魔法少女リリカルなのは―流水の魔導師―   作:竜華零

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今回は、ユーノ君が書きたかったのです。
そのせいか、原作に近いですね。
でもやっぱり、イオスがいるので全く同じにはできなかったり。
では、どうぞ。


第6話:「決着<結果?」

「……温泉?」

「はい!」

 

 

 なのはがイオスの……と言うより時空管理局の民間協力者(仮)になって数日後、なのはが突然「温泉に行くんです」と言い出した。

 訓練中―――結界内で射撃魔法の精度向上の訓練等―――を行っていた時のことだ。

 なのははこの数日間、学校が終わり次第イオスが拠点にしているビル屋上にやってきて訓練をしている。

 

 

 ただなのはの才能が異常なので、イオスやユーノの教えることを常人の3倍の速度で修得していくのだが。

 かつてイオスが師から1年間かけて学んだ魔法技術を1日でマスターしてきた時には、イオスは人生のやるせなさに本気で思い悩んでしまった。

 ちなみにユーノは半年で修得したらしい、イオスは「天才」と言う生き物が本気で嫌いになりそうだった。

 

 

(俺だって、士官学校じゃ割と秀才とか言われてもてはやされたんだけど……)

 

 

 別にそれで天狗になったりはしないし自慢したことも無いが、ここまで才能の差を見せつけられるとヘコむのだった。

 まぁ、それは今のなのはの話には関係ないことだ。

 

 

「明日の連休から、私の家とお友達の家族の皆で温泉旅行に行くんです」

「あー、それで明日から数日来れないって話?」

「あ、はい、だめ……ですか?」

 

 

 なのはとしてはイオスも誘おうかとも思ったのだが、流石にそれは無理かなと諦めている。

 誘うとして、どう家族に紹介した物かわからないからだ。

 「私、この人に魔法を教わってるんです」、どう考えても父と兄がイオスを殴っている場面しか想像できなかった。

 

 

「ふーん……『ユーノも行くのか?』

『は、はい。と言うか、もうなのはの家の人達にペット認定されてて……』

『それで良いのかお前』

 

 

 相変わらずなのはの肩に乗っているユーノと密かな念話を行い、イオスは溜息を吐いた。

 どうやらユーノは、すでになのはに骨抜きにされているようだった。

 まぁ、同年代の女子とまともに付き合うのが初めてだったと言うのも関係しているのだろう。

 スクライアにいた頃はあまり他の子供との付き合いは無かったらしい、おそらく話が合わなかったのではないだろうか。

 

 

「まぁ、ここ数日は成果も無いし……2、3日くらいなら俺1人で何とかなるさ」

 

 

 そう言って、イオスはユーノとなのはを送り出したのだった。

 ……全能ならざる身では、この後に起こることを完全に見通すことはできなかった。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

 緑萌える木々、静かに流れる澄んだ青色の川と湖。

 山奥の大自然に囲まれた海鳴市内の温泉、その名も海鳴温泉。

 連休を期に宿泊に来る人々は多く、その中にはなのは達もいた。

 

 

「ファンタスティック! やっぱり日本の観光地は良いわね!」

「うん、そうだね」

 

 

 友人2人、すずかとアリサに囲まれる中で、なのははニコニコと笑っていた。

 イオスのことが気にかかるが、自分が心配するべきことでも無いような気がする。

 現状、なのはにとってイオスは「先輩魔導師」以上の域を出ない。

 

 

「さぁっ、さっそく温泉に行きましょ!」

「あ、アリサちゃん、待って~」

「わわっ、2人とも待ってよ~!」

 

 

 荷物を部屋に置いた途端にアリサは駆け出し、それを慌ててすずかが追いかける。

 この2人はなかなか運動神経に優れており、足も速い上に動きも俊敏だった。

 対して、なのはの動きはお世辞にも俊敏とは言い難い。

 どうやら、運動神経に関しては魔法程の才能を有してはいないようだった。

 何しろ、肩に乗ったフェレットが振り落とされない程度の動きなのだから。

 

 

 そんな小学生組の様子を微笑ましそうに見守っているのは、大人組だった。

 まぁ、大人とは言っても大学生なども含んでいるが。

 今回の家族旅行には複数の家が参加しており、なかなかの大所帯となっているのである。

 

 

「じゃあ、お母さん。私達も行こうよ」

「ええ、そうね……温泉なんて久しぶりだものね」

 

 

 まず、高町家の女性陣。

 なのはの母と姉、桃子と美由希である。

 美由希は高校2年生で、スラリとした身体と三つ編みにした黒髪、そして家族で唯一かけている眼鏡が特徴的な少女である。

 

 

