魔法少女リリカルなのは―流水の魔導師―   作:竜華零

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第8話:「アースラ」

 ――――それは、いつかの会話だ。

 いつ話したのかも覚えていないが、それでも何を話したのかは覚えている。

 そんな、会話だった。

 

 

『なぁクロノ、お前、親父のことってどれだけ覚えてる?』

 

『……どうかな、ほとんど覚えていないな』

 

『まぁ、3つか4つのことだもんなー……』

 

『イオスは、覚えてるのか?』

 

『わかんね、記憶の彼方にちょっと浮かぶくらいかな。だからさ、俺、母親みたいに哀しかったりとかはあんまり、無いんだよ』

 

『そうだな……僕も、母さん程に傷ついたかと言えば、違うと思う』

 

『だよなー……だからさ、復讐とかそう言うのは無いんだろうなって、思ってたわけだよ』

 

『まぁ、そうだな。だけどその代わり、執務官になろうとしているわけだ』

 

『同じことを起こさないために……か。実際、俺らなんて数いるロストロギア事件の被害者遺族の1人でしか無いわけじゃん?』

 

『そういう言い方は、あまり好きじゃないな』

 

『悪い。でも俺が言いたいのはさ、親父の復讐をしようなんて考えたことも無いんだ。だけど母親に会いに行くたびにさ、思うんだ。何で……ってさ』

 

『……そう、だな。僕も母さんを見ていて、思うことがある。どうして、と』

 

『親父を殺されたことは、まだ良いんだ。だけど……』

 

『その結果、母さん達や僕らが被った苦労ぐらいは』

 

『そ、取り返してやりたいって思う。だからさ、クロノ。俺、決めたわ』

 

 

 ――――いつしたかは忘れた、だけど確かな「約束」だ。

 知っているのは、この世でたった2人だけ。

 

 

『――――俺は、親父の仇をとることにしたわ』

 

 

 その言葉が世界に降り立ったのは、ほんの数年前のことだ。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

 学校が終わるのとほぼ同時に、なのはは念話でユーノに呼び出された。

 それはもう本当に終わりの「礼」をした直後のことで、まさに終了と同時に呼び出された。

 不思議な顔をする親友2人を「にゃはは」と笑って誤魔化しつつ、ダッシュで教室から出る。

 廊下で「走らないように」との教師の注意もそこそこに聞いて、なのはは待ち合わせ場所に走った。

 

 

 ……しばらく走って、海辺の公園まで辿り着いた頃には息を切らせていた。

 距離的には小学3年生の少女が走る距離では無いが、ユーノに呼び出されるのは最初の日以来だと思った。

 だから、言ってしまえば怖くなって走ったのだが……。

 

 

「あ、なのは……もしかして、走って来たの!?」

 

 

 しかしその不安も、公園の入り口で待っていたユーノを見つけた途端に氷解した。

 公園にフェレットがぽつねんと二本足で立っていれば誰か見咎めてもいいはずだが、公園には不自然なほどに人気が無かった。

 魔導師になったなのはにはわかる、公園についた途端に肌の上を「ゾワリ」と滑るこの感覚は結界魔法だと。

 

 

「ユーノ君! どうしてこんな所にいるの? なのは、いきなり呼ばれたから何かあったのかと……」

「あ、ご、ごめん! 説明が足りなくて……」

「フェイトちゃん達に会ったの? それとも『ジュエルシード』?」

「あ、『ジュエルシード』は見つけたけ「ほんとう!?」お、落ち着いて、そっちはイオスさん達で封印したから!」

 

 

 慌てるなのはにオタオタするユーノ、公園の入り口で少女とフェレットが戯れている様にも見えるから不思議だ。

 ともかく、封印したと言う言葉になのははほっと息を吐いた。

 しかし直後、ユーノの言動に疑問を感じた。

 

 

「イオスさん……達?」

 

 

 ユーノとイオスで封印したのならば、わざわざ「達」とは言わないはずだ。

 9歳らしからぬ洞察力は、幼い頃から家族に迷惑をかけないように顔色を窺って生活してきた故のスキルか……。

 ――その時、不意に公園の中から魔力の高まりを感じた。

 

 

「な、何?」

「あ、大丈夫だよなのは。イオスさん達が戻って来たんだ」

「戻る?」

 

 

 いまいち状況を掴めないなのはは、ユーノを肩に乗せて公園の中へと入った。

 感じた魔力はなのはが感じたことの無い類の物で、幼い眼には公園全体に広がる不思議な魔法の構成が映っていた。

 

 

 疲れてはいたが、それでもなのはは走った。

 それ程の時間は必要無かった、すぐに魔法の構成の中心点へと到着する。

 そこには……。

 

 

