翌日
彼らは水着と夏用の私服を買うために駅前のショッピングモールを目指していた。
「金と銀と黒がストーキング中?」
「その通りですが余りそういったことを言うのはやめましょうね」
目指していたのだが、その途中オルコットとボーデヴィッヒ及び凰が一夏とデュノアをしている現場を目撃した為立ち止まっていた。
「写真撮っておけば強請れる?」
「母様ですか」
「うん。そう」
ため息を吐き、圧倒的なまで強く自由を何よりも愛する己の母親に心の中で恨み言を言いつつ
「やっては駄目ですからね」
彼女に釘を刺し再び目的地に歩き始める。彼女らの奇行を見つつだが…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ショッピングモール水着売り場
「売り場の位置が違うのですか………先に見に行きますか?」
「私には“アレ”があるから問題無い」
「あぁ…アレですか……まぁ、あなたが良いと言うなら良いでしょう。では私の水着と夏物を買って帰りましょうか」
「ん」
彼女がうなずくのを確認し歩き出す。
『昨日のお仕事で何か分かった?』
彼女が念話で話しかけてきた。だが、聞いてきことは、彼も疑問に思っていることが多く
『いや、未だ考え中だよ。遺跡みたいなものを作ってたみたいだけど何のための物かさっぱりでな。全壊させるのは早まったかと思ってるよ』
ジト目で彼女が見上げてくるが、彼が肩をすくめるとため息を吐き
『瘴気の濃さは?』
『浄化の光で簡単に消せる程度だったよ。中心部はなかなか浄化出来なかったけどな。大物が居たとは考えにくいが、それすら隠せる程の超大物がやった可能性はあるな』
『そう』
二人そろって肩を落とし、まぁどうにかなるだろうと結論し歩みを続ける
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
男性用水着売り場
「「・・・・・・・・・・・・・」」
男性用水着売り場に到着し水着を見ていた彼らはある水着の前で足を止め、口の端をひくつかせていた。それは、白いトランクスタイプの水着で裾の方に、彼らにはよく見覚えがある黒色の模様が入っているモノであった。だがその水着は1着しか無かった。買われたのではなく初めから1着しか無かったのだと何故だか確信めいた感覚が2人にはあった。何故ならば
((幻覚魔法に認識阻害を重ねてあるって常人お断りの品が売れる筈もないよな))
そう、常人ならば発見できないような物が売れる筈無いからである。明らかに自己主張している水着をため息を吐きつつ手に取りレジに持っていく。会計を済ませ、移動し夏服を買い寮に戻った。
原作’sには奇跡的に遭遇しませんでした