 そして桃子は「翠屋」のパティシエール及び経理を担当しており、15歳の頃からヨーロッパを渡り歩いてその腕を磨いたと言う過去を持つ凄腕のパティシエである。

 彼女の作るシュークリームは特に有名で、喫茶「翠屋」を海鳴3大喫茶店の1角と言わしめている要因の1つとなっている。

 すでに30歳を過ぎているはずだが、柔和な雰囲気を湛えた容姿は若々しい。

 

 

「じゃあ父さん、俺達も……」

「あれ? 恭也は私と一緒に貸し切り露天に行くんじゃないの?」

「な、そ、そんなわけ無いだろ……!?」

「うふふ、もしかして照れてるの?」

 

 

 そして部屋の隅ですずかに似た紫がかった長い黒髪の女性に抱きつかれてたじろいでいるのが、高町家の長男である高町恭也である。

 なのはと美由希の兄であり、黒髪の精悍な顔立ちをした大学生の青年である。

 その腕に抱きついているのは、恋人の月村忍だ。

 とある事情から恭也と出会い、大学に入学する頃には正式に付き合いを始めた関係だった。

 

 

「士郎様、本日はお嬢様方をよろしくお願い致します」

「致しまーす」

「いやいや、こちらこそ娘達をよろしくお願いするよ」

 

 

 そして最後の3人は、お互いに今回の旅行についてお礼を言い合っている所だった。

 1人は高町家の家長にして「翠屋」店主、高町士郎……恭也に経験と渋みを持たせればこのように鳴るだろうと言う、精悍さと包み込む様な温もりを湛えた容姿の男性だ。

 

 

 それに頭を下げているのは、月村家付きのメイドである2人の女性。

 共に髪型こそ違う物の、姿勢良く挨拶をするその姿にはどこか似ている部分がある。

 ノエル・K・エーアリヒカイトと、ファリン・K・エーアリヒカイト。

 忍とすずかに付き従うメイドであり、将来的には恭也の世話もすることになるだろう女性達だった。

 なおノエルは20代半ば、ファリンは10代半ばの年齢で姉妹である。

 

 

 今回の旅行に参加するのは、これで全員である。

 人数順に高町家、月村家(ノエル・ファリン含む)、そしてアリサのみだがバニングス家。

 3家合同、10人を超える大所帯での家族旅行であった。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

 ユーノ・スクライアは、危機的状況に陥っていた。

 若干9歳で一族の仲間と共に危険に溢れる古代遺跡の発掘作業に従事し、そして散逸した『ジュエルシード』を当初は単身で回収しようとした彼。

 危険や危機には慣れていたし、それなりに経験もあるはずだった。

 

 

 しかし今、彼は遺跡やロストロギアとは別種の危機的状況に陥っていた。

 それはこれまでの人生で感じたことのない、別種の……これまでの経験がまるで役に立たない、そう、本当の意味での危機的状況だった。

 才能溢れる魔導師であるはずの彼が、籠の横でガタガタと震えることしか出来ない程に……。

 

 

『……? ユーノ君、どうしたの?』

『い、いぃぃいやぁ、な、ななな、何でも無い……よ?』

『そう?』

 

 

 ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい!

 性格もキャラすらも放置して、ユーノは籠の横でガタガタと震えながら目の前の壁(棚の中)の木目を数え続けていた。

 木目を数える、その意味のない行為に没頭することで彼はかろうじて冷静さを保っている。

 

 

『な、なのは? やっぱり僕は、士郎さんや恭也さんと一緒に男湯の方に……』

『え~、何で? 一緒に入ろうよ』

(だから、それが無理なんだよ!)

 

 

 そう叫べたら、どんなに楽だろうか。

 純粋な眼差しを返してくるなのはと念話で話しながら―――ここにはなのはとユーノ以外にも人がいる―――ユーノは絶望していた。

 敵戦力は強大だ、自分にはどうすることもできない。

 

 

(イオスさん! 僕はいったいどうすれば!?)

 

 

 心の中で年上の友人に助けを求めるも、その声が届くことはない。

 むしろ、ユーノの中のイオスは「お前……」と酷く冷めた目で自分を見ていた。

 その原因は、自分でも良く分かっている。

 

 

 女湯に男がいれば、嫌でも同性からはそう言う目で見られてしまうだろう。

 

 

 ……いや、異性からも見られるだろう。

 ただ致命的なことに、今の自分はフェレット形態である。

 少なくとも、男の子とは思ってもらえていないはずだ。

 

 

 しかし、9歳という年齢ならばユーノの気にしすぎと言うことで許されるかもしれない。

 加えてなのは……アリサやすずかも含めて彼女達は性差についての意識が低いように見える。

 だが、ここには……。

 

 

「あら、美由希……また身体が引き締まったんじゃない?」

「え、そうかな……って、むしろお母さんのスタイルの方が凄いんだけど……何してるの?」

「そうねぇ、夫婦生活が円満だからじゃないかしら♪」

「あ、それ私も興味あります。恭也との将来のためにも一つ」

 