「うぉいっ、クロノ! 行って帰ってくるだけで何でこんな時間かかるんだよ!?」

「仕方ないだろう、まだ座標が固定されていないんだから! 文句なら艦長とエイミィに言ってくれ」

「……じゃあ、しょうが無いな」

「キミのその人によって態度を変える所は改めた方が良いと常々思っていたよ!」

「俺は権力者に媚を売るタイプだ」

「最低だなキミは!? それで良く執務官を目指せるな!?」

 

 

 そこには、黒髪の男の子とじゃれている(少なくとも、なのはにはそう見える)イオスがいた。

 男の子同士の友情などには疎いなのはには、喧嘩をしているようにしか見えないが……イオスと男の子がどこか嬉しそうにしているようにも見えた。

 2人は呆然と立ち尽くすなのはの姿に気付くと、急に居住まいを正した。

 はっきり言って、手遅れである。

 

 

『イオス、この子が?』

『ああ、さっき話した現地協力者だよ。9歳だそうだ、ユーノもだけど』

『こんな子が……まぁ、前例が無いわけじゃないしな』

 

 

 念話でそんな会話をしながら、クロノはなのはの前に立った。

 なのはが少し怖がる様子を見せたので、咳払いなどしつつ間を持たせる。

 

 

「あー……時空管理局次元航行艦『アースラ』所属、執務官のクロノ・ハラオウンだ。まずは、これまでの協力に感謝する」

「管理局……?」

 

 

 管理局という言葉に、なのはは反応する。

 いくつもある次元世界を守る警察のような存在、イオスが所属している組織でユーノが頼りにしていた組織だ。

 その名前に、なのはは少しだけ警戒心が和らぐのを感じた。

 それは、迷子の子供が駐在さんに出会って安心する心理に似ている。

 

 

「簡単な報告はイオスから聞いたが、キミからも事情を聞きたい。そっちの子がキミと一緒の方が良いと言っていたので待っていたんだ」

 

 

 え、となのはは肩に乗っているユーノを見た。

 目をまんまるくするなのはに、ユーノは照れくさそうに頭を掻くのだった。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

「うわぁ……」

 

 

 クロノの展開した青白い魔法陣に身を任せたなのはは、不思議な感覚の後に見たことも無い場所に移動させられていた。

 転移魔法というらしいが、実感するのは初めてだった。

 そして初めて本格的な魔法文明の世界に足を踏み入れた少女の前には、神秘的な光景が広がっていた。

 言ってしまえば、昔見たSF映画に登場した宇宙戦艦に似ているかもしれない。

 

 

 魔力のためか、それとも次元航行空間に存在しているためか……温泉の湯煙のような薄い膜のような感覚を感じる。

 足元で薄く輝くのは転移ポートの魔法陣、暗い色合いの壁には光輝く白い柱がいくつも見える。

 地球とは違う強く濃い魔力素は、初体験のなのはは酔ってしまいそうになる程だった。

 

 

「ようこそ、次元航行艦『アースラ』へ」

 

 

 そんななのはに、イオスが気取って礼をする。

 どこかおどけたイオスにくすりと笑って、なのはは少し余裕を取り戻す。

 むしろ肩に乗ったユーノの方が緊張しているようで、しきりに周囲を見回している。

 

 

「ああ、元の姿に戻ったらどうだい。その姿のままだと窮屈だろう?」

「あ、そうですね」

 

 

 気を遣ったのだろう、クロノがなのはを追い越して案内しようとした際にユーノにそう言った。

 それに対してユーノは快諾し、なのはは首を傾げ、イオスは愕然としていた。

 

 

(ついに、この時が来たか……!)

 

 

 そう思った、ついにユーノの正体がなのはに知られるのだ。

 ……正体と言うか、そもそも彼はフェレットでは無いのだが。

 とにかく、ついになのはの前で人間の姿に戻るわけである。

 この後の展開を予想して、イオスは戦々恐々としていた。

 

 

 普段のユーノ(フェレット形態)の生活をイオスは全て知っているわけではないが、少なくとも同じ部屋に住んでいたり服の胸元に入り込んでいたりしていたのは知っている。

 なお、動物への変身魔法で(特に正体を明かしていない場合)異性の部屋に入り込むことは立派な犯罪行為である。

 イオスが内心でハラハラしていると、ユーノはあっさりと変身魔法を解除した。

 

 

「ん……っと、なのはにこの姿を見せるのは久しぶりだよね」

「ふぇ!? は、初めてだけど……!?」

 

 

 魔法陣の輝きの中から出て来たのは、金髪に碧の瞳の民族衣装を纏った少年だった。

 イオスにとっては久しぶりの姿だが、実はなのはにとっては初めてである。

 ここに、ユーノとなのはの間には認識の齟齬があった。

 

 

