グリモワール魔法学園【七属性の魔法使い】   作:ゆっけめがね

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※この作品の主人公は原作アプリの転校生ではありません。
 閲覧者様のイメージを壊す可能性があります。
 それでもOKという方は、よろしくお願いします。



第56話 ご乱心

朝の校門前。

良介が登校すると、初音がいた。

 

「よーっ!

ヒマしてる?

ヒマじゃなくてもクエスト行こうぜ!

なんかその辺に魔物が出たって!」

 

「なんで俺が・・・それに、初音が自分からクエストに出るはずがないだろ。」

 

良介は嫌そうな顔をした。

 

「ま、しょーがない。

実はウチの開発部から面白いものくすねてきてさ。

その実地試験をやろーっての。」

 

「おいおい、いいのかそんなことして・・・」

 

「自分からJGJに貢献しよーなんて神宮寺一族の鑑だろ?」

 

「確かにそうかもしれだろけど・・・ところで沙那は?」

 

良介は周りを見渡した。

 

「沙那?

沙那はダメダメ。

見つかったら取り上げられるから。

だから内緒なんだよ。

ほら、早くクエスト受注して。」

 

「ったく、しょうがねえな・・・」

 

良介は渋々クエストを受けた。

 

「見つかる前に出かけるぞ。

おっー!」

 

初音は良介の手を引っ張りクエストに向かった。

少し離れたところから沙那が見ていた。

デバイスで誰かと連絡をとっていた。

 

「ええ。

ジンライSPを持って出発されました。

私におまかせください。

初音様を危険には晒しません。

それでは・・・」

 

沙那は電話を切った。

 

「では、私もクエストを受注しましょうか。」

 

沙那はクエストを受けた。

その頃、生徒会室。

虎千代と薫子と聖奈がいた。

 

「神宮寺は・・・クエストか。

珍しいな。」

 

「良介さんといっしょのようですね。」

 

「そうか・・・遊佐といい神宮寺といい、会いたいときに連れ出されているな。」

 

「今からクエスト登録を解除して、連れ戻すこともできますが。」

 

聖奈が話に混ざってきた。

 

「そこまでするほどじゃない。

少し聞きたいことがあるだけだ。」

 

「執行部とJGJの業務提携ですね。」

 

「ああ。

裏世界に行っていた間に進んでいてな。

侵攻が起きてからこっち、面倒なことばかり起きる。」

 

「内容を読みましたが、契約が成立するとJGJの技術者が常駐するとか。」

 

「裏世界の調査だそうだ。

学園の研究者を補助する為のものと言っているが・・・

我々が詳細も知らんまま決定されてはことだ。

学園内をうろつくんだからな。」

 

「この時期に外部の者をいれるのは危険ですね・・・特にJGJは巨大です。

どこにテロリストが入り込んでいるかわかりません。」

 

「それでこちらは神宮寺 初音を担ぐことにした。

派遣される技術者は、アイツの知っている者にしてもらおう。」

 

「それは信頼できるのでしょうか?」

 

薫子は不安そうな顔をした。

 

「勝手にリストアップされるよりマシだ。

というわけで、神宮寺が帰ってくるまでアタシは休もう。

これから1年、忙しいからな・・・朱鷺坂は地下か?」

 

「いいえ。

学園内を歩き回って、なにか調べているようです。」

 

「ふむ・・・あいつにもそろそろ生徒会の戦力になってもらわないとな。」

 

「では案件を1つ与えますか?」

 

「聖奈のタスクから裏世界関連のものを引き継がせろ。

この時期、会計は地獄のように忙しいからな。

予算が決まったら、JGJ関連を聖奈に任せる。」

 

「かしこまりました。

私は変わらず、霧の護り手・・・

会長は第8次侵攻ですね。」

 

「そうだ。

遊佐ともまた時間を設けないとな。」

 

「では、調整いたします。」

 

「ああ、頼む。」

 

虎千代は休みに向かった。

 

   ***

 

洞窟、良介と初音がいた。

 

「いやぁ、突然声かけちゃって悪いなぁ。

手伝ってほしいことがあってさぁ。」

 

「はぁ・・・それでくすねた物ってなんだよ。」

 

「これ、見てこれ、クックック。

なんだと思う?」

 

初音は機関銃のような兵器を取り出した。

 

「なんだって言われても・・・ただの銃のような兵器にしか・・・」

 

「じゃじゃーん!

