人識と一緒に新人を探してると、校舎裏に寝転がってる人影を見つけた。
その人影が体を起こすと、その姿は僕と瓜二つだった。そりゃそうだ、あれは僕の双子の妹、１人で２人、２人で１人の匂宮兄妹の片割れ、匂宮理澄なのだから。
それでも自分が見ているものが信じられなくて「理澄…？」と確認するような口調になってしまう。
すると理澄であろう人物もこちらに気づき、指をさし「あ～、兄貴なんだねっ！」と無邪気に言っている。やはり理澄だ。夢でも、幻でもないようだ。
「兄貴、ここはどこなんだねっ!?」と聞いてくる理澄
「え、ああ、ここは…死後の世界だよ。理澄。」と歯切れ悪く答える僕
「しご？死んだ後ってことなんだね？」と聞く理澄に「うん、そうだよ」と答える僕
「ふーん、私って死んじゃってたんだねっ?!」とどこまでも普段通り無邪気に話す理澄
ところで、と理澄が前置き「そこの変な髪の色の人は誰なんだねっ!?」と聞いてくる。「変だって?!」とショックを受けている人識。でも今は混乱しててちょっと構ってあげられない。
「こいつは…零崎人識だよ。昔、良く話してたろ？」と言うと、「あ～、兄貴の友達だったあの人だねっ！」と言う理澄に、そうだよ、と答える僕。
「ん～、でも兄貴、確かその人とは決別したって言ってたんだねっ？」と聞いてくる理澄
「うん、決別したんだよ。決定的に。」でも、と言葉をつなぎ「この世界で出会ったんだ、もう一度。それで、ちゃんと仲直りできたんだ！」と僕は言う
「良かったんだねっ！兄貴！」と喜んでくれる理澄。
その後も長いような短いような雑談をした。
理澄が死んだ後、人類最強と戦ったり、戯言使いのおにーさんを助けたり、人類最終に殺された話もした。理澄は、うんうん！、と楽しそうに聞いている。人識も微笑ましそうに、そんな僕たちを見ている。
そして、僕は理澄に１つ疑問に思った点を軽い気持ちで質問してみた。「理澄はさ、なにが心残りでこの世界に来たんだ？」と
すると、「心残り？なんだねっ？それ？」と首を傾げている。
そういえば言ってなかったと思い「この世界はさ、生前理不尽な人生を送った人が来るんだよ。そんでみんななにか心残りをもってるんだ」と説明すると
「そんなの１つしかないんだねっ！」と自信満々に言う理澄。それってなんなんだ？、と聞くと「兄貴なんだねっ！」と即答する理澄。
「僕…？」理澄の答えに驚いてしまう僕。
うん、と理澄が言い、言葉を繋げる「兄貴がちゃんと弱さを抱えて生きていけるかが、心残りだったんだねっ！」と言う理澄に、だった？、とまるでもう違うかのような言い方をする理澄に聞き返す。
「そうなんだねっ！だって、もう兄貴は人識さんと一緒にいてられるんだから、だから、もう心配いらないんだねっ！」と理澄が言う。確かに僕が人識と決別したのは、一緒に居て妙に居心地がよくて、なにかあったらつい頼ったりしちゃったりする自分の弱さに耐えられなかったからだ。
僕が言葉に詰まってると、理澄の体からポツポツと光の粒が出てきた。
「人識さんと一緒に居ても大丈夫なんだったら、もう私は安心なんだね」と別れの言葉みたいなことを言い出す理澄。
「な、なに言ってんだよ理澄、そんな最期の言葉みたいなの」とおどけて言ってみせる、が理澄は首を横に振り「みたいじゃないんだね、兄貴」と優しく諭す理澄。
目にうっすら涙を浮かべて
「バイバイなんだね、兄貴」
と言うと、そこに理澄はもう居なかった。最初から存在してなかったかのように。
「理澄…？理澄!!」と叫ぶ僕。でも、理澄はもうこの世界にはいない。
僕は我慢できなくて、涙を流す。なきじゃくる。
すると、人識が黙って抱きしめてくれた。頭をなでてくれた。僕が泣き止むまでずっと。
僕が泣き止んでから少しすると、人識がなにも見なかったように「さあ、本部に戻るか」と言った。
そんな優しさにまた泣き出しそうになってしまう僕。なんとかこらえて「ありがとう」と小さく呟く。
人識は「ああ？なんか言ったか？出夢？」と聞き返してくる。
僕はそれに「なんでもねーよ！人識！」ぎゃはっ！と笑いかけ、走り出す。後ろから、ちょ、待てよ出夢！と言う人識の声が聞こえたが構わず走る。本部まで。
理澄を出してみましたが、なんかグダグダになってしまいましたね(^^;)
ちょっと背伸びしすぎちゃいました。文才がないくせに。
でも、どうしても理澄は出さなきゃダメだろうと思ったので出しました。
理澄を出さないと出夢の成長を表現できないので。
不満に思った方々には謝罪を申し上げますm(_ _)m