その無限なる時の旅路~無限の空~   作:黒水 晶

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ようやく終わった……次は説明会です


第31話:混沌と福音6

彼は立ち上がり、自身の横に刺さっていたバルザイの偃月刀を右手で引き抜き、背中に当てると偃月刀が吸着される。そんな彼の姿を見つつ彼女は、彼の言葉を聞きつつ織斑先生を結界の外に転送した

 

「さんきゅ」

 

彼は彼女に礼を言い、篠ノ之博士の方に体を向けた瞬間

 

「精査開始」

 

彼は視認不可能どころか、気配さえも置き去りにし博士の頭を掴んでいた。彼女は苦悶の声をあげ、ジタバタともがきつつ、彼の周りから機関銃を出現させ彼に向かって乱射するが、彼は全ての弾丸をピンポインントで発生させた結界で包み込み、地面に落とす。

 

「精査完了。これより(はら)いを行う」

 

彼の周囲に淡い光が生まれる。その光が博士に寄っていくと博士は、先程とは比べ物にならない絶叫をあげた。その姿を見て、外に居る一夏が叫びをあげ、零落白夜の出力をあげ何度も叩きつけているが、界断絶式結界にはかすり傷1つ付かない。博士の絶叫はさらに大きくなる。だが、そんな博士に少しずつ変化が見られる。博士の周囲に集まっていた光が黒くなり始めたのだ。そろそろ終わるか、と思い祓いが終わり中に居た者が出てきても即座に滅却できるように魔力を溜めておこうとした時、黒い靄のようなものが博士から出てきた。

 

「薄いな」

 

ぼそりと、彼が呟いた

 

「この世界は僕たちみたいなモノが存在しない筈の世界だからねぇ、君もこの世界はきついんじゃないかな、無形(むぎょう)

 

その言葉に彼はおどけた様に

 

「俺はまだあの領域の化け物達とは違うさ。キツイってのは合ってるがな。まったく、家の親との知り合いとご対面かよ。なぁ、這い寄る混沌、それと、なんでわかった?」

 

「君達の独特な気配を忘れるはず無いだろう」

 

靄が集まり形を成していく。その光景を見つつ、彼は博士を結界外に転送させる。

 

「確かにな…それに、お前は殺せないからなぁ、生半可な術じゃ封印しても出てくるだろうし。あぁ、やだやだ」」

 

「それでも君たちは出来るんだろう。この僕を封じることが、だって無形なのだから」

 

何かトラウマがあるのか形が出来てきた靄は涙声でそう言ってきた。

 

「見てる連中いるからあんまやりたくないんだがな。説明すること増えるし」

 

「おろ?説明するの九桜?」

 

「なんだ、居たのかエイン(・・・)

 

「いやいや、腕出してるんだから分かってたっしょ」

 

「いや、全然」

 

うがーと叫んでいる女性を無視し、彼女の方を向き、手招きする。彼女が走ってこちらに来る

 

「使う?」

 

「ああ、流石にな。確実に封印したいし」

 

彼は苦笑し彼女に手を差し出す。彼女がその手を取ると

 

「魔導書形態に移行。(0)の書よ我が手に」

 

彼がそう言うと彼女の姿が崩れ出し、彼女の手を取った方の手に黒い本があった。彼は右手に持った光の書と左手に持っていた無の書を浮かべ、拡張領域(バス・スロット)からもう一冊の黒い本、寮に置いていた本を取り出す。黒い本の表紙が変わっていてその表紙には(0)の書と書かれていた本を取り出すと

 

「エイン、お前も来い。混沌はもう諦め入ってて動く様子無いからそっち見て無くていいぞ」

 

はいはーいとエインが走ってくる。彼はその気配を背中で感じつつ

 

「まず、初めに無があった」

 

無の書が1ページ毎に空に飛びだす

 

「無から無限が生まれた」

 

限の書が、無の書と同じようにページ毎に空に飛びだす。飛び出したページが無の書の対応したページと重なり合い1枚になり

 

「その無限から無限光が生まれた」

 

光の書が先程と同じように空に飛びだし、重なり、1枚になる。

 

彼の前に残っている部分も重なり合い、表紙に書かれている文字が変わり、空に飛びだしたページが入り、3冊の本が1冊の本となった。

 

「ここに、無限光(000)の魔導書――グリモワール・オブ・アイン・ソフ・オウルが生み出された。」

 

彼は、混沌の方を向き、魔導書を開きその中の封印系統魔術の項を開く

 

「さぁ、早くやっちゃってよ」

 

「こいつ、完全に諦めてやがる」

 

「ほらほら九桜、楽にやれるんだから、さっさと封印しちゃいなよ。Halley,Haiiey」

 

エインに急かされ

 

「へいへい、分かってますよっと。第2封印術"黒牢"」

 

靄の周りに鉄格子が出現し、囲み終えると鉄格子が消え去った。

 

「これで、終わりだけど……説明するのめんどくせぇなー」

 

「説明しようと思っちゃったんだから頑張れ頑張れ」

 

エインに肩を叩かれ、肩をガックリと落とす九桜であった。

 




さて、プロローグ読み返してこないと

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