魔法少女と悪を背負った者   作:幻想の投影物

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この下は、所謂裏の設定が書かれています。
詳しく知りたい人だけ見てください。
それ以外の、

「遅かったな、言葉は不要か……」

な方は、ブラウザバックをお願いします。
あ、感想で質問があった場合はこの話に随時その答え(設定)を追加していくつもりです。





二部・裏話・補足

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンリがまどかに対して使った宝具について。

 

信仰せし神の醜形(タローマティ)

ランク:A レンジ:10000 最大補足人数:1人

 

由来:ゾロアスター教の「背教」の悪神より。

効果:指定した人物の精神と魂を自分に憑依させ、その人物に宝具所有者の肉体を使わせる宝具。どんな場所にいてもそれは使用可能であり、元の人物のスペックに加え、宝具所有者のサーヴァントステータスやスキルまでもが追加される。だが、宝具だけは使用できない。

 肉体から精神を「背かせ」、憑依させると言う方式である。ちなみに、「アルヤーマー・イシュヨー」という元となった神が嫌いなこの言葉を周囲で言われると、憑依状態が解除される。

   もうひとつの効果は、「世界の条理を背かせる」と言う効果。その効果は魔術や攻撃には転用できない物の、声や映像など実体を持たないものなら距離を超えて指定した者に届かせる事が出来る。ただ、一方通行の通信手段であり、世界を欺くと言う大事に魔力はかなり消費されるので、恐ろしく使い勝手が悪い。燃費で言うなら、優れた魔力を持つ魔術師三人は魔力を吸い尽してしまう。

 最終決戦のまどかへの魂や声は、これによって届けられた。

 

 

 

 

 

暁美ほむら

 

繰り返した世界の数は数え切れず。

そうして、まどかの因果の量を恐ろしいまでに増やしてしまった、心の壊れた人物。

 

インキュベーターからは、「魔法少女にしたのは史上最高の選択であり、同時に最悪の選択であった」と言われている。

その正体は、魔法少女でありながら、魔女となっていたこと。

彼女の絶望はそのまま魔力へと還元され、絶望のエネルギーを彼女個人で運用していた。

だからこそ、延々と戦い続ける事が出来て『最高』。

同時に、絶望のエネルギーを回収することも出来ないから『最悪』。

 

魔女となった彼女は、もう内容も忘れてしまった“まどかとの約束”を糧に活動する。

約束は、ワルプルギスの夜を倒す事と履違えられ、ただそれを倒そうと奮闘するが、“絶対にワルプルギスの夜には勝てない”という『魔女としての運命』を背負っていた。

 

彼女が救われる事は無く、全ては機械的に成されてしまう。

魔女という存在を見かけると、ほぼ問答無用で消滅させに掛かる。

だが、魔女化している事で「絶対にワルプルギスには勝てない」という絶望の制約が付いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリームヒルト・グレートヒェン

 

“まどか”が魔女になった際に発生する。

元々は、地球の命を吸い尽くして“救済”を与える魔女だったが、“まどか”が魔女を消す概念になった“以降の世界”。魔獣が出現するようになってからも、キュゥべえ達の“願いの屈折”によって、ほむらが時間を逆行させられた事が全ての元凶。

 

正しく、“まどかとの出会いをやり直す機会”を何度も経験した彼女は、まどかが概念になった時のような世界にすることが出来ず、まどかを魔女化させてしまった。

 

そして、そこから全ての絶望が始まる。

 

そのまどかを見たほむらは、心を壊して時間遡行を繰り返す。

そして、魔女のまどかは並行世界を移動する能力を手に入れてしまっていた。

 

より強い因果を持つまどかを喰らい、救済の魔女はその力を恐ろしいまでに高めてしまい、同時に、その内側に“まどか”という概念を閉じ込めていた。

 

だが、アンリが“話し合い”を行ったことで、全ての“まどか”の魂は殺され、輪廻の輪に戻された。その後、核を失った魔女の身体だけが暴走するも、アンリの最終宝具で呼ばれた人物によって殲滅。

『魔女:クリームヒルト・グレートヒェン』はこうして終わりを迎えた。

 

 

 

まどかの願い

 

彼女が願ったのは、“今この時から(・・・・・・)全ての並行世界の魔法少女を少女期が過ぎると同時に任期を開放。インキュベーターはその在り方を変質させる”というもの。

かなり長いが、結局まどかの因果の量がそれをあっさりと解決。

“全て”は無理だったが、さらに広範囲の並行世界に救いの一手が伸びた。

 

 

 

 以下、最終和前の裏話。

 

 

 

 補足・再会・偽物

 

 

 場所は元・巴宅。

 アンリがマミ達を初めてこの世界のまどかと杏子に合わせようとした時、概念となった「まどか」もこの世界に到着した。丁度いいだろうとそれぞれ自己紹介させようと言う空気になった瞬間、驚くべき事が起きた。

