その無限なる時の旅路~無限の空~   作:黒水 晶

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前後編合わせて11,000字超えたよ、コレ1話で上げようとしてたんだよなぁ


第62話後編:私はだあれ?

「それで、壁際でムスッとした表情してる大十字君はどうしたのかな?」

 

男子2人が着替え終わったところに入り込んできた楯無がひとしきり織斑をいじりたおしたところで九桜にそう声をかけてきた

 

「ただただ面倒くさいだけだ。ついでに、朝の仕込みは大丈夫だったみたいだからな」

 

あ、と織斑が声をあげ

 

「好評だったぞ。来てくれた人みんな美味しいって食べてたし」

 

「あら、メイド側じゃないくて客側として行けばよかったかしら」

 

「これから解放すれば好きなだけ食べさせてやるがどうする?」

 

んーと少し考えるように声を上げたが、一つうなずき

 

「それとこれとは話が別ね。はい、王冠」

 

渡させた王冠を頭に乗せる

 

「あのー、脚本とか台本とか一切見てないんですけど」

 

「大丈夫よ、基本的にはこっちからアナウンスしていくからその通りにお話しを進めていけばいいわ、セリフはアドリブよ」

 

うわぁと顔を歪め

 

「基本アドリブとか怖いなー」

 

そう言ってる間に楯無は彼らの後ろに回り、背中を押し、

 

「さあ、幕開けよー」

 

舞台に押し出した。舞台の中程まで進むとアナウンスが始まり

 

「むかしむかしあるところにシンデレラという少女がいました」

 

「否、それはもはや名前ではない!!幾多の戦場を灰塵とし、無数の兵士を屠り、それでもなお血を求める者、それこそが『灰被り姫(シンデレラ)』」

 

(うわ~とっても面倒な気配がするー)

 

「今宵も血に飢えたシンデレラ達が王冠に隠された軍事機密を狙い、活動する!!」

 

第1の刺客は凰だった。彼女は中国の飛刀と呼ばれる武器で織斑を狙い、

 

「死ねっ一夏!!」

 

殺る気マンマンであった。舞台袖近くまで移動した九桜は結界を貼り

「怖いですねぇ、これは怖い」

 

オルコットや篠ノ之といったいつものメンツが織斑を狙う中

 

「あ、大十字君お疲れ」

 

「おや、デュノアさんは王冠を狙いに行かないので?」

 

とことことデュノアが結界内に入ってきた彼女の手には支給されたのであろう楯が握られていた。九桜の問いに目を織斑の王冠争奪戦の場所に向け

 

「いや、だって、ねぇ」

 

そこではコンバットナイフや日本刀、スナイパーライフルと様々な武器を使っている

 

「私まだ死にたくないな」

 

「持ってる兵装も楯だけですしねぇ」

 

「箒とかラウラに接近戦で勝てる自信ないし」

 

「スナイパーライフル撃ってる人もいますしねぇ」

 

「飛び込んだらミンチにされそうだよねぇ」

 

「ですねぇ」

 

そこで更なる混沌に舞台は叩き落された。生徒の追加参加である。持ち場を投げ出してきた面々が一斉に舞台を目指し走ってくる。結界の表面を光学迷彩式に変え結界内を不可視とする

 

「ゾンビ映画かなんかかよこれ」

 

「大十字君地が出てるよ」

 

「おっと、すみません」

 

その時、九桜の探査術式にある反応が検知された。

 

「ん?」

 

「どうかした?」

 

「餌に獲物が食いついたようです。まぁ確実にかかるまでもう少しここにいますが」

 

「へ?」

 

まぁまぁと手で制し、織斑のところに楯無が向かったことは確認済みなのでしばらく混沌としている舞台上を見ていると

 

(術式反応)

 

「おや、少々面倒なことになりましたが……アレがそばにいるので問題ないでしょう」

 

「アレって……楯無さん?」

 

「ええ、アレの防御はなかなかに堅牢です。今はISという矛もある。私の出番はないでしょう」

 

