ひといずin Angel beats!   作:堂上

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第18話

出夢には今、深刻な悩みがあった。それは…

「この世界に来てからまだキスしたことない!」出夢はガルデモの練習を見学し終わり、食堂で人識と晩飯を食べ終わり、風呂にも入り、さあ寝ようというところでこの事実に気づいた。

「なんで今まで気がつかなかったんだ!僕は!」出夢は人識と再開し、和解が出来たことでキスにまで気がいかなかったようだ。

「どうしよう…昔は殺り合った後にキスしてたけど、いまさら言うのもなぁ~」出夢はベッドでバタバタしながら考える。

「いや、僕はあの匂宮雑技団のエースだった男だぞ!きっちり殺り合った後にキスしてみせる!」出夢は決心して眠りにつく。

 

-次の日-

「人識!暇だしキ…、じゃない。殺り合おうぜ!」昼飯を食い終わり、人識に言う。

「ああ、いいぜ。別に」

「じゃあ行こう!すぐ行こう!」人識からオッケーをもらった出夢は人識を引きずっていく。頭は煩悩だらけだ。

 

 

「なんでだ…?なんでこうなった?」出夢はブツブツ呟き校内を歩いている。

出夢は確かに殺り合いで勝利し、人識を好きに出来る状態だった。しかし…いざとなるとドキドキして決心がつかなく、モゾモゾして、このままでは駄目だと思い

「よ、よーし、僕の勝ちだな~。じゃ、じゃあ…」と緊張しながら人識にキスするぞという旨を伝えようとしたとき

「ん?なんだ?まだなんかやんのか?」と人識に純粋に聞かれ

「…なんでもない!」出夢は走って逃げてしまった。

…そして、今に至る。

 

「このままじゃ駄目なのに…」しかし、出夢にはもう案がなかった。

「……そうだ。皆に聞いてみよう。」出夢はみんなを巻き込むことにした。

 

-天使対策本部-

「ってわけなんだけど、どうすればいい?」出夢が始めに聞いた相手は…

「どうすればって言われても、私、恋人なんて作ったことないし…。」ゆりだった。理由ほリーダーだし助けてくれるんじゃ?ということだ。

「僕本当に悩んでるんだ!頼むよ!」出夢は懇願する

「そう言われても…。今だって素直になれないのに…」ゆりは出夢の懇願に面食らったのか少し口が滑っている。

「…誰に?」

「はあ?」

「だから誰に素直になれてないんだよ?」出夢の問いかけにゆりは、ハッと口を押さえる。

「なんでもないわ!それより、いい案を思いついたわよ!」

「ほんとか!」出夢は話をすり替えられたことに気づかない。それほど必死なのだ。

「ええ、すばり…本人に頼みなさい!」出夢はずっこけた。

「それが出来ないからここに来てんだよ!」

「じゃあ無理よ。私忙しいから~バイバーイ」ゆりはどこかに走っていってしまった。

「くっそ~!次だ!」

 

-体育倉庫-

「おーい、椎名いるかー?」

「…なにようだ?」次に出夢が選んだ相手は椎名。理由は大人っぽいから。…人選ミスだ。

「かくかくしかじかで…どうすればいい?」

「あ、あさはかなりぃ!」椎名は出夢の話を聞いて顔を真っ赤にして煙幕を使いどこかに消えてしまった。

「げほっ。くっそ~!次だ次!」

 

-屋上-

「っつーわけで、なんとかなんねーか?」

「無理です」次に選んだのは遊佐。理由はゆりによるとみんなをいつも見てるらしいからいいアイデアがあるんじゃないか?ということだ。早くも玉砕したが。

「はえーよ!もうちょいなんか考えくれよ!」出夢は遊佐に頼み込む。

「無理です。私は仕事がありますので。それでは」遊佐はどこかにいってしまった。

「あーもう!…あいつに聞くしかないか」

 

-空き教室-

「ってわけなんだけど…。何かない?」出夢が選んだのは…

「それを私に聞くのか?音楽しかしらないのに?」岩沢…最後の最後でやってしまったようだ。理由は、岩沢の言うことなら大丈夫じゃね?とのこと。

「もうお前しか居ないんだ!」出夢は手を合わせて頼む。

「…そうだね。」

「なんかあんのか?!」出夢は顔に喜色を漂わせている。

「ある歌手の歌でね、kissから始めようって歌があるんだ。今からその歌を歌うから」

「え、いや、ちょっと待って。僕はいい案がないかどうかを…」

「いいから。聞いときな」

そうして岩沢はギターを用意し、歌い始めた。

その歌は恋人同士の男女のことを歌った歌だった。

 

「…どうだった?」岩沢は歌い終わり、出夢に問いかける

「ありがとう岩沢!勇気出たよ!行ってきます!」出夢は教室を飛び出ていく。

「ふぅ、やれやれ…。あんなチビの男のどこがいいんだか」岩沢はすごく失礼なことを言っていた。

 

「今すぐ抱きしめて~、キスから始めようよ」出夢はさっき岩沢が歌った歌を口ずさみながら人識の下に向かう。

そして、人識を見つける。

「人識~!」出夢の呼びかけで人識はこちらに振り向く。

出夢は人識に飛びついて抱きしめてキスをする。昔と違う、触れるだけのキスだが。しかし、長い時間キスをする。そして、出夢の方から離れる。

「い、一体なんのつもりだ!?出夢!」人識はいきなりで驚いたのだろう。

「なんのつもりもないよ!昔だってしてただろ?」

「そうだけどだな…」

「男がグダグダ言ってんなよ!さあ、晩飯食いに行こーぜ!」出夢は吹っ切れたようにそう言い、人識を引っ張って行く。

「…ったく、傑作だぜ」人識は出夢のその様子を見てお決まりのセリフをいい、食堂に向かう。2人一緒に。




というわけで日常話でした。
ちなみに作中に出てきた歌は嵐の曲です。
岩沢はロックしか聞かないようなイメージですけど、この歌しかキス関係の歌知らなかったので使わせてもらいました。

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