ハイブリッド流浪記(凍結中)   作:安木ポン酢

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 文を書くのは誰でも出来る。話を書くのがライターだ。
 その通りだと思います……文章力の方もあまり足りてませんが。



 更新日 2013/5/12


第六話 スタバレイセンとそれにより誘発された様々なカオスとあとなんか崖ライオン 前編

「で、もう好い加減はっきりしないのも面倒だからこっちから聞いてしまうが……」

 

「や、やっとか……。なんかここまで来るのに物凄い遠回りをした気がする」

 

「それは多分お前だけだ妹紅。という訳でお前に質問権を与える」

 

「もう突っ込まないぞ……。

 まあ良いや、それじゃ――」

 

 そこで一旦妹紅は口を閉ざし、言葉を切った。そして数瞬の間ふらふらと視線を宙に漂わせ……その内に続きを言う決心が付いたのか。やがて顏の向きをこちらに固定すると、妹紅は閉ざしていた口をゆっくりと開いていく。

 そして、言った。

 

「――あのさ。そのローブだけどさ」

 

「ああ」

 

「見た感じ、作りは結構しっかりしてそうだけどさ」

 

「うん」

 

「……えっと」

 

「んー」

 

 

 

「――その、さ……流石にその、スッパはどうなんじゃないかなーって」

 

 

 

「……えぁあ?」

 

 訂正。決心とか、もう、そういうのどうでも良いと思う。

 

「そうね、それはちょっと貴女の感性を疑ってしまうわね。その奇抜なデザインも含めてだけど」

 

「せ、せめて下着くらい着けなさいよ……見えたらどうするの」

 

「そうかしら? 別に分相応だと思うけれど」

 

 怒涛の連続攻撃。彼女等は手加減という言葉をまるで知らないのか、少しの容赦も無いといった様子でドシドシと攻め立ててくる。幽香はストレートな毒舌を放ち、蓬莱山はふいと目を逸らし、八意は最早隠す気も無いというような感じの悪意を飛来させてくる。

 何なのか。一体何だと言うのか。感性を疑うとは何なのか。ナンセンスって事なのか。あと分相応とはどういう意味なのか。お似合いって事なのか。

 アマゾネスか。私はアマゾネスなのか。

 

「いやちょっと待て。アレは私じゃない――」

 

「スッパって事は認めるのね」

 

「…………」

 

 時々、幽香が一体誰の味方であるのかが良く分からなくなってきてしまう瞬間が有る。

 因みに今がそうである。風見(かざみ)サンは本当に素敵なくらい軽やかだと思います。ええ本当に。誰の味方かって、そりゃあ何時だって自分の味方に決まっているじゃありませんか。

 

 アレか。もしやコイツ等は私の事が嫌いなのか。嫌いだからこんな相当にえげつない仕打ちをしてくるというのか。

 有りそうで怖い。が、やっぱりそんな事は無い……事も無い事も無い筈であると見せ掛けて実はなんか有ったりするのだが最終的には無くなってしまうので大丈夫、全然問題無い。多分きっと恐らくは。ややこしい。

 

 いやだってコレなんかズルくない? 反撃しようにも色々とややこしくて厄介なしがらみとかが有って動くに動けないんだけどコレ。しかもその事を相手に説明出来ないからはっきり言ってもうどうしようもないっていう程度には詰んでるんだけどコレ。

 何このハイレベルな誘導尋問の皮を被った集中砲火。もう一回言うけどなんかズルくないですかコレ?

 答えても駄目、答えなくてもやっぱり駄目。ステイルメイトじゃないかこんなの。

 

 …………。

 

 そうかステイルメイト。ステイルメイトだ。

 そうだった。ステイルメイトって言ったら引き分けじゃないか、引き分け。引き分けと言っても一体どの辺が引き分けてるのか良く分からないけど、それでも確かにアレは引き分けているのではなかったか。少なくともルール上はそうであった筈ではないのか。

 

 引き分けである。ドローである。同点である。五分五分である。あいこである。

 引き分けである。至極引き分けである。超引き分けである。

 

 即ち、引き分けである。

 

「……なんか、いきなり笑い始めたんだけど大丈夫なのコレ? 色々な意味で」

 