 実はユーノは、最初に倒れていた時に自分の正体を知られていると思ったのだ。

 しかしなのはが見つけた時にはすでにフェレット形態であったため、ユーノの認識とは違いなのははユーノが本物の喋るフェレットだと思っていたのである。

 イオスにとって幸運だったのは、なのはが悲鳴を上げる程に驚愕してもユーノを告発しようとは思わなかったことだった。

 お互いに9歳、まだそう言う男女の問題になるようなレベルでは無かったのだろう。

 

 

「……ふぅ、危機は去ったな」

「良く分からないが、話が済んだならついて来て貰えるだろうか。艦長が待っている」

 

 

 その後、なのはとユーノの関係性について首を傾げるクロノに案内されて、2人は妙に安心した表情を浮かべているイオスと共に『アースラ』の中を歩いた。

 通路もまた、なのはにとっては馴染みの無い様式だったが……何よりも、すれ違うスタッフ達の好奇の視線に居心地が悪くなった。

 

 

「おいコラ、見世物じゃないんだ。散りやがれ!」

「うおっ、何だお前生きてたのかよ」

「うっかり殉職したかと……痛っ!? 冗談だって冗談!」

「うっせ、散れノンキャリア共!」

「「キャリア組の横暴に断固抗議する!」」

「だーっ!」

 

 

 やいのやいのとスタッフと揉めるイオスの姿は、地球で見ていたよりも活き活きとしていて。

 どこか超然としていた「魔導師」としてのイオスしか知らないなのはとユーノは、新鮮な驚きを感じていた。

 ……クロノは、こっそりと溜息を吐いていたが。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

 あり得ない―――――なのはは、衝撃をもってそう感じていた。

 なのはは今、『アースラ』においてこの世の物とは思えない現実に直面していた。

 信じられない、信じたくない、こんなことがあって良いのか。

 この世の理不尽を前にして、9歳の少女はこれ以上ない程の無力感を味わっていた。

 

 

 あれから少しして、クロノに艦内の一室へと案内された。

 イオスもユーノも一緒ではあるが、なのはの感じた衝撃を2人は共有できないだろう。

 それは、純粋な「日本人」がその場にはなのは1人のみだったことに原因がある。

 

 

「お待ちしておりました、皆さん」

 

 

 そこには、緑色のポニー風に整えた妙齢の美女がいた。

 年齢はわからないが、柔和な微笑みと柔らかな物腰の……なのはは不意に、自分の母にどこか似ていると感じた。

 ただ女性が座っているのは畳の上で、側に抹茶と羊羹を完備した状態で一同を待っていた。

 畳に毛氈、そして鹿威し……聞けばなのはの世界の文化に合わせたと言うことだが、酷く勘違いされているとなのはは感じた。

 

 

 ただ、ここまでは何とかなのはも許容できた。

 

 

 ここまでであれば外国人が日本文化を誤解している程度の感覚で、まだ理解ができた。

 しかし、である。

 それ以上の衝撃が、その後に待っていた。

 リンディの前にクロノ、イオス、ユーノと共に並んで座ると、緑茶を頂いた。

 緑茶、そう、日本人なら誰もが一度は飲んだことがあるだろうポピュラーなお茶である。

 

 

「え……」

 

 

 ぽちゃんっ、とぽぽぽぽ……角砂糖が放り込まれ、ミルクが注ぎ込まれる。

 角砂糖と、ミルク。

 紅茶に砂糖や抹茶にミルクならわかる、しかし緑茶に両方を入れると言うのは前代未聞である。

 しかも、量が尋常では無い。

 なのはは子供とは言え日本人として、見過ごすことのできない何かを目にした気がした。

 

 

「遠慮しないでね」

 

 

 緑色の髪の女性が優しそうな笑顔でそう告げるが、なのはは口元を引き攣らせて笑みを作るのに必死だった。

 この人は日本文化を知らないんだ、それでも自分に寛いでもらうために努力してくれているんだ――そう思い込んで、なのはは耐えた。

 

 

「イオスさんも本当にお疲れ様、無事で本当に良かったわ」

「いや、俺の方こそ心配かけてすみません」

 

 

 なのはよりもさらに輪をかけて優しげな笑みを浮かべて、緑の髪の女性がイオスの前にも角砂糖・ミルク投入済みの緑茶を置く。

 イオスはどこか照れたような笑みを浮かべながら、迷うことなく差し出された湯飲みを手にした。

 なのはは自分の知るイオスの別の一面を見たことに新鮮な驚きを感じたが、しかしこの後の光景を認めることができなかった。

 

 

 イオスは躊躇無く角砂糖・ミルク入りの緑茶を喉に流し込んだのだ。

 

 

