ひといずin Angel beats!   作:堂上

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更新がかなり遅れてしまいました。申し訳ごさいませんm(_ _)m


第43話

ユイが消えた次の日。ゆりから戦線全体に単独行動禁止。最低でも二人一組で行動するように、と通達があった。

多分、あの影とかいう奴のためだろう。だが影の事は言わなかった。理由は、まだ何とも説明出来ないでしょ?とのことだった。

とりあえずパートナーである出夢と非戦闘員のガルデモメンバーには知らせておいた。

 

「しかしよぉ、影って一体どんなのだよ?」

いつも通り授業をサボりながらぶらついていると、手を頭の後ろに回して唐突に訊いてくる。

「いやどんなのって…知らねえよ。知りたきゃ野田か大山にでも訊けよ」

「それだ!!」

「は?」

頭の上に電球を光らせている。ように見える…

「訊きに行こうぜ!ぎゃはっ!」

「いや訊きに行こうぜっつってもあいつらが何処にいるかなんて分かるわけ…」

……あった。大山は分かんねーけど、野田は多分河川敷でハルバート振ってる。

さて、どうするか…と思考を巡らそうとした瞬間

『生徒会長の立花奏さん。急いで生徒会室まで来てください。繰り返します。生徒会長の立花奏さん。急いで生徒会室まで来てください』

と放送が流れた。

「ゆりじゃん」

天使を呼ぶってことは音無たちのやってることバレたか?…いや影の対処方法が解らない今音無たちを咎める理由はないか…ならなにを…とまたまた思考を巡らせていると

「人識後ろのそれ…なんだ…?」

後ろ…?

そこには黒い霧のような形状の物体とも生物とも言えないようなものがいた。

「んだ?!こりゃあ!」

そいつが俺に抱きついてこようとするような動きを見せたから横に転がって避ける。それと同時にナイフを取り出す。

「コイツが、影…」

出夢も戦闘体制に入る。

「なあ、コイツ死ぬのか?」

「かはは。野田は退治出来たみてえだし死ぬんじゃね?」

「なら問題ないな」

「ああ。殺して解して並べて揃えて晒してやる」

そこまで言った所で影が動き出した。

その動き出しを見てすぐさま俺も影に突っ込み、ナイフを突き刺す。ズブっと見た目に反してしっかりとした手応えが伝わってくる。

影が苦しそうにし、動きが少し止まる。

「人喰い!!」

そこに人でいう頭の部分に出夢が人喰いを叩き込むと影が煙のように消えていく。

「文字通り雲散霧消って感じだな」

「ぎゃはは!上手くねぇ~」

「うっせ!」

頭を軽くはたく

「しっかし歯ごたえなかったなぁ~。これくらいなら1人で十分じゃん」

「かはは、全くもってその通りだな。こんなもん俺にかかりゃ……」

とんでもない光景に言葉を止めてしまう

「ん?どした?人識ー?」

突然動きの止まった俺を怪訝な顔で伺う。

「あれ…」

「ん?どれだ…よ…」

指を指した方向にはうじゃうじゃとかなりの量の影がいた。

「とりあえず、逃げろ!」

「は?!こんな奴ら相手に逃げるかよ!」

「いいから来いバカ!」

「いててて!離せバカ人識ー!」

渋る出夢の首根っこを引っ張って走る。

とりあえず広い場所に出ねえと。

 

「おいおい…」

運動場に逃げ着いた所で見たものは既に沢山の影に囲まれてる野田とTKだった。

「しゃーねえ!あいつらと一緒に戦うぞ!」

「やーっと逃げんの終わりか。ぎゃはっ!」

「いくぞ!」

 

