラビット》ガユックリトチカヅイテクル…ウゴケナイボクニトドメヲサスヨウダ



アツイ…アツイ………アタマガイタイ


「……くん……ごめんね……本当に…めんね」


タスケテ……ダレカ……タスケテ…オネエチャン……



第四話 赤と青(前編)

「何格好つけてるんだ鈴?すげえ似合わないぞ」

 

「な、何てこと言うのよ、あんたは!?」

 

やっと普通にしゃべったコイツは俺のセカンド幼馴染み《凰鈴音》。少しだけ引いたぞ…

 

「ふあっ…一夏くん、呼んだ?」

 

「あ、鈴《リン》、燐《リン》違いだから気にするなよ…」

 

寝ぼけ眼で見ながら体を起こしたのは数少ない俺と同じ境遇の世界で二番目にISを動かした男子で友達の獅童燐、眠そうな目で鈴をじっと見てる

 

「…あ、はじめまして獅童燐だ。えと」

 

「凰鈴音よ。っていうかさ」

 

 

第四話 赤と青(一)

 

 

 

「?」

 

「あんた名前被るから名前変えなさい!」

 

 

「え?いやいきなり名前変えられないし…変えるなら凰さんの方かな?鈴って《スズ》って読めるし」

 

 

「だ、誰が家なき子よ!」

 

「待て燐、双海亜美何てどうだ?」

 

 

「それいいな一夏くん」

 

 

「ア、アイドルマ○ターじゃないわよ!スク水なんか着ないからね!!」

 

お~い燐、あんまし挑発するなって。鈴って怒ると怖い…半分俺にも責任あるか、ってか鈴の背後に雄叫びをあげる猫が見えて…

 

 

バシンッ!バシンッ!!

 

「ッたあ!?」

 

「ッタタ!!」

 

聞きなれた音と黒い鈍器…いや出席簿《黒い凶器》を片手に持った鬼が…

 

 

バシンッ!

 

「ッたあ!?」

 

 

「誰が鬼だ、もうSHRの時間だ。教室にもどれ」

 

「ち、千冬さん……」

 

 

「織斑先生と呼べ。さっさともどれ」

 

「す、すみません……またあとで来るからね!逃げないでよ、一夏!!」

 

ドアから離れそれだけ言い残し二組へダッシュ…昔から鈴って千冬姉が苦手だな、さっきの態度みたらわかんだけど

 

「っていうかアイツ。

IS操縦者だったのか。初めて知った」

 

「……一夏、今のは誰だ?知り合いか?偉く親しそうだったな?」

 

「い、一夏さん!?あの子とはどういう関係で―――――」

 

口にしたのが不味かった。クラスメイトから質問集中砲火…ああバカ……

 

「席につけバカども」

 

鈍い音と共に黒い凶器が火を噴いた…俺のせいか?…そうだよなやっぱり

 

でも、ISを動かせるようになってココにに来てから知り合いとばっかり再会するな。それに同じ境遇の燐ともあったしまあ悪くないかな。

 

さて今日も頑張りますか。

 

 

―――――――――

――――――――

 

 

 

「お前のせいだ!」

 

「あなたのせいですわ!」

 

昼御飯を食べに向かおうとしたオレの目の前で一夏君に文句を言う二人。授業中にぼーっとして山田先生から注意数回、千冬さんからは三回叩かれてる

 

二人がぼーっとしてた原因は中国代表候補生の凰鈴音さん。凰さんが一夏君と話すさいに感じられた熱っぽさを感じたんだろう

 

中国か…疾風のヤツ元気してっかな

 

 

「まあ、話ならメシ食いながら聞くから。とりあえず学食いこうぜ」

 

と、一夏くんに言われ篠ノ之さん、オルコットさん、クラスメイト数名、オレは学食へ移動する

券売機で一夏くんは日替わり、篠ノ之さんはきつねうどん、オルコットさんは洋食ランチ…でもココの学食はすごいな

 

「な、なあ燐。そんなに食えるのか?」

 

「え?普通じゃないかな…」

 

オレのトレイをみて冷や汗流しながら尋ねてきた…ご飯が見えないぐらいギッシリと肉、肉、肉が盛られた特大どんぶり《牛丼・ゴルディオンクラッシャー盛り》が圧倒的存在感でのってる

 

「そ、そんなに食べて大丈夫なのか?」

 

「え、う~ん……オレ、太らないんだ」

 

ビシッ!!って音が篠ノ之さん、オルコットさんから聞こえた気が…

 

(ふ、太らないだと!)

 

(な、何てうらやましいんですの!?)

