魔法少女と悪を背負った者   作:幻想の投影物

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第一町人、発見。


生贄・悪神・召喚

 先ほどの白い世界とは一変し、真っ黒で真っ暗な闇の世界がある。そこはいわゆる世界をつなげるトンネルのようなもので、普通の人間ではまず、お目にかかることも無いだろう。だが、苦悶の表情を絶やさず、痛みに耐えられぬ悲痛な声を張り上げ、誰にも聞かれることなくただ下に堕ちてゆく肉塊が一つ、そこには存在していた。

 

「ギィ―――ガッぁ!ウゲ…ぎッアああ嗚呼ああ嗚アアアアああ嗚ああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア悪悪悪悪悪悪悪悪悪悪悪悪悪悪悪アアアアアアアアアアアアアァッァ!!!!!!」

 

 その肉塊からはこの世のものとは思えぬほどの奇声。もし、これを聞き続けていた人間がいるとすれば、その人物は確実に発狂するだろうというもの。

 神の座でもある『白い世界』からここに堕ちてきた彼がこうなっていることには原因がある。

 彼が望んだ『力』は『この世全ての悪』の『英霊』としての能力という選択をしたことが入っていることに起因する。元々、原作の英霊となったアンリ・マユ。生前は魔術を知らず、加え、呪いなどの人を苦しめる魔術が発達した村で悪神として祀られ、苦しめられ、名前をはぎ取られ、この世の悪を『背負わされた』、ただの青年がそのスペックのまま英霊の座へ登録された。ゆえに英霊として彼と同じ存在、それを強化したような形に成ろうとするのなら、同じ手順をこのトンネルの中で『世界そのもの』から受けねばならない。

 それゆえに彼は苦しみ続けているのだ。

 

「アがぁ、ギイ………カハぁッ!!!!」

 

 痛みは、苦しみは、憎しみはまだ終わらない。だが気絶することも死ぬことも許されない。それでも自己を『保たされて』、延々と堕ち続けてきた彼は、いつのまにやら。ただの肉塊から人の形へと近づいていた。

 それでも己が望んだ力。何の苦労も無く手に入れることができるというのだから、この程度は甘んじて受け入れなければならない。生前の不幸によって養われた忍耐強さは、この時になって真価を発揮するとは、まったくもって皮肉でしかない。ただ、それでも、耐えることができたのならば――

 

「ヅゥあッ!ゴオェエエ!!」

 

 最後のトドメと言わんばかりに体の二か所を突き破るような、今までとは比べ物にならないほどの痛み。もはや痛みと形容することすら難しいそれを最後に、ようやく儀式は終了したようである。

 とたんに訪れた静寂に気が安らいだのか、単に精神が限界を迎えたのかはわからない。ただ言えることは、意識を手放した彼が延々と世界の間を堕ち続けることを始めた、というだけ。

 

 

 

 

 

 あれから何時間。何日・何月もの日がたったのだろうか。

 時間の感覚が判らなくなるほど昔に『この世全ての悪』をその身に刻む儀式を終え、自我と理性を取り戻した彼……いや、アンリ・マユはいい加減、堕ち続けるこの状況に飽き飽きしていた。時折動かす指や腕は人間のものとは思えないほどに伸びたり円を描くように曲がったりしている。

 そうした思わず目をそむけたくなるような単独エクソシストショーを繰り広げた彼は、気だるそうな溜息と共に言葉を吐き出した。

 

「オレの受け入れ先ってどんな所かねぇ?さっさと自分の足で歩きたいんだがなぁ」

 

 少しばかりあきれも入ったようだが、それも仕方のないことだろう。これまでの間、彼は自分の能力の確認と実証を繰り返し、完全に使いこなせるようになっていたのだから。もっとも、それを以ってしても世界の壁を越えることはできなかった辺りが彼の力にはたやすく限界があることを悟らせる。