 それもグビグビと……まるでスポーツマンがミネラルウォーターをがぶ飲みするかのような勢いで。

 なのはが見た所、絶対に美味しいとは思えない――糖分過多にも程がある――それを、目を閉じて美味しそうに。

 ふと周りを見れば、あのクロノと言う少年が信じられない物を見るかのような目でイオスを見つめているのに気付いた。

 ああ、仲間がいる――なのはは、この時クロノに対して親近感を抱いたのであった。

 

 

「くっはぁ――――っ、美味ぇっ。ああ、この一杯のために生きてんだよなぁ、俺!」

「……正気か?」

「ん? だって美味いじゃん、リンディさんのお茶」

「うふふ、おかわりはいかが?」

 

 

 一杯を飲み干して感極まったような声を出すイオスに、正気を疑うクロノ。

 そして嬉しそうにイオスのために二杯目を淹れるリンディ、その3者の自然で和やかな様子に、なのはは緊張が解れていくのを感じた。

 狙ってやっているのだとすれば、大した物である。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

「改めまして、私は時空管理局、次元空間航行艦『アースラ』の艦長、リンディ・ハラオウンです」

「ハラオウン……?」

「ああ、クロノは私の子供なのよ。仲良くしてあげてね」

 

 

 なのはの不思議そうな視線にそう答えた後、リンディは表情から柔らかな微笑みを消した。

 場の雰囲気が変わったことを肌で感じて、なのはもユーノも居住まいを正した。

 その後の話は、まずはイオスの報告と、それに対するなのはとユーノによる確認のような形で行われた。

 

 

 散逸したロストロギア『ジュエルシード』と、ユーノが単独で集めようとした経緯から現状まで。

 民間協力者としての「現地魔導師」なのはの貢献と、イオスによる独断での契約。

 そして、「フェイト」と「アルフ」という敵性魔導師の存在。

 実の所すでにイオスは一度戻って簡単な報告を済ませた後だが、なのはとユーノのための行為だった。

 

 

「以上です」

「そう、ありがとう。なのはさん……と呼んでもいいかしら?」

「は、はい!」

「おそらく、なのはさんが見た敵性魔導師の『ジュエルシード』発動の際の衝撃は、次元震と呼ばれる物ね」

 

 

 次元震、次元干渉型のロストロギアが稀に引き起こす次元空間での地震のような現象だ。

『アースラ』が位置を特定できた原因でもあるが、並行世界を壊滅させる次元断層と言う次元災害に発展する可能性もあった。

 もし全力で発動すればどうなるかわからない、話を聞いたユーノが憂鬱そうな顔で呟く。

 

 

「聞いた事があります。旧暦462年の次元断層災害……」

「流石は遺跡を発掘しただけのことはある、博識だな。そう、あれだけの災害が起こる可能性もあった」

「隣接する並行世界がいくつも崩壊した、歴史に残る悲劇。繰り返してはいけない……だからしかるべき手続きをして、しかるべき場所に保管するべきなの」

 

 

 そう言いながら角砂糖入りの緑茶を飲むリンディ、なのはは相変わらず目を丸くして見つめている。

 お茶についてはともかく、リンディの言葉はなのはにとって深い意味を持っていた。

 街を『ジュエルシード』の暴走体に破壊された、あの光景が脳裏に甦る限り。

 

 

「それで艦長、これからどうします?」

「そうね……本来ならなのはさん達、特になのはさんには手を引いて欲しかったのだけれど」

「え……ど、どうしてですか?」

「なのは、なのはは管理外世界の人間なんだよ……」

 

 

 巻き込んだ本人が言うべきことじゃない、そう自覚しているユーノは驚くなのはにどこか辛そうに告げる。

 そう、なのはは管理外世界の人間であり、この中で唯一と言っても良い完全部外者である。

 事は次元干渉に関わる事件である、管理外世界の民間人に出来ることは何も無い……はず、だった。

 

「独断での口頭契約とは言え、民間協力者として協力して頂いたのは事実です。『アースラ』を代表して、お礼を言わせて頂きます。ありがとうございました」

「い、いえっ、そんな……!」

 

 

 その場で深々と頭を下げるリンディに、なのはが慌てる。

 なのはとしては当たり前のことをしたかっただけで、お礼を言われることだとは思っていない。

 

 

「今後は『ジュエルシード』回収について時空管理局が全権を持つことになります。もし今後も協力を続けて頂けるのであれば、その場合は正式に身柄を一時管理局が預かることになりますが……民間協力者、続けるかしら?」

「……はい!」

「ユーノさんの意思も、固いままかしら?」

「はいっ」

 

 

 力強く頷く少年少女を前に、表情に微笑みを戻すリンディ。

 それから、ふと思いついたように心配そうな顔になって。

 

 

「ユーノさんは大丈夫だとしても……イオスさんの報告では、なのはさんは学校に通っているのよね?」

「あ、はい、小学3年生です」

「そう……その、言いにくいのだけど。今後は常に『アースラ』に待機してもらうことになるのだけど……」

「え……」

 

