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ある日、良介と誠は校門前に来ていた。
「兎ノ助、話ってなんだ?」
良介が兎ノ助に聞いた。
「ああ、なんと・・・文科省からのご通達でな。」
「文科省・・・文部科学省か。
ん?
魔法学園は防衛省の管轄じゃなかったか?」
誠が良介に聞いた。
「私立だから複雑とか言ってなかったか?
まあいいや。
で、文科省がなんだって?」
「ああ、井端山ゲレンデの見回りしてもらうぞ!
井端山は温泉が近いからな。
ゲレンデの後は温泉旅館とってるらしいぞ。
いちおう温泉のほうも警備って名目だが、体休めてこいよ。」
「ほう、温泉か・・・」
誠がニヤけ始めた。
「お前なぁ・・・」
良介は呆れた。
「とりあえず去年の海と同じことするみたいだな。
スキーは始めてだな。」
「俺も始めてだ。
楽しみだな。
特に温泉・・・」
「覗くなよ。」
「の、覗かねえよ!」
良介と誠は寮にゲレンデに向かう準備をしに向かった。
***
生徒たちはスキー場に来ていた。
「ヒャッハ!
こんだけ積もってたらベイルのスキー場思い出すな!」
「べいる、ですかぁ?」
スキー場を見て興奮しているメアリーにさらが聞いてきた。
「コロラド州のベイルっていう場所にあるでかいスキー場のことだよ。」
良介がさらに説明した。
「へえぇ~。
アメリカにもこんなに綺麗なところがあるんですねぇ。」
「アメリカにも、じゃねぇよ。
こんなん序の口だぜ。
でっかくなったら行ってみな。
目ん玉飛び出すぞ。」
「ええ、おめめが飛び出しちゃうんですかぁ・・・
こ、怖いですぅ・・・」
「いや、そういう表現してるだけで・・・」
「おめめ・・・ハハハハ!
オメー笑えるぜ!」
さらの反応に爆笑するメアリー。
「うぅ~・・・メアリーさん、いじわるです・・・」
「あれ?
シローのやつどこいった?」
良介はシローがいないことに気付く。
「おい、シロー。
どこに・・・痛っ!?
あ、シローそんなとこに・・・わかった見えてるから噛み付くな!」
「ぶぁははは!
白くて見えねぇとかベタすぎんだろ・・・!」
少し離れたところに誠とエミリアと初音がいた。
「メアリーのやつ・・・なんであんな薄着で平気なんだよ・・・」
「メ、メアリーさんがあんなに楽しそうに話してるなんて・・・」
誠は寒がり、エミリアはメアリーが楽しそうに話している姿に驚愕していた。
「せっかくスキー場に来たんだからさあ、そこらへんに穴掘って・・・」
「おいおい、俺らは人助けで来てるんだぞ。
そんなことしてどうすんだ。」
初音の発言に対し、注意する誠。
「あーもー、アタシが人助けってガラかよ・・・」
初音はどこかに行ってしまった。
「さて・・・それじゃあ私も・・・」
エミリアもどこかに歩いて行ってしまった。
「・・・・・体動かして体温めるか。」
誠も適当に歩くことにした。
***
良介たちはスキー教室に参加していた。
さらとエミリアは話をしていた。
「困っている人、たくさんいますねぇ。」
「そうですね・・・でも命に関わるような事故などが起きてないのはいいことです。
できれば、スキー教室のまま終わりたいですね。」
「(そうなってくれたら嬉しいが・・・どうも嫌な予感がするんだよなぁ・・・)」
良介は2人の会話を聞きながら滑っていた。
「えみりあさん、とってもお上手なんですねぇ!