 

 ここには、桃子や美由希や忍がいるのである。

 ユーノは自分が多少マセていることを自覚している、実に微妙なお年頃。

 そんな彼に女性としての魅力に溢れた、しかも大人の女性としての魅力に溢れすぎている女性陣と入浴を共にすると言うのは精神的に厳し過ぎた。

 

 

 しかも脱衣所で徐々に身に纏う衣服が減って行くのである、女性特有なのかどうなのかはユーノにはわからないが、お喋りなどしながら実にゆっくりと。

 ユーノは脱いだ衣服を入れておく籠の棚の中に立て籠もり、時間が過ぎるのを待つばかりだった。

 しかしそんな彼の無言の抵抗は、空しく終わることになる。

 彼の胴体を鷲掴みにした、金髪の少女の手によって。

 

 

「うっふふふふ……前々から、アンタのこと洗ってみたかったのよねぇ」

「キ……キュウ~~~~~ッッ!?(た、たすけて―――――!?)」

 

 

 薄桃色のタオルを身体に巻いたアリサは、片手に握り締めたユーノを持って温泉へと向かうのだった……。

 なのははすずかとお喋りしながらそれに続いていて、ユーノを助けてくれる気配は無い。

 くてん、ユーノはアリサの手の中で力無くダレるのであった。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

「……はっ!?」

 

 

 その時、イオスはバリアジャケット姿のまま空を仰いだ。

 透き通るような快晴、春にしては気温が高めのそんな日である。

 彼は今、拠点のビルから探知魔法を広範囲に広げて『ジュエルシード』を探している所だった。

 出来れば発動前に見つけたいが、これがなかなか難しいのである。

 

 

 そしてそんな最中、何となく誰かに助けを求められた気がした。

 ……が、気のせいだったようなので作業に戻った。

 胡坐をかいて座るイオスの下に水色の魔法陣が展開し、広範囲探知魔法が再稼働する。

 

 

「さて、そろそろ3週間だが……」

 

 

 イオスがこの第97管理外世界に(不本意ながら)足を踏み入れてすでに2週間以上、『アースラ』の人員と能力を考えればそろそろ『ジュエルシード』の落下予測地点を絞れているはずだとイオスは思う。

 この時点で未だに『アースラ』関係者が通信可能な位置にいないと言うことは、おそらく「来ない」のでは無く「来られない」のだろうとイオスは考えている。

 

 

 自分はともかく、『ジュエルシード』は最優先回収対象のはずだ。

 だから見つけ次第回収に動くはず、2週間と言うのはそのための時間。

 それ以降に来ないとなると単純に見つけられないか―――エイミィらに限ってそんなことはないとイオスは信じている―――そうでなければ、何か事情があると考えるのが自然だ。

 

 

「いざとなれば、ユーノに頑張ってもらうことになるかな……」

 

 

 今はともかく将来、確実に管理局とスクライアで今回の事故の責任を巡って揉めるはずだ。

 その際、あの今回の事故に対して責任を感じているユーノと言う存在は重要だ。

 スクライアの当事者が、「アレは自分のせいだ」と言っているのである。

 法的に考えて、今後の展開がどうなるかは簡単に読める。

 

 

「……ま、それも『ジュエルシード』回収の後の話か」

 

 

 イオスはそう言って、作業に集中する。

 空腹に悩まされながらも、魔法を行使してロストロギアを探す。

 ユーノ……ユーノとなのはは今頃、何をしているだろうかと思いながら。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

 なのはが「それ」に気付いたのは……気付いてしまったのは、夜になってからだった。

 子供部屋でアリサやすずかと共に寝静まり、しばらくしてからのこと。

 旅館の近くで強い魔力が発動し、魔法に目覚めたなのはの鋭敏な感覚がそれを捉えたのである。

 

 

 そしてその魔力の発生源に、もう一つ……大きな魔力を感じる。

 この魔力反応を、なのはは感じたことがある。

 それも、ほんの数日前に。

 

 

『……ユーノ君!』

『うん、わかってる! ……けど……ッ!』

『ああっ、ユーノ君!?』

 

 

 アリサに胴体を握られたまま悶絶しているユーノを(アリサを起こさないように)救出し、ぐったりとしたユーノをそっと肩に乗せるなのは。

 それからアリサ達を起こさないように部屋を抜け出して、浴衣姿で外に飛び出す。

 

 

 すると外はすっかり暗くなっており、明るい月が夜空で輝いていた。

 不思議といつもより大きく、明るく見える。

 そして冷たい夜の空気の中に漂うのは、酷く濃い魔力の流れ―――――。

 その魔力の流れを辿るように進めば、どんどんとなのはが感じる魔力が大きく、はっきりしてくるようになった。

 

