ジョジョの奇妙な冒険 第5部外伝〜真実への探求〜   作:京都府南部民

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どうも初めましてです。
その前まではアットノベルス様にて投稿していましたが、ログインができなくなってしまったので、こちらに移転させていただきました。
色々とおかしな表現があると思いますのでご指摘して下されば幸いです。


プロローグ

ボニート・E・ゼルビーニと言う名前をご存じだろうか?

この名前を知っているならば、まず表を生きれる人間ではないのは確かだ

彼が裏の世界――マフィアと言う職業に就職したのは最近の話ではない

彼には父母がいるのはいたが、彼の記憶には二人の影は無い

彼が生まれてきたときには既に亡くなっていたのだ

死因は事故死。高速道路でトラックに車ごと踏みつぶされたと聞いた

よくある話だとこの後遺産相続だとかで親族が争うのだが、それも無かった

父母が死んだ時、通帳の中身は日本円にすると5000万から0になっていたのだ

親族は葬式と言う葬式が終わったあと、赤ん坊のボニートに慰めの言葉をかけるだけで早々と帰ってしまっていた

赤ん坊のボニートは孤児院に預けられる訳でもなく、教会に預けられる訳でもなく、道端に捨てられた

そこからだ彼が今のボニートになったのは……

彼はホームレスに拾われ養われイタリアのリグーリア州、ジェノバの小さな公園で暮らしていた

ボニートが6歳になったころ、彼はそのホームレスのために空き巣をするようになった。そのホームレスは喜んだ。ボニートも喜んだ。

しかし、その2年後だ

そのホームレスは死んでしまった。死因は分からないがボニートは悲しんだ。初めて彼は心からの涙を流した

教会の近くの適当な場所に簡素ではあるがホームレスの墓を建てた。死体を土の中に埋め、大きめの石をそこに力強く地面に埋め込んだ。

泣きに泣き、ボニートはそこから一歩も動かず一週間飲まず食わず墓前に座っていた

そこにある人物が現れた。

その人物はボニートの後ろに立ち、1時間たっても動かなかった

ボニートは人物に顔を向けた。その瞬間、その人物は恭しく頭を下げながら「君がボニート君だね?」と、疑問の言葉を投げかけた

ボニートは驚愕した。相手の体型が自分の視界を埋め尽くすほどの肥満体であったからだ

その男は自らの名前を『ポルポ』と名乗った

 

「ああ、怖がらなくて良いよ。私は君のお父さんの友人だからね・・・ぷふぅ~」

 

ポルポはボニートの横に座り胸ポケットをゴソゴソとしている

ボニートはさっきから目を丸くしてポルポを見ている

その視線に気づいたのと探し物を見つけたのかポルポはボニートの方に振り向く

ボニートは慌てて視線を逸らす。父の友人と言ったとはいえ、この男を信用するにはまだ早いと判断したからだ

 

「……ボニート君。私がもしもあるマフィアのボス、大企業の社長…とにかく何でも良い。組織のトップに位置する人間だったとしよう。私には無論部下がいる、その部下を私は何を用いて採用したと思う?」

 

「……人間性?」

 

ポルポからの唐突な質問にボニートはそれっぽい事を考え答えた

しかし、ポルポは首を横に振り否定の意を示す

 

「君のその答えは本心では無いようだね…まぁ良い、そんなことは下らない事だ」

 

ポルポはそう言うとボニートの目の前にその巨体を近づける

圧倒されるかのような威圧感の前にボニートは体のバランスを崩し、尻餅をつく

 

「いいかね?人が人を選ぶにあたってもっとも大切なのは『信頼』だよボニート君。確かに君の人間性と言うのは『信頼』とは切っても切り離せないようなものだ。だが、明確なものでは無いよ、『人間性』は嘘をつきやすいからねェ~」

 