 傍目で見ると危ない人の様に、ブツブツと一人で愚痴り始めた彼は今やただの肉塊から立派な人の形にまで復元されていた。

 ボサボサの黒い髪に、額には赤い布のバンダナ。上半身は裸同然であり、腕には黒い包帯のようなものを手の甲から肘のあたりにかけて巻いている。足にも同じものがあり、こちらは踵(かかと)を除いて脛(すね)から足の甲にかけてだ。ぼろ衣を腰布として使っているように深紅の布が巻かれ、その下には原作と違いしっかりと赤い布の下着をはいている。その全身には呪いの印である黒と赤の模様がのたうちまわるように描かれている。その呪いの模様も時折蠢いているあたりも、見る人によっては嫌悪感がわき出るだろう。

 彼が望んだ通りのサーヴァント『アンリ・マユ』としての彼の姿がそこにあったのだ。

 相も変わらず無限に堕ち続けていることには変わりないが。

 

「…ん? 何だこりゃ。なんか引っ張られるような感覚…まさか、召喚か」

 

 ちりちりと全身がむず痒くなるそれは、これまでに感じたことの無いものだった。

 そして、彼の予想は大当たり。彼を受け入れる世界の入り口でもある裂け目へようやくたどり着いたのだろう。引っ張られるような感覚は、世界そのものか魔力を持った人物が彼を召喚したことに他ならない。

 期待と興奮で顔をニヤケさせながら待っていると、彼の居た世界の一部にひびが入る。それはドンドンと大きくなり、ついにはピシッ、パキッと音を響かせながら世界の隙間が彼を受け入れるために口をあけていく。

 そうした罅の間をすり抜けると、彼にとっては久しい地球の景色が―――

 

 ―――無かった。

 

「ハァ?」

 

 アンリを待ち受けていたのは、決して地球のモノではない、いや、この世のものではないような全てがねじ曲がったような空間だったのだ。ドロドロと肌を伝うような空気は人を不快にさせ、そこに存在する物は見るだけで嫌悪感を呼ぶような形状をしている。だが、ここに入ったその瞬間、彼に負の感情が流れ込み、自身の泥の絶対量が増加したのを感じた。

 それは確かに『人間』が造りだした空間であるという証、同時に気付いたのは―――

 

「なるほど。人間の負の感情をそのまま世界として創られた『固有結界』みたいなもんか」

 

 『固有結界』。

 それは展開した本人の心情風景を現実へ侵食する『大禁呪』のことである。彼が一人納得を浮かべると、その世界に不釣り合いな明るい感覚を感じ、そちらにまだ慣れない明りの中で視線を向ける。

 すると、そこにいたのはマスケット銃と呼ばれる現代からみると古い武器を携えた少女で、その少女にはあまりにも不釣り合いなほどの大きさの砲身には、これでもかというほどの魔力が感じられる。

 しかし、衝撃的だったのは彼女の銃口が向けられるソレはその銃を向けるに値する存在だったのだ。

 彼女の眼前に存在する大きな目玉には、直接髪の毛と人間の口がついたようなグロテスクな外見をしていて、その球体からは毒々しい色に染まった血が流れている。マスケット銃を構えた黄色の衣装に身を包んだ少女にはその巨大な髪の毛の束が向かっており、それは人間をたやすく握りつぶせるほどなのだろうと、アンリはその強度を予測した。

 そんな時だった、均衡状態に陥っていると思われた少女は好戦的な笑みをその怪物に向け、重心に貯めていた魔力を更に集束させたのである。

 

「ティロ―――」

 

 言葉と共に、一段と砲身の魔力が高まった。どうやら必殺技を打つらしい事が見受けられる。

 だが―――その時、彼女の後ろに小さな影が浮き上がっていた。巨大なマスケット銃を構えた少女は眼前の化け物に神経を注いでいて、気付いていないようにも見える。それに気付いた瞬間、アンリは己の足を獣の如く不格好に、それでいて常識外の速度でその少女へと飛びかかっていた。

 

「フィナーレ!」

 

 少女の叫びと共に、大爆発が巻き起こる。煙が晴れるとあの怪物は髪の毛を残して巨大な風穴を空けており、かと思えば、小さな黒い卵のようなものになって姿を消してしまった。