JGJが開発した新型対ミスティック用護身兵器!

その名も【ジンライSP-MJ706】だ!

国連軍が正式採用してるジンライシリーズの最新作。

すげーだろ。」

 

「いいのかよ、そんなもん持ってきて。」

 

「将校用の護身用ピストルは殺傷力はあんまりないのがセオリーだったんだけど・・・

これは1つあればじゅーぶん、魔物と渡り合える優れものだ!

くすねてくるの大変だったんだぜ?

いやまあ、協力者がいるんだけどな。」

 

「誰だよ、そんなことしてんの。」

 

良介は呆れてため息をついた。

 

「アタシと気が合う開発者が、たまぁにテスト用に横流ししてくれるんだよ。

今回、沙那じゃなくてアンタを誘ったのもこいつのためなんだ。

沙那に見つかったら取り上げられちゃうからなー。

頭固いんだから。

ほんじゃ、まぁ実地テストと行くぜぇ。

ククク、アタシのお眼鏡にかなうかな?」

 

初音は笑みを浮かべながら進んでいった。

 

   ***

 

学園の廊下、誠が1人で歩いていた。

 

「やっと暖かくなってきたな。

やっぱ寒いのは苦手だなぁ・・・」

 

すると、メアリーが鼻歌を歌いながらやってきた。

 

「ゆさー、ゆさー、ふんふ~ん・・・」

 

「ん、メアリーか。」

 

メアリーは誠に気づくと誠のところにやってきた。

 

「ん?

なんだ、セクハラヤロウじゃねえか。」

 

「誰がセクハラ野郎だ。

もうしてないだろうが。」

 

「もうしてないねぇ・・・ここ最近した的な話を聞いたような気がするんだがなぁ?」

 

メアリーは不敵な笑みを見せた。

 

「まったくしてないっつうの。

誰かと間違えてんじゃねえのか?

(そもそも現状でそんなことする余裕なんかないっつーの。)」

 

「ふーん、そうかい。

あ、そーだ、遊佐見なかったか?」

 

「遊佐?

鳴子さんか、見てないな。」

 

「あっそ。

じゃ用はねーよ。」

 

メアリーは去っていった。

 

「なんだあいつ。」

 

誠は頭を掻きながらメアリーの背中を見ていた。

 

   ***

 

洞窟内、良介と初音は奥へと進んでいた。

 

「JGJインダストリーが魔物と戦うための兵器を作ってるのは有名だろ?」

 

「ああ、よく聞く話だな。」

 

「なにせ業界シェア27%だかんな。

国連軍から傭兵まで・・・

ウチの兵器を使ってないところはそうそうないんだ。

ぼろ儲けだよ。」

 

「だろうな。」

 

「ま、ぼろ儲けってことは、それだけ売れてるってことで・・・

それだけ売れてるってことは、それだけ壊れてるわけだ。

壊れてるってことは、持ち主がダメになってる可能性も高い。」

 

「・・・嫌な話だな。」

 

良介は顔をしかめた。

 

「特にデクなんかは、致命的なダメージくらったら脱ぐヒマもないからな。

つまりウチが儲けてるってのは、それだけ前線に犠牲が出てるってことでさ・・・」

 

「実際は、ニュースとかでやってる以上に、死人が多いんだろ。」

 

「ま、戦わなきゃもっと人が死ぬから、しゃーないっちゃしゃーないよ。

兵隊さんが頑張ってくれるおかげで、こうやって学園生活を満喫できてるワケ。」

 

すると、2人の前に魔物が現れた。

 

「お、魔物発見!

こいつの威力を試す時だ!」

 

初音は嬉しそうに笑った。

 

「そんじゃ、俺が隙を作るからその時に撃てよ。」

 

「りょーかい!」

 

良介は光弾を撃ち魔物の足を止めると、魔物の上を飛び越すと、闇属性の魔法を撃った。

 

「止まれ!」

 

魔物は動こうとしても動けない状態になっていた。

 

「重力魔法だ。

これで威力を確かめることができるだろ?」

 

「ナイス、良介!

そんじゃ、行くぞー!」

 

初音がジンライを構え、魔物に向かって撃った。

光線が放たれ、魔物に当たると、魔物は少しひるんだ。

 

「あれ?

なら、もう一発!」

 

初音が再び撃つと魔物は消え去った。

 

「結構威力あるんだな。」

 

良介はジンライの威力に感心していた。


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