ジョジョの奇妙な冒険 第5部外伝〜真実への探求〜   作:京都府南部民

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もうこうなったらオリキャラ祭りだ





第11話 週刊3面記事の謎

「ど~も、ポルポンズ新聞社のオーレ・カッティチェリと」

 

「写真担当のエドワード・ワーズです」

 

「おぉ!よく来てくれたね!警部は14階の奥にいるから」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

見事転職に成功した2人はオーレ・カッティチェリ(ボニート)とエドワード・ワーズ(ホル・ホース)と名前を変えていた

そして彼等の新聞の最初の記事は「イタリアの警察を追う!」というもので、現在取材の為に警察署へ来ていた

 

「(おい、ボニート。いきなりサツに入り込むたぁどういう事だ?)」

 

「(勘違いしているようだが、俺らにとっちゃケーサツってのは友人なんだよ)」

 

彼等は転職などしていなかった

未だギャングと殺し屋のままだ

 

 

チン!

 

 

エレベーターがついたようだ

警察官の案内で一つの部屋に案内される

 

「警部!記者の方々が到着しました!」

 

「入ってもらえ」

 

部屋の中から聞こえたのはボニート立ちよりも低く野太い声だった

ドアにかけられているプレートには取調室の文字

中にいたのは無精ひげを蓄え、口にシケモクをくわえている、正に中年という言葉が似合う男性だった

名をエルピディオ・マルケーゼ

その道13年の中堅警部で知られている

 

「やぁ、どーも。記者のオーレと」

 

「カメラのエドワードです」

 

「…………まぁ、どうぞお掛けになってください」

 

警部は警察官に人払いを命じて、ドアのかぎを閉めた

ブラインダー・カーテンも閉じ完全に外部から見られるという事はできなくなる

コーヒーマシンからコップを2つほど出し、エルピディオはやってきた客2名にふるまった

 

「例の資料についてか?」

 

「あぁ、そうだ」

 

このエルピディオという警部は正に曲者である

交番勤務でうだつの上がらない毎日を送っていたが、ボニートと出会い一変

ボニートから手に入れた情報を頼りに密輸などの事件を次々に解決。それは市民賞をもらうほどであった

だが、エルピディオに正義感というものはない

正確にいうなら警察として持つべき正義感が欠けているというのが正しい

パッショーネと関係している違法風俗などは見逃しているし、ボニートとの関係を知られないために検挙・ガサ入れの時はまったく違う情報を流しこみ捜査の妨害をしている

そして何と言ってもパッショーネとのパイプを持っているので上層部からの覚えも良い

急激な出世は返って怪しまれるので現在は警部と言う地位に留まっているが、いずれはトップクラスの地位を我がものにと野心家の面もある

警察と独自のコネを持ちたかったボニートにとってこのエルピディオは最適だった

 

「一応手に入れる事はできたが……」

 

「が?」

 

「いやぁ、ちょっとな。あり得ない場所に保管されてあったんだよ」

 

「ありえない場所?」

 

「説明は長くなるが…お前の欲しがっている資料ってのは、本来資料室の奥深くにあるべきものだった。確かにそこにも資料と言うものはあった。だが、資料と言うにはあまりにもお粗末だった。場所・日時・担当捜査官などは書いてあったが………一つだけ、抜けているものがあった」

 

「抜けている?」

 

ボニートの眉間に疑問の皺が寄った

エルピディオはその反応を待っていたかの様ににやりと口元を歪める

 

「イタリアの警察が抜けてんのは、今に始まった事じゃねェだろ?現に俺らみたいな奴とこうしているわけだし………」

 

「そう言ってくれるな…ホル・ホース君」

 

「!……アンタ、俺を知ってんのか?」

 

「さぁ、それはどうだかな?」

 

ホル・ホースは「エドワード・ワーズ」と名乗っており、ましてや目の前にいる警部とは初対面だ

確かに暗黒街で名を馳せているという自負はあったが、まさかエルピディオに知られているとは思いもしなかったのだ

 

「話を本題に戻してくれ」

 

「おぉ、すまない。さて、どこまで話したかな……抜けているものだったな」

 

「…………………………」

 

「刑事資料においてそれは最も重要な資料が抜けていた……被害者の死体写真だ」

 

「死体写真?」

 

昨今の捜査において写真の存在と言うものは意義深い

刑事ドラマなどで被害者の死体が映し出された写真をきっかけに事件解決と言うのは聞かない話ではないだろう

 

「写真が保管されていたのは25階にあるコンピュータールーム。そこは別に特別な場所と言う訳ではない。新米からベテランの連中もよく使っている場所だ…………だが」

 

エルピディオはその死体写真を机の上に差しだした

写真に写るのは壮年の男女、恐らく夫婦であろう

それに対しボニートは何をするわけでもなく、その写真をただ見続けている

 

「これはデータの中の……極秘管理事項に指定されていた」

 

「…なるほど」

 

極秘管理事項とは、つまるところ国家秘密として扱われるという事である

ボニートが追っているある事件はそこまで大きいものではない

その事件は一般的に事故として処理された事件だ

国家レベルのような話ではないはずだ

それがなぜ極秘管理のファイルに入っているのであろうか

 

「なぜ、とは聞かねぇぜ」

 

「そうだ、聞かない方が良い。これ以上はお互いに領分を越えてしまっている」

 

ボニートは引き下がった

これい以上食いついても意味がないと判断したからだ

 

「そいじゃ、俺らはこれでおさらばさせてもらうぜ…それと、これ」

 

ボニートはホル・ホースが持っているカメラからマイクロチップを1枚取り出した

その中身は敵対ファミリーの不正の数々と各アジトの地図だ

 

「これこれ。やっぱりチップははずんでもらわねェとな」

 

「フン、業突く張りめ。じゃあ、な」

 

「じゃあ、な。新米!記者が帰るってよ!お送りしてやれ!」

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

「いやぁ~、良い記事が書けそうです。それじゃ、お勤め頑張ってください」

 

「はい!これからも励む所存です!」

 

ボニートは新米刑事に何度も頭を下げながら警察署から離れて行った

高架下に隠していたユーロカーゴに乗り込む

だが、運転しているのはホル・ホース

ボニートはエルピディオから貰った資料をずっと読んでいた

 

「辛気臭ぇーのは苦手なんだがな、親父様よ」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「いんや、なんでも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事故死で死体に銃創……何やったんだよ親父様

 

 









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