びっくりしましたぁ。」
「イギリスの魔法学園のときはよくスキーにでかけていましたからね。
スコットランドのほうでは、雪は珍しくありませんし。」
「イギリスですかぁ。
行ってみたいですねぇ。」
「もちろん歓迎しますよ。
ぜひ遊びに来てください。」
すると、エミリアは何かに気付いた。
「あら、あちらでも子供たちが・・・あの辺りは・・・」
「最初に注意されていたところだな。」
滑っていた良介がエミリアの隣で止まった。
「あそこ、雪崩が起きやすいから立ち入り禁止じゃなかったか?」
「いけません、急いで連れ戻さないと!」
良介とエミリアは子供たちのところに向かった。
少し離れたところに初音とメアリーがいた。
「・・・おい。」
「ひぃっ!?
お、おお、グンジンじゃねーか!」
メアリーに話しかけられ驚く初音。
「アタイらはここに遊びに来たのかよ。」
「何が言いたいんだ?」
すぐ近くで滑っていた誠がやってきた。
「魔物はどーしたんだよ。
こっちゃヤル気マンマンで来てんだぜ。」
「あ、いや、魔物は・・・そんなでないんじゃねぇかな・・・
社会奉仕活動だしな。
はは・・・」
初音は少し引き気味に言った。
「チッ・・・なんでぇ。
せっかく雪山でバトれると思ったのに。」
「こんなところに魔物が出てこられても戦いにくいから嫌だけどな。」
誠はため息をつきながら言った。
「そ、そーかそーか。
そりゃ残念だ・・・そんじゃアタシは落とし穴彫りに・・・」
初音はそこから離れようとしたがすぐにメアリーに呼び止められてしまった。
「まー待てよピクシーガール。
テメー、JGJの娘だったな。
せっかくの機会だ。
いっちょ仲良くなっとこーじゃねーか、ん?」
「な、なんで仲良くなる必要が・・・」
「そりゃオメーよ、アタイが使ってるマシンガンはJGJ製だぜ?
つまりアタイはテメーのお客さんだ。
客と仲良くなるってな商売人の鑑だねぇ。」
「い、いいよっ!
別にアタシはJGJに入社するわけじゃねぇしさ!」
「まぁまぁ、第6世代デクの話でもしよーじゃねーか。
そーだな・・・いくらで流す?」
「だからそーいう話をアタシとやっても意味ねーっての!」
「・・・巻き込まれないうちに別の場所に行くか。」
誠がそこから離れようとした途端、突然謎の音が聞こえてきた。
「・・・ん?
なんだ今の音。」
あたりを見渡すメアリー。
「音?
なにも聞こえなかったぞ?」
「俺にも聞こえた。
たぶんあそこ・・・」
誠が音が鳴った方向に振り向いた。
「ありゃぁ・・・雪崩だ。」
雪崩が起きていた。
***
良介は子供たちを避難させた後、急いでゲレンデに戻ってきた。
「良介~っ!
こっちなのだぁ!」
里奈が良介を呼んで来た。
「すまない、待たせた。」
「あ、良介君。
来てくれたんですね。」
その場にはエミリアとさらがいた。
「あの、あのですね!
男の子が1人、ゆくえふめいなんだそうです!」
「行方不明?
・・・雪崩に巻き込まれたか?」
「ええと・・・そうとは限らないそうですが・・・」
すると、メアリーがやってきた。
「おい、雪崩が起きたってのになにボーッとしてやがんだ。
さっさとそこのガキ共、連れて帰りやがれ。」
メアリーはまだ残っていた子供たちの方を見て言ってきた。
「ま、待ってください!
もしかしたら1人、巻き込まれてるかも・・・」
「いま聞いたぜ、イギリスガール。
だから返せっつってんだ。
そこの犬連れもだ。
埋まってんなら雪掘るんだ。
足手まといは帰ってな。」
「うぅ・・・」
足手まとい呼ばわりされて少し悲しそうにするさら。
「オラ、行くぞ良介と・・・えっと、ヨナミネだったな。
アタイは軍で救助もやってんだ。
見つけてやるから黙って言うこと聞きな。」
「・・・お、お願いします・・・」
メアリーはそのまま捜索に向かおうとしたが、すぐに立ち止まった。
「あ、そーだ犬連れ。
オメーよ、JGJのガキ連れてけ。」
「・・・はつねちゃんですか?」
「ただの迷子かもしれねーんだろ。
探せ。
そのクソガキが見つかったら、さっさと切り上げられるってもんだ。」
「は、はい!」
「イギリスガール!
