その無限なる時の旅路~無限の空~   作:黒水 晶

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第15話:凶兆

放課後

 

彼は、時々は一夏の訓練にでも付き合おうかと思い第3アリーナに向かっていた。

 

『考え直す気はない?』

 

『いや常に記憶と人格データのバックアップ取ってるし、少し壊れてるだけで完全に元通りになるぞ。』

 

『その間彼女に報告できなくなる。』

 

『あー………そうだったな、確かにそれは困るといえば困るか…だが考え直す気は無いぞ』

 

『ひ、酷い』

 

午後から考え直してー考え直して―と言っている彼女に対し考え直す気は無いと伝えながらだが。

 

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第3アリーナ

 

彼がISを展開しアリーナ内に入るとなかなかに面白い光景が広がっていた。

 

『一夏VSオルコット&篠ノ之って…篠ノ之の訓練機使用許可がおりてそれでオルコットが食って掛かってそこから2人のバトルが始まり、一夏が横槍入れることは拙いと思い手を出さなかったら2人の矛先が一夏に向かったと』

 

『同意』

 

これは近づかない方が良いかなーと思い隅の方に移動して観戦モードに入り2対1が終わるのを待っていたのだが途中こちらに気付いた一夏に

 

「た、たのむ大十字助けて…」

 

「お断りします。まだ馬に蹴られたくは無いので」

 

と、いったやり取りもあったが一夏が終始圧倒せれ続け、一夏が襤褸雑巾のようになるまで続けられた。

 

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ピット内

 

一夏に対する教育という名の私刑(リンチ)も終わりに近づいてきたのでのでちょっと走ってスポーツドリンクを2本購入し、戻ると丁度いいタイミングだったらしく一夏と篠ノ之がアリーナから戻ってきていて話しているところであった。彼は2人に近づいていくと一夏が

 

「大十字、てめぇよくも見捨ててくれやがったな」

 

まるで亡霊のような声で言いかかってきたので

 

「いやいや、先程も言った通り馬に蹴られたくは無いのですよ。それはそれで置いておいて、御二人ともスポーツドリンクを持ってきましたが飲みますか?」

 

「ああ、すまないな大十字」

 

素直に礼を言い受け取る篠ノ之と

 

「これでさっきの事をチャラにすると思うなよ」

 

恨み言を言い受け取る織斑

 

「ふむ、ならばその件に関してはチャラにしてもらうとしましょうかね」

 

そう苦笑交じりに言い、2人がスポーツドリンクを飲み始めたときピットの入口が開き

 

「一夏っ!」

 

黒い髪をツインテールに結んだ小柄な少女が入ってきた。それを確認した彼は

 

「お邪魔になりそうなので失礼しますよ。それと一夏君……いつか君女性関係で酷い目あいますよ」

後半酷く嘲る様な声でそう言い残し彼はその少女と入れ違いになるようにピットを後にした

 

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寮に戻ってくると彼は結界を張り、卜占キットを取り出した

 

『今度は何を占うの?』

 

『一夏の事だよ。なんかアイツ絡みで起こりそう何だよ。来月ぐらいに』

 

いいつつ薪に火炎系魔術で火をつけそこに獣骨を入れる。数分程経ったのち火を消し獣骨の罅割れ方を見ていくと、だんだんと彼の顔が険しくなり

 

「これは……酷いな。」

 

出た結果は、凶兆、死の予兆ともとれる罅割れ方であった

 




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