ひといずin Angel beats!   作:堂上

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随分長い間更新してませんでした。すいません。


第37話

ーギルド連絡通路B4ー

ギルドへ前進していくと前回のトラップがそのままで放置されてた。

「前のトラップは放置されてるなぁ、ラッキー♪」

「あの、こんな所で天使に出くわしたらどの道漏れそうなんですけど…」

「構わん」

「構って下さいよぉ!」

日向とユイがいつもみたいに掛け合いをしてる。あいつら余裕だなぁ。

「なあとっしー」

出夢が俺の服の袖を引っ張って呼ぶ

「んだよ?」

「僕もこんな所で天使と会ったら漏れちゃうかもー♪」

「そんな事でいちいち話しかけんな!てか、お前から漏れてんのは殺気だけだよ…」

俺がそう吐き捨てると出夢はつまらなさそうに、ちぇー、といって手を頭の後ろにくむ。

「っ?!」

そんな風に喋っていると目の前に天使が現れた。

「ひぇ?!」

皆が銃を構える。

「ひやぁぁぁ!」

ユイがビビって叫ぶ

「構わん」

「ふぇぇ!構って下さいよぉ!」

あいつらこの期に及んでまだやってるのか?やれやれ…

「とっしー、僕も漏らしちゃうー」

「黙ってろ!」

 

「さっそく現れたわね…撃てぇ!」

ゆりが叫ぶのとぼぼ同時に天使が突っ込んでくる。

そして、皆が構えてた銃を真っ二つにする。

「くそぉ!速え!」

「まだハンドガンがある!」

ゆりがそう叫んでから手榴弾を投げた。それと同時に天使がなにか呟いていた。

「各個射撃!」

みんなはゆりの言葉でハンドガンを取り出し打ちまくる。

「意外と早くケリがつきそうね」

「えらく余裕ぶってるな、それフラグ立ってんぞ」

俺がゆりに軽口を叩くと「うおぅ!」と心臓を一突きされたような声が聞こえた。

振りかえると、野田が天使に刺されてた。…マジかお前

「な…にぃ?!」

野田がそう言うと天使はニヤリと笑う。

「これどういうこと?!」

「オリジナルか?!」

「違う!あいつも分身だ!」

二人目の天使が現れて取り乱すメンバーに音無が叫ぶ。

「何故もう一体いる?!」

「要は敵が増えたということですか」

みんな落ち着きを取り戻したみたいだ。

天使は邪魔になったのか野田を放り捨てる。

「どうでもいいが、また真っ先にやられたな、あいつ…」

「ぎゃはは!だっせぇー!」

野田、哀れ…。

「くそ…撃てぇ!」

またみんなハンドガンを撃ちまくる。

「後ろはどうすんだよ?!」

日向がゆりに叫びながら問う。

「それどころじゃないでしょ!まずは目の前の敵を…「忙しそうね」はっ?!」

前の敵を倒そうとしている所に後ろの天使が立ち上がってきた。

「ゆりっぺ!もう残弾が…?!」

…しゃあねえ、切り札は最後まで取っとこうと思ったんだが。

「しゃあねえ、俺が…「あっ?!」ん?」俺のセリフが止められる

「入り口を塞ぐわ!ついてきなさい、行くわよ!」

ゆりが手榴弾を投げて走り出す。

「「ゆりっぺ!?」」

みんなもゆりの後について行く。あれ、俺の出番は…?