「元から駄目なんだから気にする必要なんて無いのよ」

 

「元からって……あ」

 

「輝夜。邪推が過ぎるわ」

 

「……そう」

 

 つまりコレは引き分けなのだ。どれだけぼろくそ言われているように見えても、実は物凄く拮抗している状態なのである、コレは。

 実に華麗な逆転劇であるとは思わないだろうか。ギリギリまで追い詰められてしまった局面から上手くステルスメイトへと持っていった時の、あの、対戦相手のあの顏。で、もう一回やって勝った時に感じるスカッとした謎の爽快感。

 

「いや、華麗だなあ」

 

「……えーっと。お前が今何を考えているのかは分からないけど、取り敢えずそれが物凄い的外れだってのは何となく分かるぞ、うん」

 

 うん。

 まあ、それとなーく手加減されてるってのは何となく分かってました。

 

 

 

「――んで、実際どうなんだ? まさか本当にスッパって事は無いんだろ?

 ……無いよな?」

 

 数分後。良く分からない内に始まり、良く分からない事で盛り上がり、そして良く分からない内に去っていた変な騒ぎも落ち着き。と、思ったらその良く分からない事で盛り上がっていた自分の姿を思い返してなのか何なのか。その如何については分からないが、兎に角。

 大分気まずい空気。特に八意と蓬莱山との間を中心として渦巻いている名状し難き何某かに関しては途方も無いように見える、ような。いや、間と言うか殆ど八意一人のモノなのだが、はてさて。一体何を話していたのやら。

 どうやら八意が真の意味で復帰を果たすというのも、随分、当分、まだまだ暫く先の事ではあるらしい。何やら過去を整理し切れていないのか何なのか。ともあれ、彼女が七面倒臭いモノを一人で抱え込んでしまっているのというのは凡そ間違いが無いと言えた。

 

 ……まあ。そうは言っても、私だって人の事をどうこう言えるような立場では無いんだがな。面倒かどうかは置いておいて。普通にって言うかモロに関係者だし。

 ふむ。コレはちょっと……時期尚早では、あるか。

 

 話の順序を少し入れ替えておいた方が良さそうだ。

 八意にとっても……勿論、私にとっても。

 

「妹紅。アマゾネスって凄いと思わないか? 弓を引くのに胸が邪魔だって言うんで、なんと切り取ってしまったらしい」

 

「まるで意味が分からん……」

 

 とか何とか考えていたら、妹紅が恐る恐るといった感じでこちらへ会話を振ってきたので、こちらもそれに対抗して恐る恐る返答を返すなんて事は全く無く極普通の返答とかを返してやる。

 するとまあ予想通りではあるものの、そこにはついさっきサハラを一人で横断してきました、みたいな疲れ切った顏をした妹紅が。やはりと言うか何と言うか、私の言わんとしている事は妹紅には上手く伝わらなかったらしい。コレ……即ち口を開けばところ構わず婉曲的な言葉を選んでしまうというのも、まあ、私の悪癖ではあるのだろう。ああ残念。

 

 しかし、また、同時に今更でもある。

 言葉遊びというモノは本当に面白いと思う。遠回しで回りくどい表現が、時に如何な賢者にも予測出来ぬような不可解極まりない状況を引き起こす事も有るからである。未知というモノは得てして、痺れるような愉悦に満ちているものだ。

 

 つまり何を言いたいのかというと。

 

「馬鹿ね妹紅。貴女の事に決まってるでしょう?」

 

「え、私……?

 

 ――っ!!」

 

 人をからかう時の笑みをスィッッッカリと顏に張り付けながら、幽香が妹紅にそんな言葉を投げ掛ける。数瞬、妹紅は彼女のその言葉に首を傾げ……と思ったらそこに最早潜んですらいない悪意的な何某かに気付いてしまったのか。

 妹紅は一瞬目を見開き、直後、みるみる内にその表情を口にするのも憚られるような有様へと変えていく。感情の高ぶりによってなのか彼女の周りには蜃気楼のようなモノがゆらゆらと立ち昇り、髪の先はチリチリと明るい橙に光る。

 そして血走ったと言うか寧ろ火走った目で幽香を、幽香の胸を睨み付けると。

 

「血 禍 飢 ッ !

