グリモワール魔法学園【七属性の魔法使い】   作:ゆっけめがね

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※この作品の主人公は原作アプリの転校生ではありません。
 閲覧者様のイメージを壊す可能性があります。
 それでもOKという方は、よろしくお願いします。


第14話 最大最強吸血鬼

街の調査をしてから数日後、良介は昼になったので智花と話をしながら歩いていた。

すると、噴水前にアイラがいた。

なにやらぶつぶつ言いながら歩いている。

 

「うーっ・・・やる気が出んわ・・・ぶつぶつ・・・なんでわざわざ妾を・・・

ぶつぶつ・・・」

 

すると、智花がアイラに話しかけた。

 

「アイラちゃん?

どうしたの?」

 

「おー。

智花か。

いやのう、聞いても涙、語るも涙のいやーな話でのう。」

 

「そ、そんなに嫌な話なんだ・・・」

 

「(どんだけ嫌な話なんだ・・・)」

 

アイラは何があったのか話し始めた。

 

「執行部のヘボがの、妾に魔物の討伐に言って来いとゆーたんじゃ。」

 

「執行部が?

おかしいですね・・・普通、クエストは生徒会を通して・・・」

 

「(・・・何か裏があったりしないだろうな。)」

 

「そこはホレ!

妾って吸血鬼じゃから!

特別扱いじゃからのう!」

 

そう話していると、アイラが良介と目が合うと何か思いついたような顔をした。

 

「おっ。 そうじゃそうじゃ。

智花。 良介をちょいとばかし借りるぞ。」

 

「え!? か、借りるっていうか、それは良介さんの意思で・・・」

 

「いや、俺は別に構わないよ。」

 

「ほーかほーか。

んじゃ良介、妾と一緒にクエスト行こうぞ。

お主の体質、一度試してみたかったんじゃ。

すんげぇ量の魔力・・・妾が搾りつくせるかどうか、試してみようではないか。」

 

アイラは怪しい笑みを見せる。

 

「・・・これ、俺大丈夫なのか?」

 

「な、なんか止めた方がいいのかな・・・」

 

「そうと決まれば早速でっぱつ!

なんかおもろうなって来たぞ!」

 

「・・・出発って言いたいのか?」

 

良介とアイラはクエストに出発した。

 

   ***

 

その頃、生徒会室では聖奈が大急ぎで入ってきた。

 

「会長! 副会長!

執行部が東雲 アイラに直接クエストを・・・!」

 

「・・・知っている。

問い合わせている所だ。」

 

虎千代が落ち着いて返答をしていると薫子が話しかける。

 

「会長・・・返答が来ました。

【東雲 アイラ1人で討伐は可能と判断。

生徒会を通してのクエストは最低2人以上の登録が必要なれば、

厳戒態勢にある学園から、必要以上の戦力を削るのは不適当である】」

 

「・・・もってまわった言い回しだな。

つまりなんだ?」

 

「私たちの対応が生意気なので意地悪してきた、ということです。」

 

「ふむ・・・それで、東雲は請けたのか。

人に命令されて、素直に従うようなやつじゃないだろ?」

 

「ええ。 それは私も知っています・・・簡単には頷かないかと。」

 

そう2人で話していると、聖奈が話しかけてきた。

 

「それが、つい先ほど出発しました。」

 

「はぁ? どうしてだ?」

 

「その・・・よくわかりませんが、早田 良介を連れて・・・呼び戻しますか?」

 

「・・・いや、いい。

東雲がいれば良介も安全だろう。

魔物が現れたなら討伐すべきだ。

こっちは執行部へ抗議するぞ。」

 

虎千代は生徒会室を出た。

その頃、良介は準備を済ませ、校門前に来ていた。

 

「ぶははははは、よく来たな良介!

この最凶にして最強な妾と組めることをありがたく思え!

なにを隠そう、妾ってば超強いんじゃ。

真祖だし。 多分学園で一番。

普段は猫被って大人しくしとるがな。」

 

「・・・そうか、頼もしいな。(さて、一体どれほど強力な魔法を使うのか・・・

お手並み拝見させてもらおうかな。)」

 

「今日はクエストついでに、そのおっそろしい力の一端をみせつけてやろう。

どっかんどっかん蹴散らしてやるからどんと任せるがよい!」

 

アイラはかなり気合が入っているようだ。

 

「それで、今回の魔物は?」

 

「・・・討伐対象はなんだったか。

なんでも一緒だから気にしとらんかった。」

 

良介は呆れた。

 

「・・・調べとけよ。

今回の魔物はサワガニだとよ。」

 

「・・・サワガニ?

