()内の言葉は基本的に念話となっております
旅館内 大座敷 風花の間
「では状況を説明する」
専用機持ち全員と教師陣がここに集まっていた。薄暗い室内に大型の空間投影型ディスプレイが浮かんでいる。
「二時間前、ハワイ沖で試験稼働中にあったアメリカ・イスラエル共同開発の軍事用IS
この場所に集合させられた理由であろう。彼は即座に政府内魔術省に正確な性能を送るように願書を送る。政府にはいくつもの貸しがあるため1分以内送ると連絡が瞬時に帰ってきた。
「その後、衛星による追跡の結果、福音はここから2キロ先の空域を通過することがわかった。時間にして50分後。学園上層部からの通達により、我々がこの事態に対処することとなった」
「教員は学園の訓練機を使用して空域及び海域の封鎖を行う。よって、本作戦の要は専用機持ちに担当してもらう」
資料がISに送られてきた。資料を出すときには、IS学園側に提示されたデータではなくこちらのデータを提示しても良いと許可証まで付いていた
「それでは作戦会議をはじめる。意見がある者は挙手するように」
彼は迷わず手を上げ
「アメリカ政府から学園に開示したデータ以上に正確なデータが送られてきました。無論、最高機密情報であり漏洩が発覚した場合は査問委員会による裁判及び最低でも5年以上の監視がアメリカ政府側から付けられますが・・・それでも良いという人は挙手を」
彼の発言の途中から座敷内がざわつき始めていた。何人かは懐疑的な視線を向ける者も居たが、ほぼ全員が挙手をした。それを確認し挙手した者にデータを送る。専用機持ちは集まりデータを見て真剣に意見を交わしている。彼は送られてきたデータを眺めつつ
(2キロ程度なら
彼が思考していた内に恋する乙女‘sの方では一夏で福音のエネルギーを0にすることを決めたらしい。オルコットの専用機の高速軌道型パッケージが送られてきているらしく、彼女に一夏を運ばせる動きになろうとしたところで
「待った、待った。その作戦ちょっと待ったんだよ!」
その様な声が天井から聞こえてきた。何事かと思い天井を見上げると篠ノ之博士が天井のど真ん中から頭だけ出していた。
「山田先生、室外への強制退去を」
織斑先生にそう言われた山田先生は篠ノ之博士に降りてきてくださいと指示をすると、篠ノ之博士は降りてきた事は良いが篠ノ之の専用機…紅椿というらしい…のスペックを見せたうえでこの紅椿は第四世代ISであると暴露。しかも第四世代ISは現在机上の空論レベルの代物である。だがその話を聞いているときに
(腕部装甲に西が自力開発した試作した展開装甲が仕込まれてるのを言い忘れていた)
(ドクターのこと西って言うのそろそろやめてやれよ)
などどいう逸般者達の会話があった事を此処に記す。
その話を聞いた結果、一夏を運ぶ役目は篠ノ之に決定した。だか彼はこの結果に一抹の不安を抱いていた。
よく考えてくれ。逸般人の九桜のサポートができるんだぜ。オウル