「おーい!野田、TK!」

「ふんっ、何しに来た?助けなど求めてないぞ」

「大丈夫だ。こっちも一杯連れてきてっから」

「何をしとるんだ貴様らは!?」

「oh my god…」

「いや~まあ、僕らもやっっと広い場所に来れたから大丈夫だよ。

暴れてやっから、ぎゃはっ!」

出夢がいやらしく舌なめずりをする。

「ちっ!邪魔するんじゃないぞ!」

「「お前がな!」」

「Good luck! Foooo!! 」

一斉に影に向かって走り出す。

 

「うぉらぁ!」

野田が力任せにハルバートを振ると一気に数体の影が消滅する。

「Foooo!」

TKも人外と言っていいほどの動きで銃を撃ちまくり影を消していく。

「ぎゃはははははは!」

出夢は長い腕を使ってコマのように回り影たちにラリアットを決めていく。

俺はというと、まあぼちぼちと言うところだ。特に派手に攻撃せずに通り魔のように切り刻んでいく。

でも人数が少な過ぎるな…。

 

そう考えてると、シュンッと剣が空気を切り裂く音が耳に届いた。

「天使?!なぜここに!」

「…………」

野田の言葉に反応を見せず次々と影を切り刻む。

天使の登場に驚いていると、パンパンッとTKのいる方向とは別の方から銃声が聞こえた。

「あなたたち!無事?!」

「ゆりっぺぇ!」

「無事みたいね…」

俺達の無事を確認して少し隙ができたのを影がめざとく反応し、ゆりの足首をつかみ、振り回そうとする。

パンッとまたもや銃声。

「大丈夫か、ゆり?」

「音無くん!」

「待たせたな!」

「ふっ…平伏せ」

音無、日向、直井と続々とメンバーが加勢にきた。

「ふん。加勢などいらん」

「へへん、まあそう言うなって」

日向と野田が背中合わせになって構える。

すると、どこからか数本のクナイが飛んできて影に突き刺さる。

椎名だ。

クナイが刺さりのけぞった影に剣を突き刺し切り落とす。

「あさはかなり」

「相変わらずそれしか言わねえんだな…」

少し呆れてると

「wow,dancing in the shadow!」

ダンスを踊るように影たちをよけ続けるTKが見えた。

「I kiss you」

影の眉間に銃を突きつけ、引き金を引きまくる。

「意外と容赦ねえな…TK」

 

「うわ、あれ食らいたくねえ…」

日向の引き気味の声が聞こえた。そちらを伺うとそこには無表情で影を切り刻む天使さんが1人…

「いや、ありゃ悪魔だろ」

見ろ、直井も呆然としてるぜ。

「うぅぅうぅおぅりゃあぁぁ!」

えらくデカい声をあげながらコマのように回る野田。そしてそのままの勢いでハルバートを振り下ろす。その先には日向がいた。

「てめえ!味方まで斬る気かよ?!」

「計算の内だ」

「入れるなよ!省けよ!」

「バカやってないで援護しあって!」

ゆりが銃を撃ちながら2人を窘める。

 

「っつぁ!」

野田が最後の一体を倒して倒れ込む。

「皆、無事か?」

みんな疲れて、座り込んでいるのがほとんどだ。

「ああ、何なんだよあいつら。化け物かよ?」

「あんな不気味な存在、この世界にはいなかったぞ」

「これは悪夢か?」

「誘い乱れるcarnival…」

やっぱりかなりイレギュラーな事が起きているようだ。長い時間この世界にいたはずのこいつらでも驚くほどの。

「この世界に長く居すぎたのかしら…」

ゆりが思案顔をして顎に手をそえる。

「どういうことだ?」

「ゲームでよくあるじゃない。永久プレイ阻止のための無敵のモンスター」

「笑えないな…」

「…にしても、まるで味方ね」

天使の方を向き、そう呟く。

「おーい!おーい!」

どこからかこちらに向かってくる声がした。

「藤巻?」

肩で息をしている事から相当急いでここまで来たことが伺えた。

「やべえぞ、高松が…高松がやれちまった!」

一難去ったと思ったらかよ…!

 

 

 

 

 

 

 


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