 

「そ、そうなのか…ん、俺のもきたし行こ…」

 

 

「待ってたわよ一夏!」

 

 

声が響きみると今朝一夏くんの前に現れた凰さんがトレイにラーメンをのせ立ちふさがってる…同時に篠ノ之さん、オルコットさんから何か見えた気が…

 

 

「とりあえず、席に座ろうか?皆の迷惑だしさ」

皆をそう促し丁度五人が座れる席へ座る…でも凰さんがオレの牛丼を見て冷や汗かいてる…

 

 

「あんた、そんなに食べられるわけ?」

 

「ん?まあこれぐらいが普通じゃないかな?」

「………なんか、あたしの知り合いに似てるかも…んな事より、一夏。あんたなにIS使えってるのよ。ニュース見たときビックリしたじゃない」

 

 

少しため息ついてからポンポンと会話を弾ませる一夏くんと凰さん。なんか昔から知ってるって感じだ

 

そんな様子を見てる二人からスーパーサイヤ人4並みのすごい気が垂れ流し状態なんですけど!?

 

 

「一夏、そろそろどういう関係か教えてもらいたいんだが」

 

「そうですわ!一夏さん、まさかその方と、つ、つ、付き合ってらっしゃるの!?」

 

「べ、別にあたしは付き合ってるわけじゃ」

 

「そうだぞ。なんでそんな話になるんだ。ただの幼なじみだよ」

「……………」

 

「なに睨んでるんだ?」

 

「何でもないわよ!」

 

 

なるほど、幼馴染みだったのか…クラスの皆もなるほどって顔してる。でもこれではっきりした、凰さんは一夏くんの事が好きなんだね。それを察した二人からさらに《気》が溢れだしてるし

それから食事をしながら一夏くんが篠ノ之さんの事を凰さんに話し、互いに挨拶を交わしオルコットさんも自己紹介したんだけど「他の国とか興味ないし」って言われて怒り出したりそれをまあまあと一夏くんと一緒に宥めながら先に戻ると言い食堂から去った凰さんとのやり取りを思い出しながら賑やかながら色んな意味で戦場な昼食を終えた

 

もちろん《牛丼ゴルディオン・クラッシャー盛り》を完食して……

 

 

――――――――

―――――――

 

 

「あれ?」

 

「え?」

 

放課後、ISアリーナでオルコットさんを交えた特訓(正確に言えば護衛)に付き合うオレたちの前に純国産第二世代IS《打鉄》を纏った篠ノ之さんがアリーナに立ち待っている

 

「ど、どうしてココにいますの!?」

 

「い、一夏に頼まれたからだ…それに近接格闘の訓練が足りてないだろう。だ、だから私が相手してやる」

 

(な、なんでこうも簡単に許可が降りましたの…で、でも負けられません!)

 

 

「では一夏、はじめるとしょう。刀を抜け」

 

 

「お、おう!」

 

「で、では―――参…」

 

「お待ちなさい!一夏さんのお相手をするのは……」

「あの少しいいかな?」

 

 

「「なん/ですの/だ?」」

 

一夏くんと篠ノ之さん、間に入ろうとしたオルコットさんを呼び止める…でもギロッて睨まれた。何かしたオレ!?

 

 

「て、提案なんだけどさ、このままやると二人同時になるよね…そこで篠ノ之さんは近接格闘を、オルコットさんは遠近戦のレクチャーを交代でしてみたらどうかな?(さすがに二対一はキツいし)」

 

 

「確かに良い案ですわね…でも一人余ってしまいますわ」

 

 

「それまでオレに特訓をつけるってのはどうかな?そうすれば交互に一夏くんを鍛えられるし」

 

「…わかった、さすがに二対一は今の一夏には酷だな(要するにマンツーマンで一夏と特訓が出来るわけか…)」

 

 

「そうですわね(一夏さんとマンツーマン…ふふ獅童さんも良いことを考えますわね)。では誰が最初に…」

 

「ここはジャンケンで決めようか」

 

そう言うと二人は少し離れた場所でジャンケンを始める

 

 

「サンキューな燐」

 

 

「良いってことさ、でも特訓相手は代表候補生に現役の剣道選手だ。気を抜かないで頑張ろうか」

 

 

「ああ!互いに頑張ろうぜ!!」

 

軽く拳をぶっける、しばらくしてジャンケンを征し最初の一夏くんの相手になるのは篠ノ之さん、オレはオルコットさんになった

「では仕切り直していくか」

 

 

「おう!いくぜ箒」

 

 

近接ブレードを構え地を蹴り切り結ぶ二人…篠ノ之さん何処と無く嬉しそうだな

 

「獅童さん、準備はよろしくて?」

 

「オルコットさん今日はよろしくお願いします。あ、あと新しい技を試していいかな?」

 

 

「ええ、かまいませんわ。ではいきましょうか」

 

 

スターライトMk-Ⅲを構え飛翔するのを見てオレも続けて飛翔…さって今のうちに使いこなして見せるか

 

 

 

―――――――――

――――――――

 

 

「うう~疲れた~」

 

「お疲れ様~確かに疲れたな」

 

 

「一夏は無駄な動きが多すぎる。だから疲れるのだ」

特訓を終えISを解除したオレと一夏くんはピットに戻った…篠ノ之さんも着いてきて開口一番にこれはきついよ、一番手、篠ノ之さん、二番手、オルコットさんの特訓は熾烈を極めた

 

でも短期間であそこまで動けるようになるなんてスゴいよ

 

 

「まあまあ、一夏くんもよく頑張った方だから…それにお腹空いたな」

 

 

(あれだけ食べてもうお腹がすいただと!?)