 

「……なのは、あの林の中だ!」

「うん!」

 

 

 肩の上から身を乗り出すユーノの声に答えて、なのはは浴衣の中からネックレスになっている『レイジングハート』を取り出した。

 桜色の輝きが『レイジングハート』から漏れ出して、なのはの身体を覆っていく。

 魔力の奔流が、まるでリボンのようになのはを包む。

 

 

「『レイジングハート』、お願いっ!」

<Stand by ready, setup>

 

 

 感情豊かな電子音声が響き、次の瞬間には桜色の光の中からなのはが飛び出してくる。

 白を基調としたバリアジャケット姿のなのはは、靴に桜色の羽根を生やして一気に飛び立つ。

 

 

<Flier fin>

 

 

 距離はそんなに離れていない、むしろ近過ぎるくらいだ。

 だからなのはは、数分もしない内に現場に到着する。

 旅館の近くで発動した『ジュエルシード』と、そしてその傍にそれを鎮めたらしい魔導師の姿。

 金色に輝く髪に、黒衣の衣服に包まれて……『レイジングハート』に酷似した、漆黒の杖を持つ―――――少女。

 

 

 片手に輝く『ジュエルシード』を持った金色の髪の少女が、空を飛ぶなのはを認めて赤い瞳を細めた。

 その目からは、何の感情も読み取ることもできない。

 ただ、その小さく形の良い唇は言葉を紡ぐ。

 

 

「……あなたは」

 

 

 その声は、とても澄んで聞こえた。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

 林の中……池にかかった木造の橋の上。

 そこに敵性魔導師の姿を認めた瞬間、すかさずユーノは結界を張った。

 周囲の空間を本来の世界と少しだけ「ズラす」空間結界、現実であってそうではない空間を作る。

 

 

「……良い結界だ。優秀な使い魔を連れている」

「お褒めに預かり、どうも」

「と言うか、ユーノ君は使い魔じゃ無くてお友達なんだけど……」

 

 

 黒衣の少女に使い魔扱いされたことに若干ショックを受けていたユーノだが、直後のなのはの言葉で何とか持ち直す。

 少女の側は特に何を感じたわけでも無さそうだが、静かな瞳に微かな感情の揺れを見ることが出来た。

 おそらくは好意、なのはの言葉に何か共感を感じる部分があったらしい。

 

 

「そのロストロギアをどうするつもりだ、それは危険な物なんだ!」

「危険……そうだね、これは危険な物だと思う」

 

 

 少女は手の中で輝く宝石を見つめる、酷く不安定でありながら強大な魔力を秘めたロストロギアを。

 目的が無ければ、こんな不安定な代物を集めようとも思わなかったろう。

 だが集めなければならない、それが少女の現在の仕事(ねがい)なのだから。

 

 

 しかし少なくとも、所属も理由も明かさずに「危険だから渡して」と頼まれて「はい、わかりました」と言える程には、それは軽い目的でも願いでも無かった。

 そしてそれを、目の前の魔導師の少女(おそらくは、管理局側の魔導師)に説明する義理も無ければそのつもりも無い。

 

 

「……賭けて」

「へ?」

「……賭けて、ロストロギアを……『ジュエルシード』を一つずつ。それとも、持っていないの?」

「も、持ってるけど……」

 

 

 戸惑うなのはに、少女は漆黒の杖を向ける。

 黄色いコアを備えたその杖は、なのはの『レイジングハート』に良く似た「魔法の杖」だった。

 ただ『レイジングハート』よりもどこか無骨な造りになっていて、まるで戦斧のような形状をしている。

 そして少女の足元に輝くのは黄色い魔法陣、そこまで来ればなのはにもわかる。

 これは、決闘なのだと。

 

 

「えと……話し合いで何とかなることって、無い?」

「…………」

 

 

 なのはの言葉に、少女は答えない。

 もしここに少女の使い魔(かぞく)がいれば、口下手な少女に代わって二言三言喋ってくれるのだろうが。

 しかし今はいない、そしてこれは戦術でもある。

 相手の使い魔(友達らしいが)を含めて2対1の勝負になると、負けるとは言わずとも手古摺るかもしれない。

 

 

 だから、決闘を申し込む。

 受けてもらえれば相手の魔導師を全力で倒して『ジュエルシード』を貰い、帰る。

 受けてもらえなければ、その時は―――――。

 

 

「……わかった」

「なのは!?」

「ユーノ君、絶対手を出したらダメだよ」

 

 

 ほっ……人知れず、少女は胸を撫で下ろす。

 良かった、本当に良かったと思う。

 何故なら、相手がなのはだけであれば。

 

 

(怪我をさせずに、勝てる……)

 

 

