ぺディグリーすかーれっと   作:葉虎

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ランキング効果すげぇ。

あっという間にアクセスが1万を超えた。

連載当初は当分かかると思っていたんですがねぇ。

感謝、感激、ありがとうでございます。




第12話

 

さてさて…

 

天空闘技場に着てからそろそろ三ケ月が経とうとしている。

 

今の俺は190階クラス。

 

一回くらい200階で念能力者との戦闘経験を積んどこうかなとも思ったんだが…試合内容を見て止めた。

 

念は使ってはいるが明らかに格下。

 

四大行も覚えてない奴らが居たりする。纏と発だけで戦っている奴らとか。

 

ただ練を使っていないだけかもしれないが……。

 

発を見てもそこまで脅威を感じる能力者は居なかった。隠してるのかもしれないけど。

 

そもそもこんな衆人環境の中、念を使いたくはない。

 

これらの理由から此処で戦う事は止めたのだ。

 

そしてそろそろヨークシンへ向かおうと飛行船を手配した。

 

じゃないとオークションへ間に合わないからね。

 

そんな訳で…

 

「さらば、天空闘技場」

 

俺は此処を後にした。

 

 

 

 

 

そしてやってきたのはヨークシン。

 

以前とは違いお金があるのできちんとホテルに泊まる。

 

グリードアイランドをパクるタイミングはバッテラ氏がグリードアイランドを落とし、車で商品を移動している時であろう。

 

旅団の二人と同じ手段を取らせてもらう。一番警備が甘いと思うし、ないよりプロの盗賊だ。ノウハウをまねるのは悪い事じゃない。

 

まぁ、そこまであの二人が計算してたかと言われると自信はないが。

 

そして注意すべき点は俺の正体を知られないようにすること。

 

報復でゾルディック家に暗殺の依頼をされたら洒落にならない。

 

金持ちなので依頼するだけの余裕はあると思うし。

 

取りあえず姿を隠すためのローブと、オークション会場に入る為のスーツを買ってこよう。

 

 

 

 

オークション会場にて、バッテラ氏がグリードアイランドを競り落とすのを見届け。

 

絶を使いながらバッテラ陣営の動きを伺う。

 

バレてはいないようだ。

 

つか、警戒心薄いな……。

 

そしてグリードアイランドを積み込んだ車を特定し、ローブを纏って、その車を追跡しながら…詠唱を開始する。

 

ーー

 

私が犯した罪は

War es so schmählich,――

 

 

心からの信頼において あなたの命に反したこと

ihm innig vertraut-trotzt’ ich deinem Gebot.

 

 

私は愚かで あなたのお役に立てなかった

Wohl taugte dir nicht die tör' ge Maid,

 

 

だからあなたの炎で包んでほしい

Auf dein Gebot entbrenne ein Feuer;

 

 

我が槍を恐れるならば この炎を越すこと許さぬ

Wer meines Speeres Spitze furchtet, durchschreite das feuer nie!

 

 

 

創造

Briah―

 

 

雷速剣舞・戦姫変生

Donner Totentanz――Walküre

 

 

バチバチっと雷光が走る。

 

今の肉体は雷に変換されている。

 

それにより、雷の速さでの移動が可能となり。

 

一瞬、雷光と共に前方の車を追い越し…。

 

目当ての物を奪うと共に……。

 

その雷の余波で、車は炭化し。

 

そのまま振り返らず一気にその場を脱出した。

 

 

 

「…案外あっけなかったな。」

 

能力を解除し、手元のグリードアイランドを確認してみる。

 

念でガートされているし、直接攻撃したわけでもないので大丈夫だとは思うが、壊れていないか確認するためだ。

 

うん、問題なさそうだな。ちゃんと動いている。

 

取りあえず強欲な小学生の巾着袋に仕舞っておく。

 

しっかし…

 

「初めてこの手で人を殺したんだけど……何も感じないな」

 

俺はどこか壊れてしまったのだろうか?