テメーはガキども預けたらタンカ持ってこい!」
「はい!」
メアリーたちは捜索に向かった。
「いいか!
小規模な雪崩だが、雪崩ってもんは巻き込まれたら生存率は低い!
ただのガキだ。
ビーコンも持ってねぇし、対処法も知らねぇ。
発生から5分!
ガキの体力だったら残り5分と考えろ!
だが言っておくことはある。
30秒で言うから耳の穴かっぽじって聞け。」
メアリーは里奈の方を向いた。
「色黒。
テメーは耳がいい。
声を出してないか聞き取れ。」
「おうさ。
任せるのだ。」
「探す間は魔法を使うな。
なにやっても傷つける恐れがある。
アンダスタン?
手で掘るんだよ。
だが見当は付ける。
ゾンデ棒使え。
使い方のレクチャー受けただろ。
道具は使うもんだ。
いいな。
もしガキが埋まってるんなら、助けなきゃ死ぬ。
覚悟しておけ。」
「わかった。
誠、行くぞ!」
「おうよ!」
良介は誠と向かった。
少し経って、メアリーは1人で掘っていた。
「残り1分。
チッ、ここも違ぇ・・・埋まってんならさっさと出てこいっつの。」
すると良介の声が聞こえてきた。
「いたぞー!」
「!!」
メアリーはすぐに良介のところに向かった。
「掘り出すぞ!
誠、土の強化をお前にもかける!
周りを掘るんだ!」
「了解だ!」
良介は肉体強化をかけると誠と周りを掘り始める。
「オラァ!
よし、抜けたぞ!」
良介は子供を引き抜くことに成功した。
と、エミリアがタンカを持ってきた。
「お待たせしました!
タンカです!」
「Good!
おせーが間に合やどうでもいい!
乗せろ!」
良介が子供をタンカに乗せた。
「色黒!
後ろ持て!
アタイが前だ!
イギリス、ぼさっとしてんな!
テメーは回復魔法が使えるだろうが!
かけ続けろ!」
「エミリア、俺が魔力を流す。
魔力残量考えずにやれ。」
「わ、わかりました!」
エミリアは良介の魔力を使いながら回復魔法をかけ始めた。
***
「はぁ・・・あの後に遊ぶとさすがに疲れるな・・・」
良介は疲れきった様子で戻ってきた。
「俺みたいにゆっくりしてりゃいいのに・・・」
誠が近くの売店から出てきた。
「お前、どこ行ってたんだ?」
「暖かいもん飲んでゆっくりしてた。
さすがに遊ぶ気にはなれないからな。」
と、里奈の声が聞こえてきた。
「おーい、帰りの電車、もうすぐだぞー。」
「あ?
・・・もうそんな時間か。
雪くらいゆっくり見せやがれってんだ。」
メアリーはため息をついた。
良介がその言葉を聞いて、メアリーに聞いてみた。
「・・・雪国の生まれなのか?」
「はっ。
雪見てたら雪国生まれってのかよ。
いくらなんでも単細胞すぎんだろ。」
「単細胞はないだろ。
まったく・・・」
「さて、次はフロか。
ロクに体動かしてねえ。
バカンスみたいなもんだな。」
メアリーは向こうに行ってしまった。
「あんなに懐かしそうに雪見てたんだ。
隠すことないだろ。」
「ま、そう言うなよ良介。」
「さ、お前たちも帰るぞー。」
「ああ、わかったよ。」
良介と誠も帰る準備をしに向かった。