ジョジョの奇妙な冒険 第5部外伝〜真実への探求〜 作:京都府南部民
今回は短いです。次話と続けてどうぞ。
「ライターの炎は無事だったようだね。よし、君の入団を認めよう。ジョルノ・ジョバァーナ君」
「ありがとうございます」
恭しく頭を下げ、ジョルノ・ジョバァーナが退出する
そして牢屋の隅からどこからともなくボニート・E・ゼルビーニが現れる
「ポルポさんとしてはどうですかな?あの少年は?」
「どうとも。組織の駒だ。」
ポルポは相変わらずの態度で答えた
しかしその意見は幹部としては何も間違ってはいない
組織『パッショーネ』の運営の為に末端構成員が様々な場所へ派遣され仕事を遂行する
これはマフィアに限らず、いくつかの民間企業でも見られるであろう
「スタンド名『ゴールドエクスペリエンス』…………その能力、見る限りでは地中から植物を生やす事が出来るだったね?」
「ええ、見る限りはですが」
「ブふぅ~、もうちょっと分からなかったのかい?」
「それができんならあんたが現場に行けばいい事でしょうが」
笑いながらだが悪態をつくボニートに対して、ポルポは肘をつき寝転がる
ポケットからタバコを取り出し『ライター』で火をつける
「安心したまえ、ブラックサバスは解除しているよ」
「分かってますよ」
ボニートも懐からタバコを取り出し、ライターに火をつけようとする
しかし中々つかず、カチッカチッと音が鳴るばかりだ
すると後ろから『ライター』がでてきた
ボニートが振り向くとポルポが「使いたまえ」と言わんばかりに『ライター』を差し出す
「ありがとございます……」
ライターを手に取り火をつけた……その瞬間!
「な!?」
ブラックサバスがボニートに向けてその鋭いパンチを繰り出した
しかしボニートは体をひねらせ間一髪のところで何とか避ける
「何するんですか!?」
「ほほほほほ!たまには無駄な事をしてみるものだよ」
笑顔のポルポの横にはブラックサバスがゆらゆらと立っている
ボニートは額に汗を浮かべながらポルポに詰め寄る
「ポルポさん!仕事はやったんですから、いつもの口座に振り込んどいてくださいよ!」
「……?何の事だね?」
「とぼけないでくださいよ!ジョルノ・ジョバァーナの監視をしたら、報酬を渡すって約束でしょうが!」
「あぁ、その事ね」
牢屋の壁に穴が開き、綺麗な唐草模様の皿が現れた
その皿の上に盛られていたのは『バナナ』だ
「ポ、ポポッポッポ、ポ~ルポさん?こ、これが報酬とか言いませんよね?」
「報酬」
ボニートの拳が強化ガラスにひびを入れる
ポルポはタバコを吸いながら、笑っている
「ほほほほほ!今日は愉快な日だ!君の口座にはちゃんと振り込んでおくよ。安心したまえ」
「…じゃあこのバナナは?」
「実はさっきフィリピンの友人が来てくれてねェ、お土産の直送バナナだよ。君も食べたまえ。フルーツは食物の癒しだよ」
「なるほど」
見るといつのまにかポルポの手にもバナナが握られていた
ボニートもバナナの皮をむき始め、口に放り込む
ポルポとボニート・E・ゼルビーニ
二人は今知る由もない
この『バナナ』を引き金に物語が始まる事を……………
ズドォン!
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ボニート君の口調が定まっているのかどうかわからなくなってきちゃった私がここにいる……