ひといずin Angel beats!   作:堂上

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第2話

「あん?…んだここは?」

人識が目を覚ますとそこは見知らぬ学校だった

 

「しかも服学ランじゃねえか。タイムスリップでもしちまったか?」

人識は、「傑作だぜ」と呟き、とりあえず現状を確認してみた。

 

「服に刃物が一切ねえし、伊織ちゃんもいねえな」

そういやぁ、と人識はここでここに行き着くまでを振り返ってみることにした

一番最近の記憶は、もう体中にガタがきて床ふけっている記憶だった

 

「ってことは、俺は死んだはずだよなぁ?」

ふーむ、と唸ってると「おーい!」と遠くから自分を呼んでるであろう声に気がつく

「よっ!えーと、お前もしかして今ここで目が覚めたのか?」

近づいて来ていきなり話しかけてきた(それもかなりなれなれしく)青髪の優男に特に嘘をつく意味はなかったので頷いた

 

「そっか、あのさいきなりなんだけど死んでたまるか戦線ってのに入ってくんねえか?」

「は?んだそれ?」と質問すると

「神に抗うための戦線だよ、ここに来たってことはお前も理不尽な人生を送ってきたんだろ?」

(理不尽、ねぇ?…)

「まあそうかもな」

 

「だからさ、入ってくんね?他にも同じように理不尽な人生を送ってきたやつらがいっぱいいんだぜ?」

 

さすがにふたつ返事でOKは出せないので質問してみた

「具体的に神に抗うってのは何してるんだ?」

「まずは、神の手先の天使と戦ってる」

(天使?こりゃ傑作だ)

男は話を続けている

「他は、色んな作戦で神をあぶりだそうとしてんな」

ふむ、と色々確認したうえで決断を出した

 

「いいぜ、そんな傑作な話乗らないわけにはいかねえだろ!」と言うと

「よっしゃあ!決まりだ!じゃあ作戦本部に行くからついてきてくれ」

歩きだそうとする男に人識は

「おい、ちょっと待て、お前名前なんていうんだ?」

おっといけね、と男が言った、ちょっとアホみたいだ

「俺は日向、やるときゃやる男だぜ!」と名乗った

んじゃ、お前の名前も聞かせてくれ、と日向

「俺は零崎人識だ」

ふーん、零崎かー、珍しい名前だなー、と感想をもらす日向

 

「んじゃ、改めて行こうぜ」

と歩きだそうとする日向を再度呼び止めて

「あともう一個いいか?」と問うと

「ああ、いいぜ」と言うので、それじゃあと

「ここに匂宮出夢って奴はいるか?」と聞くと

「いや?確かそんな名前の奴はいないはずだぜ?」と日向

 

ん、そっか、と言うと日向は

「なんだ?友達か?」と聞いてきたので

「んー、そうだけどちょっと違うかな。出夢は家族みたいで恋人みたいで親友みたいなやつだ」と言うと

ふーん、なんか複雑なんだな?と言い、深くは追求してこなかった

 

すると、「お前の未練とそいつは関係あるのか?」と聞いてきた

(どうすっかなぁ、まああいつが居ねえんだったら隠す必要ねえか)と思い

「まあそんなことだ。向こうから縁切られてな」

かはは、と笑うと日向は「…そっか、まあ元気だせよ、いつかそいつもこっち来るかもよ」と励ましのつもりであろう言葉をかけてくれた。どうやら良い奴らしい

 

「じゃあ、今度こそ行くか」と日向が歩き出したのでついていった。

 

そして少しあるくと日向が「おっ!あれゆりっぺじゃん!報告しなきゃな」と言ったので

「ゆりっぺ?誰だそりゃ?仲間か?」と聞くと

「そうだぜ、俺達のリーダーさ」と誇らしげに言う

ふーん、と思いつつ走って向かう日向の後につづくと向こうもどうやら2人いるらしい

近づいていくと人影の片方はなんと出夢だった

 

「人識!?」 「出夢!?」

と驚きの声をあげると、出夢も驚いていた

そしてもうひとりの少女(おそらくこいつがゆりっぺとかいうやつだ)が

「人識くん!?さっき話してた?」と言い、日向も「出夢!?さっき言ってたやつか!」と余計なことを言ってた

 

しかしそれよりも

(出夢が俺のことを話してたのか?)と考えていると

 

「人識!なんでお前がここにいるんだ!?」と問われたので

「なんでって言われてもなあ」と言い

若干話をかいつまんで(日向に出夢の話をしたところ)説明したら

 

「…そうか、お前も死んだんだな」と寂しげに言う

人識はそれを見て(さすがに死後の世界でまで殺しにかかってこないみたいだな)と思い

「ああ、お前が死んだことは欠陥製品から聞いてた」と言うと

「ふーん、お兄さん無事に狐さんに勝てたか?」と聞いてきた

「いや、知らねえ、途中でトンズラしたから」かはは、と笑うと

出夢もぎゃはは!と笑い、なんだよそれ、といった

 

「ご歓談中に悪いけど、あなたが零崎人識くん?」とゆりっぺ?が聞いてきた

ああ、と首肯すると、そう、と言い

「あなたも戦線に入ってくれるのね?」と確認してきた

ああ、ともう一度頷くと、ありがとう、と返してきた

「人識くん、ところで、出夢くんとはどんな間柄なのかしら?」と尋ねてきた

(どうすっか?さすがに出夢がいる前で言うのははずいなぁ)と考えて

 

「…敵対関係だよ」とそっけなく言った

すると日向が「ちょっ!さっきはかぞ…」といらないことを言おうとしてたので睨むとさすがに黙った

ふーん、と言い、出夢の方をちらっと見てゆりっぺは言った

「だそうだけど?出夢くん?そのとおりで良いのかしら?」と出夢に問う

出夢は、はっとしたように「ひ、人識がそう言うんならその通りだよ…」と悲しげに言う

 

(ああ、また俺はおんなじ間違いをしちまったみたいだな)と思ってると

日向が近づいて耳元で「おい、良いのかよ?せっかく会えたんだぞ?」と言ってきたので

「よくねえよ、…よくねえけどしょうがねえだろはずいんだから」と言うと

日向はあきれたような顔をしてゆりっぺの方に行きコソコソ話している

ゆりっぺは、やっぱりね、と呟き出夢に近づいてコソコソ話をしている

すると、どんどん出夢が悲しげな表情から嬉しげな表情に変わっていった

 


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