楯無の水と氷を使った結界は事実、この世界だけならば五指に入るだけの硬さはある。そうした判断だ

 

「へーそれだけ言うんだ」

 

「ええ、ところでアレはあの後謝りに来たんですか?」

 

うん、とうなずき

 

「あの日の3日後ぐらいかな?菓子折り持参で」

 

「ああ、それなら良かった。変にわだかまりが残っていると……」

 

固まった。そして、顔の表情かやわらかなものから硬いものに切り替わった

 

「どうかした?大十字君?」

 

「少々マズイことになった」

 

それは演技を忘れるほど、更衣室から漂う膨大で高次元の魔力

 

九桜は即座に結界を最高硬度まで強化し、術式を組み立て始める

 

「ちょ、一体……」

 

「絶対にここから出るな、いつものメンバーが来たら許可すると一言いえばいい」

 

「だから、一体何があったの!?」

 

左腕を黒く染め上げ、緊迫した声で

 

「ああ、下手すると学校そのものが消えかねん」

 

そう言い残し、転移陣に飛び込み消えた

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

時は少々巻き戻る

 

オータムという秘密結社『亡国機業』の一人との戦闘になり、織斑楯無両名でオータムが駆るIS『アラクネ』を撃破した。だがオータムは嗤っていた

 

「ぐはっ、く……クハハ」

 

「あら、自暴自棄になったのかしら?」

 

楯無が大型ランスの穂先を向けたまま、軽い口調で言い放った。だがオータムはそれすらも面白いといった様子で

 

「ちげぇよ、クハハ、認めたくねぇが確かにIS戦だったらてめぇらの方が強いみたいだが」

 

ISの拡張スロットに入れていた羊皮紙を取り出す、それには冒涜的な、身の毛もよだつ内容が記されておりそれを発動させる

 

「こっちはどうかなあああああああああ!!!」

 

発動したものは炎、遠い遠いフォマルハウト、そこに住まうクトゥグアを賛美するものだった

 

「ちっ、織斑君逃げなさいっ」

 

手にした大型ランスの表面に薄く結界を貼り、織斑の方に飛ばさぬように弾いていく

 

「で、でもっ」

 

「早くしなっ」

 

嗤っている。羊皮紙を手にオータムはただただ嗤っていた

 

「クハハ、甘ぇ甘ぇよ餓鬼、護衛対象が近くにいたら本気も出せねぇのか?」

 

足先と腰部のパーツの一部が炎弾に当たり、融かされる

 

「楯無さんっ!」

 

叫んだ織斑をかすめるように炎弾が飛ぶ、それは織斑の後ろで炎柱に変わり、背部スラスターを融かし尽くす

 

「おっと、動くんじゃねぇよ。てめぇはこの女焼き尽くしてから殺してやる」

 

そう言い放ったオータムに火球の連弾をくぐり抜けた楯無が手にした大型のランスを突き込む、音速を軽々と超え、突き込まれ、オータムを貫く筈の槍は空を切る

 

確かにそこにいた筈のオータムは穂先の1m以上先に居た

 

先程までオータムがいた場所に微かに残る虚像……つまり

 

「なっ、陽炎!?」

 

「あぶねぇあぶねぇ、もうちょっとで風穴開くとこだったぜ」

 

まるで滝から落ちる水のような量の炎が楯無を襲い、ISの装甲を融かし尽くす。だがISの絶対防御により、ところどころに火傷をおっただけで済んだものの、後ろにいる織斑を守るために全力で結界を貼った彼女はもはや動く体力もほとんど残っておらず、ゆっくりと腕を上げ炎を凝縮し、超々高温の火球を作りだしているオータムの次の攻撃は避けれないだろう

 

「そんじゃ……死」

 

腕を振り上げまさに火球が放たれようとしたその時だ

 

「にゃー」

 

“右耳がきつね色の白猫”が楯無の前に居た。その猫は目を細め、顔を手で掻いている。

 