 

『アースラ』への外泊と学校の一時的な休学……いずれにしても、家族の承諾が必要なことだった。

 スクライア一族のユーノはともかく、なのはが超える必要があるハードルはけして低くは無かった。

 要するに、これからは他を捨てて『ジュエルシード』回収に専念できるようにしてほしいと言うことだからだ。

 

 

(えげつねー……)

 

 

 リンディとなのはの会話をリンディ作のお茶を飲みながら聞いていたイオスは、内心で表情を引き攣らせていた。

 イオスはなのはについてもきちんとリンディに報告している、それは敵性魔導師「フェイト」への情も含めて全てと言うことだ。

 なのはの性格上、途中で放り出すこともフェイトのことも諦められるわけが無い。

 

 

 そしてイオスは『アースラ』の事情を知っている、『テミス』の記録で「フェイト」と「アルフ」を知っているのだ。

 この艦の最大戦力はクロノとイオス、なるほど「フェイト」らには対抗できだろう。

 しかしイオスはこの2人の後ろに誰かがいる可能性を報告した、つまり2人では戦力が足りない可能性に行きつく。

 

 

(昔っから強かな人だと思ってたけど、流石に女だてらに管理局の中を生き抜いてきたわけじゃないって……)

「う、うーん……ユーノ君、どうしよう……」

「え、いや、僕に聞かれても……い、イオスさんっ」

「そこでどうして俺に相談する」

 

 

 ユーノにやたら懐かれているが、イオスはあくまでも管理局側の人間である。

 そうなると、上官たるリンディの意図に反することは言えないわけである。

 それでも純真ななのはとユーノの眼差しを前にすると、イオスは何か言わねばならない気分になってしまって。

 

 

「……自分の思ってることをそのまま言えば良いさ。反対されたらそれも一興くらいに考えればいいよ」

「不真面目な奴め」

「うっせ、まぁ、話せる範囲で話してみたら良いんじゃない? やってみたら意外と上手くいくもんだから」

 

 

 横から茶々を入れて来たクロノを適当にあしらいつつ、イオスはそうアドバイスをする。

 それは酷く一般論に近い物だったが、それでも元気づけられたのか……なのはとユーノは元気よくお礼を言ってきた。

 イオスはまた一つ、自分が汚れているんだなぁと自覚することになった。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

「それじゃあ、結果は明日にでも連絡してくれ」

「はい、お世話になりました!」

 

 

 その後しばらく歓談した後、帰りが遅くなると家族が心配するのでなのはを帰すことになった。

 もちろん、ユーノも一緒である。

 仲良く転移ポートに乗った2人が、笑顔で転移魔法の光の向こうに消えて行った後……。

 ――本格的な「報告」と「話し合い」が、『アースラ』で行われることになる。

 

 

「いやー、あの子達凄いよ。ユーノ君はたぶん総合でAは取れるだろうし、なのはちゃんなんて平均魔力発揮値127万、最大発揮値はその3倍は軽くあると思うよ。あっちの「フェイト」って子も143万でやっぱり最大3倍以上、「アルフ」さんもAランクは確実かな」

「女の子2人はAAAランク確定か……」

「あれー? クロノ君、悔しい?」

「そんなわけあるか、所詮は素人だろう」

 

 

 癖っ毛な女性士官……エイミィの言葉に、クロノが反論する。

 彼らが話している「ランク」と言うのは、魔導師の格を決める能力の位階のことである。

 SSSからFまであり、他にも+や-などで分類される。

 

 

 ランク自体は達成可能な任務の難易度の目安でしか無いが、出世などに影響するのも確かだ。

 それにエイミィが『テミス』の記録から読み取ったのはあくまで魔力値、戦闘技術や運用技術まで含めた総合ランクはまた別なのだ。

 実際のランク認定には戦闘を含む試験があるし、何よりも知識を図るペーパーテストが必要になる。

 

 

「やぁ、それにしてもイオス君が無事で本当に良かったよ。はいコレ、デバイスありがと」

「んー? んー、もふぉむふえー!」

「あー……イオス君、だから女の子にモテ無いんだよ?」

「ぶぇへっ!? げほっ、げほっ……関係ないだろ、ここでは!?」

 

 

 ちなみに今、クロノとエイミィが話していたのは……艦の食堂である。

 時間が時間なため今は誰もいないが、いくつもの白い長テーブルと椅子が並んだ大部屋だ。

 その中の一角を占拠しての報告会だが、本来なら艦長の執務室など本格的な場所で行うべきだ。

 

 

「良いわよ、イオスさんは本当に頑張ったんだから。はい、ご褒美のお茶よ。いつもより砂糖を多目にしておいたわ」

「うおぉ……ありがとうございます、リンディさん!」

「うふふ、良いのよ。貴方は私のもう1人の息子なんだから」

 

