ホーム地下行きエレベーター内
ショッピングセンターに設置してある様な内装のエレベーター内には多数の魔法陣が数個を除き消えたり出たりを何度も繰り返していた
その中心に居るのは魔導書状態に戻っているオウル(休眠状態から1度起こせば彼女の意識が眠りにつくことは再度3書に分け彼女の意識を休眠状態にする様な事をしなければ意識を保ち続ける)の自動検索によるページ捲り機能を使い多量の魔力を無限光の魔導書に注いでいる彼であった
彼は緩衝に使えそうな術を片っ端から検索し続け、緩衝用魔術や世界作用型魔法を先程言われた3つの魔術を干渉しない様にきっちりと3つ全て発動できるように瞬時に魔法陣の組み替えと魔術の追加と削除をし続けているが彼の表情は芳しくなかった
(当たらないね)
「ああ、いくつかは確定できたが全く当たらなくなったな。こりゃ全部総当たりでやるしかないかもな」
そんな姿を微笑みながら見ていた虚が
「2人とも、そろそろ着くからそこらへんで切り上げな~」
「ん?もうそんなに時間が経ってたか」
「うん、乗ってから結構出したり消したりしてたけどもう一手間足りないねー。ま、がんばってよ」
「総当たりするから多少の時間は掛かるだろうが……まぁ、夏の終わりまでにはやってやるさ」
(2人で頑張る)
「うん、頑張りたまえ」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ホーム地下整備ドック
縦70m、横50m、奥行き50mの広大な空間に1体の巨大なヒトガタが存在していた
大きさは50m程の白い、機械で出来たヒトガタだった
「お、髪伸びたな九桜」
弟の成長を喜んでいるのだろう。時雨の言葉は喜びに溢れたものだった
「ま、これで魔力だけは
「私も始めはそうだったけどな。まぁ慣れるさ」
そんな感じに時雨と話していると
「あー!! 九桜ホントに髪の毛伸びてるー」
気づいたら背後に霊華が立っていて彼の髪を触っていた
「何時の間に……」
「ん?ああ、虚と模擬戦する時と同じ速度で動いたから気づかなかったんだね」
模擬戦と名目上は言っているが全力でぶつかり合いどちらかが精根尽き果て倒れるまで戦い続けるとてもハードな物となっている。
「母さんの全速って確か母様と爺様、それから婆様ぐらいしか感知出来なかった様な覚えがあるんだが……」
霊華は少し考えた後
「んー、あと聞いた話だと御爺様……九桜から言うと曾爺様も感知できると思うな~」
この速度の話については模擬戦回を書く予定なのでそこで書こうと思う(by作者)
「ま、そこら辺は虚に聞くといいよ。それよりもエインの腕回りの動作がちょっとおかしいみたいだから見てあげて」
「了解っと……そいやぁ此奴ってホーム戻ってきたら整備漕に叩きこまれるんじゃなかったっけ?」
「ああ、1度整備漕に叩きこんだんだが魔力道の乱れがあってな。多分それで腕回りの動作が不調になってるんだと思うぞ。機体の方のコンディションは万全なんだ」
時雨の言葉にへーと返しつつ,、彼は飛び上がり、『エイン・ソフ』の胴体の中央部程で停止すると
「あ、九桜ようやく来たー」
声が聞こえた。『エイン・ソフ』の顔の横の辺りに光が集まり、その中から彼と共にホームに戻ってきていた、彼が付喪神のような物だと言っていた女性、エイン・ソフが現れた
尻切れトンボ?いつもの事です。