 

 コレハ切リ取ッタンジャナイ!! 進化前ナダケダッ!!

 私ハペチャパイデハナイヅォォオオオオォォォォッッ!!!」

 

 そっちかい。

 

 藤原(ふじわら)、妹紅、血の涙を流して惑へど、かひなし。

 一体何が彼女のパンドラボックス的なトラウマっぽい何某に触れてしまったというのか。まあ大体と言うかもう色々全部分かっちゃってるとは思うのだが、それは言わない約束という奴である、多分。

 

 両の手で頭を抱え、畳に膝を付き、良く訓練されたオットセイよりも大きく背を仰け反らせ、ぬあーんと魂の咆哮のようなモノを上げて激しく喀血する見た目中学生。

 何と言うか、物凄いアルマゲドンである。決して触れてはいけないスイッチを生半可な覚悟で押してしまうとすこぶる大変な事が起こってしまうのだという事が、臓腑に沁み渡るような勢いで良く分かった。うん、本当に。

 

「進化前って……もう最終形態じゃない」

 

「ウワァーッ!!」

 

 更に、そこへ幽香の無慈悲な追い撃ちが加わる。四季のフラワーマスターから特に葛藤も無く放たれた核弾頭は真っ直ぐに妹紅(血)へと飛んでいき、同じく特に回避行動を取る事が無かった妹紅へと突き刺さってしまった。それはもう深々と。

 そして瀕死の妹紅にはその攻撃を耐える事が出来なかったのか、彼女の頭上に表示されていたHPバーがピロピロと音を立てて遂に擦り切れてしまったような。そんな光景をほんの一瞬、私は幻視したような気がした。

 ……いやあ楽しかったなあ、あの頃も。

 

 一三〇〇年に渡って続いた長き闘争はここに終結を迎えた。

 

 かつての思ひ出にしみじみと浸る内、前時代的な叫び声を上げて何故か後ろに吹っ飛ぶ妹紅。物凄い勢いで空中を滑っていくと、そのまままるで吸い込まれるようにしてドンガラガッシャーンと襖へダイブする。それは宛らリバース幅跳びの理想的なフォームのような体勢で……存外、妹紅の方も結構ノリノリなのかも知れないとか何とか思わない事も無かった。

 いや、まあ、恐らくと言うか絶対違うんだろうが。妹紅に胸の話を振るのは結構ハイリスクだと思う。リターンとかは有るのだろうか。

 多分無い気がする。有っても困るが。いや、有るには有るのだろうが。幽香とか。

 

 と言うか。

 

「どうしてこうなった」

 

 私のそんな呟きは、凡そ一瞬で宙に溶けて消えた。

 何と言うか、実にソフトクリーム的である。油断するとあっという間にどろどろ溶けていってしまうのである。いや、溶けるだけならまだ良いが、そこでまた油断すると今度はその形すら失っていってしまうのである。そして、最終的には湿気を吸ってしなしなになったコーンのような謎の物体だけが手元に残るのである。

 

 つまり、カオスである。

「……どうしてくれるんですか。貴女がこっちに飛んできたせいで私が見つかってしまったではありませんか。

 さあ答えて下さい、一体どう責任を取ってくれるというのです」

 

「ホワァッ!? 貴様モタユンタユンダト!?

 馬鹿ナッ! 齢三桁ノ分際デソンナニタユンタユンシテイルトァッ!! 許サンッ! 許サンヅォォオオオオォォォォッッ!!!」

 

 破れた襖の向こう側で、何やら激しく言い争いをしているような声が聞こえてくる。いや、言い争いというよりかはどうも取っ組み合いに近い事をしているようだが、さて。

 ドタバタと暴れるような音。そしてその合間に何やら怪しげな掛け声やら呻き声やらが入り込んできている。

 どうやら、ここにきてカオスの片鱗が見え隠れしてきているようだった。良く分からない。

 

 片や冷静。片や暴走。冷静と言うか寧ろこの状況で冷静というのもちょっとおかしいような気もするが、兎に角。

 どちらが有利であるのかは、まあ、最早一目瞭然であると言っても良かった。

 

