「え?な?はぁっ?親子ぉっ?」
「おいおい、形式上はって言ったろ。そこまで騒ぐことかねぇ」
「いやいや、驚くだろフツー」
「へいへい、そうかいそうかい……次の質問どうぞ―」
すっとラウラが手を上げ
「魔術師という者はどんな事が出来る?」
「あー、並ならば火とか氷出す程度だな。後風吹かせるとかかね?中位の連中は知らん。かなり微妙な感じだしなあいつ等。上位の連中は鉄程度は簡単に
続けて
「ま、俺だったら全世界を敵に回しても勝てるがな」
彼らは驚きの表情で
「そ、そんなに
「さらに力を底上げする方法もあるがなデュノア」
「嘘っ!」
「残念だがマジだ」
彼はイヤリングの鎖を
「おいおい、この程度で驚くなよ」
「いや、普通驚くだろ」
彼は左手を左右に振り
「いやいや、このぐらいは普通だって」
それと、と彼は言い
「なんか1人フリーズしてる人が居るんだが……大丈夫なのか織斑先生?」
彼らが織斑先生を見ると確かに固まっていた
「あれー?おーい、ちーちゃーん。ちーちゃんってばー」
博士がガクガクと肩を揺らすが先生は何も反応を示さない
「あー駄目だこりゃ。束さんで出鱈目な事は慣れてると思ったんだけどなー……ま、後で私が話しておくよ」
それと、と博士は続け
「束さんからもう1つ質問いい?」
「おう、良いぞ」
「魔術師って
彼は困った様な顔をし
「俺の素養の話……か。その話をするとなると話せるギリギリの所が多いが、自覚できた時の話からなるな。多少長くなるし、疑問に思ったところも答えられるか微妙な所の話もあるから気になった所は後で聞いてくれ。答えられる範囲で答えよう。いいか?」
彼らが頷きを返すのを見て
「あの始まりは光……いや、光っていると見まごうばかりの白色だったな。いや白と言うより何も無い虚無のような感じだな。天寿まっとうして死んだと思ったらいきなりそれだ」
「は?大十字お前生きてるじゃないか」
「ん?織斑、お前は生きてるじゃないかって?その説明はまた後でするさ、俺の素養と関係があると言えばあるが無いと言ったらないしな」
彼は続けて
「そんなことがあって頭がどうにかなったと思ったよ。てっきり閻魔様に裁かれるまでの順番待ちの列にならんでいるだろうと思ったからな」
「そして、その真っ白な……何も無い虚無のような所に小さなカミ様がいて……」
「神……だと?馬鹿な、そのような者が」
「神などいるわけがない?おいおい篠ノ之妹さっきその身をもって体験しただろう?この世にはお前たちの常識の範疇を超えた存在がいる事をな、それとそのカミ様の事を聞くならば後にしてくれ、あのカミ様のことを説明するだけで結構時間がかかるからな」
彼はため息をつき
「さて話を戻すぞ。その小さなカミ様は俺がどんなものか、どのような素養を持っているのかを懇切丁寧に教えてくれたよ。そこの部分だけはしっかりと記憶している、衝撃が強すぎたからな」
「へぇ、一体どんな事を言われたのかな?」
「言うから待てよ篠ノ之博士。どんな事を言われたかと言うとだな、”単細胞生物が進化の過程をすっ飛ばして人になるような異常なことだ“だの”なぜ魔術文化のない世界でこれほどの素養……しかも偏り過ぎた素養が生まれるのだ”とか言われたな。全くいきなりそんなこと言われたって分かる道理も無く当時の俺はただただ頭の中真っ白でその話を聞いていたよ」
「馬鹿な……その様な事が」
「ボーデヴィッヒ、そんな事有り得ないってか?ま、俺の素養を聞けば納得するはずだよ……俺の人生最大の不幸それを聞けば納得するはずさ、時の地獄に囚われ永遠の旅人となってしまった不幸……」
「時の牢獄?」
「ああ、そうだよデュノア、お前らの言葉でいうなれば不老不死。死にたくても死ねず未来永劫生き続ける生あるモノに対する牢獄だよ」
皆が息を飲む。彼は遠い目をしながら
「今となっては、永遠を共にする家族もできたからもう思わなくなっただけさ……さてそれじゃぁ教えようか、俺の素養それは……………」
一息置き
「神界における魔術最上級神をも軽々と超える最上の魔導書の制御能力。どのような魔導書を扱え、強大な魔導書の汚染も関係無く使いこなせるものさ」
次回からプロロの内容の説明に入ります