 月村邸での戦闘では、電撃のスフィアで気絶させてしまった。

 あの時はなのはの実力がわからなかったから怪我をさせてしまったが、今なら相手の力量もわかっている。

 

 

 今のなのはの実力なら、自分なら、怪我をさせずに決闘に勝利できる。

 

 

 そう思って、少女は内心で安堵した。

 本当なら、戦ってまで奪いたいとは思わない。

 けれど今の自分には目的があり、それは話し合いなどで譲れる類の物では無かった。

 だから、せめて。

 

 

「……私が勝ったら、お話、させてね」

 

 

 せめて、怪我一つ無く帰してあげたかった。

 

 

「起きて、『バルディッシュ』……行くよ」

<Yes sir>

 

 

 漆黒の杖から電子音が響いた次の瞬間、黒衣の少女がなのはの視界から消える。

 比喩では無く、本当に消えた。

 そして気が付いた時には、漆黒の杖を振りかぶった少女が背後に―――――。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

 イオスが『ジュエルシード』の反応を感じ取ったのは、月が中天を超えた深夜だった。

 昼間から空腹に耐えながら探知魔法で探し続け、ようやく見つけたのが12時間以上経った後。

 非常に、効率が悪いと言わざるを得なかった。

 

 

 ロストロギア専用の機材があればともかく、1人の魔導師だけで探すとどうしてもそうなってしまうのである。

 その意味では、1人で6個を集めたなのはは異例と言える。

 もはや、行く先々でイベントが起こっていると言っても過言ではない。

 

 

「『テミス』、『ジュエルシード』封印」

<Sealing>

 

 

 なのはの『レイジングハート』に比べていささか機械的な電子音声が響き、水色の輝きがあたりを包み込んだ。

 イオスがいるのは、海鳴市の下水処理場の第2沈殿池だった。

 『ジュエルシード』は下水場の処理済みの水を巻き込みながら発動し、そこにイオスが駆け付けたのである。

 幸い反応槽やろ過施設、沈殿池に被害は無く、イオスはいろいろな意味でほっとしたのだった。

 

 

「……『テミス』!」

<Active protection>

 

 

 そしてその直後、見覚えのある電撃のスフィアが複数飛来してきた。

 すかさず防御魔法を展開し、スフィアを水色の防御壁で弾き散らす。

 イオスからすれば半ば予測できていたことだ、以前にも同じように妨害を受けたのだから。

 『ジュエルシード』が発動すれば、当然、向こうも来るだろうと。

 

 

「……そいつをこっちに寄こしなっ!」

 

 

 そして下水処理施設のタンクの上に視線を向ければ、そこにはやはりいつか見た女性の姿があった。

 タンクトップとハーフパンツと言う露出の高い衣服、燃えるような髪と瞳。

 腰に手を当てながらイオスを見下すその姿は、どこか高圧的な印象を受ける。

 

 

 しかし、以前は無かった物もある。

 それは額の赤い宝石であり、頭と腰の後ろにフワフワと生えた……。

 ―――――犬耳と尻尾。

 

 

「…………」

「ん? 何だいアンタ、人のことをジロジロ見て」

「……お、お前、まさか……!」

「うん? ああ、コレかい? もちろん自前さ、私は『使い魔』だからね」

 

 

 使い魔、魔導師の『使い魔』。

 魔導師によって造られた魔法生命体で、死亡する直前あるいは直後の動物に人造魂魄を与えることで作成することができる。

 マスターたる作成者の魔力を消費して生きるため、使い魔を持つことが魔導師のステータスの一つとまで言われている。

 

 

 そしてこの赤髪の女性は自らを使い魔だと明かした、耳や尻尾などの使い魔(あるいは生前の動物としての特徴)を隠さない方が高い能力を発揮できるからだろう。

 何より重要なのは、これだけ強力な使い魔を使役できる高ランク魔導師の存在がバックにあるだろうと言う可能性である。

 おそらく、なのはが会ったと言う金髪の魔導師の少女がマスターなのだろう。

 

 

「お前、お前……!」

「何だいさっきからそんなに驚いて、まさか管理局員のくせに使い魔を知らなか……」

「お前、犬か!?」

「……それ以外の何に見えるんだい?」

 

 

 不思議そうに首を傾げる犬耳の女性、尻尾を揺らすその姿は可愛くすらあった。

 しかしイオスは、自分の背筋にゾワリとした嫌な感触が伝わるのを感じた。

 額からは汗が噴き出し、無意識の内に一歩下がる。

 

 

 ……ここまでのイオスの反応で、察することが出来るかもしれない。

 そう、管理局の幹部候補生(キャリア)たるイオス・ティティア。

 新型デバイスの試験機を所持し、「流水」の魔力変換資質をも持つ魔導師。

 苦手なものは、まさかの犬である。

 イオスの脳裏には、幼い頃に大型犬に押しつぶされたあの日が――。

 