ポルポは座り直し、ポケットから取り出した何かをボニートの前に置く

それは手紙だった。長い時間を経ているのかセピア色に染まっている手紙。

ポルポの方をボニートは向くとポルポは『ライター』をつけっぱなしでタバコを吸っていた。ボニートは手紙を取った、裏には「アルバーノ・E・ゼルビーニ→ボニート・E・ゼルビーニ」と書いてあった

 

「その手紙は君のお父さん、アルバーノ・E・ゼルビーニから君宛の手紙だよ」

 

「父さんからの……」

 

ボニートは手紙の封を切った

そこには父からのメッセージについて書いてあった

 

『我が息子ボニートへ

 

ボニート、この手紙をお前が読むころには私も妻も死んでしまっている事だろう。

本当なら父親らしい事を書いておくのが筋なのだが、今我々は追われている。誰がとは言わない。私にも分からないのだ。ただ追われていると言う事しか分かっていない。だからこそこの手紙を書いた。解明してほしいんだ。私たちを一体誰が追っているのかという事を……それができるのは、何も知らないお前なんだボニート。頼む、真実を追求してくれ。

お前が私の組織に入る入らないは勝手だが、父の立場からするとやめてほしい。この組織の上の…………………』

 

手紙は不可解な所で終わっていた、いや終わらされていた

読み終えると同時にボニートは複雑な感情を抱えていた。第二の父とも言えるホームレスを埋葬したあとに第一の父からの手紙を読むというのは非常に複雑だった

 

「君のお父さんはね、よく自分の息子と一緒に仕事がしたいと言っていてね…まぁ、その反面マフィアにも成って欲しくなかったみたいだがね。この手紙はお父さんの死後3日に来たんだよ」

 

つまり、この言葉は暗に『勧誘』の意を示している

 

「………………」

 

ポルポがアルバーノの事を話していたが、今のボニートにとってそれはどうでもよかった

彼は悩んでいるのだ。このまま生きがいも無く第二の父の墓を守るか、今まで会いもしなかった第一の父の願いを叶えるのか……

 

「ポルポ……さん…」

 

「ん?どうしたかね?」

 

「今から僕のする行為を子供が遊んでいるようなものと思ってみてください」

 

するとボニートは木の棒を茂みから取り出し自分とポルポの間に立てた

木は全く動かず、中立を保っている

すると、風が吹き棒が倒れた。棒は…ポルポの方へと向かっていた

 

「ボニート君?これは……」

 

「決まりました。ポルポさん」

 

ボニートは何かを決意したかの様にポルポの前へと行き……膝まづいた

つまり、臣従。ポルポの所属する『パッショーネ』の入団を決めたという事だ

 

「うん、分かった。君のお父さんの『信頼』は見事に合格したという事だ」

 

「……ありがとうございます」

 

「だけど……『私の信頼』には合格していないがね」

 

ポルポはにやりと口元を歪め、手に持っていた『ライター』を……再点火した

 

「それはどういう事……」

 

その瞬間ボニートは首を何かに刺される激痛を感じ地面に倒れこむ

そう、まるで『矢』にさされれたかの様な感じだった

すると朦朧とする意識の中、『黒い何か』がボニートを放り投げた

『黒い何か』はポルポの体へと向かい、消える際にこうつぶやいた

 

「この魂、すでに選ばれていた者だった……」

 

「…………」

 

タバコを捨て、気絶しているボニートをポルポは鬱陶しそうに抱え上げ自分の乗ってきた車へと放り込み、自身も助手席へと座り部下に運転をさせる

 

「ブふぅ~、選ばれていた魂だって?ん~?」

 

後部座席で寝転がっているボニートを見てポルポはスナック菓子を食い始める

 

「アルバーノめ……また厄介事を押し付けおって」

 

 

 

 

 

この物語は……

 

受け継がれる『黄金の精神』を描いたものでも

 

 

 

永遠の絶頂の『吐き気を催す邪悪』を描いたものでもない

 

 

 

 

 

 

強いて言うなら……『真実への探求』を描いたものであるッッ!




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