 だが、彼女の後ろに在った影が実体を持ち、腕だけの化け物がその掌にある鋭い歯を覗かせて襲いかかっている。その風を切る気配に気づいたのか、彼女が其方に振り向いたときには既に腕だけの化物との距離は―――

 

「え?」

 

 悪寒に従って振り返った少女は心底不思議そうな声を上げた。目の前には大口を開け、その歯で切り裂かんとする化け物がその瞳に映っていたのだから。だが、時既に遅し。銃を取り出すスペースも、生成する時間も、急場に対応できる経験でさえも、彼女には不足していた。

 その化物の残骸が彼女の首をもぎ取ろうと指を伸ばした瞬間―――間に割って入る影がひとつ。

 

「シャッオラァァアアアアアア!!」

 

 ズチャアッ、と肉の引き裂かれる不快な音と共に、少女の眼前に迫っていた化け物が僅か数センチというところで真っ二つにされた。切り裂かれた化け物は面に受ける空気抵抗を受けながら、少女の両脇をすり抜けると重力に引かれ、地面へと落下し跡形も残らず消滅した。

 少女はよほどの油断と恐怖を覚えていたのか、後になって襲ってきた緊張からその場にへたりこみ、化け物を切り裂いた人物をただ、茫然と見上げる。化け物を切ったと思える、歪な形をした逆手の短剣を両手に持つその『男』は、少女に笑いかけながらこう言った。

 

「あーっと、成程? 嬢ちゃん、アンタがオレの『マスター』か」

 

 そこまでが限界だったのだろう。

 張りに張った緊張の糸がぷっつりと切れ、なぜか心にわだかまりを残すよう、掛けられた言葉の意味を疑問に感じ、少女は意識を手放す。その直後、目の前の男――アンリは仕方ない、といった風に片眉を吊り上げて彼女を抱きとめるのであった。

 

 

 

 

 

「う……ん」

 

 いつの間に移動していたのだろう。そんな疑問がわきあがる前に、慣れ親しんだ触感が手から感じられる。目を覚ましたその場所は自身がよく知る場所、自室のベッドの上だったのだ。

 

「よう、目ぇ覚めたか」

 

 意識が落ちる直前、聞いたことがある声色に気付くと反射的にその方向を見る。

 すると、そこには気味の悪い刺青を全身に施した男が立っている。自室にまで連れてきたのは感謝するが、この男が天涯孤独のこの体に何かするかもしれないという脅威から構えを取ろうとしたが、アンリはふざけたように笑い、落ち着けよ、と自分の体をベッドに戻してしまう。

 

「っと、混乱してっとこ悪いが、パスも繋がってるようだな。お嬢ちゃんがオレを喚んでくれたみたいだが……なんか身に覚えとかはあるか?」

「……無い、と思うけど」

「---だよなぁ」

 

 とりあえずは言葉を返したものの、頭の中ではパス? 喚んだ? という言葉が駆け巡っている。この状況が分からず、初対面の男の前で首をかしげていると、目の前の男が深呼吸を促してきたのでそれに従って呼吸を整える。ようやく正気を取り戻すことができたと同時、己のうちから湧きあがってきたのは数々の疑問であった。

 

「あなた、誰なの!?何で使い魔を倒せたの?どうして私の家を知っているの?こたえなさい!」

 

 矢継ぎ早に浮かんだままの言葉をぶつけるが、まだまだ落ち着けてはいなかったようで、後半に行くにつれて語調は強まっていく。そんな感情の爆発にもアンリは嫌な顔をせずに余裕のある表情で聞き届けると、パンっと柏手を鳴らして場を整えた。

 

「オーケー、オーケー答えっからちょいと落ち着け、な? ほらもう一回深呼吸だ。吸ってー吐いてー吸ってー吐いてー」

 