 

(いやいやいやいや、落ち着け、落ち着け俺。アレは犬じゃ無い、犬素体の使い魔、ほぼ人間みたいなもんだって。だから大丈夫、イケる、ほら見ろどっからどうみても人間に見えるじゃ……)

 

 

 自分にそう言い聞かせながら、イオスは赤髪の女性を凝視した。

 フワフワの犬耳が女性の美貌を柔らかい印象へと変え、フリフリと揺れるたっぷりの毛並みに覆われた尻尾がファンシーな印象を与えてくる。

 ……結論。

 

 

「……くっ……!」

「……まぁ、どうしてそんなに追い詰められた顔で私のことを見てんだか知らないけど、さぁっ!」

 

 

 ダンッ、とタンクをヘコませながら真っ直ぐに跳躍すると、赤髪の女性は拳を振り上げて飛びかかって来た。

 交渉の余地なし、もとより使い魔相手に交渉など無意味である。

 そして前回の戦闘から、『ジュエルシード』を奪い合う関係であることは変化していない。

 

 

 よって。

 イオスは「犬に対する苦手意識」を一時的に意識の外に叩き出して、結界を展開すると同時に鎖を擦れ合わせながら『テミス』を振るうのだった。

 

 

「さぁ、そいつを賭けて戦り合おうじゃないかい!!」

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

(ええい、面倒な戦い方をするねぇ!)

 

 

 犬素体の使い魔―――――アルフは、歯がみしながら胸の内だけで毒吐いた。

 ギシリと奥歯が鳴り、あらゆる角度から敵たる水色の髪の少年の身体を覆う鎖を睨む。

 流石に管理局の正規の魔導師だけあって、彼女の主人には及ばないものの強力な魔力を感じる。

 

 

 前回の戦いで自身の技「シールドブレイク」を見せてしまったためか、相手……イオスは魔法による防御を行おうとはしない。

 デバイスらしき鎖を自身の身体の周囲に高速回転させて盾とし、こちらの接近を阻んでいる。

 

 

<Chain protection>

 

 

 チェーン・プロテクション、見たままの技、おそらくは魔力による強化もされているのだろう。

 しかし退くわけにはいかない、今は自分と別れて別の『ジュエルシード』を回収に行っている主人のためにも。

 

 

「はっ、守ってばかりじゃ勝てないよ!」

 

 

 自身の周囲に展開した電撃のスフィアを複数放つアルフの得意魔法、『フォトンランサー・マルチショット』を撃ちながら、イオスを挑発する。

 魔導師では無い人間は勘違いをすることが多いが、デバイスはあくまでも補助機械である。

 それ故に、アルフのようにデバイスを持たずとも魔法の使用は可能だ。

 まぁ、それ以前にアルフは魔法生物だが……。

 

 

 アルフが放ったスフィアを認めるとイオスは一旦鎖の防御を解き、その場から大きく後退した。

 処理場の地面にスフィアが着弾して爆発を起こす、その爆煙の中にアルフは飛び込む。

 そしてそのまま突き抜けて、爆煙を抜けた時には姿が変わっている。

 それは、燃えるような赤い毛並みを持った巨大な犬だった。

 額の紅色の宝石が燃焼するように輝き、煙を引き裂くように貫いてきた鎖の先端を掻い潜る。

 

 

「スナイプ……ショット!」

<Spear snipe>

 

 

 右手の鎖を前方に放ちながら後退を続けていたイオスが、さらに左掌に生み出した水の槍を撃つ。

 しかしそれは外れる、何故なら目標の大きさを見誤っていたからだ。

 人間形態から獣形態への変化、使い魔ならば素体となった動物本来の姿になることができる。

 と言うより、人間形態の方が偽りの姿だとすら言える。

 だから、こちらがアルフの本来の姿だ。

 

 

『貰ったぁっ!!』

 

 

 アルフの思念が叫ぶ。

 噛みつけば人の首など軽々と噛み砕けるだろう口を大きく開き、鋭い牙を輝かせる。

 赤い獣が、水色の髪の少年に飛びかかる。

 一見、映画のワンシーンのようにも見える。

 

 

『なっ!?』

 

 

 しかし残念ながら、イオスは映画に登場する犠牲者役では無かった。

 アルフの顎が相手を喰い千切らんと閉じられた時、牙が閉じ合わされた音だけが響いた。

 そこにイオスはいない、水色の髪の魔導師はスライディング気味に跳躍したアルフの身体の下を潜り抜けていた。

 

 

 何事かと思えば、アルフの鋭敏な聴覚には鎖が激しく擦れ合うような音が聞こえた。

 見れば、アルフがかわした右腕の鎖がピンッと張っている。

 鎖の間を縫いとめるように何かが貫いており、それに引っ張られるようにして伸びているのだ。

 イオスの身体ごと。

 鎖の輪の間を貫きイオスを引っ張っているのは―――――水の槍。

 