 涙目になったまどかがマミに抱きついたのだ。

 

「マミさん、マミさん! よかった、生きてたんだ!」

「鹿目さん……」

 

 彼女も驚きはしたものの、ごめんなさいと彼女を優しく諭す。

 

「私はこの世界の“巴マミ”じゃないの。アンリのもとに下った、おばあちゃんが若い身体を持っただけの“巴マミ”なのよ。死んだ人は蘇らないわ」

「そんな……」

「…しみったれた空気はここまでにすっぞ。今は此処に来るであろう最悪の魔女への対策を立てなきゃこの世界が終わっちまう」

「そこの悪人面の言うとおりだ。こんなところで人類滅亡とかやってらんねぇぞ」

 

 アンリと杏子がまとめにかかると、まだ納得が言っていないようなまどか以外は事に深刻さに頷いた。彼女も涙をぬぐうと、作戦の説明に耳を傾け始める。

 

「――ってことで、この橋の部分に鹿目まどかの魔女“クリームヒルト・グレートヒェン”が出現する。本来ここに来るべきワルプルギスの夜をも喰らい尽してな」

「ワルプルギスは私が来たからもう消滅してるだろうけど、その前に此処の世界のほむらちゃんが問題だね」

「…アレを何とかできんのか?」

 

 やりようによっては、とマミが答えた。

 

「まず、鹿目ちゃんが契約前で、オレ達がワルプルギスの夜と戦っている幻影を辺りに展開する。そのためには大量の魔力消費が必要になるが、ここの魔力は心の天秤を犠牲にして生成されてやがるからな。オレがその負の傾きを吸い取り続ければいい」

「そのために幻影を使ってもらうから、佐倉さんは使い方を練習しておいてね」

「……その口ぶりだと、アタシがもう使わない事知ってるんだろ? その上で言ってるのかよ」

「その通りだよ、杏子ちゃん。でも、ここでやらないと全部終わっちゃうから頑張ってね」

「……なんなんだ、お前もまどかの筈なのに妙に怖いな」

「うん、その喧嘩買ったよ」

 

 え? と杏子が聞き返す前に、「まどか」は彼女の首根っこをひっつかんで別の場所に引っ張られていった。まぁ、正直最初の作戦の要がちゃんと鍛えられるならそれで問題は無い為、アンリたちの会議は進行を続ける。

 マミの膝元にいたキュゥべえがまどかの前に移動すると、彼を指さして最も重要な作戦だとアンリが言った。

 

「それで、まどかには僕に契約してほしいんだ」

「でも、そしたら魔法少女にしないようにしてきた杏子ちゃんが……」

「いや、君はさっきの短気なバカ神よりも最高火力を持ち得る筈なんだ。そして、願いの内容はあんな風に壊れたほむらを通じて因果が何とかしてくれる。君にとっては人生に一度の何でも叶う願いを棒に振ってもらう事になるけど、これをしてくれれば災厄の魔女に勝つ事が出来るからね」

「そう言う事なのよ。無理にとは言わないけど、貴女の判断に任せるわ」

「私は……」

 

 先ほどの神々しい姿の、髪も伸びていた自分の姿を思い出す。自分とそっくりではあるけど、決して性格が一緒ではないと言う姿。つまり、あの「まどか」は何時までも内気な自分じゃなく、何事かを自分で成し遂げる事が出来る姿だということ。

 自分と言う存在が誰かに必要とされている。決して万人にいえるようなことではないが、この世界の命運がかかっていると言う重みにも彼女の天秤は傾きかけていた。

 まぁ、彼女の瞳を見てみれば答えなど決まっていたのかもしれないのだが。

 

「どうするんだい? 僕と契約するか、無事に終わらせる事をただ待つのか」

「……決まってるよ。私は、あなたと契約する」

「――おめでとう、“鹿目まどか”。これで君は魔法少女(きぼう)と言う存在になる事が出来る」

 

 案外に迷う事もなく決めたようにも見えるが、こんなものはほぼ強制と言っても差支えない。アンリの自動発動する宝具は、周囲の人を常に前向きにさせるという、気分爽快と言う名の洗脳系宝具とも言えるからだ。

 そんな無意識化で働きかける力が在った事も知らず、彼女の葛藤は終わりを告げていた。

 

「っし、じゃあ後は段取りだ。まずはオレがほむらの四肢を切り落として行動不能に―――」

「「「却下(だね)」」」

「やっぱグロいよなぁ」

 

 最終的に、ほむらが魔法少女姿のまどかを見た瞬間に盾に手を駆ける隙が在るだろうから、その瞬間に両手を切り落として「まどか」とオハナシして貰うという流れに決定した。

 その頃、外では杏子の悲鳴が響き渡っていたとか何とか。

 





これにてこの作品は完結となります。
長い間ありがとうございました。もしよければ、他の悪神シリーズもよろしくお願いします。

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