 再び言われた通りに深呼吸をする少女。

 その目はいくらか落ち着きを取り戻し、今度こそ理性的な光が灯っていた。

 そんな彼女はいつの間にか黄色い宝石を胸のあたりに携え、再び問いを投げかける。

 

「―――ごめんなさい。私としたことが取り乱してしまったようね。それで、改めて聞きたいのだけれど……あなたは誰? 使い魔をどうやって倒したの? 私の家を知った理由と、どうやって私をここまで運んだのかを答えなさい」

「おぉっと、質問増えてねぇか?」

 

 おどけたように言う男は、何となく軟派な感じがして気に食わない。

 額にしわを集めて、彼女は再度男に問うた。

 

「いいから答えなさい」

「へいへい、そんじゃ一つ目からだな」

 

 よいしょ、とひとつ指を立てると、彼は己の身のうちを明かし始める。

 

「まず、オレはサーヴァントって呼ばれる存在で、クラス名はアヴェンジャー…復讐者ってやつだ。あんたが召喚した英霊っつぅ存在なんだが、最初に言ったクラスとかは肩書きで、本当の名は別にある」

「…なら何で偽名を教えたの?」

「…おいおいそう睨むなもうちょい冷静になってから教えるっつの。まぁ気を取り直して二つ目、さっき言ったようにオレは英霊ってやつだ。英雄が化けモン一匹倒せん道理もねぇって話だ。そんで……三つ目の答えなんだが、お前さんが気を失ってから、真っ白なしゃべる小動物に聞いたんだよ。まぁ、家聞いたら答えてすぐどっかに消えたんだがな」

「キュゥべえのことね」

「キュゥべえっていうのかアレ。…んで、まぁ最後。アンタを運んだのはあんたがオレのマスターだからってのと、ちっちゃい女の子を路地裏に転がしとく趣味はオレには無いからだな」

「…へぇ、そうなの」

 

 素直に答えた男にも驚いたが、中にも驚愕に値する単語が入っていた。『サーヴァント・アヴェンジャー』『英霊・英雄』そして『マスター』。英雄の部分は理解できるが、英『霊』であったり、そんな存在を自分が『召喚』したことであったりと僅かな疑問は尽きなかった。だが、そうした中で仮にも自分の事を(マスター)と呼ぶのだから、答えるだろうと思って警戒を怠ることはせず、さらに問いを投げかけてみることにする。

 

「聞きなれない単語が多くて、少し混乱しちゃうわ。私がマスターというのなら答えなさい。あなたの正体と英霊、それからマスターについて詳細にね」

「あらま、マスターとしての命令ならそうしますかね。んじゃ、長いがよーく聞いてくださいや」

 

 おどけたようなしぐさをしたのち、面倒だが仕方ない、と手を腰に当てる彼。

 一転して真剣な表情に切り替わり、一呼吸を置いてアンリは話し始めた。

 

「英霊ってのは生前、その功績をたたえられた人物が伝承となって『英霊の座』ってとこに登録された奴の事だ。一口に英霊といっても純英霊と反英霊がいる。前者は名の通り正義だかヒーローだか呼ばれる奴らだ。後者はその逆、ヒーローと相対した悪だったり退治された化け物だったりするのもいる。そういった奴らを『英霊の座』から魂をコピーして大量の魔力の塊…『エーテル体』で構成された最上位の使い魔の事だな。

 大抵、英霊は宝具っていう必殺アイテムを持ってる。『アーサー王ならエクスカリバー』、『クー・フーリンならゲイ・ボルグ』って具合にな。

 それから、オレ自身はそう名の知れたものでも無くてな、反英霊にってヤツに属してんだ。まぁ英霊のなかでもオレに負けるような雑魚はいないってぐらいの『最弱の英霊』だが。そこは置いとこう」

 

 無駄な語りに厳しい視線を向ける少女にへーこらしながら、彼は先を続けた。

 

「大抵、英霊が召喚されるような事態が起こるのは『聖杯戦争』か『人類の危機の殲滅』の二つ。だが、オレ自身がまずイレギュラーな存在だと言っとく。それで、『マスター』ってのはあんたが思った通りの存在で命令を下せる立場だ。つまりは英霊の召喚主であり、主様だ」