 

 何故、食堂に集合しているのか。

 それは単純に、非常食や海の魚で急場を凌いできたイオスが限界を迎えただけである。

 なのは達を見送った直後に倒れたイオスが、心配する周囲に「め、飯……」と訴えたのだ。

 

 

「あぁ~~っ、美味い!」

「うわぁ……あんな甘ったるいお茶、良く飲めるね」

「諦めろエイミィ、イオスは舌が壊れているんだ」

 

 

 なかなかに酷いことを言いながら、クロノは目の前に積まれていくトレイを呆れたような目で見つめていた。

 空のトレイの山を積み上げているのはもちろん、職員用のセットメニュー(美味いと不味いの間の味)をひたすら平らげているイオスだ。

 イオスにしてみれば海鳴市で満たせなかった空腹をようやく満たせたのである、我慢のしようが無かった。

 

 

 午前中に1度戻って来たイオスから調査のためにデバイスを預かったエイミィ、イオスの無事に喜んでハグしに行ったまでは良かった。

 しかし水浴びや湯浴みを欠かさなかったとはいえ、3週間近く入浴していなかったイオス。

 エイミィ再会の一言は、「イオス君、臭うよ」だった。

 そのため、食堂より先に艦のシャワールームに飛び込むハメになったイオスだった。

 

 

「あれー? クロノ君、ひょっとして艦長(ママ)とられて拗ねてる?」

「違う」

「あら、そうなの? 言ってくれればいくらでもお茶くらい淹れてあげるのに……」

「それだけはやめてください!」

 

 

 お茶を淹れようとするリンディを必死で止めるクロノの姿に、その場に小さいながらも笑いの渦が起こる。

 それをスプーンを咥えたまま見つめたまま、イオスは帰って来たと実感するのだった。

 自分がいるべき、その場所に。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

 イオスが食事に一息つけると、そこでリンディが口を開いた。

 

 

「……それで、イオスさん。第97管理外世界の『ジュエルシード』関連の隠蔽工作についてなのだけれど」

「ああ、はい艦長。完璧とは言えないと思いますが、可能な限り対応はしたつもりです」

「そう……正式にはまた本局から本格的なチームが派遣されるはず、だからその件はそちらに任せるとして」

 

 

 今回、イオスは管理外世界で中小規模の隠蔽工作を行った。

 管理外世界に他の世界の技術(魔法やロストロギア)を漏らせない、故に記憶・記録の改竄を行うことがある。

 気分が悪い作業だし、出来ればやりたくは無いが、必要なことだった。

 

 

「確認なのだけれど、現在『ジュエルシード』は貴方が3つ、なのはさんが5つ、そして敵性魔導師側が4つ……で、良いのかしら?」

「はい、間違いない……かは、ちょっと。特に敵性魔導師側がいくつ持ってるかは、でも確実に4つは所持しているはずです」

「そう……となると、残りは最大で9個、か……」

 

 

 ふむ、と考え込むリンディに、自然、その場が静かになる。

 敵性魔導師にバックがいる、と言うイオスの見解にはリンディも賛成だった。

 もちろんあの敵性魔導師の少女が全て1人でやっていると言う可能性もあるが、なのはが情を寄せていると言う少女。

 

 

 それに、そもそもスクライア艦を撃ち抜いたあの雷撃も無関係とは思えない。

 エイミィの調査では別次元からの物だと言う、次元航路内の気流事故とも思えない。

 しかし、未だ原因は判然としていない……。

 

 

「……とにかく、今はロストロギアの回収を優先しましょう。本局、スクライア側との交渉は済んでるから、この事件の全権は全て『アースラ』が持つことになりました」

 

 

 ス……と背筋を正して、リンディは順番にクロノ、エイミィ、イオスを見つめる。

 居住まいを正す3人に対して、鋭く凛々しくすらある表情で告げる。

 それは、命令だ。

 

 

「後ほど改めて会議を行いますが、クロノを実働戦力、民間協力者2名を補助戦力としてロストロギア『ジュエルシード』回収を行います。また敵性魔導師の狙いがロストロギアならば、どこかで必ず衝突するでしょう。その際に敵性魔導師を捕縛、事情聴取の後に事件の全容を明らかにします。皆、頑張って頂戴」

「「了解!」」

「そして、イオス・ティティア執務官補佐」

「はい」

 

 

 直接名前を呼ばれて、食事を終えたイオスが背筋を伸ばす。

 リンディはもう1人の息子を見つめると、柔らかく微笑みながら首を傾げた。

 直前と異なる可愛らしい雰囲気に、イオスが心の中で怪しんでいると。

 

 

 

「貴方は、営倉入りです♪」

 

 

 