 

『まさか、さっきのは私を狙ったんじゃなくて……ッ!?』

 

 

 地面に靴を擦る激しい音が響き、イオスの身体は完全にアルフの攻撃範囲から離れてしまう。

 そしてそのまま勢いに任せて滑り続け、左手で何かを掴んだ直後に跳び上がる。

 着地したイオスの手には、青く輝く『ジュエルシード』が握り締められていた。

 それを認識した時、アルフは吠えた。

 

 

『……アンタッ、どう言うつもりだい!?』

「くしっ……あ? 何がだよ」

 

 

 鼻を擦りながら顔を上げるイオスに、獣形態のアルフは思念を飛ばす。

 

 

『その『ジュエルシード』は、勝った方が取るんじゃないのかい!』

「はぁ? 俺はそんなもん了承した覚えはねーよ」

『なっ!?』

「たりめーだろ? 俺は管理局員だぜ、自分の名誉より任務達成を優先するっつーの」

 

 

 驚くアルフに、イオスは何かを堪えるような顔をしながら視線を向ける。

 そして、『ジュエルシード』を持っていない手の指を2本立てる。

 

 

「俺がお前と戦う理由は2つある、戦略目標と戦術目標って奴だな」

『2つ?』

「1つはお前を倒して、次元犯罪者として拘束することだ。これは言わなくてもわかるわな、じゃあもう1つの目標……戦略目標は何だと思う?」

『…………』

 

 

 答えないアルフに、イオスは初めて笑みを向ける。

 

 

「決まってる、『ジュエルシード』の確保だよ。これよりも優先することなんて何も無い」

 

 

 イオスは管理局員である、そして次元世界……今回の場合は第97管理外世界を守る義務がある。

 そのために何をすべきか? 決まっている、散逸したロストロギア『ジュエルシード』を回収して管理するべきだ。

 それを賭けの対象にするなどもっての他だし、加えて犯罪者との約束を守る義理はイオスには無い。

 

 

 だからたとえ卑怯だ卑劣だ臆病だと蔑まれようとも、イオスは『ジュエルシード』の回収を優先する。

 そう言う思考が出来るからこそ、9歳の男の子と女の子を民間協力者に仕立て上げられるのだから。

 そして逆に、ここで自分の魔導師としてのプライドを充足させるために戦うことこそ。

 それこそユーノとなのはへの背信だと、イオスには思えるのだった。

 

 

「俺は聖王教会の騎士団連中みたいに、騎士道精神なんてこれっぽっちも持ち合わせちゃいないんでね」

 

 

 『テミス』に『ジュエルシード』を収納しながら、イオスは意地悪そうに笑った。

 

 

「さぁ、どうする使い魔さん。俺としてはお前を捕縛するために戦っても良いけど……?」

 

 

 正直、使い魔を捕縛しても意味が無い。

 極端な話、マスターが魔力供給を断てば使い魔は死ぬ……効率的な証拠隠滅である。

 過去、そう言う犯罪者がいたことをイオスは知っている。

 今回がそうなるとは言えないが……。

 

 

『……くっ……覚えときなよっ!』

 

 

 少しの逡巡の後、アルフは後退を選択する。

 理由としては、これ以上戦っても『ジュエルシード』を得られる算段が無いこと。

 そして、優しい主人が念話で自分の身を案じていたのが大きかった。

 

 

 心に響くその声を求めるように遠吠えし、紅の獣はその場から消える。

 転移魔法、それも多重転移。

 魔導師が個人で追うには、なかなか難しそうだ。

 

 

「……アレのマスターね、もし本当にユーノの言ってた金髪の女の子とやらなら……とんだ天才だな」

 

 

 戦術目標の達成を諦めて、イオスは深々と溜息を吐いた。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

 海鳴市のとある高層マンション、その中の一室にほぼ同時に姿を現した1人と1匹がいた。

 すでに深夜という時間帯すら過ぎて、空が白み始めた時間だ。

 どちらも多重転移を繰り返し、追跡があっても振り切れるように考えてのことだった。

 

 

 しかしもちろん、多重転移を繰り返せばそれだけ消耗する。

 事実、少女も使い魔もどこか疲れた顔をしていた。

 加えて言えば、使い魔の紅の犬は尻尾を垂らしてどこか申し訳なさそうにしている。

 

 

『……ごめん、フェイト。『ジュエルシード』、取って来れなかったよ……』

「大丈夫だよアルフ、私が2つ取って来たから……これで、4つ」

『そうなのかい? 流石は私のご主人様だよ!』

 

 