サワガニとは、あの佃煮にしたらうまいヤツか?

んん? サワガニということは、妾たちはどこに向かえばいいのじゃ。」

 

「・・・場所まで知らねえのかよ。」

 

良介は額に手をあてる。

 

「・・・うう、なんかイヤな予感がするが・・・まあよい。

行くぞ良介。

どこであろうと構わん。

先導しろ!

なんか出てきたらクチャっとやってやる!」

 

「わかった、ついて来てくれ。(さて、

その場所に連れて行ったらどんな反応をするかな?

少し楽しみだな。)」

 

良介とアイラはクエストの場所に向かった。

 

   ***

 

「・・・こりゃまた、ずいぶん多いな。

こったに食いもんば集めるのか?」

 

生徒会室に聖奈と訛った喋り方をする生徒がいた。

 

「そうだ。

JGJインダストリーにも協力を仰ぐ。

合成食材が主になるが、あくまで非常の措置だ。

保存場所は問題ないはずだが、念のため確認を依頼する。」

 

「・・・まぁ、入るすけ。

なんも大丈夫だ・・・だけどここまで集めるとなると・・・いよいよ、

虎千代は大規模侵攻が起こるって考えてんだな?」

 

「お前には、そうだと伝えておこう。

だが吹聴は困る。

・・・学園生が噂しているのは知っているが、まだ正式発表はしていない。

特に報道部には漏らすな。」

 

「わかってるすけ。

前の大規模侵攻の時・・・この学園からも戦力が出たっきゃ。

軍に比べたら少ねぇけど、死人も出た・・・そのときの話は授業で習ってるすけな。

軽々しく言えねぇ。」

 

「大規模侵攻が起きたとして、学園の犠牲はゼロにする。

それが役目だ。

犠牲者が出た時点で私たち生徒会は無能だったことになる。

会長にそんな汚名を着させはしない。

里中、お前も協力してくれ。」

 

聖奈は里中 花梨(さとなか かりん)に協力を仰いだ。

 

「誰だってメシば食うすけ。

腹減ったら呼べばいいんだぁ。

合成食料でもうまく料理してやっからな。」

 

「・・・・・ああ・・・・・」

 

その後、花梨は調理室に向かった。

調理室に2人の生徒、

雀 明鈴(ちゃお みんりん)と李 小蓮(り しゃおらん)がいた。

 

「メシの量、減らすのカ?」

 

「えーっ!

ご飯減っちゃうのか?

それ、ボクに死ねって言ってるのだ。」

 

「我慢しねぇとな。

代わりに気合い入れて作ってやるすけ。」

 

明鈴が文句を言っていた。

 

「ぶうぶう。」

 

「おらんどはあくまで部活だぁ。

生徒会からいろいろ優遇されてっけどな。

方針には従わねぇといけねぇすけ。

我慢してけろ。

南半球で食いもんば作れねぇすけ、慢性的な食糧不足が続いてるんだすけ。」

 

「合成食料があるネ。

それでも足りないのカ?」

 

「十分あるすけ。

それは心配しねぇでいいべ。

だけど、合成食料ったって無限じゃねぇすけ。

大事にしねぇとな。」

 

「うーっ・・・」

 

まだ明鈴は納得がいかないようだ。

 

「なぁに、なんも大丈夫。

いずれ魔物から土地ば取り返したら、おらがほっぺた落ちるくれぇの料理、

作ってやっからな。」

 

   ***

 

その頃、クエストに向かった良介とアイラは川に来ていた。

 

「うう・・・きいとらん!

妾はきいとらんぞ!

こんな川だらけの場所などとはきいとらんぞ!」

 

「場所ぐらい最初に確認しとけよ・・・」

 

「くっそ、あのヘボめ。

なんかやけにニヤニヤしとると思ったら・・・

妾の唯一の弱点である【流れる水】がスゴいたくさんあるではないか!」

 

「唯一の弱点って・・・日光は克服しているのにか?」

 

「ぐ・・・吸血鬼は流れる水を越えることができんのじゃ。

どうしても越える気にならん、というのが正確じゃな。

理屈は知らんがそういう設定になっとる。

真祖でもそれは変わらん。」

 

その言葉に良介は呆れる。

 

「設定って・・・真祖だったらそれぐらいどうにかしろよ。」

 

「こればっかりは妾も無理じゃ。

良介、おぶれ。」

 

「おぶれって・・・俺が?」

 

「ようするに自分で渡ることができんのだから、誰かに移動させてもらえばよい。」

 

「・・・なんで俺が・・・」

 

ため息をつく良介。

 

「だーいじょうぶじゃ!

