22:05 大座敷
転送も無事に完了し、書き換えられた記憶も、元の記憶に戻り、少しの恐慌状態にあった彼らも少し落ち着きを取り戻し適当な所に座った彼らの前に彼が腰を下ろすと
「さて、説明してもらうぞ大十字」
「何をかな、織斑先生」
口調が違う事に驚いている彼らを尻目に織斑先生は
「とぼけるなよ。先の海岸での戦闘行為と貴様の事もろもろに決まっている」
「聞く範囲が広いねぇ……ま、説明はするさ。その前にそこのウサ耳に話を聞いてからだけどな」
彼が視線を篠ノ之博士の方に目線を向ける
「奇遇だね。束さんも君に聞きたいことがあったんだ」
「へぇ……明らかに緊張してるのが分かるからそっちから先でいいぞ。答えられる範囲で答えてやるよ」
「そう。それじゃ、混沌が君の事を
彼は片手の手のひらを見せて、少し待てと合図をし
(なんでぇ此奴気絶していたと思われる時の記憶残ってるの⁉)
(私に聞かれても分かるわけないじゃない!後でそれ聞くとしてさっさと答えちゃいなさいよ)
エインと念話で短いやり取りをして
「無形ってのは1つしかないだろう。少しでも
「へぇ、それじゃ束さんはどうなるのかな?よく聞く話みたいに
その言葉を聞いた博士に親しい者達は驚愕の顔を浮かべ、その中の1人の織斑が
「なっ、一体どういう事だよ束さん」
博士はそんな織斑に目を向け
「彼に直接聞いてみればいいんじゃないかないっくん。彼も無形の1人みたいだし」
博士が再びこちらに目を向けてくるので
「敵対しようとした瞬間には首が無くなっている。神の領域すら置き去りにした化け物。慈悲のかけらもない。近づいてはいけない者。大体こんなところかね、無形の評判ってのは」
彼は続けて
「だけど、敵対してきたのは博士、あなたじゃ無い。だからあんたは殺す理由が無い」
それを聞いて安堵した顔を浮かべ
「そっかー、束さんまだ生きていけるんだー。まだ一杯、いーっぱいやりたいことがあるからここで死んだらどうしようって考えてたんだよねー。よかったー生きていけるー」
ひゃっほいとその場で飛び跳ねる姿を見ながら彼は
「俺達もその位の慈悲は持っているさ。慈悲の欠片もないってのは身内に訓練する時だし」
「そうなの?束さん昔無形の家にハッキング仕掛けた時2~3日生死の境目を彷徨ったことがあるんだけど」
周囲がギョッとした顔を彼女に向ける中彼は
「あー、それやったの俺だわ。母様に、なんかハッキング仕掛けてくる馬鹿がいるからテキトーにやっといて、とか言われたからテキトウに思い出した呪いを送っといたことがあったけどそれあんただったか」
前に座っている全員からは?という顔を向けられる。彼は全員を見渡し、立ち上がり
「改めて自己紹介をしておこう。俺の名は大十字九桜、未だ無形の姓を名乗ることが許されてはいない唯の魔術師だよ」
続け
「魔術とかの説明は後でしてやるから、今は篠ノ之博士との質疑応答をさせてくれ」
批評をください。感想でボロクソ言ってくれないとこの作品がよくなりません(よくならない可能性もありますが)
あと作者が喜びます