「グワアアアアアアァァァァーッッ!!」

 

「ち、ちょっと大丈夫なのオゥフッ」

 

 凡そ十数秒に渡って続いた取っ組み合いは、当然の如く鈴仙の勝利に終わった。元々接近戦、と言うか肉体面の性能で他よりも圧倒的に劣っている妹紅が生粋の軍人に追随出来る筈も無く。先程の吹き飛びに錐揉み回転が加わったような感じの体勢で、妹紅がこちらに舞い戻ってきたのだった。

 ……で、終われば良かったのだが、いや良くはないと言うか寧ろ既にカオスのひずみに片足を突っ込んでいるようなそこはかとないカオス漂う状況だとは思うのだが、それはさておき。

 

 問題だったのは、そこを運悪く蓬莱山が通り掛かっているところであったという事。更に問題だったのが、そうやって飛んできたのが妹紅であったという事。

 それ以上に問題だったのが、考え事をしていてそんな余裕が無かったのか、それともその必要も無いと判断したのか。ともあれ、八意が妹紅と蓬莱山との接触と言うか激突を阻止しなかったという事。

 

 そして最も問題だったのが、それをやらかしたのが鈴仙だったという事である。

 

「優曇華(うどんげ)」

 

「……っ、はい」

 

 病的な程に表情を青褪めさせた鈴仙が、対照的に一切の表情が見られない八意の問い掛けに対し明らかに切迫した様子で答える。何かを言おうとしているのか何度も口を開閉しているようだったが、感情に押し流されてしまっているのか肝心の中身は一向に出てくる気配が無い。

 体育座り――今の彼女に余裕という言葉が欠片も存在していないのは、最早、誰の目にもはっきりしていると言って良かった。

 うーむ。

 

「も――」

 

「こっちへ来なさい」

 

「はい」

 

 程無くして。試行錯誤の末、遂に声を出す事に成功した鈴仙ではあったが、それに重ねるようにして出された八意の言葉に彼女のソレはあえなく握り潰される。そして僅かな逡巡、しかしながら、その後に鈴仙は条件反射故なのか。彼女は素早く的確に言われた通りの行動へと移す。

 鈴仙と八意が卓袱台を挟んで相対する。

 

 片や冷静。片や暴走。

 先程の状況の焼き直しにも見えるこの光景はしかし、先程のように微笑ましく見守る事は到底出来そうに無かった。いや、八意の方も冷静という訳ではないのだろうが。

 

「優曇華」

 

「はい」

 

「座りなさい」

 

「はい」

 

 ……冷静ならば、もっと上手くやっている筈である。

 

 八意のその言葉を受け、鈴仙は八意から最も離れた位置にその身を置く。

 即ち、私の左隣に。

 

「…………」

 

「…………」

 

 ウオオオオ気まずい。非常に気まずい。

 具体的にどのくらい気まずいかというと、思わず手に取っていた本を買ってしまうというくらいには気まずい。

 魂の喀血から急転落下してシリアス風味へ。カオスである。実にカオスである。

 

 しかも、カオスなのは何もこちらだけではない。

 

「…………」

 

「…………」

 

 激突から数分。もうとっくの昔に動いていても良いような、寧ろ動いていないと逆に不自然であるような状況はしかし、まるで時間が止まってしまったかのように不変だった。

 

 つい先程まではバーサーカーのように荒れ狂っていた妹紅。だが、今の彼女はまるで借りてきた猫のように大人しい。いや、大人しいというよりは何をどうすれば良いのか分からなくなってしまっているという方が正確なのだろうが、まあ、結果的には同じようなモノだ。

 そして、それと向き合うのは激突に巻き込まれたせいで微妙に十二単の形が崩れている蓬莱山。だが、今の彼女はまるでそんな事を気にする様子も無く当惑しているように見える。いや、当惑しているというよりは何をどうすれば良いのか分からなくなってしまっているという方が正確なのだろうが、まあ、やはりこちらも結果的には同じようなモノである。

 

 何と言うか、すこぶるカオスである。

 と言うかもう、ナイアルラトホテップですらある。

 