リンディは可愛らしくすらある口調で、そう告げた。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

 イオスが営倉入りを義母同然の女性から告げられていた頃、なのはは困っていた。

 それはもちろん、管理局への協力の継続についてである。

 なのは自身に迷いはない、『ジュエルシード』を集めることとフェイトに会うこと、それが今の彼女自身の望みなのだから。

 ただ……。

 

 

「えっと、同い年くらい……だよね」

「た……たぶん」

 

 

 夕焼けが空の彼方へ消えて暗くなり始めた時分、なのはは公園から家へと走って帰っていた。

 ユーノは変わらずフェレットの姿をして、もはや定位置となったなのはの肩に乗っている。

 ただ、その様子はどこかよそよそしい。

 そんなユーノに、なのはは苦笑する。

 

 

 なのはは気にしなくても良いと言ったのだが、ユーノは気にしているようだ。

 一方でユーノは納得していた、なのはが男の子のユーノの前で平然と着替えたりお風呂に連れて行っていた理由が。

 要するに、人間だと思われていなかったのだ。

 

 

「それよりどうしよう、ユーノ君。お母さん達、しばらくお家を出たいって言って許してくれるかなぁ?」

「え、う、うーん、そうだね……」

 

 

 なのはの言葉に、ユーノは考え込んだ。

 なのはへの罪悪感は消えないが、いや罪悪感があるからこそ、なのはの役に立ちたいと思った。

 しかしユーノには家族がいない、部族の仕事も自主的に手伝っていたので許可も何も無かった。

 経験や思考うんぬん以前に、「親を説得しなければならない」という状況を考えてみたことも無い

 

 

 しかもなのはの場合、魔法やロストロギアについては隠して説明しなければならないのである。

 手足を縛られて家族を説得するような物で、どう考えても無理だとしか思えなかった。

 あらゆる意味で、ユーノには力になれそうになかった。

 

 

「う、うーん……ごめん、僕にもどうしたらいいか……」

「う、ううん。考えてくれてありがとユーノ君、これはなのはの問題なんだから、ちゃんと自分でやらなくちゃだよね」

「……う、うん……」

 

 

 なのははユーノに気遣いと感謝の心を示したつもりなのだが、それがまたユーノの罪悪感を増す結果を生んだ。

 なのはを巻き込んだのは自分なのに、いざとなると何の助けにもなれない。

 それがユーノにとっては悔しくて、何らかの形でなのはの助けになりたいと思う力になるのだった。

 

 

「……考えても、良い考えは浮かばないよね……」

 

 

 まるで自分に言い聞かせるように、なのはが呟く。

 結局は、イオスに言われた通りにするしかないのかもしれない。

 まずは話す……反対されるのを覚悟して。

 それくらいで初めて、どうにかすることができるのかもしれない。

 まずは、「おはなし」しないといけない。

 

 

「……よーしっ!」

 

 

 ぐっ、と拳を握り締めて、ユーノを肩に乗せてなのはは走る。

 太陽が沈んで夜になっても、その心と気持ちは明るいまま。

 純粋な想いを、小さな胸に抱いて。

 

 

 駆けて行くその先には、なのはの家が見える。

 玄関先の明かりはすでについていて、その下に難しい顔で立っている兄の姿を見つけた。

 兄……恭也は、なのはの帰りが遅いので心配していたのであろう。

 

 

「……お兄ちゃん!」

 

 

 なのはが大きな声で呼ぶと、慌ててこちらを見た。

 なのはの姿を見て安堵したように頬を緩めるが、すぐに怒ったようなしかめっ面になる。

 それが何だかおかしく思えて、なのはは笑う。

 

 

 そして足を早めて、兄の下へ急ぐ。

 それからそのままの勢いで、言うのだ。

 お兄ちゃん、聞いて、今日は大切なお話があるの――――。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

 ――――なのはとユーノが無事家族を説得し『アースラ』に乗艦して、7日後。

 局員服姿のエイミィは、片手に食事を乗せたトレイを持ちながら艦の通路を歩いていた。

 もう片方の手でコンプレックスである癖っ毛な髪を撫でつけながら、目指すは艦の中でも下層に位置する場所だ。

 

 

「ほーい、イオス君。最期のご飯だよー」

「その言い方、俺が死刑になるみたいな風に聞こえて嫌なんだけど!?」

「あっははは、ごめんごめん、つい」

「ついでで死刑宣告とか、俺どんだけエイミィ怒らせてんだよ……」

 

 

 営倉、わかりやすく言えば牢屋である。

 犯罪者をブチ込むこともあるが、規則違反や犯罪を犯した局員を軟禁するための場所。

 そこに、イオスは1週間入れられていた。

 今日で8日目、一応、あと数時間で出られることになっている。

 

 