 尻尾を振って称賛するアルフに小さく微笑みを返して、手の中の金色のプレートを見つめる。

 彼女のデバイス、『バルディッシュ』の待機形態だ。

 それを労うように指先で撫でて、フェイトは今夜の戦いを思い出す。

 

 

 純白の魔導師の女の子……「高町なのは」との戦いを。

 結果は今言った通り、フェイトの勝利だった。

 なのははフェイトの速度と技術にまるでついて来れなかった……なのはのデバイスが主人の敗北を察して『ジュエルシード』を独断で引き渡してくれた時には、本当にほっとした。

 そうでなければ、怪我をさせなければならなかったから。

 

 

『フェイト、休まないのかい? 私はもうお腹がペコペコだよ!』

「……うん、そうだね。何か残ってたかな……」

『ドッグフードって言うのかい? アレは美味しいねぇ~』

 

 

 とりあえず、食事だ。

 食事の後は少しだけ仮眠を取って、またすぐに『ジュエルシード』を探しに行かなければならない。

 何故なら、できるだけたくさん、それも可能な限り早く集めて持っていかなければならないから。

 だって……。

 

 

(母さんが、待ってる)

 

 

 だからフェイトは、負けるわけにはいかなかった。

 譲ることができなかった。

 たとえ、それで自分の身体が壊れてしまったとしても。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

「そうか、2つ持っていかれたか……」

『はい……それで、なのはが落ち込んじゃって……』

 

 

 ゆっくりと顔を出してきた太陽の光に目を細めながら、イオスは徹夜明けの頭を振って眠気を飛ばした。

 そして親指で瞼を揉みながら、ユーノとの念話を続ける。

 距離があるのであまり長い時間は出来ないが、お互いの魔力を完全に掴んだ今は以前と違って多少距離があっても念話は通じるようになっていた。

 

 

 そして今は、なのはは眠っていると言う。

 ただあの少女のことだから、起きた後も昨夜の戦いを思い出して落ち込むのだろうなとイオスは思う。

 運が良い、と思う。

 落ち込むことが出来る余裕があるなら、格上の魔導師と実戦の勝負で負けたにしては運が良い方だと思う。

 相手にその気があれば、その場で死んでいてもおかしくないのだから。

 

 

「向こうがいくつ集めてるか……今すぐじゃ無いにしても、どこかで決定的に衝突するよなぁ」

『はい……』

「まぁ、高町さんを励ますのは戻って来てからでも十分だろうし、それまではお前がケアしてやってくれよ」

『ケア……出来るかなぁ』

「お前が自信なくしてどーすんだよ。大丈夫だって、高町さんはお前のこと信頼してるんだから、男の子だろ?」

 

 

 なのはのサポート役を買って出ているユーノを励ましながら、イオス自身は徹夜明けと空腹と言う二重苦に苦しんでいた。

 『ジュエルシード』の封印と長時間探知、そしてアルフとの戦闘で魔力もそれなりに消耗している。

 つまり三重苦だ、イオス自身もそろそろ厳しくなってきていた。

 加えて言えば犬に会ったので四重苦である、いろいろ限界だった。

 

 

 しかも、なのはの所持していた『ジュエルシード』を1つ奪われた。

 昨夜発動した『ジュエルシード』2つは(向こうがグルだとして)1つずつ分けたので、合計すれば2対1。

 昨夜に限れば、こちらの負けだった。

 なのはとユーノの協力を得て手を増やそうとしたが、思ったよりも向こうが強い。

 

 

「……ま、とにかく休もう。寝てる間に良い考えが浮かぶかもしれないし」

『そう、ですね……じゃあ、また』

「おーう、気を付けてな」

 

 

 ユーノとの念話を切るのと同時に、イオスは手元の道具を放り投げた。

 そして、昨夜戻ってから延々と作っている小道具を掲げて見る。

 そこには、通常の『テミス』の鎖の10分の1程の極細の鎖が編まれていた。

 

 

 『テミス』の鎖はイオスの魔力が続く限りほぼ無限に伸びる(ほぼ、なので当然限界はあるが)、何故なら鎖自体がデバイスだからである。

 しかし極細のそれは、鎖と言うよりは糸のようにも見えた。

 

 

「……このまま補給無しじゃ、ジリ貧だもんなー……」

 

 

 ポツリと呟いた言葉には、どこか疲れが見えていた……。

 





後書きの形に苦しんでいます。
うーむ、どう言う形の後書きがこの物語にはふさわしいでしょうかね。
次回予告に重きを置くか、今回のお話を作る上で考えていたことなどをつるつらと書いてみるか。
それとも、別の何かを考えてみるか。


では次回、ジュエルシードの争奪戦がいよいよ激化します。
そして、また再び再会です。
と言うより、そろそろ無印編は後半戦ですね。
今月中には終わると良いのですが、来月には第二部に入りたいです。
では、失礼致します。

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