 不死鳥と竹取の姫。眼前で、二人の蓬莱人が身動ぎもせずに見つめ合うという極めて奇妙な場面が出来上がってしまっている。

 最早何時何処に穴が開いても何ら不思議ではない。不思議ではないと言うか今すぐにでも開いてしまいそうな勢いだと思う、実際。

 アレだし、二人とも瞬きすらしてないし。

 

「……えっと」

 

 恐らく彼女なりにその状況を変えようとしたのだろう。蓬莱山が言葉とも取れないような呟きを妹紅へ投げ掛ける。

 そして続かない。ぶつ切りになって暫しの間宙を漂った言葉の断片はそのままの流れで静かに立ち消え、どうにか回した気配りはこの場の雰囲気を余計気まずくするだけに終わってしまった。

 

 更に、なまじその事を察知出来るだけの感性を妹紅が持っている、というのもいけない。そのせいで、というのも甚だおかしな話ではあるが、兎に角。相手が行動を起こしているというにも関わらず動けない、どころかその心遣いを無碍にしてしまう自分に対する後ろめたさやら、或いは恥ずかしさやら。

 恐らく、と言うかほぼ確実に、妹紅はそういった厄介極まりない感情に苛まされている筈だ。それが妹紅の良いところでもあり、また、同時に悪いところでもある。

 

 デフレスパイラル。端的に言えば、つまりはそういう事である。

 

 すぐ隣では色々複雑な事情を抱え込んだ師弟が沈黙のフィールドを展開し、その向こうでは色々ややこしい内情を孕んだ宿敵同士が重苦しい隙間風を吹かせる。

 何と言うか、もうどうしようもない。こんなのどうやってギャグにしろってんだ。

 

 本来ならば。そう、本来ならば、仮にもギャグ妖怪を自称するこの私が場の雰囲気を変えるべくフハフハァーンと暗躍するべきではあるのだろう。いや、ギャグ妖怪って何だとか何とか思うかも知れないが、それでもまあ、何と言うか大体そんな感じではある筈なのだ。

 しかしである。至極残念な事に、実のところ私は全くと言って良い程に動けていない。こうして余計な事を考えている内にも事態はどんどん悪化していっているというのに、そしてその事実を理解していながらも尚、私は何の行動にも移せていない。

 

 うましかしである。

 

 と言うか、本当にどうしてこうなったのだろうか。まるで意味が分からない。

 私は確か、自分がスッパではないという事実を婉曲的に立証しようとしていただけなのだが。

 

 そうか、立証。

 言われてみれば、証拠を提示するというのにほのめかすような言い方を用いては確かに駄目かも知れない。いや、駄目に決まっている。

 

 という事は、だ。

 今この場がこういう状況に陥っているのは、私のせい――?

 

 …………。

 

 成る程。どうやら間違っているのは私の方だったようだ。コレは早々に反省会を開かねば。

 第三分の二回時流妖怪のドロドロ反省会ver.Ⅷ……。

 

 ふむ。

 アマゾネスでないという事はナンセンスではないという事で、ナンセンスでないという事は常識的な感性を持っているという事。常識的な感性を持っているという事は当然服装にも気を遣う訳で、そうすると間違ってもスッパ等という恥ずかしいスタイルは取らない筈。

 つまり、自分がアマゾネスではないという事を無事に証明出来れば、そう、晴れて私は自由の身……と。要するにそういう寸法だった訳である。

 

 おお。

 

 そして、私がアマゾネスでないという事を証明するのは実に簡単だ。何故なら――

 

「――ん?」

 

 何故なら、何故なら。

 何故、なら……。

 

 …………。

 

 あ。

 

 やっべ。妹紅の事全然考えてなかった。

 駄目だわ、真理だわ。この世の真理だわ。

 どの道こうなるわコレ。どの道変わんないわコレ。どの道何も変わんないわコレ。完全に予定調和だわコレ。

 

 オーマイガッ。

 そう言えば、妹紅におっぱいの話を振るのはタブーだったじゃないか。




 一〇〇〇〇字を越えそうだったので切りました。



 次回更新予定日 2013/5/14

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