「あ?猫?まぁいい、焼け死ねクソガキ」

 

オータムの手から火球が放たれた。火球は寸分違わず楯無の足元に向かって飛ぶ。だが

 

「は?」

 

止まっていた。楯無の前、白猫の眼前で

 

「まったく、入るところが悪かったかしらね」

 

澄んだ声が猫の口から発せられた

 

白猫が光り、姿が変わる。大きく、大きく、人の姿に

 

姿が変わる、それは無、それは虚無、万象包み込み消し去る原初のセカイ

 

それは女だった、それは男だった、それは赤子だった、それは老人だった

 

定型を持たず(無形であり)虚無そのものだった(虚ろである)

 

変化が終わる。虚無が形を成したヒトガタ――虚だ

 

「まったく、少なくとも私の前で息子の話し相手を死なせるわけにはいかないかな」

 

「ッ!?何もんだッ!!てめぇッ!!」

 

クスクスと笑い声が生まれる。聞いているだけで鳥肌が立つ冷たい笑い声だった

 

「私……そうね私は」

 

クスクスという笑い声が大笑(たいしょう)に代わる、そして

 

                 私はだぁれ?

                  私は子供

                  私は大人

                  私は少女

                  私は少年

                  私は老婆

                  私は老父

                 私はなぁに?

                私は無

                     私は有

               私は風

                      私は水

              私は火

                       私は土

               私は、私は、私は…………

            我は姿なき者、定まった形無き者

                  我は無形也

 

その場にいる全員は同一のモノを感じた。恐怖だ。目の前にいるコレはなんだ(・・・・・・・・・・・・)確かに人の形はしている。だがしかし、目の前のコレは明らかに違う。視界に入っているだけで自分の身体すら見えない暗闇に放り込まれたような気持になるコレは、いったいなんだ。

 

「さてさて、それじゃ」

 

消えた、正確には動いただけに過ぎないが視覚可能速度を大幅に超過した虚の動きを知覚できたものはこの場に存在しなかった

 

「ガッ……グォ」

 

次に現われ、視認できた時にはオータムの首を右手で握り右腕を上にあげている姿だった

 

殺されまいとするオータムは火球を作り出し、それを放つ――否、放ってしまった。虚の頭目掛けて

 

今現在虚の右耳には霊華が化け、虚が固定した耳飾りが付いている。虚の顔を狙うということはつまり霊華も同時に狙うということ

 

これが腹部ならばまだ寿命は延びていただろう。だが霊華ごと狙える頭部を狙ってしまった

 

空間が軋んだ。虚からあふれる圧倒的な魔力の奔流、彼女からすれば『ホーム』にいるときは常に垂れ流している程度(・・)の量だが、地上界にとってはキャパシティを優に超える量だった

 

空間が軋み、揺れ、崩壊しようとした瞬間、魔法陣が出現し、九桜が飛び出す。そして

 

「我は無限光、セカイを作りし光なり」

 

左腕を黒く光らせ、言霊を紡ぎ、虚を中心とした直径2m程の空間を、セカイを作りだし隔離する。だがそれすら軋み、歪み、崩壊しようとしていた。急ごしらえでしかなく、本来の強度で作り出せなかったからだ。

 

「オウルッ!!全魔力を補強に回せッ!!絶対に崩壊させるなッ!!」

 

(無茶、これ以上は体がもたない)

 

「んなこと先刻承知よぉっ!!だがな、あの人に無関係な人間殺させる訳にはいかねぇだろうがッ!!!」

 

(どうなっても知らないからね)

 

全身の魔力道がオーバーロードし彼の全身が発光する。そして――

 

「ぐっぁあ」

 

左腕から血煙が上がった、魔力道は十全に強化している。だがそれは並行多重起動のように次から次へと魔力が使われていくことに限られる。このようにたった1つの魔法に対し、魔力詰まりが起こるほどの魔力を一気に注ぎ込んだ場合魔力は全身を巡らず、魔力道全体に溜まり逃げ場を求め皮膚を突き破り外に出る。その為全身の皮膚が破け、噴き出した魔力によって煙のように血が飛び出したという訳だ

