ぺディグリーすかーれっと   作:葉虎

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第22話

 

無事、下までたどり着き…鎖を外す。

 

外されてすぐ、リエルはふんっと悪態を付き…何処かに行ってしまった。

 

清々したという意味なのだろうか。

 

あのアマ。

 

俺がやった事とはいえ、治してあげたんだ。

 

礼くらい言うのが礼儀なのだろうか?

 

はぁ…と息を吐く。

 

すると…

 

「遅かったですね?苦戦したのですか?」

 

「あぁ……ったく、お前が居ればもう少し楽だったのに…」

 

ん?なんだ殺気が…

 

その出所を見れば、何故かあの金髪女が……しかも怒っているようだ。

何故だ?……あぁ、あれか。もしかしてこの会話を聞いてた?

 

どっか行ったかと思いきや案外近く…でもないな。ん?オーラを耳に?

なんだ聞き耳立ててるのか。

 

なら、あれか?さっきの俺の台詞がお前じゃ役不足だったって取ったとか?

 

……まぁ、いいほっとこう。

 

役不足云々はさておき、オウカだったらもっと手っ取り早かったのは事実だろうから。

 

「………そ、そうですか。そういわれるのは悪くありませんね」

 

「何赤くなってんだ?照れてるのか?……って、止めろ!その構えを!」

 

言葉の途中でスッっと抜刀する構えを取るオウカを見て、慌てて止める。

 

そんなやり取りをしつつ、オウカとたわいもない世間話をしながら時間を潰し…

 

三次試験が終了する。

 

そして、間もなく四次試験が始まる。

 

四次試験は狩る者と狩られる者。

 

そう告げ、説明を続けていく。

 

「それではタワーを脱出した順にクジを引いて貰う」

 

次々にカードを引いて行き…

 

俺の番がくる。

 

引いたカードに掛れていた番号は……320

 

マジ?

 

見慣れた番号だ。

 

うん。オウカです。本当にありがたくもない。

 

うぇええ!?マジかよ!?うわ…なんてくじ運が悪いんだ!?

 

「それぞれのカードに示された番号の受験生がターゲットになる」

 

全ての受験生が引き終え、説明を続ける試験官

 

「奪うのはターゲットのナンバープレートだ。自分のターゲットとなる受験生のナンバープレートは3点。自分自身のナンバープレートも3点。それ以外のナンバープレートは1点」

 

……オウカを狙う?…うわっ、めんどくせぇ…。

 

「最終試験に進むために必要な点数は6点。ゼビル島での滞在期間中に6点のナンバープレートを集めろ」

 

適当に三人狩ろ。そっちの方が楽だ。

 

取りあえず、俺のプレートは巾着袋に入れて、具現化を解除しとこ。

 

これで、俺のプレートを奪える奴はいない。ケケケ…

 

 

三次試験のタワーを脱出した順にスタートする。

 

俺はスタートと同時に駆け出す。

 

とりあえず、中央付近を目指そう。

 

プランとしてはそこで円を使い、各受験生の位置を確認し、その後絶で緊急離脱だな。。

 

ふむ…取りあえず全部の受験生がスタートするまでは絶で姿を消しつつ、移動だな。

 

 

中央付近で円を使う。

 

 

……ふむ、一か所に何人か受験生が集まっているな。

 

一人は殆ど気配が隠せていない、一人は絶が甘く気配が若干漏れている、そして最後の一人は見事な絶。殆ど完璧と言える。

 

円なして発見するのは至難の業であろう。

 

……最後の一人はともかく、最初の二人は手安そうだな。

 

そう考え、絶を使用しながらその三人組の所へ移動する事にした。

 

そこに辿り着き、様子を伺う。

 

後方から弓で狙う受験生。

 

そして、放たれる弓。

 

その弓は間一髪で相手に交わされるが、軽い傷を負う。

 

「ふぅ…危ねぇ、危なぇ」

 

弓を躱し、笑みを浮かべながら背後を振り返る男。

 

油断なく剣を構えている。

 

そして、弓を放った方もあっさりと草むらから出てくる。

 

そして、暫くすると矢に当たった方の人間が倒れ…

 

「矢には即効性のしびれ薬が塗ってある。一週間はまともに歩くことは出来ないよ」

 

そう言いながら、プレートを探り…

 