 

正直、初めての狩りでこの手でウサギを仕留めた時の方がよっぽどきつかった。

 

まぁ、同族を何人も見殺しにしておいて、今更…見ず知らずの赤の他人に対してショックを受けるのも変な話か。

 

さて、ひとまず部屋に戻ろう。

 

当面の目的も達したし、明日からはちょっと息抜きをしよう。

 

折角なんで、ヨークシンで買い物をしようと思う。

 

その後は、当座の目的であるグリードアイランドはあっさりと手に入った訳だが。

 

直ぐにでも行こうかと思ったが、ハンター試験に申し込んでしまった。

 

試験は来年。多分、大丈夫だとは思うが万が一、グリードアイランドから出られなかった場合、試験を見送る事になってしまう。

 

別段、急いでいる訳でもないのでちょっと観光でもしてみようかと思う。

 

行きたい国もあるしな。

 

それはジャポンである。

 

転生したとはいえ、前世は日本人。

 

お母様は料理は上手かったが……和食は流石に出てこなかった。

 

そう、俺は和食が食べたいのである。

 

寿司、すき焼き、ばんざ~い。

 

ついでに富士山、芸者……あるかどうかは分からんが。

 

和食を買えるだけ、買い込んで強欲な小学生の巾着袋に仕舞っておくのである。

 

此れで、何時でもどこでも和食が食べれる。

 

……ビバ。念能力。

 

そんな訳でっと。

 

ちゃちゃっと飛行船の日程を確認して、チケットを手配する。

 

行くぜ、ジャポン!!

 

 

 

 

「幸せだぁ……」

 

ずずず…とお茶を啜りながらそう呟いた。

 

俺は今、ジャポンのとあるお寿司屋さんに居た。回って居ないので結構お高い。

 

あれから、ヨークシンで服や携帯電話を買ってからジャポンへと移動した。

 

携帯電話はとりあえず買ったはいいが、電話帳を開けば…一面綺麗な真っ白。

 

考えてみれば、連絡を取る相手なんておらず。

 

若干、へこたれたが…それでもいずれ、番号を交換する際には必要だと自分を鼓舞し、

そのチャンスが何時になるか分からないので充電は怠っていない。

 

まぁ、それは置いておいて。

 

ジャポンについた俺はお腹もすいていたこともあり、早速寿司屋に入った。

 

店の大将は平然と生魚を見事な箸使いで食べている、見た目外人の俺に驚ろきつつも、見事なプロの技で次々とお寿司を握ってくれた。

 

ネタに関しては前世の寿司ネタとほぼ変わらなかった為、安心して注文できた。

 

そして思う存分お寿司を堪能し、お茶でまったりしているところだったりする。

 

ふむ、やはり永住するなら日本かな。

 

将来…嫁さんを貰ってこの国に一軒家を立てるんだ。

 

そんな妄想をしていると……。

 

「いや~お客さん。良い食べっぷりだねぇ」

 

「いやいや、大将こそ。流石の握り。滅茶苦茶美味かったよ」

 

大将に話しかけられ、そのまま世間話をする。

 

「ジャポンへは観光で?」

 

「うん。この国の料理は美味しいからね。あ、大将。よかったらおすすめの料理屋教えてくれないか?」

 

「いいけどよ。うちにもまた来てくれよ?」

 

「寿司が食いたくなったらまた来るよ」

 

そんな話をしつつ、色々お店を教えて貰い。

 

礼を言って、店を後にした。

 

 

店を後にした俺は今日宿泊する宿を確保し、ブラブラと散歩をしていた。

 

道の先々で桜の木を見かける。

 

惜しむべきは今の季節が夏ということだ。

 

今度来るときは春に来て、満開の桜を楽しむのもいいな~~。

 

そんな事を考えながらのんびり歩いていると…

 

「き、きゃぁああ!!」

 

「……は?」

 

目の前でひったくりが発生した。

 

びっくりして一瞬動きが止まったが、半ば本能的に追いかける。

 