 

「「大十字っ」」

 

「うるせぇ黙ってろっ!!今はそっちにかまってる余裕ねぇんだよ!!!」

 

こうしている間にも血煙が上がる場所は増えている。左肩、背中、右肩、右腕と移り、ついに首筋にまで達した。漏れだした魔力を吸収、再度魔力道に詰めるというサイクルも組んだが血煙の量が増え、放出される量が吸収する量を上回った。空間を歪めない為に周囲に結界を貼る。

 

無限に続くかと思われた時間も終息を迎える。球体のセカイの軋みが収まり、上部から崩壊を始める。崩壊しきり、すっきりとした表情の虚がこちらを振り向くが、九桜の状態を見て表情を変え

 

「九桜ッ」

 

彼が貼った結界を一撃のもとに破壊し、彼を抱きしめる。全身が血に塗れ足に力が入っておらず、気力だけで立っていたようなものだった九桜は全身を虚に預け何か言いかけた虚を止め、顔をわずかに後ろを向け

 

「楯無、織斑連れて先戻っててくれねーか?」

 

力ない笑みだった。顔の大半が血に塗れ、声を出すのも辛い状態だろうに、ただただ立ちつくす楯無と織斑に放たれたお願いだった。楯無は肩を落とし、

 

「はぁ、貸し1ね」

 

「ほいよ」

 

短いやり取りだった。楯無は織斑の手を引き、更衣室から出ていく。外側から施錠したのは彼女なりのやさしさだろう。

 

部外者も居なくなり、九桜は母の方に顔を向け

 

「脆い世界糸で魔力漏らすもんじゃねーよ全く」

 

「ごめん」

 

悲痛に満ち溢れた声だった

 

今にも泣きそうに顔をゆがめ、唯々治療術式を九桜に掛けていく

 

全身の治療が終わり、九桜を床に横たえ、自身も九桜の頭の位置に座り、膝のあたりに九桜の頭を乗せる

 

「どうして」

 

短い問いかけだったが、その意味は分かり切っていた。だから

 

「母さんはがっちり形態が固められてて止められないし、姉さんも居ない。なら俺がとどめるしかないだろ」

 

「でも、直せるよ」

 

虚と黒厳はたとえセカイを全て壊したとしても壊す直前の状態まで寸分の狂いなく、修復することができる。これは自身の中に全界の情報を常に保存しているからであり、本人達は「ゲームのロードと同じだ」と言っている

 

九桜はそれを知っている、だが

 

「昔、無関係の人も巻き込んで国を消し飛ばしたとき、修復しても1週間はへこんで部屋から出てこなかったって姉さんに聞いたからな」

 

思い出のことになるとてんで口が軽い姉が笑いながら話してくれたこと

 

ほんの500億年ほど前、とある世界に居た虚達は身分を冒険者と使い魔と偽り、堂々と尻尾と耳を晒していた

 

普段ならばなんの警戒もする必要はなく、いつも通りにギルドに向かい歩いていたのだが、その世界でも九尾というのは最高位に存在るらしく馬鹿な貴族が冒険者ごときに相応しくないと突っかかってきたそうだ。穏便に済ますために、時雨がその場を取りなし、霊華が虚を押さえていたのだが、その貴族はあろうことか時雨に剣を向けた

 

その瞬間、瞬間湯沸かし器のように一瞬でキレた虚が少し調整を誤り、その町が塵一つ残さず消し飛んだという

 

その後すぐさまその町は消し飛ばされる前の状態に馬鹿な貴族を除いて修復されたのだが、その後1週間はその世界に建てた家の自室に籠り出てこなかったという話だ。

 

虚は声を詰まらせ、息を大きく吐くと、余計なことをと言おうとしたのだろう。だが

 

「あ」

 