見りゃわかるがコンパクトボディでめっちゃ軽いぞ!

ほれほれ、恥ずかしがっとる場合ではない。

さっさと乗せろ。」

 

アイラは良介のマントからよじ登り始める。

 

「ぐえ・・・ちょ、ちょっと、あんまり引っ張るなって。」

 

「うむ、うむ・・・よっしゃ、ベストポジションじゃ!

無駄に乗り心地がよいな!」

 

アイラは良介の肩に腰掛ける。

 

「では行け・・・おい、ありゃなんじゃ。

デカいカニがおるぞ。」

 

「カニ・・・てことは、あれがサワガニか。」

 

視線の先に巨大なカニがいた。

 

「・・・おおっ!

あれが討伐対象か!

おろせおろせ!」

 

「はいはい、わかったから。(大変だなぁ・・・)」

 

「よーく見ておけ。

これが吸血鬼の戦い方じゃ!」

 

アイラは肩からおりると、いきなり魔法を撃った。

だが、他の魔法使いとは比べ物にならないくらいの威力だった。

サワガニは一撃で消え去ってしまった。

 

「見たか!

これが真祖の力じゃ!」

 

「(一瞬であれだけの威力の魔法が出せるとは・・・なるほど、

話は本当だったみたいだな。)」

 

良介がアイラの魔法を見て、なにやら納得していると、

アイラがまたマントからよじ登って来ていた。

アイラが肩に乗ると、行くように指示を出す。

 

「ほれほれ、さっさと行こうぞ。」

 

「はいはい、わかったよ。」

 

アイラを肩に乗せ、さらに奥へと進んだ。

 

   ***

 

良介とアイラは少し川から離れた場所にまで来た。

 

「おう、もういいぞ良介。

ここから先は水場もなかろう。

たぶん。」

 

「わかった。」

 

良介は肩からアイラを下ろす。

 

「で、なんで降りたんだ?

乗ってる方が楽だろ?」

 

「できるだけ低いところにいたいんじゃ・・・日光がな。

妾の唯一の弱点である日光が少しでも弱まるところがよい・・・すなわちだ。

お前の影に入らせてくれんか。

このあたり。」

 

アイラは良介の影に入る。

 

「・・・そんなところでいいのか?」

 

「妾は影の似合う女じゃからな。

ミステリアスなフェロモンむんむんじゃろ。

トランジスタグラマーな妾の魅力にメロメロになっちまうじゃろ。」

 

「あー、そうですな。」

 

適当に返事を返す良介。

 

「・・・そこは頷かんか。

妾がバカみたいじゃ。」

 

「・・・バカじゃないのか?」

 

「うっさいわ!

見ろ、カニがおったぞ!

今夜は佃煮じゃ!」

 

アイラが指さした先にサワガニがいた。

 

「それじゃ、次は俺が相手をしよう。」

 

「うむ、お前の魔法、見るにはちょうどいい相手じゃな。

倒してみせい。」

 

良介が前に出る。

サワガニが近づいて来た。

 

「それじゃ、風魔法で。

おりゃっ!」

 

良介は風魔法でサワガニに撃つ。

しかし、甲羅が硬いのか風魔法を食らってもピンピンしていた。

再びサワガニが良介に近づこうとしたが、その先に良介はいなかった。

すると、サワガニの上に何かが乗った。

良介がサワガニの上に乗っていた。

良介は右手で拳を作り、雷魔法をかける。

 

「でええぇぇいっ!!」

 

サワガニの甲羅を全力で殴る。

甲羅が凹み、まるで感電したかのように、サワガニの体に電気が流れる。

良介がそこから離れるとサワガニは消滅した。

 

「・・・ふむ、雷の強化をかけたか。

強化魔法に属性を付けるとは・・・」

 

良介にアイラが近づく。

 

「ふう、どうだった?

