その無限なる時の旅路~無限の空~   作:黒水 晶

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以下、一方的な蹂躙をお届けいたします


新6話:九桜VSセシリア

――――――――――――――――――そして1週間後―――――――――――――――――――

 

1週間の間に一夏が専用機を貰える事になっていたが、あまり関係のないことだろう。クラス代表者決定戦当日。帰りのSHRが終わり最短ルートで第3アリーナAピットに彼は来ていた。

 

『まだ誰も居ないな、早く来すぎたか』

 

『肯定。いつもより早かった』

 

そう、初日で行なった学園探索の時の速度の1.5倍程の速度で第3アリーナに来ていたのだ。誰も居ないに決まっている。

 

『ここ最近喧嘩吹っかけてくる奴が少なかったから少し高ぶってるのかね?まぁ速攻で落とすが』

 

『肯定。いつもより興奮している。それと………この外道め』

 

『なんのことやら』

 

その後も彼女と他愛もない話をしていると一夏と一夏の幼馴染……確か篠ノ之箒だったかな?が入ってきた。驚いた顔をみせた2人に向かい微笑を浮かべ

 

「久々の戦闘なので気が高ぶっているからでしょうか、少し早く来すぎましてね。はい」

 

「いや少しってレベルじゃないだろ、俺たちだって結構速く来たつもりなんだぜ?」

 

そう言い返されては何も言えないだろう。他に話題が無いかを一夏と篠ノ之の会話を聞きつつ探していると山田先生が走ってきた。

 

「お、織斑くん、織斑くん、織斑くんっ!」

 

なにかあったのかあわてふためいて織斑の名を呼んでいる。まぁ大方ようやく一夏の専用機でも届いたのだろうと思い

 

「深呼吸でもして落ち着いてください山田先生。一夏君も困惑気味ですよ?」

 

「は、はいっ」

 

彼らの近くまで来て止まり深呼吸を始める山田先生。それに続く形で織斑先生までもが来た。これは予測が当たったのだろうと思いつつ、彼は極めて落ち着いた声で

 

「織斑先生、先に戦いますがよろしいですね?」

 

「ああ、かわまん。さっさと終わらして来い。だが……」

 

「ええ、分かっています。あまり壊さないようにしますよ」

 

彼は自身のISを展開する。

 

白い機体であった。ジョイント部分やビスなどの細かいパーツも白1色で統一された機体だった。

 

背部スラスターは大型で1対の翼のような形をした物であった。体を覆う装甲は最低限な物しか無く、腕部装甲は肘まで、脚部装甲は膝までしかない。だが、脚部装甲には一つ特徴があった。前面になるにつれ細くなり、刃の様になっているのだ。

 

彼は何度か手を握り、開くといった動作を繰り返し一つ頷くと

 

(まぁ2割展開(・・・・)程度だが問題無いだろ。)

 

ピットゲートの上のランプが閉鎖を示す赤色から解放を示す緑色に変わる

 

「大十字九桜、エイン・ソフ出撃します」

 

ピットゲートが開いたと同時にアリーナに入った。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「あら、1番手はあなたですか。ちょうどいいですわ(わたくし)を侮辱したこと後悔させてやろうと思っていましたし」

 

上から高圧的な声がかかった。あの金髪……セシリア・オルコットは先にアリーナに入っていたのだろう。だが彼は冷たく冷静にオルコットを見上げ

 

「2発です」

 

「は?」

 

呆けた様な声を出したオルコットに、再度冷たい声で

 

「2発であなたを沈めます」

 

両腕に瞬間的に光が集まり、一瞬で光が弾ける。弾けた後、そこに残ったのは同じ武装であった。太く、大きな鉄の杭を高速で射出するが超短射程武装――『パイルバンカー』そう呼ばれる武装であった。彼の両腕に装備されたパイルバンカーには刻印が入っており、KIKUと掘られていた。このIS製作と平行し『K・A・T』が作り上げた物だ。

 

右肘を後ろに引き左半身を前に出す。そしてスラスターにエネルギーを溜めていく

 

「あ、あなたはそのようなものをこの私に当てられるつもりですのっ!!!」

 

パイルバンカーはその性質上、相手の懐に入る必要がある武器である。ライフル型の武装を持っているオルコットに対しては最悪の相性の武器である。そんな武器2発で落とすと言われたのだ。激昂するのも無理はないだろう

 

そんな彼女に彼は冷たく、冷静だが軽い口調で

 

「ええ、簡単ですよ、それと一夏君が居るので装甲には一切ダメージを与えません」

 

ざわざわとアリーナが騒がしくなる。装甲にダメージを与えないつまり装甲が無い部分にしかダメージを与えないという事だ。彼女は顔を真っ赤にしながら

 

「行きなさい、ブルーティアーズッ!!!!」

 

そう叫び己のISの名と同じ名のビット兵装を切り離した。だがその瞬間彼がいた所からオルコットの前までエネルギーの残光を引き、彼はオルコットの目の前に突如出現した

 

「なっ」

 

オルコットが驚きの声をあげるが彼は右腕のバンカー腹部に押し当て

 

「1発」

 

そのまま杭を射出した。いい威力である。何故なら杭が射出されISのエネルギーシールトをぶち抜き絶対防御を発動させ、その衝撃でオルコットを吹き飛ばしたのだ。無論そこは代表候補生、すぐさま空中で姿勢を正そうとするが、彼はまたもや開始時のように吹き飛ぶ軌道の先に残光を残し移動する。そして左手のバンカーを振りかぶり

 

オルコットの背中にバンカーの先端がぶつかった瞬間

 

「これで終わりです」

 

その杭を打ち込んだ(パイルバンク)。その瞬間ブルーティアーズのシールドエネルギーが0になりブザーが鳴る

 

「しょ…勝者大十字九桜っ!!!」

 

勝敗が決まった

 


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