「でも、本当にあなたが英雄だというのなら、そう簡単に言うことは聞かないと思うけど?」

「そりゃそうだ。本来ならこの権限が必要なのはさっき言った『聖杯戦争』……名前の通り『聖杯』っていうなんでも願いをかなえることができる御都合満載の杯を取り合う二人一組のマスターとサーヴァント七組の殺し合いだけだからな。

 その戦争は最後に残った一組だけが勝者と認められ、その前に聖杯が姿を現す。さっきイレギュラーつったのはこのことでな。その戦争が始まる予兆として、マスターの体のどっかに英霊っつー規格外の存在を縛り付ける絶対命令権『令呪』が現れるんだ。だが、聖杯も戦争も無いってのに、あんたの左肩にオレの令呪があったから、あんたがオレの主っつぅワケだ」

 

 少女はそれを聞き、幸い半袖だった左肩の服をまくってみると『逆月に二本の絡み合った線があり、それを囲むように円が描かれている模様』確認し、息をのんだ。

 

「お、見つけたみたいだから話を進めるぜ。その令呪は三回こっきりの使い捨てでな、最後の一回を使うと英霊はマスターからの魔力供給を離れ、徐々に魔力をなくして消滅し、座にもどる。

 だが魔力のほうは心配しなくてもいいぞ? オレを喚んだことにいくらか使ったみてぇだが、オレが持ってる宝具のおかげで魔力の供給はいらねえし、オレ単品でも行動できる。

 最後に、オレがいる利点についてはさっきみてぇな化けモンとの戦闘の手助け、それからどんだけ離れてても、その令呪から繋がったパスを通しての距離が関係ない念話ぐらいだな。邪魔だと思ってんのなら―――その令呪で自害を命じてくれ。それだけでオレは居なくなる」

 

 そう言い括って彼は沈黙した。もっとも、にやけ笑いをしながら、だが。

 沈黙が続き数分、彼女は意を決して口を開いた。

 

「そうね、自己紹介をしましょう」

「………ハ?」

 

 唖然。アヴェンジャーの表情はそれに尽きた。だが少女は構わずまくしたてる。

 

「あなたは反英雄といったけど、悪い人じゃないみたいだしね。私の名前は『巴マミ』ここ、見滝原町の平穏を守る『正義』の『魔法少女』よ。これから戦うんだったらよろしくね? アヴェンジャーさん」

「おお、おぉ!! あぁ面白ぇ! こいつは随分とトンだマスターに当たったみたいだなぁ!」

 

 突如、大声で笑い出したアヴァンジャー。その奇行に名を名乗った黄色の少女、巴マミはその職業柄、同学年のクラスメートともあまり触れ合わないゆえに、なにがいけなかったのかとあわてだす。

そのコメディちっくな場面は続き、笑い終えたアヴァンジャーは挑戦的な笑みを浮かべ言葉を返した。

 

「たしかにそうだ!まずは名前の交換がマスターとサーヴァントの契約。ならば名乗ろう。オレの真名は『アンリ・マユ(この世全ての悪)』だ。さぁて―――本意も本意。同意の上、ここに契約は完了した。これよりこの身はアンタの盾となり、剣となろう。

 クソ古い宗教の悪神を背負っただけのザコに過ぎねぇが、それでもいいなら。オレはアンタと共にあろう!」

 

 そうしてその夜、一組の奇妙な主従が生まれた。

 片や人を守り、『希望』を導く正義の魔法少女。

 片や人に怨まれ、『この世全ての悪』を背負う悪の英雄。

 彼らがこれから紡ぎだす物語は一体どう転ぶのか?救いが存在しなかった『絶望』の世界に異物の 『悪』が紛れ込み、『舞台装置』の歯車もまた、動き出した。

 




とりあえず、試験的に投稿はここまで。次回更新は何日後です。

現在までの読了、お疲れさまでした。目を休めてお大事に…

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