俺の魔法は。」

 

「まぁ、悪くはない。

だが、一発目で倒せていないのはどうもなぁ・・・」

 

「・・・あれは牽制用に撃った奴なんだがな。」

 

「・・・まぁ、よいわ。

ほれ、次に行くぞ。」

 

アイラが先に進んでいく。

 

「・・・手厳しいことで。」

 

良介はその後を追いかけた。

 

   ***

 

少し進んだところでアイラが話しかけてきた。

 

「・・・話は変わるが、お前みたいな体質の人間は人類史始まって以来じゃろう。

魔力を大量に貯蔵できる。

さらにそれを分け与えることができる。

いつの時代も、その技術を確立しようと多くの人間が努力してきた。」

 

「・・・技術として確立・・・か。」

 

「だがついぞ、そんな便利で安直な技術はうまれんかった。

・・・どうじゃ良介。

なんかすごく都合がいいと思わんか。」

 

「・・・都合がいい?」

 

「妾はお前に興味があるぞ。

なぜお前みたいなのが突然出てきたのか。

ただの新種なのか、それともなにか超自然的な裏があるのか・・・

某国の人体実験で生み出された生体兵器かもしれんな!」

 

「・・・まるで俺が生物兵器みたいだな。」

 

良介が呆れたような顔をする。

 

「冗談じゃ冗談。

そんな顔をするな。

いじめすぎた。

まあ、実際のところは突然変異とかそんなんじゃろ。

300年くらい生きとるが、魔法は奥が深いからな。

気にするな。」

 

そう話しているとサワガニが現れる。

 

「綺麗に締めたところでカニ発見じゃ!

今度こそ佃煮にしてやるわ!

続け良介!

季節の味覚は我らにあるぞ!」

 

アイラはサワガニに突っ込んでいく。

 

「・・・倒しても霧に戻るだけだがな。

まぁ、そんなことはどうでもいいか。」

 

良介もアイラに続く。

良介は風の強化魔法を自分にかける。

一瞬でサワガニの後ろをとる。

 

「でりゃあっ!」

 

片側の脚に蹴りを入れ、サワガニはバランスを崩す。

すかさず、アイラは魔法を撃つ。

魔法が直撃し、カニは消滅した。

 

「ふぅ、これで終わりか。

・・・アイラ、念のため言っておくが、霧に戻るから佃煮は無理だぞ。」

 

「わーっとるっつの!

少しは空気を読めっつの!

魔物を倒したら霧に戻ることくらい知っとるっつの!

慰めの言葉なぞいらんわ!

妾を食いしん坊キャラにするな!」

 

「わかったわかった。

怒るなって。」

 

良介は笑いながら、アイラの頭を撫でる。

 

「・・・まぁ、お前の魔力のおかげで妾も久しぶりにストレス発散できたし。

多少いじるくらいは許してやろう。

妾は心も広いのじゃ。」

 

アイラは頭を撫でてもらって嬉しそうだ。

 

「さて、当たり前のようにカニを屠ってやっちゃったわけだが・・・

ま、とりあえず戻ろう。

妾の魔法は威力はあるが消費も大きい。

だいぶ残量が減ったじゃろ。

気持ちよく使わせてもらったからな。

いくら魔法を使っても干からびんというのはいいのう。

いい気分じゃったぞ。」

 

「・・・全然余裕なんだがな。

まぁ、いいか。」

 

良介とアイラは学園に向かった。

 

   ***

 

その頃、学園のとある教室。

 

「お嬢ーっ。

まーだ待つんすかぁ?」

 

「当然です!

完璧な私には完璧な伴侶を!

彼の体質と能力には可能性があります!

じっくりとお話しをしますよ!

刀子、捕まえる準備を!」

 

「はっ!

足の腱を斬れば逃げられぬと愚考いたします。」

 

「なぜあなたはそこまで物騒なのですか・・・」

 

教室には野薔薇 姫(のいばら ひめ)、支倉 刀子(はせくら とうこ)、

小鳥遊 自由(たかなし みゆ)の3人がいた。

 

「いつもお婿さん候補を呼びつけてるお嬢とは思えねーっすね。

まさか惚れちゃったんすか?

すか?」

 

「下世話ですよ、自由。

あの方は有望株なのです。

少しくらい骨を折っても悪くないでしょう。」

 

「しかし・・・聞いたところ、学園の様々な組織が狙っている様子。

あの馬の骨にそのような価値が・・・?」

 

「ふさわしくなければ私が育ててみせますわ。

この野薔薇 姫によりふさわしい、完璧な殿方に・・・

フフフ・・・ホーッホッホッホ!」

 

教室に姫の高笑いが響いた。

その頃、良介とアイラは学園に戻ってきた。

 

「ふむ。

このまま報告してしまえばクエスト終了なんじゃが・・・」

 

「うん?