「安心しな、水場はすぐそばにある。死にはしないさ」

 

探し当てたプレートを手で弄びながら

 

「こいつは貰っていくぜ…じゃあな」

 

意気揚々とその場を去ろうとする。

 

ふむ…

 

俺は絶状態からオーラを足に集中させる。

 

そして一気に間合いを詰めて…襟首を掴み。

 

強引に投げた。

 

油断しすぎ。

 

そのまま気絶した男から先ほど奪った分のプレートと、この男自身のプレートを二枚奪い。

 

急いで、その場を後にした。

 

 

 

駆けながら円を使う。

 

狩るのは1人。

 

2人円の範囲内に入ったのでその後を追ったが…その姿を見て狩るのを諦めた。

 

 

蛇使い…バーボン。

 

今の今まで視界から存在を消していたのにこんな所で会うとは…。

 

その後を付けているのは帽子を被った女の子。

 

その二人は洞窟の中にしけ込んでいった。

 

うん。次に行こう……。

 

そしてまた受験生を探しに行く。

 

その途中……尾けられてるな。

 

1人……いや、2人か。

 

1人目は正体は分からないが、恐らく俺がターゲットなのだろう。

 

そして、2人目。

 

離れたところからかなりのスピードでこちらに近づいてきている。

 

そして…

 

「ちょ、ちょっと何よアンタ!!」

 

「大人しく番号を……あ、クラン。もう一人はあなたでしたか。」

 

「お前らか……」

 

出てきたのはリエルとオウカだ。

 

「気が付いていたのですね?やはり円を?」

 

「あぁ、お前も使ってたみたいだけどな」

 

「いいえ、私の円はあなたに比べたら範囲は微々たるもの…。私はただ気配を察知しました。」

 

……え?

 

それって円を使ってないってこと?

 

そっちの方が凄くね?

 

そんな会話をしていると…

 

「……円…それにさっき…」

 

何やらブツブツと言っているリエル。

 

「そして…ねぇ、あなたの名前は?」

 

そんな質問を投げかけてくる。

 

「自己紹介はしたよな。俺の名前はセタンタだ」

 

「セタンタ?何を言っているのですクラン……あぁ、偽名を使うんでしたね。」

 

……おい、オウカよ。

 

台無しだよ。ぜぇんぶ台無しだよ。

 

まぁ、こいつの場合ずっとクラン、クラン言ってたからもしかしたら何人かにはバレていただろうが…

 

……だって、何度言ってもクランって呼ぶんだもん。

 

「ふ、ふふふ…」

 

何が面白いのかふと笑い始めるリエル。

 

だが、怖い笑みだ。オウカも怪訝そうに様子を伺う。

 

だが、凝は俺もオウカも行っている。「

 

そして…サングラスを取りながら…

 

「この顔に覚えはないかしら?」

 

サングラスの下は綺麗な碧眼。いや…徐々に

 

「瞳の色が…」

 

変わって行く。オレンジっぽい色に。

 

それと同時にオーラの質が変わる。

 

まさか…

 

「通常なら緋色に変わるのですが…私の場合、祖父の血を色濃く引いていまして……祖父は純粋な一族の人間ではないのですが…」

 

思わず…

 

「…リエルなのか?」

 

言葉を漏らす。その瞬間…リエルの姿が消える。

 

「なっ!?」

 

オウカが声を漏らす。

 

そして…

 

「うおっ!?」

 

目の前に現れたリエルに体当たりをされ…

 

そのまま押し倒された…

 

「……てた……きてた……生きてた…」

 

ポタリポタリと落ちてくる滴。

 

その涙に濡れた橙色の瞳は…

 

世界七大美色の緋の眼に勝るとも劣らない…。

 

綺麗な色だった。




ポックルさん…さようなら(生きてます)

なんかアリ編のアニメ見てたら、現在2回行われているオウカ、クランの追いかけっこにチードゥを加えた三つ巴展開を想像してしまった。

まぁ、クランの使える能力に、どんな速度や行動であろうと必ず誰よりも速く動くことができる。
死世界・凶獣変生があるから、勝負は決まってるんだけど…。

そう…シュライバーさんの能力です。


後、全然作品とは関係ないけど。

海皇紀の主人公。ファン・ガンマ・ビゼンもシュライバーと同じくらい名前の響きが好きです。

何故か記憶にに残る名前。

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