……はて?何故俺は後を追いかけているのだろう。

 

考えるよりも先に体が動いていた。

 

そして、もう一人……犯人を追って駆ける女性…というよりも少女が居た。

 

俺よりも先を駆けていた少女。俺の方が速かった為か何時の間にか並走する形になる。

 

そこで初めて顔を伺う。

 

意思が強そうな勝気な瞳。

 

烏の濡れ羽色といってもいいような長く美しい黒髪。

 

陶磁器のような白い肌。

 

将来、美女となる事を確約されたような美少女である。

 

年齢は俺と同じくらいだろうか……戸籍年齢上の。

 

俺は修行で時間を操作して居た為、戸籍上の年齢+3歳分年をとっている。

 

まぁ、とりあえずだ。

 

少女は和服姿で追いかけており、走りにくそうだ。いや、そんなそぶりは見せてないから断言はできないが。

 

でも、彼女が追いかけるよりも俺の方が速く走れるだろう。

 

そう考えて、走るペースを上げる。

 

伊達に高重力下の酸素が薄い環境で修行してした訳では無い。

 

「あ…」

 

少女が短く声を出したのが耳に聞こえ、

 

そして少女を追い越した……かと思いきや…

 

「なっ!?」

 

少女もペースを上げたのかまたしても並走する形になる。

 

横を見れば勝気な瞳は俺の姿を一瞬、確認し再度犯人へと視線を戻す。

 

差は徐々に詰まっている。

 

犯人は障害物の多い細かい道を走っているので半ば障害物競走染みている。

 

此処までやって逃がすのも癪なので、円を使用する。此れで姿が見えなくなっても追跡は可能だ。

 

その分、俺も全力で走れないのだが…。

 

つか、速いよ。犯人といいこの少女といい。

 

絶対に一般人じゃない。

 

けど、ちょっとイラッとくる。

 

全力ではないといえ、あの厳しい修行をしてきた俺と同じ速度だと?

 

………上等だ。

 

逃げられるものなら逃げてみろ。

 

着いてこられるものなら着いて来い。

 

さらにペースを上げる。

 

最小限の動きで障害物を避けながら…犯人との距離が見る見るうちに近づいてくる。

 

ふ、どうだ、逃げ切れまい。

 

俺は勝ち誇った顔をし、もう一人の競争相手である少女の位置を…って、

 

「……マジかよ!?」

 

後方に居るかと思いきや、少女はまた隣に居た。

 

その表情には余裕はない…だが着いて来る。

 

少女と視線が合い。少女は笑った。

 

その笑みの意味は分からない。

 

だけど……。

 

いいだろう。

 

俺は円を解く。こっからは正真正銘の全力疾走だ。

 

何処まで着いてこれる!?

 

 

結局…

 

俺と少女のデットヒートは……

 

犯人を追い越して。

 

無理が祟った少女が転倒するまで続いた。

 

 

 




原作組もいないので、

特にイベントなどもなく。

天空闘技場、ヨークシン終了。

グリードアイランドもあっさり強奪完了。

主人公が他の念能力者を低く見ていますが、強さの基準がお母様だからです。

発が使用不可能とはいえ、爺様の念を継承したお母様です。



さて、今回2つ目の詠唱を出しました。

まぁ、元ネタで詠唱しているのは同じ人なんですが…中の人的に。

個人的にベイ中尉やシュライバーが好きなので能力を出したいんですが…

使い勝手が難しいです。特にベイ中尉。

他の…黒い人とかなら真っ先に思いついたのですが…

キメラアント編で。

ネテロ会長の攻撃を受けてもピンピンしていた王様ですが、黒い人の能力なら倒せます。

だが、当たれば。っという条件が付きますが。

出来るだけ多くの能力を出したいなとは思うのですが、今回出した能力はちょっと贔屓してちょくちょく出そうかと思っています。

ベアトリス…好きなんで。

ではでは。

ストックが切れたので、更新間隔が空くと思います。

申し訳ありませんがお待ちくださいませ。

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