ジョジョの奇妙な冒険 第5部外伝〜真実への探求〜 作:京都府南部民
シムシティにハマりました
税金を搾りに搾り取ることに快感を見出す市長www
「急げや急げ!待ち合わせに遅れちまうぞぉ~!」
「えぇい、やかましい!元はと言えば、お前が修理に手間取らなきゃ良かったんだろうが!」
「イヴェコちゃんはデリケートなんだから、ちゃんと修理しなきゃ可哀想だろうが!」
ヴェネツィアにやっと入れた一行は急いでパパドボリ公園へと向かった
トラックはヴェネツィア駅の裏に駐車し、グーデンを見張り番に置いているから大丈夫のハズだ
パパドボリ公園
ヴェネツィア市民なら、これを知らぬ者はいない
四方が海で囲まれているこの都市で、珍しく緑の色が見れる場所だ
それにヴェネツィア通の人物でも、ここの良さを見出す者は中々いない
「え~と、ここらへんにいるハズなんだけんどもなぁ~」
「あいつらじゃねぇか?」
「ん?見っけ!」
ブチャラティは自動販売機の前のベンチで辺りを睨みながら座っていた
ジョギングをしている老人から怪訝な顔を向けられているのが証拠だ
「遅かったな。と言っても、俺もさっきここに来たばかりだが……」
「そりゃ良かった。で、他の連中は?」
ブチャラティは散歩中だった亀を拾いあげる
その意図が伝わったのか、ボニートは眉を少し釣り上げた
「どうだった?」
「俺ではないが、ジョルノとミスタが暗殺者に襲われた。今、少し休ませている」
「そうかお前ンとこも……、俺んとこもやられたよ。被害はさしたるモンじゃなかったが、パトカー十数台に戦闘ヘリときたもんだ」
「よく逃げられたな」
「悪態吐きのガンマンに泣き上戸のドイツ人がいたからな。ま、俺だけでも十分対処できたが」
「言うねぇ、爆発に一番ビビってたくせによ」
「やかましい、『今から爆発します』って言われてたら何ともなかった」
「随分律儀なヘリだな」
「おっ!堅物だと思ってたが、中々冗談通じるじゃないの」
映画による偏見も含まれるが、1流のギャングの条件に『ジョークへの理解』が含まれているのは事実だ
一時期、ボニートはそれを身に着けようとクサい台詞を言い過ぎ、ポルポから「気持ち悪い」と言われたことがある
「これを見てくれ」
「?…これは……」
黒焦げたパッショーネのバッジ
ヘリのパイロットから転がり出てきたものだ
「暗殺チームか?」
「違う。暗殺チームにしちゃ手口が雑すぎる」
「幹部連は?」
「ありえん。おじいさま方なら、もっと派手にやる」
「…………分からんな。娘を預かっている俺ならまだしも、なぜお前が?」
「さぁねぇ、何か持ってるって言っても、ライターとタバコ、保険証ぐらいだぜ?」
ポケットに入っている物をすべて見せ、お手玉のように遊び始める
しかし、本当にわからぬ連中だ
パトカーを数台盗むことができ、戦闘ヘリを向かわせるほどの力を持った組織・人物
ブチャラティもボニートも、それができる人物は知っているが、特に面識がある訳でもないし、恨みを買うようなこともした覚えがない
「んで、これからどこに行くんだ?」
「指令によれば、サン・ジョルジョ・マジョーレ島だ」
「その指令の中に、俺について何かあったか?」
「あぁ……ボスは…」
ブチャラティは指令の内訳を伝えた
① 大鐘楼の最上階に向かう事
② 娘と随行できるものは『1人』、なお随行者の武器携帯は禁ずる
③ DISCを受け取ってから30分以内に来ること
④ 残りの者は上陸してはならない
「30分以内?って、結構時間経ってんじゃねーのか?」
「まだ18分だ。安心しろ」
⑤ ボニート・E・ゼルビーニとその『相棒』は、ブチャラティチームの随行者が帰ってくるまで船に待機
⑥ 2つ船を用意するので、Aの船をブチャラティチーム、Bの船をボニートチームとする
「へぇ、こまめだねぇ」
「こうすることで、ボスの秘密が守られてきたとも言えるがな」
「そうだな。おかげで俺はタコの下で大分苦労したもんだ…ま、ぼやいてても仕方ねぇや。よし、行こうぜ」
公園から船着き場まで3人は特に会話することはなかった
はっきり言おう、ブチャラティはまだボニートを信用しきってはいないのだ
ボニートの声、表情、動き。そのすべてに何か引っかかりを感じている
無論、ボニートはブチャラティを敵対視していない。それどころか、これからのお付き合いを考えて行動したと思っている
だが、ブチャラティはそれでもボニートを遠ざけてしまう
同僚であることは違いないが、仲間となると別だ
脳がどこかで拒否反応を起こしているのかもしれない
「この男は危険だ」と
「ん?どうした黙りこくって」
「……何でもない。ボスが相手と聞いて、緊張してな」
「だよなぁ、ポルポさんだったら愚痴の1つ2つは言えそうだが、ボスとなるとなぁ」
ボニートは珍しく弱気になっている
それはブチャラティも同様であった
悪くも後ろめたい評判しかない、パッショーネの『ボス』
誰が相手であろうと、その全てを社会的・物理的に抹殺してきた人物
会うだけの行為で、手が汗ばんでしまうのは両者とも初の体験だ
船着き場が見えた
あくまで、観光用の船着き場なので屈強な男たちの姿は見当たらない
「それじゃ、俺たちは先に行く。指令の地図によると、お前たちのBボートは一番端っこにあるやつだ」
「まぁた、お前らが先か。分かった、一番端っこだな」
モーターボートがすさまじい水しぶきを上げながら発進する
一方、ボニート達は少し遅れて端っこの船着き場に来ていた
だが、世の中には格差がある
一部の経済学者は何も考えず「市場競争は良い事だ」と言っていたが、その結果がボニート達の目の前にあるBボートである
「「手・漕・ぎ~~~~!?」」
「一抜けた。オレ漕ぎたくない」
「おいおいおい、逃げるんじゃないの。ここは男らしく」
ジャン、ケン!………………………
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「ひっひっ、ほっほっ。ぜぇぜえ、はぁはぁ」
「良いねぇ。ブルジョワジーが肉体労働してるサマは」
「うるへー!」
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