「人識ー!早く行くぞ!」

「おっ、おう!」出夢に促されて俺も走る。

「あと十秒!間に合わなかった者は残していく!」

松下五段が扉を開けてみんながドンドン入っていく。その間ゆりがカウトダウンしながらハンドガンで天使に応戦している。

天使はそんな事はお構いなしとばなりに突っ込んでくる。

「1…0!」ゆりがカウトダウンを終えて音無の手をとって、飛び込む。それと同時に扉を閉める。

 

ギルド連絡通路B5

みんな疲労やら絶望感やらで座りこんでいる

「あんな凶暴な天使が2体…前の降下作戦よりタチが悪いぜぇ…」

日向が珍しく弱音を吐く。

「日向が茶化さないなんて珍しい事があるもんだな」

だからあえて俺が茶化してみる。

「まぁ、俺だってデリケートな時もあるのさ…」

「さぁ、まずは何で2体目が出てきたのか考えるか…」

「無視すんじゃねーよ!」

日向に元気が戻ったみたいだな。

「分身はハンドソニックやディストーションも使えるのよ。つまり、ハーモニクスも使えるってこと」

「うおーい!無視すんな!」

ゆりがそのまま話を続けると日向がまだ叫んでいる。 

「まったく、低脳な奴らだな…あ、もちろん音無さん以外ですが

僕が問題点をまとめてやろう!あとそこの愚民うるさいぞ」 

直井がビシッと指を指してポーズを決める。日向は「へーへー、そうですか~」といじけてる。

「よろしく…」

ゆりは呆れてるようだ。

「問題は2つある。

まず何体分身が作られたのか。分身が分身を作れるのなら数に限界はない」

なるほど、コイツは意外と頭良いのか。

「じゃあ2体どころか10体や20体、それ以上いるかも知れねえってか?!」

「うるさいぞ愚民、しかし、まあそういうことだ」

日向が驚き声を上げると直井が舌打ちしながらそう言う。

「待てよ…?ゆりが能力を追加している!

分身は本体に戻るようになったんだろ?消えるのを待ってれば良いんじゃないのか?」

「それが2つ目の問題なんです。

もし能力を追加する前に分身を大量生産していたとしたら…?」

「「っ…?!」」戦線メンバーに戦慄がはしる。

「ちょっ!?そいつは…?!」

「ふん、愚民どもめ、ようやく気づいたか。あ、もちろん音無さんは気高い貴族でありますが…。

いいか…?もし僕たちが乗り込んでくることを分かっていて、既に分身を量産し、このギルドに配置されていたとしたら…?」

「そりゃあ…」

「trap…」

ここでTKェ?!

「そう罠だ」

え?!やっぱりTKは無視すんの?!日向もつっこまないのか?!

「既に背後に2体いる。こいつらは消えないし、貴様らに勝ち目はない。そしてこの先もうようよいるだろう」

直井が他人事みたいに言う。

「閉じこめられたというわけか…」

「武器の補充も出来やしねえんだぞ…やられるのを待つだけじゃねえか…」

みんなにまた絶望が訪れる。

「何言ってんだ?僕がぜ~んぶブッ倒してやりゃいいんじゃん!」

「アホか、俺とお前で1人倒せるかどうかだぞ?全部倒すなんて出来ねえよ」

自信満々の出夢に窘めるように言葉をかける。

「なんだ?とっしー弱気?」

「んなわけねーだろ?あんな奴、殺して解して並べて揃えて…晒してやんよ」

久々に言えたぜ!決め台詞!

「じゃあ、なんの問題もねーじゃん!ぎゃはは!」

「だから、問題はあんだよ。普通にやったんじゃ勝てねえからな。せめて1対1になんねえとな」

「お~い、お前らだけで話進めんな。まずはもう少し話し合いしなきゃだろーが」

話を進める俺たちに日向が呆れたように言う。

「おー、わりわり。で?まだ話すことあったっけ?」

「あるよ…。まず、何のためにこんな事をってことだよ」

ああ、なるほどな

「最終的には完全なる服従でしょう。それが彼女の使命だもの」

「大人しく消えろってことかよ!?」

藤巻がゆりに向かって吠える。

「俺たちを一掃するには最高の作戦だな!ははは…」

日向が諦めたようにぼやく。

「行くわよ」

ゆりはそれだけ言って立ち上がって歩き出す。

「ああ…?んー…」

メンバーも何も言わずにゆりに続く。


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