どうした?」

 

「おい良介!

報告は後じゃ!

めんどくさいから先に屋上でサボるぞ!」

 

「おいおい、いいのかよ。

そんなことして。」

 

「なぁに、今回は執行部も反則手を使ったんじゃ。

構わん構わん。」

 

良介とアイラは屋上にやってきた。

 

「のう良介。

妾はクエスト中、お主に【人類史始まって以来の体質】と言った。

その危険性を、念のため伝えておくぞ。

大規模侵攻が確実となれば、その混乱に乗じて、

お主に近づいてくるヤツが出てくるかもしれんからの。」

 

アイラは鳥の石像に座る。

 

「魔導科学研究所・・・通称【科研】は、その名の通り、魔導科学を研究しとる。

宍戸 結希が魔法使いに覚醒する前、3ヶ月だけ所属しとったとこじゃ。

いいか、科研っぽいヤツが近づいてきたら注意せないかんぞ。

あいつら、魔導科学の発展のためには人権無視が基本じゃからな。」

 

「・・・とんでもない奴等だな。」

 

良介はベンチに腰掛ける。

 

「実のところ、お主が科研に攫われる前に、虎千代と宍戸が手を回したんじゃ。

学園に入学してしまえば、その生徒は自治の名のもとに保護されるけんの。」

 

「・・・そうだったのか。」

 

「お主の体質を理由に接触してくるヤツら、学園内にもおるじゃろ?

お主が実感しとる以上に、お主を欲しがっとるヤツらは多いのよ。

野薔薇の縦ロールなんかは比較的お気楽な方じゃけどの。」

 

「野薔薇・・・聞いたことがある苗字だな。」

 

「まだ結婚のなんたるかもわからんまま伴侶だのムコ探し言うとる。

まぁ、そんな悪いヤツでもない。

気が向いたら相手してやれ。」

 

「ああ、わかったよ。」

 

良介とアイラは報告するために執行部のところに向かった。




人物紹介

里中 花梨(さとなか かりん)15歳
学園随一の料理人で、同時にみんなのお母さん。
南部弁で喋る。
料理に説教に指導に畑仕事に飼育に洗濯に掃除にとオールマイティ。
なにかあれば彼女に相談、が基本。
生徒会すら頭が上がらない影の権力者だが、本人にその自覚はない。

雀 明鈴(ちゃお みんりん)15歳
中国からの留学生。
食(食べる方)を我が道と定めてあらゆるものを食らいつくす。
摂取したカロリーは運動で相殺するタイプらしく、食って動いて食って動いてと忙しい。
嫌いなものがないため料理人にとっては嬉しい反面、生半可な量では満足しない。

李 小蓮(り しゃおらん)15歳
中国からの留学生。
食を我が道と定めて邁進する料理の徒。
里中花梨に師事し、調理室で励んでいる。
結構おいしいと評判なのだが、あまり褒めるといい気になり、
余計な一工夫を加えてしまう困ったクセも。
同じ境遇の雀明鈴と一緒にいることが多い。

野薔薇 姫(のいばら ひめ)15歳
軍閥の名家【野薔薇家】の長女。
【野薔薇たるもの完璧たるべし】の教えのもと、完璧を目指して邁進している。
優秀なのは間違いないがすぐ調子に乗る傾向がある。
2人の従者を従えているが、どちらもクセが強く苦労している様子。

支倉 刀子(はせくら とうこ)16歳
野薔薇姫の護衛役。
古めかしい喋り方が特徴の、武士道精神溢れる侍娘。
姫のためなら他のなにがどうなろうと構わず、呼ばれたら全てを放り出して馳せ参ずる。
かなりの忠臣と言えるが、周りの被害もかなり大きいトラブルメーカー。

小鳥遊 自由(たかなし みゆ)16歳
野薔薇姫の世話役・・・のはずだが、あまりやる気がない。
名前の通り自由に遊びまわる不良メイドで、よく護衛の支倉刀子に注意されている。
ネット中毒でオンラインRPGでは廃人クラス。
最近のオタクに見られる独特な喋り方が特徴。

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