俺たちの冒険の書No.001〜ロトの血を引きし者〜   作:アドライデ

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Lv.12:リレミトを覚えた。

 

「リレミトォォォー!!」

 覚えた瞬間に唱えた。

ガライの墓はかなり最深部にあったため、魔力が尽きかけていた。偶然にも脱出する手段ができたことにホッとする。

 

 竪琴は後で届けるとして先にドムドーラの町に行こうと歩く。

ガライの町の南、ラダトーム城から見て西南にあるとばかり思っていた。しかし、ドムドーラの町が見つからない。

砂漠が遠くに見えるが、これ以上奥地に行くと急激に強いモンスターが出てくる。必死に逃げて何とか無事だったが、これ以上は探索は無理と判断する。

ドムドーラの町はどこだ。

 

 ラダトーム城の町で準備を整えてから、竪琴を届けに行く。

途中、何とは無しに弾いたらモンスターが現れたので直ぐにやめた。魔物達を呼び寄せると言われていたことを思い出した。

雨の祠にて、渡すと『待っていた』と言われ、銀の竪琴の代わりに雨雲の杖を貰う。

あの怖いんで、消えないでいただけないだろうか。

夢見が悪くなると、確かめるために再び入ると、宝箱が閉まっており、賢者が何食わぬ顔でその場にいた。

「ここにはもう用がないはず。行くがよい」

 慈しみの笑みで追い返された。

もしかしたら、己以外にも任務をこなせた人に杖を渡しているのではないか。あのガライの墓守もグルだったのでは…と色々勘ぐってしまう。

肝試しならぬ、度胸試しと言うべきか。

 

 リムルダールの町に戻り、魔法の鍵の補充と鋼の鎧(3000G)を購入する。

前に仲良くなった戦士がまだ宿屋にいた。

「いよぉ、アレフ! アレフじゃないか。久しぶりだなー!」

 まだいたのかと少し思ったが、丁度いいかと、いくつか情報交換した。

やはり、情報は行為的に流されているのは分かった。とは言え、己もいきなり竜王はこちらにいますって言われたら逃げ帰る。

その力を蓄えさすと言う目的だろう。

操られていると思うと複雑な思いが過るが、実力を持って、証明するしかないだろう。

少なくとも、雨雲に杖と太陽の石は手に入れた。恐らく、これ以上の試験はないだろう。

いや、ドムドーラの町かメルキドの町に何かあるかも知れない。

 

 次の日、取り敢えずは気になった南にある祠を探しに行く。

 

「うわ!?」

 南に行く場所のモンスターの強さは、ガライの最深部と変わらずであったが…。

『其方が ロトの血を引く、真の勇者なら印しがあるはず。愚か者よ! 立ち去れい!』

 一瞬で外へ飛ばされた。脱出の呪文の応用かも知れない。やるな、流石賢者と言うべきか。

(だけど、もう少し丁寧に追い出してくれ)

 したたか打ち付けた腰をさすりながら、立ち上がる。

 

 さて、どうするかな。

 

 アレフLv.12、佳境を迎える。


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