一瞬だが空間が歪んだ。その歪みが出てきた瞬間、九桜の全身に脂汗がにじみ出た。本能的恐怖によるものだ。怖い、恐ろしい、ありとあらゆる恐れの感情が噴きだ――

 

「大丈夫だよ」

 

手を握られた。握ってきた手は小さかった。

 

「オ……ウル」

 

「大丈夫」

 

手を握る力が強くなる。ゆっくりとだが心が落ち着いていく

 

「もう、駄目になっちゃったか」

 

虚は悲しげに、ゆっくりと呟いた

 

「新しい制御術式を組んでもすぐにこれだから嫌になるよ」

 

ガックリと肩を落とし、左手に術式を組み上げていく

 

虚は本来、地上界に降りることはもはやできないことだった。500億年前だったらならばまだ新しい枠を作っておけば降りられたのだが、ここ10億年ほどは新しい枠を作ろうとも歪めてしまうようになってしまった。強すぎる力に周囲の空間は耐えられず、砕ける。そんな有様になってしまった

 

だが、九桜が他でもない自分に身に来ないかと声をかけてくれたのだ。そこから新たな術式そ組み上げ、これなら1日程度ならば耐えられるというのもが完成し、それを使いここにやってきた

 

だが結果はこれだ。半日も持たずに術式が自己崩壊を起こし、またも歪みが発生した

 

「続きは『ホーム』に戻ってからにしようか」

 

有無を言わさぬ声でそう言うとオウルに手招きし、九桜の頭を上げ自身の膝を抜き、そこにオウルを座らせ入れ替える

 

立ち上がり、小さく手を振り

 

「ありがとう九桜、今日は楽しかったよ」

 

先程から組んでいた左手の術式が発動し、転移する。場所は無論『ホーム』だ

 

九桜とオウル以外誰も居なくなった更衣室に

 

「追伸:さっきのお願いだけどオウルを悲しませないことってことで」

 

光でできた文字が踊る。全く、あの母親らしいと思いながら上を向くと

 

「オウル?」

 

泣いていた。いつもはほんの少し表情を変えるだけで、全く感情という感情を出さないオウルが泣いていた

 

(馬鹿)

 

伝える念話もいつのより弱々しい

 

(下手したら死ぬんだよ)

 

「おう」

 

(見てて辛かった)

 

「おう」

 

見てることしか出来なくて(・・・・・・・・・・・・)嫌になる)

 

「おう」

 

九桜はゆっくりと腕を持ち上げ泣きじゃくるオウルの頭を撫ぜる

 

「だけどな、お前がしっかり全身の魔力制御してくなきゃ、もっと酷いことになってただろうし、見てるだけってことは」

 

(違う)

 

はっきりとした口調だった。つい、そんな口調に黙ってしまうと

 

(魔力制御だけじゃなくて回復魔法の1つも使えたらこんなことにならなかった)

 

「ああ、そういうことか」

 

オウルは魔法が使えない、書き記された膨大な量の魔法の制御に自身のキャパシティのほとんどを費やし、自身の魔力制御が壊滅的に下手なのだ

 

九桜の魔力制御をかろうじてできているのは40億年の修行の賜物であり、始めの頃はよく暴発させていた

 

泣き止まぬオウルに九桜は

 

「なら、1から教えるよ」

 

(えっ?)

 

「俺が教える。簡単なとこから始めて、しっかりと魔法が使えるようにしてやる」

 

そんで、と

 

「俺がまたこんな無茶したら、そんときゃ隣で支えてくれ」

 

そう言い、オウルの頭を抱き寄せ、自身も体を起こす

 

影が1つに重なった

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

その後の顛末だが、楯無がうまく言いくるめてくれたおかげで階段から足を踏み外し、足を捻り保健室送りになっていたということになっていた為クラスメイトから散々心配されたがいつも通りの姿を見せ、日常へと戻っていった。

 

ちなみに、生徒会主催の劇「シンデレラ」が男子争奪戦の優勝をかっさらい男子2人は無事に生徒会に入ることになったとさ

 

 


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