ーB6ー
先ほどまでとは打って変わって、機械的な、言うなれば某ゾンビゲームの実写版でよく見られるような通路となっている。
「どう?開きそう?」と聞くゆりに「もち無理だぜ」と明快に答える藤巻。なにがもちだ。
最後尾の奴が入ると、ビービー、と警報のようなものがなる。
すると大山が「しまったぁ!?忘れてたよ!ここは閉じ込められるトラップだった!」と叫ぶ。
「そんな大事な事わすれんなよぉぉ!」と音無も叫ぶ。全く以てその通りだ。
「やばい!ふせろぉ!」と藤巻が叫ぶ。(これは…もしかしてもしかすると)とおもいながらふせる俺。
すると椎名が伏せながら何かを投げる。どうやら煙幕だ。煙がもくもくとあがると、赤いレーザーが見えた。
「あれ、当たるとどうなるんだ?」と音無が質問すると「最っ高の切れ味で気持ちよーくしてくれるぜぇ」と余裕の風情で答える日向。後ろで「え?気持ちよくなれるの?じゃあ…」とか言ってる淫乱殺し屋は無視だ。
「第二射、来るぞ!」と藤巻。「顔もふせて!」とゆり
皆上げていた顔を伏せてなんとかきりぬける。
「第三射だ!」と藤巻
「次は何だった?!」と聞く日向
「Xよ!」ゆりが答える
「そんなのどうやって避けりゃいいんだよ!」音無は叫ぶ
「みんなそれぞれ対処して!」とゆり。んなめちゃくちゃな。
みんな、伏せたり飛んだりして対処していく。俺は伏せる。言いたくないが俺は背が低いから伏せる方が楽なんだ。
無事に避けると、後ろから「う、うぉぉぉ!」と叫び声が聞こえた。どうやら松下五段は巨体すぎて避けれなかったようだ。そりゃもうサイコロステーキのようでしたよ。
「音無!見ちゃいけねえ!」と日向が必死に叫ぶ。なぜ音無にだけなんだ…?
外に出ると、大山が吐いていた。松下五段の無惨な姿を見てしまったようだ。
「んだよー、なっさけねぇなぁ。男だろ?」と大山をつついている出夢。
「出、出夢くんは、殺し屋なんでしょ?僕はいたって普通の人なん、だから」と大山。ま、その通りだよなぁ。
「ったく、これに懲りてちったぁダイエットしろってんだ」とぼやく藤巻。うんうんと頷く他メンバー…ほんと薄情だな…。
「おいっ、あれどうすんだよ?!」と音無が聞くと「大丈夫だって言ってんだろ?すぐに生き返るって」と日向。
「さあ、進むわよ!」とゆり。…おいおい。
ーB8ー
みんなで進んでいくと、次は上から、ゴゴゴゴゴゴ、といってる。天井が落ちてきた。
「忘れてたぁ!ここは天井が落ちてくるトラップだったよ!」と大山がまた言ってる。
「なんで忘れんだよ!そんな大事な事!」と音無も懲りずにツッコム。
まあ出夢がどうにかすんだろ、と思ってたら。なんとTKが支えていた。
「oh,hurry up!今なら間に合う…飛んでいって抱きしめてやれぇ!」と意味不明な言葉を言うTK。
「サンキュな」
「ありがとうTK」
「頑張れよ」など、心がこもってるとは思えない言葉をかけて通るみんな。まあ、俺もだけどさ。
音無は「sorry」と謝って行く。
「なあ、あれ…」とまたもや聞こうとする音無に「だから大丈夫だって。ここ死なねえから」と日向。
ーB9ー
「ぎゃはは!なーんか大したことないトラップばっかだなぁ!」と出夢がハシャいで走り出した瞬間、床が崩れた
「あぁぁ!忘れてたぁ!ここはぁぁぁ!」と大山。もはや鉄板だ。
「だからわすれるなよぉぉ!」音無もめげすにツッコム。
「ぎゃはは!あぶねぇー」と出夢が俺の上で笑ってる。なんとかロープを掴んだのだ。
下から、くぅっ、とゆりが声をあげている。女には確かにきついだろう。出夢は例外だが。
「出夢!なんとかしてくれ!」と頼むと「OK!ぎゃは!」と返ってきた。
そして出夢はロープをブランコのように使い、下のやつから順に飛ばそうとしている。
「よーっし!音無ー、タイミングよく手ぇ離せ」と音無に命令する出夢。「はぁっ?無理に決まってんだろ!そんなもん!」とキレる音無。
「じゃあとっとと落ちろ。邪魔だ」と出夢が言うと「…くそ!わかったよ!飛んでやる!」と言い、タイミングよく飛んだ。
成功したようだ。
「次!日向!」と言うと、オッケー!と言い日向も飛ぶ…壁に激突して落下していった。
その後、みんなは成功し、無事に渡った。
すると、藤巻が「新人のくせによく残ってるじゃねえかお前等、たがな次はお前らの番だ」と指をさして言ってくる。そのとき俺は思った。(ああ…こいつ、死んだな)と。
ーB13ー
藤巻は溺れている。いわゆる溺死だ。やっぱり、と思いながら見ている。完璧にフラグがたってた。
「水攻めね」と淡々も事実を言うゆり
「こいつ、カナヅチだったのか…」と呆れている音無。出夢も、だせっ、と言ってる。
そして、水中から椎名が出てきて「出口はこっちだ」と言う。出口を見つけたみたいだ。
「行くわよ!」ゆりが先導して潜る。
ーB15ー
しばらく泳いで対岸につく。
ゆりと音無はしんどそうだ。一般的に考えたら長い距離だし当たり前だ。(俺と出夢、それに椎名はピンピンしている。)
「ゆり、こっちだ!」どうやら椎名が階段を見つけたようだ。
椎名の方に向かう。
「あれは…」ゆりは突然呟く。ゆりの視線を追うと、子犬のぬいぐるみが流されていた。
「あぁぁぁぁぁ!子犬が流されているぅぅぅぅぅ!」椎名が叫んで飛び込む。
「椎名さん!だめぇぇぇ!」ゆりが制止を促すが、間に合わない。
「不覚ぅ!ぬいぐるみだったぁぁぁ!」椎名は滝から落ちていく。
「くっ、椎名さんまでトラップの餌食に…」ゆりが歯ぎしりして呟く。
「つかっ!一目で気づけよ!」音無がもっともなことを言う。
「椎名さんは可愛い物に目がないのよ」ゆりが答える。
「ふーん、意外と可愛いとこあんだな~。」と何の気なしに呟くと、横から殺気が…うん、出夢だ。
「おうおう、人識~、浮気か?あんなのが好みなのかよ?こら」とジト目で問い詰めてくる。(またかよ。しかもこのタイミングで)
「まあ、背はそこそこあるし、タイプかどうかって言ったらそうかもしんねえけどよ。てか、浮気って俺は別にお前と付き合ってなんかいねーだろうが」とつい、きつめに返してしまう。
出夢はしゅんとして「そう、だよな…。悪い、気にしないでくれ」と言う。
はぁ、とため息して「悪かった。もう、その、そういうこと言わないようにすっから」と頭を撫でながら言うと、頬を少し赤らめて「うん、気をつけてくれよな…」と言う。
「はい、そこのバカップル。イチャイチャしてないで行くわよ」と一件落着してから、ゆりが歩きだすのでついて行く