「つーか、まさかいきなり営倉入りとは思わなかったよ……」

「まぁ、艦長なりの気遣いだよきっと。1週間は休みなさいってことだったんでしょ」

「ふーん……」

 

 

 エイミィが持って来てくれた食事をモフモフと口に詰め込みながら、イオスは曖昧に返事をした。

 確かにイオスのいる営倉はベットと机だけがある簡素な物だが、望めば本でも映画でも手に入るしシャワーも浴びれる、そして何より衣食に困らない。

 

 

 しかし、休暇代わりのために営倉に入れる艦長などあり得ない。

 となればこれは、何らかの「責任を取る」必要があったからイオスを営倉に入れたと言うことだろう。

 思い当たる節は多々、ある。

 

 

「ま、良いさ。それでリンディさんが何かをできるなら」

 

 

 考える時間はたっぷりあったから、イオスは自分なりにリンディの考えを読んでいた。

 自惚れで無ければ、リンディは自分のことを息子のように愛してくれている。

 そんなイオスを営倉入りにすることに、あの人が悩まなかったはずが無い、苦しまなかったはずが無い。

 だから、それで良い。

 

 

 ユーノを素早く保護できなかった件か、管理外世界でロストロギア災害を引き起こしてしまったことか、現地人に魔法を知られてしまったことか。

 管理局上層部に対しての責任か、あるいはスクライア側に対しての責任か。

 何にせよ自分が責任を取ることで、リンディが自由に動けるのであれば。

 だからそれで良い、何故なら自分達は艦長(リンディ)の駒なのだから。

 

 

「そういや、高町さんとユーノはあれからどうなった?」

「頑張ってるよ、クロノ君と一緒にこの1週間で3個の『ジュエルシード』を封印したんだよ」

「頑張るなー……ごちそうさま」

「はい、お粗末さまー」

 

 

 イオスとエイミィの距離感は、近い。

 それはエイミィが士官学校の同期であると言うのもあるし、同じ執務官(クロノ)の補佐と言うのもあるだろう。

 ただ何よりエイミィが良くハラオウン家に入り浸る関係なので、半分以上家族のような存在だからだろうか。

 

 

「へー、家族の説得は上手くいったわけか」

「うん、何かお兄さんだけが反対してたみたいだけど」

「ふぅん……」

 

 

 エイミィの言葉にふんふんと頷きながら、イオスは外の情報を消化していく。

 わざわざエイミィが食事を持ってきたのは、営倉を出るにあたって外の情報を説明するためでもあった。

 通信と管制を行う彼女は、艦の情報をある程度全て把握している。

 

 

「3個の回収の時に、フェイト……つまり俺が報告した敵性魔導師は?」

「出てこなかったんだよねーそれが。だから捕縛も事情聴取も出来て無くて、艦長もクロノ君も困ってるみたい」

「んー……何か目的があって集めてるんだろうとは思うんだけど」

 

 

 あるいは4個も集めれば十分と言うことなのか、それとも何らかの事情で出て来れなくなったのか。

 または目的など無くコレクション感覚だったのか、そもそも集める必要が無くなったのか。

 とにかく、出てこないのではどうしようも無い。

 

 

 いずれにせよ、『アースラ』のメンバーは残り6個の『ジュエルシード』を集め……フェイトらに奪われた4つも奪還せねばならない。

 その後いくつかの話をして、エイミィは空のトレイを持って退出していった。

 イオスがお礼を言うと、エイミィは気にするなとヒラヒラと手を振ったのだった。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

 間違いない、この場所にある。

 そう確信して、少女は自身の杖を握り締めた。

 陸上にはもう見つからない、ならば海中だろうと読んでの行動は奏功した

 後は、死力を尽くすだけだ。

 

 

「行くよ……『バルディッシュ』」

<……Yes,sir>

 

 

 相棒たる杖の反応も、いつもより鈍い。

 だけどそれすらも無視して……魔力を込める。

 放たれるのは、巨大な魔力を込めた魔力流。

 

 

 やり遂げてみせる。

 たとえ、体力と魔力が尽きていても。

 たとえ、身体中が痛みで悲鳴を上げていても。

 ……たとえ、心が。

 

 

「残り全部、持って帰るんだ……そうすれば、そうすれば……きっと……!」

 

 

 心が、泣いていたとしても。

 

 

<……Sealing>

 

 

 少女……フェイトの目の前の海から、6つの巨大な水柱が立ち上った。

 




二次創作を作っていると、原作についていろいろと考えてしまうことが多くあります。
ほとんどは取りとめもないことですけど、中には自分で自分を唸らせることもあるわけで。
でもやっぱり、難しいですね。

次回からは、原作とは少しずつ変わっていく部分を出せるといいと考えています。
ようやく無印の後半戦なので、無印分の伏線を回収しつつ次に向けた諸々を仕込んでいきたいものです。

それでは、次回も頑張ります。

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