「そんな硬くならなくたっていいよー。なんたってここはもう君にとってもベースなんだから」
彼女――無形
「分かっちゃいるんですがね、なんかこう猫に睨まれた鼠になった気分なんですよ。母様達の前に座ると」
それに続けるように時雨が
「あーわかるわ。余程の事をしない限り私たちに何もしないってわかっていても怖いって感じるんだよなぁ。もうかなり長い事付き合ってるんだがな、私」
最後にエインが少し震えた声で
「私はなんかこう……何日も何も食べてない肉食獣に睨まれた草食動物になった気分に」
彼らがそんな事を言った為、虚は
「うわーん霊華―。子供と孫に虐められたー」
と言い左腕に抱きついている霊華に抱きついた。霊華はそんな彼女の頭を撫ぜつつ
「うん、大丈夫だよー。私はそんな事思わないからねー」
そう言った彼女に彼らは
「いや、それはアンタが母さん/母様/御婆様の実力に限りなく近いからだろ。この規格外が」
抱きつきが逆パターンになりそれを何度か繰り返したところで
「さて、九桜には宿題を出したいと思います。期限は……地上界時間で5万年。やってもらう事は2つ。何か1つテーマを定めて魔導書を1冊作る事と、このベースを移動式にしたいと思ってるのでなにかそれを可能にする物を作る事」
無理難題に近い事を平気に言ってのけるのがこの母だと納得しつつ
「なんとかやってみますよ……はぁ、何年掛る事やら」
「がんばってね、お父さん応援してるよ」
そんな反応を見て虚は
「うん、了承が取れた所でとりあえずは解散。九桜は私と復習会とリミッターの全解除を行うから付いてきてね、エインは一度オーバーホールするから地下に行ってね、引率として霊華と時雨が付いていくから。以上、解散」
皆が立ち上がり指定された行動に移る
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ベース内 とある一室
彼と虚は対面に座っていた
「さて九桜、復習のお時間です」
「はーい母様―どこから復習していくんですかー?」
「まぁ、まずはセカイの構造から行こうか。九桜このセカイはどんな構造で成り立っているの?」
「それは俺が居た世界の話なのかセカイ全部なのかどっちかはっきりしてくれ。どう答えたらいいか分からん」
「生徒口調ならそれで最後までやりなさいよまったく。それと、セカイ全部に決まってるっしょ」
「ちょっとノリでやってみただけなのにそう言うなよ母様。全部か……なら一番下から言っていくわ」
彼は続けて
「世界の構造の最下層は魔界。広大な広さを持つ単一型世界で並行世界を持たず1つの世界で完結している世界だな。住民は悪魔や魔獣それに悪霊が主な種族として居て、その種族を束ねる形で王が存在している。俗に言う魔王って存在だな」
「うん、そんなところだね。次は?」
「次は冥界。今なお膨張を続けている世界でこの世界よりも上で死んだ存在が一度魂を休める場所だな。それ以外は特筆するところも無い世界だし」
「そうだね~、なんか地味だしね。あそこ、んじゃその次」
「はいよ、地上界は最初に生まれた基礎世界から様々な世界が人の想像によって生まれている世界だな。単一型では無く並列型で1つの世界が複数の並行世界を持っている事が特徴、人の想像によって膨れ上がっていくせいで冥界が悲鳴を上げる原因にもなっているな。地上界を眺めてみると糸みたいな物で、それが周りの並行世界と束になっているものが複数存在していて、中には1つの世界で毛糸みたいに太い世界もあったりするな」
「アメ○ミとかトランス○アルとかだね。片手間で潰せるけど」
「おお、怖い怖い。その上にあるのが天界、これは地上界で信じられている物が世界化した物だから地上界の広さと同じで未だに膨れ上がっているな」
「ここも特に特徴がないね~」
「そうだな。その上、統合世界は天界以下の世界の情報を全て収集している世界で、地上界の1秒がこの世界では4000年になっているな。俺の修行もここで行なったし」
「まぁ家の馬鹿親父が修行をするための施設作っちゃったからね~。さて九桜君問題です。~以下と言うのは、~も含むでしょうか含まないでしょうか」
「以下は含んで未満は含まない」
「はい、正解。それじゃ最後いってみよー」
「へいへい、最後は神界。神獣や神龍が大量に生息していてカミ様達が飲んだり騒いだり暇つぶしでルールを決めて戦争したりで不老不死な事を良い事にやりたい放題してる世界だな。ここの住民全員が地上界の人間大好きでいつも見守っているなっとこんな所でいいか」
「うん、上出来上出来。次は私について説明してね」
一言でもいいので感想下さい(切実)