 

 

(燐、お前ってやつはすごいよ…それに汗かいてないし…)

 

心の中で盛大にシャウトする二人…牛丼ゴルディオンクラッシャー盛りを完食するのを間近に見てたから仕方なかった

 

「ま、まあシャワー浴びてから飯食いにいこうぜ…箒、今日シャワー先に使わせてくれよ」

 

「だ、ダメだ!まずは私が…」

 

「一夏っ!」

 

 

バシュって音が響く、目を向けると凰さんが立ちその手にスポーツドリンクとタオルを持ち駆け寄ってきた

 

 

「お疲れ。はい、タオルとスポーツドリンク」

 

 

「サンキュ。あ~生き返る…」

 

ゴクゴクと飲む一夏くんをみたその時、胸に入れていた通信端末が鳴り慌てて取り出しみる

 

「ご、ごめん、オレ先に寮に戻るけどいいかな?」

 

 

「ああ、別にいいぜ。後で食堂で待ち合わせな」

 

 

「ああ、じ、じゃ後で」

 

制服の上着を羽織りそのままアリーナの外へ駆け出しそのまま人がいないかどうかを伺いながら端末画面に目を向けると暗号化された文章が流れる

 

 

《…バイオネットに動きあり、おそらく数週間以内に動くと予想される…詳細が判明次第報告します…犬神霧也》

 

 

「バイオネットが動くか…ん?」

 

 

《追記。近々一人、燐の応援へ向かいます…ですがくれぐれも無茶をなさらないように》

 

 

「そうか…くるのか……出来れば巻き込みたくなかったな…誰だ!!」

 

 

気配を感じ辺りを見回す…でも気配の主はもうそこにいなかった

 

いったい誰なんだ?

 

 

――――――――――

―――――――――

 

 

「ふう間一髪…でもはっきりしたかな」

 

「あの何がわかったんですか?」

 

 

「まあ、色々かな…虚、国連事務総長ロゼおば様に繋いでくれるかしら?私の名前を出していいから」

 

「は、はい!」

 

慌てて国連へのホットライン回線を繋ぐ虚を見ながら考える

 

数年前のモジュール01爆発事故、

 

 

死んだはずの人間《獅童燐》の突然の転入

 

白式移送時にトレーラーを襲ったアンノウン

 

それを撃退した赤い髪の少年と所属不明のIS。

 

新幹線?ステルス戦闘機?、ドリル戦車と合体した黒いISと一ヶ月前に宇宙開発公団にも現れた所属不明の黒いISとの酷似点

 

更識、各国の情報網を駆使しうすもやかかっていたバラバラのピースが繋がり得た《ひとつの答え》

 

すべては宇宙開発公団、その上層組織《国連》へ繋がる

 

「つ、繋がりましたお嬢様」

 

 

空間投影スクリーンが開き高齢の女性が顔を見せた

 

―久しぶりだね刀奈嬢ちゃん。なんのようだい?―

 

 

「お久しぶりですロゼさん。単刀直入に言います……「「黒いISついてだろ」……え?」

 

少し笑いながら言うロゼさん…その目からは強い意思を感じる、それ以上にこうして聞きに来ることを予見していた

 

昔っからかなわないなあ~もう…互いの腹の探り合いは無理か

 

 

わたしは覚悟を決めすべてをロゼおば様から聞くことにした

 

 

―いいかい、コレから話すことは更識の当主である嬢ちゃんだから話すんだ。くれぐれも他言無用だよ―

 

 

真剣な眼差しを向けながらロゼおば様から語られた事実にわたしは驚くことしかできなかった

 

 

第四話 赤と青(一)

 

 

(二)へ続く




IS学園、ここの食堂には世界各国の料理がランチメニューとして販売され学生たちから人気がある


だがその中で異彩を放つメニューがある


牛丼・ゴルディオン・クラッシャー盛り

厳選された牛肉を薄くスライスし甘辛くもしっかりとした旨味に玉ねぎのシャキシャキとした食感、使われるご飯は魚沼産コシヒカリをふっくらと炊きあげ艶々としたご飯をどんぶりによそい、そして主役である味か染み込んだ肉と出汁をかけ盛り合わせできるのがこれだ


ツユが染みこんだご飯と肉を一気に口に掻きこむ度に肉の甘味と出汁が染み込んだご飯とのハーモニーを醸し出し食べたものに至福のひとときをもたらす


だがその余りの量に完食できた生徒は誰一人といなかった…しかしIS学園創設してから数年目にしてついに完食した勇者が現れた

その名は獅童燐


世界で二番目にISを動かせる男子で勇者王である

大食い勇者王―燐―


次回の大食い勇者王の挑戦にファイナルフュージョン承認


―燐専用どんぶり―


これが勝利の鍵だ







すいません、嘘です、冗談です!ホントごめんなさい!!



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