俺達は梯子を駆け上がり、天使を待っている。
すると白煙が吹き、黒い人影が見えた。その人影は徐々にこちらへと歩いてき、姿をあらわす。…天使だ。
「ぎゃはは!またあったなぁ、天使さんよ~」と出夢はいきなり天使に挑発?をする。
「…私は天使じゃないわ」天使が無表情でそう言う。…え、そこ?
「んなこと、どーーーでもいい!ここ、壊しに来たんだろ?だったら僕を倒してから行きな~ぎゃは!」…なんかこのセリフありきたりじゃね?
「ガードスキル・ハンドソニック」天使の腕から例の剣が生える
んじゃ、行くぜー!、と出夢が突撃する。
実力は五分五分だ。出夢が攻撃をすれば天使はハンドソニックで防御し、天使が攻撃すれば出夢は避ける。ゆりと音無はハイレベルな戦いにポカンとしてる。
しかし、この均衡もそう長くは続かない。
出夢はなかなか自分の攻撃が決定打にならないことにイライラしていた。
(くそ。僕の攻撃をこんなに受けきるなんて、あの剣めちゃくちゃかてぇな。ムカつくぜ。)
出夢はこの均衡を崩すために大技を繰り出す。
「暴飲暴食!」渾身の力を込めた両手の平手打ち。
「ガードスキル・ディレイ」天使がまたつぶやき、出夢の目の前から消える。そしていつの間にか、出夢の背後にいる。(くそ!またかよ!)出夢は心の中で呟く。
一撃はしょうがない。出夢はそう思い、歯を食いしばる。しかし、天使は攻撃をせずに、防御をした。なぜなら人識が攻撃をしていたのだ。
人識は出夢の戦いを傍観していた。理由は出夢が自分の戦いに手を出されると不機嫌になるからである。…しかしそうも言ってられなくなった。
「ガードスキル・ディレイ」天使が呟くと、いつの間にか出夢の背後に移動している。この光景はこの前にもあった。なのでより早く対応ができたのだろう。
俺は天使に向かい突進し、ナイフで頸動脈をねらう。まあ、あたるとは思ってない。出夢が逃げる時間を稼げればいい。天使は俺の目論見通り、俺の攻撃を防御する。
「おい!人識!邪魔すんな!」出夢が抗議してくる。
「うるせぇ、負けそうだったじゃねえか!いいから戦うぞ!」そこからは2人のコンビネーションで戦った。出夢が右からなら俺は左から、出夢が上からなら俺は下からなどなど攻撃を加える。だが、どれもこれも決定打にはなりえない。
俺達が苦戦していると「総員退避ぃ!」と後ろから職人が叫ぶ、大きな砲台に乗って。
「なんだそりゃゃゃぁぁ!」俺は全力で叫んだ。しかしあれの攻撃をくらうわけにはいかないので、シェルターに逃げ込む。出夢も逃げ込み、全員入ることに成功。
「退避完了!撃てぇぇ!」職人が砲撃する。「ぎゃぁぁぁぁぁ!」…砲台は弾け飛んだ。
「やっぱり記憶にないもん適当に作んのは無理か」
「適当に作んなあぁぁ!」ゆりが肘打ちをくらわす。いい肘打ちだ。
(…つかどうするよ、これ)俺が心の中で焦ってると「これで時間を稼げ!」チャーが手榴弾を渡す。
「助かったわ!」ゆりは手榴弾を受け取ると同時にそれを天使に投げる。しかし天使に弾かれる。だが、少し転がった所で爆発し天使の足止めは成功する。
それを何度か繰り返すと「爆薬の準備ができたぞ。どうする?ゆり」チャーが聞く
「爆破よ」ゆりが即答し、了解、とチャー
「爆破するぞ!」チャーがスイッチを押してギルドが爆破される。
俺達はオールドギルドに向かう。天使のいたところをふと見ると、天使が落ちていくところが見えた。まあ、すぐ蘇るんだろうな。
俺達はしばらく歩きオールドギルドにたどり着いた。そこには土しかなかった。
「皆、作業に取りかかれ!」チャーの号令で職人たちは一斉に土に向かって行き、土をこねる。これが武器を作る過程なのか、なんか地味だな。
「じゃあね、チャー。また武器が足りなくなったら来るわ。」
「ああ、待ってるぞ」2人もなりとりを終え、俺達は地上に向かった。
本部に帰ると死んでった奴ら全員いた。こいつら、蘇ってすぐ帰ったな。
「ったく。傑作だぜ。」俺はお決まりのセリフを吐いた。